アジアロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.04 6月28-30日 日本
RACE DATA
■大会名称:2019アジアロードレース選手権第4戦日本
■カテゴリ:ASB1000、SS600、AP250、UB150
■会場:鈴鹿サーキット(5.821km)
【レース1】
■開催日:2019年6月29日(土)
■コースコンディション:ドライ
ASB1000クラス
■周回数:11周
■PP: #21 Md Zaqhwan Zaidi(2'09.718/Honda)
■FL: #23 Broc Parkes(2'09.756 /Yamaha)
SS600クラス
■周回数:10周
■PP: #26 Peerapong Boonlert(2'13.248/Yamaha)
■FL: #22 Soichiro Minamimoto(2'13.418/Yamaha)
AP250クラス
■周回数:8周
■PP: #911 Rafid Topan Sucipto (2'28.714/Honda)
■FL: #108 Andy Muhammad Fadly (2'28.876/Kawasaki)
【レース2】
■開催日:2019年6月30日(日)
■コースコンディション:ウエット
ASB1000クラス
■周回数:11周
■PP: #21 Md Zaqhwan Zaidi(2'09.718/Honda)
■FL: #23 Broc Parkes(2'25.025 /Yamaha)
SS600クラス
■周回数:5周
■PP: #26 Peerapong Boonlert(2'13.248 /Yamaha)
■FL: #57 Kyosuke Okuda(2'25.553/Kawasaki)
AP250クラス
■周回数:8周
■PP: #911 Rafid Topan Sucipto (2'28.714/Honda)
■FL: #188 Piyawat Patoomyos (2'41.271/Honda)
REPORT
ASB1000
Race 1:パークスが今季2勝目を獲得、伊藤は6位入賞
Yamaha Racing Team ASEANの#23 ブロック・パークスが様々なアクシデントをはねのけて、ライバルたちとのバトルを制し今季2勝目を飾った。
パークスの不運のはじまりは予選だった。終盤のアタック中に転倒しマシンが大破。わずかな時間でチームがこれを修復する緊急事態に見舞われる。マシンはなんとか間に合うもマシンチェックができなままグリッドに並ぶ自体に。しかしそれを跳ね返して好スタートを切り、#21 Md Zaqhwan Zaidi(ホンダ)、#25 Azlan Shah Kamaruzaman(BMW)に続く3番手に。しかし2周目にオーバーランで後退。これでパークスは#24アピワット・ウォンタナノン、#60 Bryan Staring(カワサキ)、#56ラタポン・ウィライローに続く6番手で3周目に入る。
しかしここからすぐさま反撃。5周目にファステストを刻み5番手、6周目の第1コーナーでStaringのオーバーテイクを決め、同周にアピワットを捉え3番手。さらに7周目にKamaruzamanを抜いて2番手とすると、すぐZaidiの背後に迫り8周目の1コーナーでトップに浮上する。
ところがその直後、2回目のオーバーランが発生。これでZaidiにかわされるが、今度はそのZaidiにミスが発生しトップを奪い返すと、ここでスパートして一気に後方を引き離し最後は独走でチェッカーを受け今季2勝目を飾った。
チームメイトの#76伊藤勇樹もビッグトラブルに見舞われていた。ウィーク初日、FP2の転倒で左足首を痛めてしまったのだ。それでも地元日本でのレースであることが伊藤を突き動かした。満身創痍の状態ながら出場を決断。予選を9番手としレース1に臨んだ。
1周目はポジションキープにとどまったが、2周目から追い上げに転じて7番手とすると、4周目には自己ベストで6番手に。さらにトップグループより速いペースで追い上げ5番手のStaringに迫った。その後は一歩が踏み出せないまま最終ラップに入るが、ここで最後の力を振り絞る。最終的には届かなかったもののマシンをプッシュし0.06秒差で6位入賞、貴重なポイント獲得を実現した。
表彰圏内でレースを進めたアピワットは終盤を3番手で迎えたが、ラスト1周でZaidiバトルとなりこれに敗れて4位。予選が好調だったウィライローはスタートで後退、最終的には7位でフィニッシュとなっている。
Race 2:中冨、パークス、伊藤のヤマハライダー3人が表彰台を独占!
