本文へ進みます

アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.02 4月25-28日 オーストラリア

RACE DATA

■大会名称:2019アジアロードレース選手権第2戦オーストラリア
■カテゴリ:ASB1000、SS600、AP250
■会場:ベンド・モータースポーツ・パーク(4.95km)

【レース1】
■開催日:2019年4月27日(土)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:12周
■PP: #23 Broc Parkes(1'52.581/Yamaha)
■FL: #23 Broc Parkes(1'53.194 /Yamaha)

SS600クラス
■周回数:10周
■PP: #66 Muhamad Adam Mohd. Norrodin(1'56.580/Yamaha)
■FL: #26 Peerapong Boonlert(1'56.946 /Yamaha)

AP250クラス
■周回数:9周
■PP: #108 Andy Muhammad Fadly(2'08.626/Kawasaki)
■FL: #108 Andy Muhammad Fadly(2:07.249 /Kawasaki)

【レース2】
■開催日:2019年4月28日(日)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:12周
■PP: #23 Broc Parkes(1'52.581/Yamaha)
■FL: #23 Broc Parkes(1'53.622 /Yamaha)

SS600クラス
■周回数:10周
■PP: #66 Muhamad Adam Mohd. Norrodin(1'56.580/Yamaha)
■FL: #66 Muhammad Ibrahim Md Norrodin(1'56.791/Yamaha)

AP250クラス
■周回数:9周
■PP: #108 Andy Muhammad Fadly(2'08.626/Kawasaki)
■FL: #44 Muklada Sarapuech(2'07.170/Honda)

REPORT

ASB1000:パークスがレース2で初優勝! 伊藤は両レースで3位表彰台を獲得!

2019シーズンの第2戦オーストラリア大会がベント・モータースポーツ・パークで開催され、YAMAHA RACING TEAM ASEANの#23ブロック・パークスと#76伊藤勇樹が大活躍。#23 パークスがレース1で2位表彰台を獲得すると、レース2ではARRCで自身初の優勝を達成。またチームメイトの#76伊藤もこれに負けず両レースともに3位とし、2レース連続でダブル表彰台を獲得した。

Race 1:パークスが2位、伊藤が3位でダブル表彰台を獲得!

YAMAHA RACING TEAM ASEANの#23ブロック・パークスにとってホームレースとなる今大会。先週の世界耐久選手権の第2戦ル・マン24時間の疲れを感じさせることなく、初日から順調にウィークを進め予選では1分52秒台に入れてポールポジションを獲得。チームメイトの#76伊藤勇樹も、昨年優勝を遂げた思い出のサーキットで順調にウィークを進め、フリープラクティスから予選までの全セッションで4番手となったが、着実にタイムを伸ばしており表彰台を視野にレースに臨んだ。

#23 パークスは順調にスタートを切り、1周目を同じく地元の#60 Bryan Staring(カワサキ)に譲るも、2周目にはトップに浮上する。レースは序盤から地元の#23 パークスと#60 Staringがハイペースで後方を引き離しマッチレースとなる。

#23 パークスは序盤、1分53秒台の早いペースでレースを進め約1.5秒ものギャップを築くがライバルも挽回。中盤に入ると2人の差は1秒を切る超接近となり、8周目、ついに先行を許してしまう。それでも懸命に追いかけた#23 パークスだったが、タイヤの消耗もあり終盤での勝負こそできなっかったものの今季最高となる2位表彰台でレースを終えた。

一方後方の3位グループも激しいバトルが展開された。#21 Md Zaqhwan Zaidi(ホンダ)を先頭に、Yamaha Thailand Racing Teamの#24アピワット・ウォンタナノン、#25 Azlan Shah Kamaruzaman(BMW)、#76 伊藤、Yamaha Thailand Racing Teamの#56ラタポン・ウィライローが続く。この中でまず#56 ウィライローが後退。続いて4番手の#24ウォンタナノンはペースを乱して後退したが、#76 伊藤は安定したペースを刻み#25 Kamaruzamanを7周目に捉えて4番手に浮上すると約2秒前を走る#21 Zaidiの追撃を開始する。

すぐにはその差が縮まらなかったが、徐々に差を詰めると最終ラップにはついにそのテールを掴む。そして最後2つのコーナーで勝負。インを差して前に出ると最終コーナーも抑え切ってチェッカー。開幕戦のレース2に続き連続表彰台とし#23 パークスとのダブル表彰台を獲得した。#24ウォンタナノンは6位、#56ウィライローは7位となった。

