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アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.03 8月12-14日 日本

RACE DATA

■大会名称:2022年 アジアロードレース選手権 第3戦日本
■カテゴリ:ASB1000、SS600、AP250
■会場:SUGO・インターナショナル・サーキット(3.621km)

【レース1】
■開催日:2022年8月13日(土)
■コースコンディション:ドライ/ウエット

ASB1000クラス
■周回数:10周
■PP: #73 Haruki Noguchi (1:28.369/Honda)
■FL: #27 Kasma Daniel Kasmayudin (1:29.326/Yamaha)

SS600クラス
■周回数:15周
■PP: #54 Kota Arakawa(1:30.618/Honda)
■FL: #54 Kota Arakawa(1:31.111/Honda)

AP250クラス
■周回数:12周
■PP: #123 Rheza Danica Ahrens(1:41.437/Honda)
■FL: #57 アルディー・スティア・マヒンドラ(1:56.440/Yamaha)

【レース2】
■開催日:2022年8月14日(日)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:18周
■PP: #73 Haruki Noguchi (1:28.369/Honda)
■FL: #27カスマ・ダニエル・カスマユディン (1:28.925/Yamaha)

SS600クラス
■周回数:15周
■PP: #54 Kota Arakawa(1:30.618/Honda)
■FL: #27Andi Farid Izdihar(1:30.674/Honda)

AP250クラス
■周回数:12周
■PP: #123 Rheza Danica Ahrens(1:41.437/Honda)
■FL: #57 アルディー・スティア・マヒンドラ(1:41.212/Yamaha)

REPORT

ASB1000

Race 1:カスマが3位表彰台を獲得、伊藤は7位

2019年6月、鈴鹿サーキットで開催されて以来となる日本ラウンドが、宮城県はスポーツランドSUGOに会場を移し、約3年ぶりに開催された。YAMAHA RACING TEAM ASEANにとってはマレーシアのセパンサーキットに続くホームレースということで、7月上旬に事前テストを行い今大会に臨んだ。

ウィークでは、#27カスマ・ダニエル・カスマユディン、#76伊藤勇樹はともに好調で、プラクティスを重ねるごとに確実にタイムを削り、カスマは予選で2番グリッドを獲得。伊藤は9番手・3列目で決勝へ臨んだ。

その決勝レース1は波乱の展開となり、4周目に2台が絡むクラッシュで赤旗が提示され、12周で再スタートとなった。しかしグリッド上でYamaha Thailand Racing Teamの#24アピワット・ウォンタナノンのマシンにトラブルが発覚して中断。10周の超スプリントレースとして仕切り直されることとなったのだ。

この再スタートでトップに立ったのが、ポールポジションスタートの#73 Haruki Noguchi(ホンダ)、これに#21 Md Zaqhwan Zaidi(ホンダ)が続いた。ヤマハ勢トップは#75前田恵助の3番手だったが、これを#500アヌパブ・サームーン(Yamaha Thailand Racing Team)とカスマがかわし3・4番手で1周目をクリア。伊藤はスタートで出遅れて11番手で1周目を終えた。

前半は、アヌパブがZaqhwanをプッシュ。これにカスマも続き、三つ巴のバトルへ。トップのNoguchiを逃がさないためにも、2人はテール・トゥ・ノーズに持ち込んだが、ライバルの巧みなブロックラインにより攻略できぬまま周回を重ねることとなった。そしてラスト2周でカスマがアヌパブを攻略し、そのままラストラップに入ったが、最後までZaqhwanをかわすことができず、カスマが3位、アヌパブが4位、そして前田が5位でチェッカーとなった。

スタートで大きく遅れた伊藤は3周目に10番手にするとそのままプッシュを続け、6周目には7番手まで挽回。しかし、ここから前のグループとの距離があったため追いつくことができず、そのまま7位でゴールした。

Race 2:カスマが激戦の末に2位、伊藤は今季初となる3位でダブルポディウム

YAMAHA RACING TEAM ASEANが、ホームレースで伊藤の復活とともに、ダブルポディウムという今季最高の結果を残すこととなった。

昨日のレース1、スタートでミスをしたカスマと伊藤。レース2ではそれぞれがきっちりとスタートをこなし、カスマは3番手、伊藤は7番手でレースをスタートした。カスマは、トップのNoguchiを逃さぬよう、すぐに前をいくZaqhwanに仕掛けて2番手へ。その後方は、4番手に前田、6番手にアピワット、7番手に伊藤、8番手にアヌパブが続いたが、こちらも順位がシャッフルされ、前田が後退し、4・5・6番手にアピワット、伊藤、アヌパブがつけた。