豪雨によるSS600の中断からのリスタートにより、1時間以上の遅れでスタートしたレース2。雨は止んだもののフルウエットのでレースが行われ、ベテランの#85中冨伸一、パークス、そして左足を怪我し満身創痍の伊藤という3人のヤマハライダーがバトルを繰り広げ表彰台を独占した。
1周目は、ウィライロー、Zaidi、中冨、パークス、そして伊藤というオーダー。この中で伊藤が早々に順位を落としていたザクワン、さらにチームメイトのパークスをもかわして3番手に浮上。ヤマハ勢がトップ4を独占する。
その序盤はラタポンと中冨、伊藤とパークスのバトルとなるが再びレースは動き、中冨と伊藤がウィライローをかわし、さらに伊藤は怪我の影響を感じさせない攻めの走りで中冨の背後に迫りトップを奪う。しかし後半に入って中冨が再逆転すると、これを合図にウィライロー、パークスがトップ2に接近、再び4台でのバトルとなる。
緊迫した状況の中、まずウィライローがミスにより脱落し、中冨、伊藤、パークスに絞られた。そしてラスト2周、逃げる中冨に対してパークスが伊藤に仕掛けるが伊藤がこれを死守。しかしラストラップに入るとすでに体が限界に達していた伊藤をパークスがオーバーテイク。さらにパークスは中冨を追ったが届かず、中冨が優勝、これにパークス、伊藤が続いてチャッカーを受けヤマハが表彰台を独占した。なお、トップグループから遅れたもののウィライローが今季最高の4位、アピワットはウエットの路面に苦戦し8位でゴールした。
SS600
Race 1:R6ライダーの南本、カスマユディン、ブーンレットが表彰台独占!
2016年、2017年とYamaha VR46 Master Campに参加した3人がARRCの舞台で躍動した。まず予選ではYamaha Thailand Racing Teamの#26ピラポン・ブーンレットがポールポジション。ワイルドカード参戦の#22南本宗一郎が2番手、#127カスマ・ダニエル・ビン・カスマユディン(Hong Leong Yamaha Malaysia)が3番手とフロントローを独占し、レースでもこの3人が優勝争いを展開した。
序盤は#26ピラポン・ブーンレットがホールショットでトップに立ち、カスマユディンが2番手。2番グリッドからスタートした南本は、スタートでのウィリーが響きポジションを落とすが1周目に3番手まで挽回。その後は3台が同様のペースだったことから動きのないまま周回を重ねていくこととなった。
レースが動き出したのは後半に入って。7周目、カスマユディンがその口火を切りブーンレットのテールを掴み並びかける。このバトルの間に南本がコンマ5秒まで迫り三つ巴のバトルがスタート。まずカスマユディンが仕掛けトップに浮上すると、ここまで盤石だったブーンレットにミスが発生し南本が2番手に浮上する。さらに南本は最終のシケインでカスマユディンも捉えてトップを奪うとこれで勝負が決した。南本が後方との差を築いて優勝、2位にカスマユディン、3位にブーンレット。イタリアの地でMaster Campに学び、それぞれが独自の道を歩んできたが再び合間見え、ARRCで表彰台を独占して大きな成長を見せたのだった。
Race 2:ブーンレットが5周のスプリントレースを制し今季7勝目
午後から降り出した雨がちょうど力を増してきたSS600のレース2。ホールショットはリベンジに燃えるブーンレット。これにカスマユディンが続くがこの1周目に順位が変更。トップはブーンレットだったが、ライバル2台を挟んで南本が4番手、#50 アハマド・アフィフ・アムランが5番手、カスマユディンが6番手で2周目に入る。しかし急激に雨が強くなって一気にコンディションが悪化。同じポイントで3台が立て続けに転倒するなど危険な状態になったため赤旗が提示されてレースは中断される。
数十分の中断の後、天候が回復傾向を示すと、5周という超スプリント仕様で再スタートが決定。転倒したライダーも含め、全員が再びグリッドに並びスタートが切られた。
