AMAモトクロス
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Rd.12 9月4日 FOXレースウェイ2
SUMMARY
Monster Energy Yamaha Star Racingのイーライ・トマックが、カリフォルニア州パラのフォックス・レースウェイで開催されたシーズン最終戦で、両Motoで優勝し5回目となる総合優勝を果たし、キャリア4回目となるAMAモトクロス選手権・450MXタイトルを獲得した。チームメイトのクリスチャン・クレイグは3/4位フィニッシュで総合4位となり、2022シーズンをランキング5位で終えた。
250MXでは、ジャスティン・クーパーが厳しい暑さとコースの中で3/3位とし総合3位を獲得、250MXのランキング4位となった。ネイト・スラッシャーは14/8位で総合9位に入ってシーズン 8 回目のトップ 10 フィニッシュを果たし、ハイデン・ディーガンは自己最高の総合13位(16/10位)となった。マット・ルブランは負傷欠場からのレース復帰を果たしたが、Moto2でリタイアし総合21位(19/34位)にとどまった。
RACE DATA
2022 AMAモトクロス選手権 第12戦FOXレースウェイ2
開催日:2022年9月3日(土)
開催地:カリフォルニア州パラ
会場:FOXレースウェイ
REPORT
450MX
トマックがパラ完全優勝でキャリア4回目のプロモトクロス450MXタイトル獲得
南カリフォルニアに猛暑が予想されたため、両Motoは25分プラス2周に調整された。そして、トマックがわずか1ポイント差のトップで最終戦に突入するという、シリーズ史上最も僅差の、タイトル争い最終対決となった。Moto1でトマックは、抜群のスタートを見せて2番手につけ、すぐにトップのライダーを追い詰めた。レースが自身に有利になるよう、自分のペースで走行し、エネルギーの消耗を抑えた。そして、9周目にオーバーテイクに成功しトップに立つと、シーズン13回目となるMoto優勝を果たした。
ランキンポイントでのリードを拡大したトマックは、Moto2では安全策を採り、1周目を終えて8番手で戻って来た。すぐに5番手まで順位を上げて、前を行くライダーを着実にかわしていき、6周目までにトップのライダーに迫った。
2022年のスーパークロス450SXチャンピオンであるトマックは、8周目にトップに立つと、そのままレースをリードし、シーズン14回目のMoto優勝と5回目の総合優勝を果たし、4回目となる450MXタイトルを獲得した。さらに今年は既にAMAスーパークロス選手権の最高峰クラスである450SXのタイトルを獲得しているほか、ベストアスリート、メンズアクション・スポーツ部門でESPYアワードも初受賞している。
チームメイト、クレイグにとっても素晴らしい一戦となった。予選を7番手で終えたクレイグは、Moto1で素晴らしいスタートを見せて4番手につける。ハードな走りで3番手まで順位を上げたクレイグはそのままチェッカーフラッグを受け、シーズン5回目のMotoポディウムフィニッシュを決めた。走る度に自信を深めるクレイグは、Moto2でシーズン最後のホールショットを奪った。2周に渡ってレースをリードしたクレイグだったが、Moto1でやや消耗していたため順位を落としてしまう。その後は、猛暑の厳しいコンディションの中で4番手を守ってフィニッシュし、総合4位としランキング5位でシリーズを終えた。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、9月23~25日にミシガン州ブキャナンのレッドバッドMXへ。トマックとジャスティン・クーパーはチームUSAを代表し、ディラン・フェランディスはチーム・フランスを代表してモトクロス・オブ・ネイションズ(国別対抗戦)に臨む。
250MX
クーパーが総合3位・表彰台でシーズンを締めくくる
ライダーは猛暑という厳しいコンディションに直面した。クーパーは、チーム USA の MX2 ライダーとして数週間後に使用する、モトクロス・オブ・ネイションズのグラフィックを身に着けて登場した。クーパーは予選で2番手となり、準備が整っていることを示した。Moto1は25分プラス2周に短縮され、ゲートが降りるとクーパーはトップグループ内の4番手につけた。4周に渡ってポジションをキープしていたが、その後5番手に順位を落とす。しかしハイペースを維持するクーパーは、4番手のライダーに狙いを定めると、10周目にこれをパス。3番手のライダーには距離があり、猛暑の中でエネルギー消耗を抑えていたクーパーだったが、トップグループのライダーがミスをおかしたことで、最終ラップに逆転し3位でレースを終えた。
クーパーは、続くMoto2でシーズン9回目のホールショットを奪った。その後、2周目に2番手、さらにその数周後には3番手に後退したが、そのポジションを守ってフィニッシュ。3/3位で表彰台を獲得し、ランキング4位でシーズンを終えた。