トップ争いは、Noguchiとカスマが3番手以下を引き離しながらマッチレースへ。カスマは序盤からテール・トゥ・ノーズで、積極的にプレッシャーをかけ続けるが、Noguchiのラップタイムが遅かったこともあり、レース中盤の9周目に、バックストレッチのブレーキングで先行しペースアップを図ったが、Noguchiも同様にペースを上げ、その後も付かず離れずこう着状態が続くこととなった。

その後方では、4番手のベテラン#35 Kosuke Akiyoshi(ホンダ)をアピワット、伊藤、アヌパブがパックとなってプッシュし、9周目にアピワットと伊藤が攻略して4・5番手に浮上すると、そのままZaqhwanを吸収し、さらに豊島も加え4台で3位争いを展開していった。

トップ争いは最終ラップにも連れ込み、カスマが最終シケインまでトップを守ったが、そこでNoguchiに逆転を許して、カスマは2位でフィニッシュ。3位争いも最終シケインで決着となり、Zaqhwanとアピワットが攻防を繰り広げる隙をついた伊藤が逆転し、今季初となる3位表彰台を獲得。カスマとのダブルポディウムを達成した。

SS600

Race 1:ガランが7位を獲得、ヤマハ最高位は阿部恵斗の3位

AP250のレース1で雨が降り、路面が乾き始めた直後のスタート進行となったSS600。その多くがスリックタイヤを選択して決勝に臨んだ。

迎えた決勝。ヤマハユーザーの阿部恵斗が3番手につけたほか、6番手に#56ラタポン・ウィライロー (YAMAHA Thailand Racing Team)、阿部真生騎が9番手、#55 ガラン・ヘンドラ・プラタマが10番手、#36 ムハマッド・ファエロズィは12番手につけ1周目を終えた。その直後に順位が変動、ラタポンは9番手に後退した他、阿部真生騎は10番手、ガランは11番手、ファエロズィは13番手と順位を落としてしまう。

この中で阿部恵斗がトップ3をキープ。前半は#27 Andi Farid Izdihar(ホンダ)と2位争いを展開しながら、トップの#54 Kota Arakawa(ホンダ)を約1秒差で追走。しかし、その距離が周を重ねるごとに拡大したことから2位争いに集中し、Izdiharとの差を0.5秒にキープしていたが徐々に離され、最終的には3位表彰台を獲得した。

一方後方では、ガランが順位をアップしラタポンをかわして9番手に浮上。さらに、9周目に8番手として2秒前の7番手を追ったが、オーバーランで後退して11番手へ。これでラタポンが9番手に浮上すると、上位の転倒などもあり7番手としたが、順位を落としていたガランが再び挽回して7位、ラタポンが8位、阿部真生騎が9位、ファエロズィは13位でチェッカーを受けた。

Race 2:阿部真生騎が6位、ガランが7位

オープニングラップ、ヤマハ勢トップは阿部真生騎の6番手、これに阿部恵斗が7番手、ガランは9番手、ラタポンは11番手、ファエロズィが13番手で続いた。この中で阿部圭斗がマシントラブルでリタイアとなったことで、それぞれがポジションをアップしレースを進めていった。

前半はトップ2台が逃げ、3台の第2グループが続き、6番手の阿部真生騎とガランが第3グループとし前の3台を追ったが、上位のペースが若干速く、差は縮まらない。

その後、レースの折り返しとなる7周目にガランが阿部真生騎を先行。さらに#44 Muklada Sarapuech(ホンダ)が第3グループに加わり順位を変動しながら、周回を重ねていった。

そして最終ラップ、上位のライダーが転倒したいことでそれぞれが順位を上げ5位を争いを展開したが、最後はライバルに5位を奪われ、阿部真生騎が6位、ガランが7位。11番手から挽回してきたラタポンは、ガランに続く8位でフィニッシュとなった。

AP250

Race 1:YAMAHA Racing Indonesiaのアンギーが今季最高の5位入賞

レース直前、突然の雨によりウエットコンディションとなったレース1。YAMAHA Racing Indonesiaは、ウエットタイヤを選択したが、一部のチームはドライタイヤで出場しており、この選択が明暗を分けることとなった。

#57アルディー・スティア・マヒンドラは、フリープラクティス中に左手親指を負傷し、ギブスのままつけられる特注のグローブで予選に出場。17番グリッドに並んだ。一方、チームメイトのアンギー・スティアワンは、9番手を獲得していたがインラップ中に転倒を喫し、スタートすることができなかった。