5周となりスタートが重要になる中、再びブーンレットがホールショット、南本が2番手、その後方にはワイルドカード参戦の日本人ライダー2人が入りカスマユディン、アムランが続いた。トップ争いはブーンレットがスリッピーな路面にもかかわらずハイペースで逃げるが、#52Kyosuke Okudaが南本をかわし2番手に浮上すると、ブーンレットを上回るペースで接近する。
これに対しブーンレットもペースアップを図り対抗するもOkudaを振りきれず僅かコンマ2秒差でラストラップへ。それでもブーンレットが最後までOkudaを抑え切って今季7勝目、4大会8レース連続での表彰台を獲得した。また3位には南本が入り連続表彰台。カスマユディンは4位、アムランは転倒によりリタイアとなった。
AP250
Race 1:R25ユーザーのRatukoreが3位表彰台、ファエロズィは9位
YAMAHA Racing Indonesiaの#36 ムハマッド・ファエロズィが予選で4番手・セカンドローを獲得するも決勝では9位でフィニッシュ。同じく上位グループにつけたR25ユーザの#222 Reynaldo Chrisantho Ratukore(ONEXOX TKKR SAG Racing Team)がバトルに競り勝ち3位表彰台を獲得した。
スタート直後、4番手とするもポジションを落として6番手で1周目を終えたファエロズィは、#108 Andy Muhammad Fadlyが序盤からトップを独走する中、セカンドグループにポジションをキープ。その後は激しい抜き差しが繰り返される中でポジションを上げることができずラストラップを10番手で迎えた。ここで猛追をかけたファエロズィだったが、1つ順位を上げるにとどまり9位でレースを終えた。
一方、ファエロズィとともに序盤からセカンドグループで争ったRatukoreは、最終ラップを6番手で迎えたが、そこから順位を一気に上げ3位でチェッカー。今季初の表彰台を獲得した。
なお、ファエロズィのチームメイトである#96 アンギー・スティアワンは16位。Yamaha Thailand Racing Teamの#56 サワポル・ニンラポンは21位、#86 スッティパット・パッチャリートは転倒リタイアとなった。
Race 2:雨中のレースでニンラポンが5位入賞!
ウエットコンディションとなったレース2は荒れたレースとなったが、Yamaha Thailand Racing Teamのルーキであるニンラポンが健闘、自己最高となる5位入賞を果たした。
レースはファエロズィ4番グリッドから好スタートを切って2番手で1周目を通過。2周目には4番手とするも表彰台を視野に序盤を終えるも、3周目に転倒しリタイアとなってしまう。
一方、23番グリッドからスタートした#56ニンラポンは、上位陣が次々と脱落していったこともあったが、難しいウエットをものともせずポジションをアップ。3周目には2台のトップグループに続く4台の3位グループに入り、小競り合いを繰り返しつつ表彰台も視野にレースを進めていく。
そしてラスト2周になったところで2番手のライバルが転倒。これでニンラポンは4番手でファイナルラップに突入し表彰台を目指してマシンをプッシュする。しかしライバルもアタックで若干のタイムロスもあり後退。それでも最後まで可能性を信じて攻め続け、ヤマハ勢でトップ、自身最高となる5位でチェッカーを受けた。また、#96 アンギーは11位、#86 パッチャリートは13位となった。
UB150
Race 1:ヤマハユーザーが表彰台を独占
YAMAHA Racing Indonesiaの#570アルディー・サティア・マヘンドラが1周目をトップ。チームメイトの#89ワヒュー・ヌゴロホも上位につけたが、2周目に入ると一気に順位が変動。いつものように大集団のトップグループが形成されレースが展開された。この中で、#ワヒューは後退、マヘンドラも順位を下げ終盤にリタイアとなってしまう。