Race 2:パークスが初優勝! 伊藤は3レース連続の3位表彰台

YAMAHA RACING TEAM ASEANの#23 パークスがレース1と同様、#60 Staringとのマッチレースでリベンジを果たし、ヤマハにとってASB1000での初優勝を達成した。レースは#60 Staring、#24ウォンタナノン、そして#23 パークスがトップスグループを形成してスタートしたが、すぐに#23 パークスが動き2番手に浮上するとトップを行くライバルのテールにピタリと張り付き、後方を引き離しながら、コンマ数秒差で周回を重ね、そのまま終盤まで膠着状態が続く。

そして#23 パークスが動いたのは終盤。10周目にアタックして#60 Staringをかわしてトップに浮上。その後もライバルの追撃を寄せ付けずチェッカーを受けると、自身初、ヤマハにとっても初となるASB1000優勝を達成した。これで両レース表彰台となり、ランキングもトップに浮上することとなった。

#76 伊藤は、レース1と同様スタートで2番手グループでレースをスタートするが、すぐにグループのトップを奪うと、さらにトップグループから後退してきた#24 ウォンタナノンを捉えて3番手に浮上した。そこから#60 Staringと#23 パークスのトップグループに約3秒差があったが、1分53秒台を連発して1.7秒差まで詰め寄る。しかし、トップグループも終盤にかけてペースアップしたこともあり、追撃はここまで。それでも4番手以下を大きく引き離して3位でチェッカーを受け、開幕戦のレース2から3レース連続となる3位表彰台を獲得し、ランキング3位に浮上した。

Yamaha Thailand Racing Teamの#24 ウォンタナノンと#56 ウィライローは、#76 伊藤に続き4位を争うグループでレースを進めたが、ライバルに先行を許し、#24 ウォンタナノンが6位、#56 ウィライローが7位でフィニッシュとなった。

SS600
Race 1:ブーンレットが開幕戦から3連勝!

Yamaha Thailand Racing Teamの#26ピラポン・ブーンレットとYZF-R1の勢いが止まらない。開幕戦のレース1でARRC初優勝を遂げ、続くレース2も勝利。そして第2戦オーストラリアラウンドでも、3つのフリープラクティスすべてでトップタイム、予選ではポールポジションこそ逃したものの2番手フロントローからのスタートとなった。

レースも盤石だった。ホールショットを決めてトップに立つと、2周目、4周目に予選とほぼ同等の1分56秒台というラップタイムをマークし、後方に対してアドバンテージを築く。その後もほぼ57秒台を揃える安定した走りを披露すると、最終的に約4秒ものギャップを築き、危なげなくチェッカーを受け、開幕から3連勝を達成した。

一方、HONG LEONG YAMAHA MALAYSIAからは、#50 アハマド・アフィフ・アムランと、CEVヨーロッパ選手権Moto2参戦のため欠場した#127カスマ・ダニエル・ビン・カスマユディンの代役として、UB150に参戦する#13 ムハマッド・アキッド・ビン・アジズが出場した。

#50 アムラン選手は8番グリッドからスタートし、表彰台争いには加われなかったが、今季最高となる5位入賞。#13 アジズ選手はアンダーボーンからYZF-R6への乗換えということで、苦戦したが11位でフィニッシュとなった。

Race 2:ブーンレットが2戦連続で完全勝利、4連勝でランキングトップを独走

Yamaha Thailand Racing Teamの#26 ブーンレットが、僅差のバトルを制して開幕から負けなしの4連勝を飾った。

昨日と同様、序盤からトップに立った#26 ブーンレット。過去3レースとも最終的に独走で優勝してきたが、今回も序盤からトップに立ったものの、YZF-R6を駆る#66 Muhammad Ibrahim Md Norrodinと、#27 Andi Farid Izdihar(ホンダ)に最終ラップ・最終コーナーまで僅差で追われる展開となった。

しかし、これまでとは異なる展開でも#26 ブーンレットは動じることなく、淡々と安定して1分57秒台のラップタイムを刻み、ライバルに付け入る隙を与えない。そしてラスト2周となったところでライバルが猛攻を仕掛けてきたが、タイヤの厳しくなる終盤にもかかわらず56秒台のラップタイムでしのぐと最終ラップもトップをキープし、開幕から全勝、4レース連続でファーストチェッカーを受けた。これにより#26 ブーンレットは2戦を終え100ポイントを獲得。ランキング2番手には50ポイント以上の差をつけ早くも独走状態としている。

