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アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.01 4月2日 マレーシア

RACE DATA

■大会名称:2017アジアロードレース選手権第1戦マレーシア
■カテゴリ:SS600・AP250
■会場:ジョホール・サーキット

【レース1】
■開催日:2017年4月1日(土)
■コースコンディション:ドライ
SS600クラス
■周回数:16周
■PP: Md Zaqhwan Zaidi (1分30秒612/ホンダ)
■FL: Decha Kraisart (1分32秒021/ヤマハ)

AP250クラス
■周回数:12周
■PP: Anupab Sarmoon (1分43秒424/ヤマハ)
■FL: Takehiro Yamamoto (1分43秒034/ホンダ)

【レース2】
■開催日:2017年4月2日(日)
■コースコンディション:ドライ
SS600クラス
■周回数:16周
■PP: Md Zaqhwan Zaidi (1分30秒612/ホンダ)
■FL: Azlan Shah Kamaruzaman(1分39秒158/カワサキ)

AP250クラス
■周回数:12周
■PP: Anupab Sarmoon (1分43秒24/ヤマハ)
■FL: Rheza Danica Ahrens (1分42秒849/ホンダ)

REPORT

SS600:Ito選手がレース1で3位表彰台を獲得!
AP250:タイのSarmoon選手がRace1で3位、Race2で2位!

SS600

Race1
「YAMAHA RACING TEAM」のエース#76 Yuki Itoは、予選9番手、グリッド3列目にマシンを並べた。対して「Yamaha Thailand Racing Team」のダブルエース、#24 Decha Kraisartはフロントロー、#65 Chalermpol Polamaiがセカンドロー。スーパースポーツ600(SS600)のルーキーで、チームメイトの#64 Keminth Kuboからは2つ後方である。シーズンオフ、#76 Itoは新たなライディングスタイルにトライし、トライアルなどこれまでにない練習を重ね準備万端で開幕戦を迎えていた。にもかかわらず明白な成果が見えないままRace1を迎えていたのである。

しかし、ある一つのきっかけが流れを激変した。

#76 Itoの抜群のスタートダッシュ。同時に歯車がかみ合い始める。一気に4人を抜き去り5番手へ浮上すると、予選まで近づくことができなかったライバルに食らいつき、とらえ、かわしていく。そしてレース中盤には#24 Kraisartの背後3番手へ。さらに、#24 Kraisartがコーナーの出口でスリップしコースアウトしたところで2番手に浮上する。

その後、#76 Itoは、昨年のチャンピオン#21 Md Zaqhwan Zaidi(Honda)と成長著しい日本の#23 Taiga Hada(Honda)と優勝をかけたバトルを繰り広げ一歩およばず3位でチェッカーとなるが、スタートをきっかけに、昨シーズンの不調、そして開幕戦の暗雲を吹き飛ばす手応えに満ちた表彰台を獲得してRace1を終えることとなった。

一方、#64 Kuboは、自身初のビッグレースの緊張からか、#76 Itoとは対照的にスタートで10番手を下回るポジションまで後退する。わずか17歳、これまで国際レースの経験は皆無の#64 Kuboは、いきなりその洗礼を受けることとなったのだ。しかしパニックになってもおかしくない状況の中、R6とともにスピードを、順位を上げていった。全日本選手権のトップライダー、世界選手権の経験を持つベテランに臆することもなくコーナーでR6をねじ込み、気づけば8番手。最終ラップのバトル中に転倒リタイアとなったが、十分な手応えと一緒にRace2に臨むこととなった。

Race2
一夜明けRace2、波に乗りたい「YAMAHA RACING TEAM」だったが、レースはやはり簡単ではない。昨日から状況は一変する。

スタートは#24 Kraisartが2番手。これに、#65 Chalermpol Polamai、#76 Ito、#64 Keminthが6・7・8番手でトップグループを追撃。ところが2周目、#65 Polamaiが他車との接触、#64 Keminthはフロントが切れ込み転倒。さらに4周目には#24 Kraisartもフロントからのスリップダウンで、次々と姿を消していった。