変わってUMA RACING YAMAHA PHILIPPINES TEAMの#123マッキンリー・カイル・パスが上位に食い込んだが、そのパスも5周目に戦線を離脱。これでトップグループに残ったのはパスのチームメイトである#17マサト・フェルナンドのみ。そのマサトもラストラップの最終シケインで勝負に出るが、ここでライバルと接触。再スタートを切ったものの14位でレースを終えた。またヌゴロホは16位でチェッカーとなった。なお表彰台は、最後の攻防で抜け出したインドネシアのヤマハユーザーたちが独占した。
Race 2:13歳のニューヒーローが誕生、インドネシアのアルディーが初優勝
雨が降りウエットコンディションの中、オイル漏れの影響でレースがディレイ。1周少ない5周でのレースとなったUB150。この中で#89ワヒューとチームメイトの#570アルディーが上位でスタート。さらにフィリピンのマッキンリーもこれに加わり、6〜7台のトップグループが作られる。
しかしウエットコンディションの中で、次々とアクシデントが発生しワヒューも転倒で脱落。さらにマッキンリーもトップグループから後退し、アルディーのみが4台のトップグループに残りレースを展開していく。そしてトップでラスト1周に突入。ここから激しい優勝争いを繰り広げ、最後の難関、レースを決定づけてきたシケインをトップで通過すると、そのまま最終コーナーを立ち上がってフィニッシュ。ARRCルーキーが先輩たちを抑えて初優勝。13歳小さなニューヒーローが誕生した。
次回、第5戦中国ラウンドは8月9日から11日、珠海サーキットで開催される。
ASB1000 RESULT Race.1
ASB1000 RESULT Race.2
ASB1000 RIDERS RANKING
SS600 RESULT Race.1
SS600 RESULT Race.2
SS600 RIDERS RANKING
AP250 RESULT Race.1
AP250 RESULT Race.2
AP250 RIDERS RANKING
COMMENT
Race1
YAMAHA RACING TEAM ASEAN
#23ブロック・パークス(ASB1000:優勝)
「予選の終盤でした。タイヤ、マシンのフィーリングがよく、とても速かったので、力が入りすぎてフロントから転倒してしまいました。この時マシンは壁にぶつかり大破。メカニックには大きな迷惑をかけることになり申し訳なく思うと同時に、短い時間でリカバリーしてくれたことに本当に感謝しています。結果を見てもらえればわかる通り、若干のトラブルはありましたが、レースで十分な状態で走らせることができました。レースはここまでで最高の内容になりましたが、これに満足せず、明日も勝利することが目標です。やはり今日の感じだと全日本など鈴鹿を走り慣れているザクワン選手がライバルになってくるでしょうが、マシンの状態がとてもよいので勝つことができると信じています」
#76伊藤勇樹(ASB1000:6位)
「怪我(左足首)の状態は厳しいことはわかっていたのですが、地元日本でノーポイントというのは自分でも許せないし、何よりも応援してくれているファンの皆さんに顔向けできないという思いから出場しようと考えました。それでもFP3の走りはじめは無理かもしれないと思ったのですが、周を重ねるごとに足も動いてきてタイムもよかったし、シフト操作も工夫することで解決し出場を決断しました。レースは無理できない中で、前のライダーの観察し、自分の体と相談しながら冷静に走れました。結果は6位と予選から3つポジションを上げましたが、スターリング選手を抜きにいって抜けなかったので、納得はできていません。そこには体の問題だけではない理由もあるので、それは明日に向けての課題になります。そのレース2は、無理できない状況ですが、トップが見えているので表彰台を目指してがんばります」
倉田幸彦チームマネージャー