迎えた決勝、スタート進行中に弱まった雨が再び強くなり、ドライタイヤを選択したライダーはスローペースとなったほか、転倒が続出。一方で、17番グリッドからスタートしたアルディは、1周目のうちに6番手まで挽回。さらに2周目には5番手、4周目にはトップに3秒差の4番手と上位陣に接近していった。

そして6周目、アルディはファステストラップで一気に上位3台をかわしトップに浮上し、その勢いのまま2番手以下との差も拡大したが7周目に転倒。これでリタイアとなった。

Race 2:負傷中のアルディーが、逆転で自身初の2位表彰台

オープニングラップは、アンギーが7番手、アルディーが14番手。アンギーは序盤からチャージし、2周目に6番手、3周目には1分41秒806の自己ベストをでトップグループにつけると、5周目には3番手まで一気にポジションを上げて表彰台圏内に入ってきた。

ところがその後一気に6番手までポジションをダウンしてしまうがトップグループにとどまり、ライバルたちと順位を入れ替えながら、周回を重ねていった。

一方、負傷しながらもレースに出場したアルディーは、17番グリッドから2周目には11番手。さらに3周目には7番手とすると、トップグループに同等かそれ以上のペースで6番手までポジションを上げた。さらにプッシュし、ラスト2周となったところで1分41秒212のファステストラップをマーク。一気にトップグループに接近しチームメイトのアンギーの後方につけた。

そして迎えた最終ラップ。勝負は最終のシケインにもつれ混んだが、ここでアクシデントが発生。2・3番手が接触して転倒、さらにこのクラッシュにアンギーも巻き込まれてしまい3台が転倒することとなった。そしてその直後にいたアルディーはこの3台をかわして、最後の上りを駆け上がり2位でチェッカーを受けAP250では初となる表彰台を獲得した。転倒したアンギーは再スタートし、11位でゴールした。

UB150

Race 1:エイプリルが13位

10周によるレース。これまでのARRCにはない、大きな高低差のあるスポーツランドSUGOを誰が攻略し、混戦の中で勝ち切るのかが注目された。スタートでは20番グリッドの#43 エイプリル・キング・マスカルドが5つポジションをあげて15番手、#124ジアン・カルロ・マウリシオは16番手で1周目を終えた。

2周目を終えてエイプリルは13番手にあげ、トップとの差も約2秒差とするが、3周目以降はトップグループから離されて、第2グループを形成したが、徐々にトップグループから離されてしまう。

その後は、エイプリル、ジアンは13・14番手として周回を重ね、エイプリルは13位、ジアンは14位でフィニッシュとなった。なお12台によるトップ争いは、ヤマハを駆るインドネシアの#60 Wahyu Aji Trilaksanaが制して、今季初優勝を飾った。

Race 2:エイプリルが2位、自身初の表彰台を獲得

オープニングラップは、エイプリルがトップに約2秒差の12番手、ジアンはトップに約3秒差の14番手と、それぞれグリッドから順位をアップ。2周目に入るとエイプリルはトップグループに続く2番手グループに入り10番手。ジアンは14番手をキープしたが、3周目にトラブルで順位を落としてそのままピットに戻りリタイアとなった。

その後エイプリルは10番手をキープしていたが、トップグループと第2グループが一体になり、表彰台のチャンスが広がる。その後は、グループが一本の長いラインとなり、10番手から抜け出せなかったが、残り4周となったところで7番手に浮上した。

ラスト2周になったところでエイプリルは5番手につけたが、さらに順位を上げてラスト1周をトップで突入した。その後、5番手に順位を落としたが、10%の上り勾配からチェッカーまでのストレートでスピードを乗せ、ライバルを次々とかわして2位でチェッカー。エイプリルが自身初となるARRCでの表彰台を獲得した。

ASB1000 RESULT Race.1

ASB1000 RESULT Race.2

ASB1000 RIDERS RANKING

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

Race 1

ASB1000

YAMAHA RACING TEAM ASEAN

#27 カスマ・ダニエル ・カスマユディン(3位)

「初めてレースをするサーキットで表彰台に立つことができたのは嬉しかったのですが、優勝というチームの目標には届かず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。レースではスタートを失敗してしまいました。その後の追い上げは、ベストを尽くしていたのですが、このサーキットは小さくコーナーもタイトだったし、Zaqhwan選手のブロックも上手かったので、前に出ることができませんでした。明日のレース2は、スタートにフォーカスし、優勝を目指します」

#76 伊藤勇樹選手談(7位)

「スタートの失敗が大きく響きました。ほぼ最後尾あたりまで順位を落としそこからの追い上げとなりました。しかしこのサーキットの難しいのはオーバーテイクです。ライバルたちと大きな差があるわけではなく、幅もそれほど広くないことから、抜くのが非常に難しいのです。ただ、集団を抜けてクリアラップがとれてからは、トップ争いが可能なペースだったので、そこは自信として明日のレース2に臨みたいと思います。もちろん、スタートをしっかりと決めることが前提です」