残った#76 Itoは、ヤマハライダーの転倒も手伝って4番手に浮上すると、前方から約2秒のギャプをコンマ数秒ずつ削り取り、7周目を終えた直後には、3番手のテールをつかまえる。そして8周目に勝負、なんなくライバルを抜き去った。しかし、表彰台の権利を得たその直後のコーナーで減速しきれずにコースアウト。まさに一瞬でその権利を失うこととなった。

#64 Keminth以外の3人はリタイアを免れ再スタートし、#65 Polamaiが10位、#76 Itoが11位、#24 Kraisartが13位として貴重なポイントをゲットしたが、レースの難しさを改めて感じさせるレースとなった。なお、R6ライダーでは#41 Noriyuki Hagaの6位が最上位。

AP250

Race1

アジアプロダクション250(AP250)は、ヤマハとその現地法人が、世界にはばたく才能を育て、YZF-R25の戦闘力を証明する舞台である。そして昨年は、V・ロッシが主宰するVR46 Riders Academyとヤマハによる「Yamaha VR46 Master Camp」に参加したApiwat Wongthananonが、AP250のチャンピオンとなり、今シーズンからMotoGPへの登竜門「CEVジュニア世界選手権Moto3」への参戦が決定。狙い通り、育成とR25の戦闘力を証明する1年となった。そして今シーズンも多くの若者が、ARRCでR25を駆り世界を目指す戦いをスタートさせた。

Race1は拮抗した戦いとなった。同日の予選でポールポジションを獲得した#500 Anupab Sarmoon(Yamaha Thailand Racing Team)が、新型マシンを投入したライバルと真っ向からぶつかり合う。スタートから#500 Sarmoonを含む3台が抜け出し、バトルが展開される。一人はライバルのエース#31 Gerry Salim(ホンダ)、もう一人は初代AP250のチャンピオン#11 Takehiro Yamamoto(ホンダ)だ。

先頭は#31 Salim、2番手に#11 Yamamotoとなったが、それぞれのペースがほとんど変わらないため勝負できない状況が続く。それでもミスがあれば一気に順位が変わる接近戦、#500 Sarmoonは2人に懸命に食らいつく。しかし、中盤に2番手に上がるシーンもあったが、最後まで前に出ることはできず3位と、初戦は悔しい結果となった。

この後方では、#500 Sarmoonのチームメイト#14 Peerapong Loiboonpengが奮起。2番手グループの中で、#22 Soichiro Minamimotoや#39 Peerapong BoonlertというR25ライダーとともに順位を入れ替えながら戦いを進め、レース後半に#22 Minamimoto、#39 Boonlertが転倒リタイアとなったが、#14 Loiboonpengは最後まで走りきって6位入賞。またその後方では、「Yamaha Racing Indonesia」のエース#99 Galang Hendra Pratamaが9位でチェッカーを受けた。

Race2

Race2は、強力なライバル#31 Salimと#500 Sarmoonの一騎打ちとなった。

序盤から#31 Salimが先行し、#500 Sarmoonと#123 Rheza Danica(ホンダ)が続くが、#123 Danicaがジャンプスタートのペナルティでピットスルーを行ったため、トップ争いは2人に絞られた。Race1と同様、#500 Sarmoonは、離されることはないものの、勝負できないまま周回を重ねチェッカーとなる。それでもRace1から順位を上げて2位。前進を果たしており、次回の地元ブリラムでは一つ上の「優勝」が期待される結果となった。

この後方では、いくつものグループが形成された。#14 Loiboonpengは、序盤に3位争いを行っていたが後退し、後半は5位を争う第3グループでレースを進め7位。さらにその後方では、#99 Pratamaとそのチームメイトである#222 Reynaldo Chrisantho Ratukore、そして#39 Boonlertが第5グループとして三つ巴のバトルを展開し、#99が9位、#222が10位、そして#39が11位でレースを終えた。