スラッシャーは、シーズン最高の走りのひとつに数えられるレースを先週末に経験し、最終戦の舞台、FOXレースウェイにやって来た。前戦の勢いをキープしたいスラッシャーは、予選を4番手で終える。しかし、Moto1のスタートで遅れ、1周目を終え20番手と、苦戦を強いられることになった。それでも集団の中でポジションアップにトライしたスラッシャーは、わずか数周で15番手まで回復したが、それ以上、迫ることができず14位でフィニッシュした。
Moto2もMoto1と同様の展開となり、21番手で1周目を終えたが、3周目までに14番手につけると、さらに順位を上げて行った。そしてライバルが暑さに苦しむ中、スラッシャーは速いラップタイムを継続的に刻み続け、終盤には8番手まで順位を上げてフィニッシュ。総合9位となった。
先週末のアイアンマン・レースウェイでのプロデビューを果たしたディーガンは、このホームコースでのトップ10入りを目指していた。厳しいコンディションにもかかわらず、ディーガンは予選で好走して8番手とし、グリッドも好位置を得た。しかしながら思うようなスタートができず、オープニングラップをチームメイトのスラッシャーに続く21番手で終える。レース序盤に安定した走りを見せるディーガンは、6周目までに16番手に上がると、そのポジションを保ってフィニッシュした。
Moto2でははるかに良いスタートを見せて13番手につけたディーガンは、ハイペースを保って10位という自己ベストのポジションでフィニッシュし、自身の目標を達成した。
ルブランはMoto1で好スタートを決めてトップ5圏内でバトルを展開するが、1周目に7番手へとシャッフルされる。猛暑の中でスピードを維持しようと努めるルブランだったが、順位を落として19位でフィニッシュした。ルブランはスタートを調整して、Moto 2 でも再びトップ 5 圏内につけるが、レース序盤のクラッシュにより、リタイア。19-24のスコアで総合21位となった。
Monster Energy Yamaha Star Racing 250チームは、9月23~25日にレッドバッドMXで開催されるモトクロス・オブ・ネイションズに、MX2ライダーとして参加するクーパーをサポートするため、この後数週間、準備を進める。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
イーライ・トマック選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「1/1位と完璧なシーズンエンドとなりました。今日の目標はMoto1で勝利し、その結果をもとにMoto2に対処するというものでしたが、それがうまくできました。ただ、Moto2は、簡単ではありませんでした。スタートで後退してしまい、前には速いライバルが何人かいましたが、セクストン選手がミスをしたため、少し楽になりました。シーズンを締めくくるに相応しい展開でしたが、簡単に完走できるレースではなく、恐らく今シーズン最もチャレンジングなレースでした。スーパークロスとモトクロスの両方でチャンピオンを獲得するという、自分にとって信じられないような一年になりました。今までで最高の年です」
クリスチャン・クレイグ選手談(3位/4位:総合4位)
「最終戦は、暑さ以外は順調でした。両Motoとも良いレースをして一年を終えたかったのですが、3/4位でそれができました。総合表彰台には届きませんでしたけど、ポイントランキングでのトップ5は最初からの目標でした。また、全24Motoを完走したのも初めてのことだったので、これも自分自身とチームにとっての成果です。みんなと一緒にとても楽しい一年を過ごしました」
250MX
Monster Energy Star Yamaha Racing
ジャスティン・クーパー選手談(3位/3位:総合3位)
「浮き沈みのあるシーズンだったので、表彰台で締めくくることができて満足です。今、焦点はモトクロス・オブ・ネイションズに移っています。僕らはそこで良い結果を出して、チーム USA の勝利を目指して戦います」
ネイト・スラッシャー選手談(14位/8位:総合9位)
「シーズンの最後を好成績で終えるためにできる限りのことをしましたが、厳しいレースとなりました。オフシーズンに取り組みを続け、そして来年はもっと強くなって戻ってきたいと思います。今シーズンもチームのサポートとハードワークのに感謝しています」
ハイデン・ディーガン選手談(16位/10位:総合13位)
「良い1日でした。スタートが最高ではなかったので、これに取り組む必要があることをわかっています。2戦しか走れていませんが、目標のひとつだったトップ10フィニッシュで終えることができてうれしく思います。今日については満足していますし良い経験になりました。来年は、このプロモトクロスをしっかりと走れるようになりたいと思います」
マット・ルブラン選手談(19位/34位:総合21位)
「今日は、スタートは良かったし、ライディングはまずまずでしたが、Moto2で転倒して、かなり強打してしまいました。幸い骨折はありませんでしたが、痛みは残りのMotoを走れない程でした。シーズン最後のレースはやや辛いものになりましたけど、来シーズンに向けて前進していきます」