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世界耐久選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。

Rd.04 9月17-18日 フランス

RACE DATA

■開催日:2022年9月15-18日
■大会名称:世界耐久選手権 第4戦ボルドール24時間耐久レース
■開催地:フランス/ポール・リカール・サーキット(5.673km)

REPORT

100周年を迎えたボルドール24時間耐久レースでヤマハが1‐2フィニッシュ、YARTはリタイア

ボルドール24時間耐久レースの100周年記念大会において、ヤマハのYZF-R1を駆るViltais Racing Igol Teamと、Wojcik Racing EWC Teamが1‐2フィニッシュを達成。その一方でYART Yamaha Official EWC Teamは、スタートから3時間後にマシントラブルによりリタイアとなった。

1922年に第1回が開催され、100年目の今年で85回目を迎えたボルドール24時間耐久レースは、その名声に違わぬ劇的な展開となった。全長5.673kmのポール・リカール・サーキットで行われた世界耐久選手権の今季最終戦はエンジンに負担のかかるミストラル・ストレートと強風により消耗戦を強いられ、チャンピオン候補の多くが不運に見舞われた。

YARTは2番グリッドからスタート。24時間のなかで合計80ポイントが与えられる今大会で5チームがタイトルを争っており、YARTは33ポイント差でトップを追っていた。予選でトップタイムを記録したM・フリッツが第1スティントを担当したが、マシンに向かって走り寄り、発進させようとしたところでトラブルに見舞われてしまう。スタートしたときには大きく順位を下げていたものの、すぐさまアタックを開始して差を詰めていった。そしてスティント終了までに5番手まで挽回し、K・ハニカにマシンを託す頃には上位に数秒差と近づいた。

1時間後には早くも、わずか34ラップでチャンピオンシップ上位のチームがリタイア。これをチャンスと見たハニカは2番手に上がり、タイトル争いのライバル・チームとバトルを繰り広げた。このなかではミスをおかさず、しかもトップと同等のペースを維持することに努めながら、0.2秒差まで迫ってN・カネパに交代した。

カネパも好走を続けるなか、トップチームにトラブルが発生。これでトップに立ち、ここからアドバンテージを築いていった。この時点でYARTはレースをリードするとともにタイトル争いでも暫定トップに浮上。さらに2回目のスティントを迎えたフリッツもハイペースを維持し、2番手との差を30秒まで拡大した。

ところが、走行を終えてピットに戻って来たフリッツは、テクニカル・トラブルを感じたためピット内へとマシンを入れる。チームはすぐさま作業に取り掛かり、問題の修復を目指した。そして見事、息を吹き返したゼッケン7のR1は、ハニカにより39番手でコースに復帰。この間にトップからは100ラップ差をつけられていたが、できるだけ多くのポイントを獲得するため戦い続けた。

ハイペースで走行していたハニカだが、再びマシンを止めこととなった。チームが再度、全力で修復を試みたものの問題は解決されることはなく、YARTは104ラップでリタイア。同時に2009年以来となるEWCタイトルの獲得にも届かなかった。

2022シーズン、YARTは4戦中3戦でリタイアとなったが、第1戦ル・マンの2位表彰台獲得にも見られるように、そのハイペースは疑いようがなく、合計97ポイントを手中にしてランキング6位でシーズンを終了した。チームはすでに来季へと意識を向けており、2023シーズンはこれまで以上に強くなってサーキットに戻ってくることを決意している。

YARTがこのように残念な結果に終わった一方で、フランスに拠点を置くViltais Racing Igol TeamがEWC初優勝を達成。ライダーのF・アルト、E・ニゴン、S・オデンダールは合計718ラップを走行してゴールし、同時にランキング3位に浮上している。

彼らから1ラップ遅れて自己ベストタイの2位を獲得したのはWojcik Racing EWC TeamのD・リンフット、S・モライス、M・ギネス。この2チームは今大会で1‐2フィニッシュを成し遂げただけでなく、サテライトチーム・ランキングでもViltais Racingが合計88ポイントでトップ、Wojcik Racingが5.5ポイント差の2位を獲得している。

この結果、ヤマハは合計221ポイントを獲得し、ライバルに30ポイント以上の差をつけてコンストラクターズ・ランキングでトップ。またスーパーストック・クラスでは、Wojcik Racing SST TeamのK・マンフレディ、D・ウェブ、M・スコペックが3位を獲得して今季初表彰台。Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motostoreが17位でゴールして同クラスのチャンピオンに輝き、ヤマハもまたコンストラクターズ・タイトルを獲得してシーズンを終えた。

RESULT

TEAM RANKING

COMMENT

Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(DNF)