UB150

SS600、AP250に併催されたアンダーボーン150(UB150)では、AP250やSS600、そして世界を目指す10代中盤の若いライダーたちが参戦。なかでもマレーシアの「UMA Racing Yamaha Maju Motor」から参戦する#13 Md Akid Azizは、常に混戦となるこのクラスのなかで、確実にトップグループを走り、また巧みな駆け引きでRace1で2位、Race2では優勝。

またRace2では、#13 Azizniに続き、「Yamaha Racing Indonesia」の#60 Wahyu Aji Trilaksanaが2位。「Yamaha Yamalube WR KYT TJM RACETECH Racing」の#96 Anggi Setiawanが3位に入り、ヤマハライダーが表彰台を独占。若い力が着実に育っていることを証明するレースとなった。

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

SS600

YAMAHA RACING TEAM
#76 Yuki Ito(3位/11位)

「この開幕戦、僕のプランではどのセッションでも常にトップ3にいることをイメージしていましたが、予選はタイムが上がらずRace1まで不安な状態でした。しかしRace1のスタートですべてが変わりました。直前までチームと考えてきたセッティングが決まり好スタート。序盤はとにかく離されないようにトップのペース食らいつき、前のトップ2には届きませんでしたが開幕戦で表彰台を獲得し、不安がすべて吹き飛びました。Race2は3番手に上がったところでコースアウトと悔しい結果となりましたが、全員を抜ける、常にトップ3を狙える、という自信をつかんだ開幕となりました。タイラウンドはすぐですが、早くレースがしたい。今はそういった気持ちです」

#64 Keminth Kubo(DNF/DNF)

「マレーシアに着いたばかりの時は、アジアのビッグレースということで緊張感がありましたが、ウィークが始まってからは比較的落ち着いてレースに臨むことができたと思います。でもRace1はスタートでミスがあり大きくポジションを落とし、最終ラップで転倒。Race2のスタートはOKでしたが2周目に転倒。両レースともにリタイアと、思った以上に厳しい結果でがっかりしています。それでも収穫はありました。トップライダーはとても速く、うまいのですが、決して通用しないわけではないということ。次のブリラムは母国レース。随分と走っていませんが、今回からさらに前進できるようがんばります」

Toru Koseki監督

「Race2は残念な結果となりましたが、Race1でIto選手が3位に入ったのはチーム全体に勢いと"イケる"という自信をもたらしてくれるものでした。一方のKubo選手はRace1がリタイアだったので、Race2は完走が重要でした。まず完走しなければいけなかった。今後はチーム内でしっかりと話をして修正していきたいところですが、Race1の追い上げは光るものがあり、次のタイは期待したいところです。YAMAHA RACING TEAMは、かたや勝利、かたや育成と2つのミッションがあり、とても難しいチームなのですが、ファンの皆さんにとっては、どちらも楽しめる魅力的なチームだと思います。ぜひ、これからも2人の戦い、成長に熱い声援をお願いします」

AP250

Yamaha Thailand Racing Team
#500 Anupab Sarmoon(3位/2位)

「今回の3・2位という結果は、優勝を目標にしていたので、良かったという気持ちと、残念な気持ちが半分半分です。Race1、Race2と戦って感じたのは、ライバルが速くなっていること。それに対して、僕たちのR25も、エンジンを中心にレベルアップをしてくれているので、十分に戦えるレベルにあることは確認できました。しかしながら、結果からもわかるようにライバルに対して完全に上回っているわけではありません。チームとしっかりコミュにケーンションを取り、マシンをさらにレベルアップする必要があります。そして僕自身も同様です。次回はホームレース。なんとしてもチームとヤマハに勝利をもたらします」

Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support

「ライバルが新型を投入し注目が集まりましたが、エンジンを中心に熟成を遂げてきたYZF-R25もまた、決して引けを取っていないことがわかりました。Anupab選手が両レースで表彰台を獲得したことが、それを示していると思います。しかしながら、まだ十分ではありません。Anupab以外の2人のライダーは表彰台に立つことができていないためです。上を狙うには、ライダー、マシンともにしっかりとしたインプルーブが必要だと考えています。時間はありませんが、次回のタイでは進化した姿をお見せします。ぜひご期待ください」

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