Sean Wong Hong Siong監督談

「テストに参加したものの、カスマ選手にとっては初めてレースをするサーキットでしたが、見事に表彰台を獲得してくれました。しかし、スタートではミスをしていますし、Zaqhwan選手を攻略できなかったので、そこを改善していきたいと話し合っていきたと思います。伊藤選手は鈴鹿8耐に出場しており、そこで慣れない車両で走り込んだことで、大きな自信とともにこのSUGOに入ってくれました。ウィークも順調でしたが、ポイントはカスマ選手と同様にスタートでした。そこを改善できれば、マシンのセッティングや、タイヤライフも十分のため明日はさらに良いリザルトを獲得できると思います。明日の目標は、2人で表彰台に立つことです」

Race 2

ASB1000

YAMAHA RACING TEAM ASEAN

#27 カスマ・ダニエル・カスマユディン選手談(2位)

「最終ラップの最後のシケインで、Noguchi選手にかわされてしました。このコーナーは非常にタイトで、インを開けてしまった自分のミスです。今回は、Noguchi選手にしっかりとついていくことが重要でした。序盤に2番手に上がり、作戦通りでしたが、ラップタイムが想定より遅く、バイクも技術もアドバンテージがあると感じ、彼よりも速いペースで走れると考えたので、前に出るという決断をしたのです。残念ではありますが、自分もルーキーイヤーなので、決して落ち込むような結果ではないと思いますし、むしろ喜ばしい結果と受け止めています。サポートしてくれたヤマハ、チーム、家族、そしてファンの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。次回はホームレースとなるマレーシアです。必ずリベンジします」

#76 伊藤勇樹選手談(3位)

「昨日ミスをしたスタートは、無難にこなすことができました。レースが落ち着いてポジションが決まってからは、セッティングが決まりきっていなかったことで無理ができず、トップの2人に離され3位争いとなりました。転倒の可能性もありましたが、最後まで我慢しながらの走りでした。最終ラップのシケインは、アピワット選手がZaqhwan選手に仕掛けた際に、インにラインができてそこにマシンをねじ込み、うまく立ち上げて2人をかわすことができました。本当にチャンスが転がり込み、それをものにすることができたのが良かったですね。なかなか振るわず気持ち的に沈んでいましたが、ホームレースでチームや家族、ファンが支えてくれ、ようやく表彰台に立つことができました。自分たちがやってきたことが間違っていなかったことを証明できたので、この結果をバネに、さらに高みを目指していきたいと思います」

Sean Wong Hong Siong監督談

「まず、大きな障害となったスタートに関しては、完璧ではないものの、カスマ選手も伊藤選手も改善してくれました。それはリザルトが表している通りです。カスマ選手は、Noguchi選手に続く作戦でしたが、彼のペースが遅くカスマ選手の決断でかわしました。そして最終ラップまではパーフェクトでしたが、最後のセクター4でミスしてかわされ2位。伊藤選手は十分なパフォーマンスで表彰台を獲得し、自信を取り戻してくれたと思います。今回の結果については複雑な気分ですが、間違いなく言えるのはチームにとってのベストリザルトであり、十分に喜んで良い結果です。次回はホームレースです。当然、ダブルポディムを狙っていきます」

AP250

YAMAHA Racing Indonesia

#57 アルディー・スティア・マヒンドラ選手談(2位)

「何よりも初の表彰台獲得が嬉しく、このレースは決して忘れることができないと思います。金曜日に左手を負傷して痛みがあり、思うようにバイクをコントロールできませんでした。特にハードブレーキングのコーナーは厳しかったのです。それでも、表彰台を獲得できのは本当に驚きました。最後にライバルたちが転倒してラッキーな部分もありましたが、毎周、集中し安定したペースを意識して、マシンをプッシュし続けたことが良かったと思います。次回のマレーシアに向けては怪我を治して今度は勝ちたいと思います」

UB150

Uma Racing MMR Yamaha Philippine Racing Team

#43 エイプリル・キング・マスカルド(2位)

「まず、私をサポートしてくれるチーム、ヤマハ、そしてマシンを完璧に仕上げてくれたメカニックたちのハードワークに感謝します。今回、20番グリッドからのスタートでしたが、ポジティブな気持ちを持ち、決して諦めることなくチームの勝利のために走ったことが良かったのだと思います。次のマレーシアに向けては、さらにライディングスタイルやポジションなどを含めて改善して、再び表彰台に立ちたいと思います」

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