K・ハネカ選手談

「今の気持ちを言葉にするのは簡単ではありません。わずかしか走行できませんでしたが、とても順調でした。結果は非常に残念であり、このようなことは今季、初めてでしたが、序盤はリードして2位以下との差をしっかりコントロールできていたのです。とても気持ちよく乗れていましたし、エンジンの消耗を抑えるために限界まで攻めるようなこともありませんでした。そして予定より1ラップ多く走ることもできたのです。ここで暫定ランキングトップに立っていましたが、不運にもトラブルに見舞われてリタイアを余儀なくされました。好成績を期待できていましたし、タイトル獲得のチャンスも見えていただけに、チームとして非常に残念です。チーム全員がシーズンを通して素晴らしい仕事をしてくれたことに感謝しています。本来のペースとポテンシャルを結果に反映することはできませんでしたが、来季に向けてすでに動き始めています」

M・フリッツ選手談

「非常につらい結果だと言わざるを得ません。チームは今シーズン、レースウイークのたびに、テストのたびに、そしてオフシーズン中もハードワークを続け、私たちにタイトル獲得のチャンスを与えようと努力してくれました。マシンは大幅に改善され、タイトルを確実にするためにさまざまな新たな試みを行ってきましたが、決勝では、ただ運がありませんでした。トップチームの多くがトラブルを経験していて、その一方で私たちは、しっかりコントロールできていたのです。すでにエンジン・モードを切り替えて、マシンを温存するために無理なプッシュもしていなかったのですが、私が第2スティントを終えてピットの戻って来たときに何か不具合を感じました。そのためマシンをピットに入れなければなりませんでした。この結果を受け入れるのは簡単ではありませんが、私たちはすでに来年のことを考え始めており、これまで以上に強くなれると感じています。改善すべきところはわかっています。アクション開始が待ち遠しいです」

N・カネパ選手談

「受け入れがたい結果です。1時間はレースをリードし、ランキングでも暫定トップに立っていたにもかかわらず、物事は計画通りには進みませんでした。毎回、強さとハイペースを見せてきたのに、このような形でシーズンを終わることになり非常に残念です。過去の2戦はバッドラックがありましたが、それにもかかわらず依然としてEWCチャンピオンへの可能性を残していました。そして最高のポジションにつけていたのに、マシンに技術的問題が発生してしまったのです。オフシーズンの間にこれまでの問題を解決し、2023年はより一層、強くなって戻って来たいと思います。そしてグリッド上で最速のチームになるだけでなく、チェッカーフラッグを受けられるようにならなければなりません。これが耐久レースというものです。つまり、ペースだけを見れば毎回、表彰台に上っているはずですが、実際にはチャンスに見離されていました。シーズンを通して素晴らしい仕事を続けてくれたチームのみんなには感謝しています。来年はもっと強くなって、タイトルを目指して戦います」

M・カインズ、チーム・マネジャー談

「チャンピオン獲得のチャンスがあっただけに、この結果は受け入れがたいものです。チームはシーズンを通して懸命にハードワークに取り組んでおり、私は彼らひとりひとりを誇りに思っています。決勝ではチャンピオン争いのライバルチームがすべて、スタートでトラブルに見舞われました。そのなかで私たちは良いポジションにつけてリードを築いていたのですが、技術的な問題が発生してしまいました。必死で修復を目指し、もう一度コースに送り出すことができましたが、残念ながら、それも意図しない結果に終わってしまいました。これが耐久レースなのです。いくら速くても、完走できるとは限りません。それでも私はチームの仕事ぶりを誇りに思い、2023年に向けてすでに動き始めています。これまで以上に強くなって戻ってくる決意です」

Viltais Racing Igol Team(優勝)

Y・ルコット、チーム・マネジャー談

「何という素晴らしい気分でしょう! ウイークをスタートしたとき、私たちには何か特別なことができると宣言していました。チームの価値を尊重し、目の前の仕事に集中すれば、ポテンシャルを発揮することができるのです。ライダーたちを心から誇りに思います。チームスポーツですから、ライダー同士の結束や関係性は不可欠です。全員が懸命に仕事に取り組み、他のチームがトラブルに見舞われたときでも、私たちは自分たちの目標だけに集中して、1ラップ1ラップ周回を重ねていきました。彼らは一度もミスをおかしませんでした。EWC初優勝は本当に素晴らしい気分で、ランキング3位獲得によりチームの力を証明することができました。私たちはいつか世界チャンピオンになれると信じています。最高の形でシーズンを締めくくることができ、早くも2023年のスタートが待ち遠しい気持ちです」

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