「今日までいろいろなことが起こり、バタバタとした状態でレース1に臨むこととなりました。こうした中、ライダー、チームともに最大限の力を発揮してくれたことがこの成績につながったのだと思います。まずパークス選手は予選の最後にタイヤを変え攻めた結果、大きな転倒がありました。問題は修復したマシンを十分にチェックできないままレースに使用しなければならなかったことでしたが、メカニックの努力もありレースではバトルして優勝でき、チャンピオンシップを含め非常に大きな成果を得られました。伊藤選手はFP2で転倒し怪我を負い、それが思った以上にひどい状態で欠場も考えましたが、ポイントを少しでも取りたいという本人の強い意志を尊重し出場を決めました。結果は6位ですが、状態を考えれば本当にすばらしいもので満足しています。レース2に向けてはそれぞれ課題は見えているので、そこを克服し明日も好成績を狙っていきますので、応援のほどよろしくお願いいたします」
Hong Leong Yamaha Malaysia
#127カスマ・ダニエル・ビン・カスマユディン(SS600:2位)
「2位というリザルトにはとても満足しています。なぜならば、とても難しい鈴鹿サーキットで初めて表彰台に立つことができたし、また来年もこの経験が生きてくるからです。ピラポン選手も南本選手も非常によいライダーで、さらに南本選手はここがホームコースであり、ピラポン選手も4耐など多くの走行経験があります。僕も走行の経験はありますが、決してよいタイムではありませんでした。だから彼らについていくことでよい走りができ、表彰台に立てたのだと思います。今日は南本選手もピラポン選手もミスがあり勝つチャンスがあったのですが、そのチャンスを生かせませんでした。明日は何としても勝ちたいと思います」
Yamaha Thailand Racing Team
#26ピラポン・ブーンレット(SS600:3位)
「今回は勝つことはできず悔しさはありますが、新しい経験ができたことをうれしく思います。サスペンションはとても重要なものですが、今回は過去3戦で使用してきたリアサスペンションとは異なるものに変更しました。なぜなら、新しいライディングスタイルへの変更にチャレンジしたからです。鈴鹿は最も難しいサーキットの一つでありここでトライする必要があると考えたのです。実際まだ十分な状態ではありませんが、今回カスマ選手や南本選手の走りを見ることができそれも含めて参考にしながら、しっかりとセッティングを詰めて明日は勝負して勝ちたいと思います」
Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support
「今回は連勝がストップしてしまいましたが、これがモータースポーツ。勝つこともあれば負けることもあるのです。ピラポン選手にはよい経験となったことでしょう。今回は日本のライダーがワイルドカード参戦しており、特に南本選手はとても速かったですし、カスマ選手もまた強く、これまで以上に難しいレースでした。こうした状況の中、チームとしては明日に向け今日のデータをしっかり分析し、ピラポン選手がレース2に自信を持って臨めるように準備していきます」
Race 2
YAMAHA RACING TEAM ASEAN
#23ブロック・パークス(ASB1000:2位)
「昨日は小さいメカニカルトラブルがありましたが、それが完全に修復できている状況ではなかったので、序盤の3周はそれを確認しながらも走行になりました。正直にいえばやはり完全ではなかったのですが、戦う準備はできているとわかりました。レースでは伊藤選手、そして中冨選手が非常に速く、自分はラタポン選手の後方で走る時間が長くなってしまいましたが、彼をパスしてからは上向きプッシュをスタート。ただ優勝するには遅すぎました。終盤の伊藤選手とのバトルは、とても難しかったですね。やはりチームメイトであるし、彼自身が速かったから。しかしタイヤのスピンが見えていたのでいけると思ったし、実際にかわせたことはよかったです。2位はとてもポジティブで、チャンピオンシップのライバルは下位だったからです。次回も勝利を重ねチャンピオンに向けて突き進みます」
#76伊藤勇樹(ASB1000:3位)