またトップ争いの後方で、4位を争う第2グループでは#50 アムランが善戦。1周目の8番手からグイグイとポジションをアップし中盤には4番手に浮上。トップ3には届かなかったが、後半もライバルをしっかりと抑え、今季最高となる4位入賞を果たした。またチームメイトの#13 アジズは、レース1の13位を上回る10位でレースを終えた。

AP250
Race 1:#222 Ratukoreがヤマハ最上位となる5位を獲得

ウィーク初日のフリープラクティスから、YAMAHA Racing Indonesiaの#36 ムハマッド・ファエロズィが好調をキープしていたが、予選13番手と、後方からのレースを強いられることとなった。

レース序盤は好調。大きくポジションを上げて1周目を8番手としたが、そこから11番手、第3グループまでポジションを落とす。ところがその後、上位のライダーがアクシデントで後退したことも手伝って、同じくYZF-R25を駆る#222 Reynaldo Chrisantho Ratukoreとともに挽回に転じ、後半に入ると第2グループで4位争いを繰り広げた。しかし8周目にアクシデントが発生、これによりリタイアとなってしまった。

R25ライダーでは、#222 Ratukoreが最上位となる5位を獲得。#36 ファエロズィのチームメイトである#96 アンギー・スティアワンが12位。Yamaha Thailand Racing Teamの#86 スッティパット・パッチャリートが13位、#56 サワポル・ニンラポンが16位だった。

Race 2:ヤマハトップは再び#222 Ratukoreの5位

#222 Ratukoreがレース1に続きヤマハ勢トップとなる5位を獲得した。

まず1周目を3番手とトップグループにポジションをキープした。序盤は8台でトップ集団が形成され、ポジションを激しく入れ変えながらレースが進む。後半に入ると上位の4台が抜け出すが、#222 Ratukoreはそのトップ争いには加われなかったものの、第2グループでは速さを見せ上位をキープ。レース1と同じく、ヤマハ勢でトップとなる5位でチェッカーを受けた。

YAMAHA Racing Indonesiaの#36 ファエロズィは、スタートで順位を上げたものの上位グループに加わることができず11位でフィニッシュ、#96 スティアワンは16位。Yamaha Thailand Racing Teamの#86 パッチャリートが14位、#56 ニンラポンが17位となった。

次回、第3戦タイラウンドは5月31日から6月2日、チャーン・インターナショナルサーキットで開催される。

ASB1000 RESULT Race.1

ASB1000 RESULT Race.2

ASB1000 RIDERS RANKING

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

Race1

YAMAHA RACING TEAM ASEAN
#23ブロック・パークス(ASB1000:2位)

「敗因の一つは、リアタイヤのグリップが落ちてきてしまったことです。序盤は問題なかったのですが、残り6周くらいから急にグリップが失われてしまいました。原因を正確に理解しているわけではありませんが、ウィークの中で路面温度の変化が影響しているのかも。少なくとももう少しタイヤに優しいセッティングへ変える必要があり、明日の朝のウォームアップで変更しチェックする予定です。ランキングリーダーが不在の中、明日もチャンピオン獲得に向けて非常重要なレースとなります。表彰台は必ず獲得しなければなりませんが、なによりも優勝が欲しい。それだけを狙っていきます」

#76 伊藤勇樹(ASB1000:3位)

「レース1までの4つのセンションで4番手。予選は53秒台に入れましたがあと一歩進めないもどかしい状態でしたが、ウィークを通してみるとタイムを縮めていたので、手応えを持ってレース1に臨みました。レースはパークス選手についていくことが狙いでしたが、序盤でペースが上がらずトップ2に逃げられ、3位争いでも離されないのがやっと。その後は予選レベルのペースで走れましたが、#21 Zaidi選手に追いつくとは思っていませんでした。勝負できると思ったのは最終ラップ。コース終盤で勝負し、最終コーナーは意地のブロックで3位を獲得しました。課題はあるものの、トップ2の背中は見えています。明日は食らいつけるようしっかり準備し、また表彰台に立ちたいと思います」

倉田幸彦チームマネージャー

「今日は非常に高い総合力を示すことができました。パークス選手は前の週に世界耐久選手権に出場しており厳しいコンディションだったにもかかわらず、初日から好タイムをキープ。そして今日は、優勝こそ逃しましたが、チャンピオン獲得に向けしっかり2位を獲得してくれました。伊藤選手はウィーク序盤から様々なセッティングにトライして最終的にまとめてくれました。レースの序盤は苦労していたようですが最終ラップで追いつき勝負して3位。非常にすばらいい内容でした。明日は優勝、そして2レース連続でのダブル表彰台が目標です」

Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support

「ピラポン選手は、フリープラクティス、予選、ウォームアップまで、セッティングの改善を続け自信を高めてきました。2番グリッドでしたが、ホールショットを決めてアドバンテージを作る作戦だったのですが、まずシナリオ通りの序盤になりました。昨年の大会ではR6が表彰台を独占している通り、このサーキットはR6との相性が良いことも自信になり、あとは危なげない走りで優勝してくれました。明日も優勝がターゲット、チーム一丸となってピラポン選手を支え連勝を伸ばします」

Race 2

YAMAHA RACING TEAM ASEAN
#23ブロック・パークス(ASB1000:優勝)

「地元オーストラリアでのレースで、自分にとって久々の優勝ということで、とにかくとってもとってもうれしいです。昨日のレース1では、タイヤマネージメントがうまくいきませんできませんでした。そこで今日のウォームアップで少しばかりタイヤへの負担を軽くする方向へセッティングを変更。さらにもう一つ戦略を変更しました。これはライバルについていき、その走りを後方から観察することとしたのです。そして後方にいる間、自分の方が少しばかり速いという感覚を掴み、残り2周となったところでアタックして前に出で最後まで守り切ったのです。本当によいレースでした。次回のタイは初めてですがコース自体を学ぶのは比較的容易です。ただし、多くのロングストレートがあるコースで、今回のレースよりも難しくなるでしょう。それでもチャンピオン獲得に向けて全てのレースでよい多くのポイントを獲得する必要があるので、次も最善を尽くすのみです」

#76伊藤勇樹(ASB1000:3位)

「朝のウォームアップで調子がよかったので、その勢いのままにレース2に臨みました。しかし課題のスタートで後方の集団にのまれて追い上げのレースになったのは反省点です。また3番手に上がり2人を追い上げましたが、ここまでにない速いタイムで走ることができたのはよかったのですが実際は辛かったし、ギリギリで走っていた自分に対してトップ2は終盤でペースをコントロールする余力も持っているところに差を痛感しました。それでも前を追いながら後ろをケアする難しいレースでの3位は非常に大きな意義を感じています。今後はトップを狙えるようスタートの課題など確実に潰していきたいと思います」

倉田幸彦チームマネージャー

「パークス選手は地元でのレースということで、とにかく勝利にこだわっていました。レースはライバルの後方について様子を見るとともに、タイヤの消耗も抑えるための戦略でしたが、残り2周となったところでプッシュしてかわし優勝するというベテランらしいレース運びはさすがでした。伊藤選手は3番手に上がりブロック選手の姿が見えている状況でのレースでした。しかし自分とマシンの状態を見極め、リスク回避も含めプッシュしたい気持ちを抑えつつ、後方には勝負させない絶妙なコントロールがすばらしいレースでした。ここまでライダー、マシン、チームすべてが力を発揮できています。次のタイは厳しい戦いになると予想されますが、チャンピオンという目標のためにも取りこぼしのない戦いをしていきたいと思います」

Yamaha Thailand Racing Team
#26ピラポン・ブーンレット(SS600:優勝)

「4連勝は最高にうれしい結果です。今回はレース1と同様、スタートから前に出て自分の走りに徹することを考えていました。実際そうできたのですが、数人のライダーに追われるレース展開となりとてもハードなレースでした。メカニックが準備してくれた2つのエンジンマップをうまく使い分けたことで乗り切れたのだと思います。また厳しいレースをこなすことで、自分のスキルも精神的な面に関しても大きく成長できたと思います。次は地元でのレースなので、もちろんダブルウィンを目指します。そのためにも心も体もしっかりと準備して臨みたいと思います」

Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support

「今回も完璧なレースでした。さらには4連勝を成し遂げ、すでに100ポイントを獲得していますが、これまでの私が見てきたARRCの中でも非常に強いインパクトを残しています。ライダーはプレッシャーを受けながら常によい成績を求められますが、ピラポン選手はそれをなし遂げるだけの大きな自信をもっています。一方今回は非常にタフなレースでしたが最後まで集中して戦い、そこから得るものも大きかったものと思います。次回のタイラウンドでの目標は6連勝ですが、自信を持って臨めるように最善を尽くします」

ページ
先頭へ