「足の怪我もありウエットでのレースが負担のかからないこともありチャンスだと思っていました。序盤はトップ争いにいようと持っていましたが、あれだけ早くポジションを上げられるとは思っていませんでした。2番手で中冨選手の後方についてからは、ラップタイムが僕の方が速く後方からライバルが追ってきていることもわかったので、引っ張るつもりで前に出ました。しかしトップに立ってから足に痛みが出はじめペースが乱れて順位を落とし、自分が速かったコーナーでも離されはじめました。さらにパークス選手に追われ、それを抑えることも抜き返す力もなく、表彰台に立つことを最優先に走りました。欲をいえば優勝したかったので悔しさはありましたが、怪我がある中でベストを尽くしたという満足感もあります。次回の中国ラウンドは後半の流れをつかめるレースにしたいと思います」
倉田幸彦チームマネージャー
「今日は2人ともに本当にすばらしいレースをしてくれました。まず伊藤選手ですが、チームがどうすればベストな状態で戦えるかを考えレースに臨んだこと。それに伊藤選手の勝ちたいという強い意志が重なってこの成績につながったのだと思います。ポイントが取れればよいという状況で、私自身も驚いています。ブロック選手ですが、昨日、若干のメカニカルトラブルがありました。完全ではありませんがよい方向に修復して臨むことができ、結果は2位。優勝した中冨選手がワイルドカードということでレギュラーライダーではトップの成績であり、ランキングでもライバルとの差を開き、チャンピオンに向けて大きな一歩になったと思います。次回のサーキットは2人ともに走行経験があるので、しっかりとポイントを重ねていくだけです」
Yamaha Thailand Racing Team
#26ピラポン・ブーンレット(SS600:優勝)
「昨日はとても残念な結果だったので、再びポディウムの真ん中に戻ってくることができてとてもうれしく思います。今日はヘビーウエットでのレースとなり、とても難しいコンディションだったのですが、幸い過去の鈴鹿4耐でウエットを走った経験も持っていたので、それを活かすことができました。決勝は再レースとなり5周で争われたのですが、自分にとっては非常に長く感じました。日本のライダーがとても速く常にプッシュしなければならなかったからです。その中で勝てたことはとても大きなことだと思います。次のレースに向けてはベースセッティングをさらに向上しより強くなって勝利を重ねたいと思います」
Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support
「再び表彰台の真ん中に戻ってきました。連勝は昨日ストップしましたが表彰台の獲得は8レース連続、優勝は7回目。本当にすばらしい成績です。今日はウエットで難しいコンディションでしたが、ピラポン選手は昨日の敗戦から立ち直りベストな走りをしてくれました。朝のウォームアップでリアサスのセッティングを調整、そこからウエットレースに向け微調整を入れ自信を持って臨みました。雨が激しく一度中断となりましたがしっかり集中。日本のライダーがとても速かったのですが、ピラポンも2年前に鈴鹿4耐でウエットの経験をしていることが助けになり、優勝しました。次回も今回のような戦いを続けていくだけ、これからも勝利を重ねていけるよう最善を尽くします」
Yamaha Racing Indonesia
アルディー・サティア・マヘンドラ(UB150:優勝)
「初優勝できて、本当にとてもうれしかったです。コンディションもウエットになって難しかったですし、レースもライバルがとても強くバトルも大変でした。でも表彰台に立ちたい気持ちをしっかり持って走り優勝できました。次の中国ラウンドでは、今日できたことを繰り返すことが大切です。そしてもう一度に表彰台に立ちたいです」
ワヒュー・ルスマヤディチームマネージャー
「アルディーの勝利は、YAMAHA Racing Indonesiaにとって今シーズン初の優勝であり、とてもうれしく思います。特にアルディーやチームの努力、そして多くのスポンサーの皆さんに感謝します。昨日レースを終えてから、チーム、メカニック、そしてライダーみんなんで最適なセッティングを探し、それが優勝につながったのだと思います。次回の中国ラウンドでもチームとしてポイントをしっかりと獲得しランキングでもステップアップしていくことを目指して全力でがんばります」