AMAモトクロス
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Rd.11 8月28日 アイアンマン
SUMMARY
アイアンマン・レースウェイで開催されたAMAモトクロス選手権シリーズ第11戦で、Monster Energy Yamaha Star Racingのイーライ・トマックが両Motoをそれぞれ1、2位でフィニッシュし総合2位となった。次回の最終戦に向けてランキング2位のライバルとは1ポイント差、450MXクラスのレッドプレートと共にタイトル獲得に臨む。クリスチャン・クレイグはシーズン6度目のトップ5フィニッシュ(5/5位)を果たした。ディラン・フェランディスは前戦での負傷からの回復に専念するため、今大会は欠場した。
250MXではネイト・スラッシャーがMoto1でシーズン初ホールショットを決めると共に、4位という今年最高のフィニッシュを達成するなど、総合5位(4/6位)を獲得。ジャスティン・クーパーは総合6位(6/5位)に入ったが、ギエム・ファレスとリーバイ・キッチンは、それぞれトップ10まであと一歩の11位(9/16位)と12位(8/38位)でレースを終えた。マット・ルブランは21位(20/17位)、ルーキーのハイデン・ディーガンは31位(34/24位)となった。
RACE DATA
2022 AMAモトクロス選手権 第11戦アイアンマン
開催日:2022年8月27日(土)
開催地:インディアナ州クロフォーズビル
会場:アイアンマン・レースウェイ
REPORT
450MX
トマックが総合2位、最終戦に向けてランキングトップをキープ
トマックは朝のセッションで予選2番手と、好調な走り出しを見せた。だがMoto1では思うようなスタートができず、トマックは第1ターンを6番手で抜けた。それでもすぐにトップグループに追いつき、2周目には3番手に上がる。そしてその3周後にはトップを奪い、ペースを上げる。残り数ラップとなったところでタイトルを争うライバルに抜かれるが、激しいバトルの末にトップを奪い返し、今シーズン12回目のMoto優勝を果たした。
Moto2ではスタートを大幅に改善したトマックは、1周目を終えて3番手で戻って来た。首位に向けて猛チャージするトマックだったが、ミスをおかしてしまい、トップをとらえるには至らず、2位でフィニッシュし、総合2位となった。
クレイグは、アイアンマンで速さを披露し続け、予選ではシーズン自己ベストとなる3番手に入った。ゲートピックの好位置を得たクレイグは、Moto1でシーズン初ホールショットを奪い、1周目を2番手で終える。その後数名のライダーの先行を許すが、レースの折り返し付近で5番手に落ち着くと、そのポジションをキープしてフィニッシュした。
Moto2ではまずまずスタートを決めて6番手につけたクレイグは、順位を上げるべくレース全体を通して奮闘。14周目に5番手に上がり、そのままチェッカーフラッグを受け、5/5位で総合5位となった。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、9月3日土曜日にカリフォルニア州パラのフォックス・レースウェイで開催されるAMAモトクロス選手権の最終戦(第12戦)に臨む。
250MX
スラッシャーがアイアンマンでシーズンベストフィニッシュ
スラッシャーは、シーズンを通して何度か輝きを見せて来たが、アイアンマン・レースウェイでのライディングはこれまでで最高だった。予選を5番手として、Moto1のグリッドで好位置を獲得。それを活かしたスラッシャーは、シーズン初ホールショットを決めると、すぐに後続を引き離しにかかる。レース前半でトップをキープしたスラッシャーだったが、腕上がりの症状が出て4番手に後退。そのままフィニッシュとなったが、スラッシャーにとってシーズンベストのMotoリザルトであり、総合結果を押し上げることとなった。Moto2ではゲートが降りると、4番手としてハイペースで走行したが、12周目に6番手に後退。そのポジションをキープしてフィニッシュし総合5位となった。
クーパーは予選でトップと、ウィークで好スタートを切った。Moto1では7番手とまずまずのスタートを見せ、2周目には5番手に上がる。クーパーはレース周回の大半でそのポジションをキープするが、最終的には一つ順位を落とし6位でフィニッシュした。続くMoto2、クーパーは第1コーナーをトップで通過。何ラップかに渡って2番手を保っていたクーパーだったが、その後、ポジションを落として5位でフィニッシュ。総合6位となった。
先週末に初出場で見事な走りを披露したスペイン人のファレスは、予選でアイアンマン・レースウェイのテクニカルなコースを学び、11番手。Moto1では好スタートを決めてチームメイトに次ぐ2番手につけると、1周目を終えて4番手で戻って来た。その後6番手に後退するが、力走を続け、キャリア2度目のトップ10 フィニッシュとなる9位でチェッカーを受けた。Moto2はタフな展開となった。混戦の中団グループでスタートして他のライダーと接触。リアブレーキが効かなくなってしまう。それでもファレスは走行を続け、16位でフィニッシュした。
手首を負傷して欠場していたキッチンがレースに復帰した。Moto1で8位と素晴らしい走りを示したものの、手首はまだ、ラフでわだちの多いコースでふたつのMotoを走る状態ではなかった。Moto2途中で走行を断念したが、Moto1での好成績によりキッチンは総合12位となった。2023年のAMAスーパークロスに向けて完全な身体の状態に戻すため、キッチンはパラでのシーズン最終戦は欠場する可能性が高い。
ルブランも負傷欠場から復帰して両Motoでポイントを獲得(20/17位)し、総合21位となった。ディーガンはシリーズ残り2戦となったこの大会でデビュー。コースを覚えながら一日をスタートし、16番手で予選を終える。Moto1の1周目を12番手で終えたディーガンは、すぐにリアブレーキのトラブルに気づくが、走行をやめることはなく、トップ10に迫ったが、クラッシュを喫してリタイア。Moto2に臨んだディーガンだったが、スタート直後に他のライダーと絡んで転倒してしまう。レースに復帰したディーガンは最後尾から追い上げて24位でフィニッシュ。総合31位となった。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、カリフォルニア州パラのフォックス・レースウェイに向かい、9月3日土曜日に開催されるAMAモトクロス選手権の最終戦に臨む。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
イーライ・トマック選手談(優勝/2位:総合2位)
「今回も非常に僅差のレースとなりました。最初のMotoでは集団を抜けてリードすることができたので素晴らしかったし、セクストン選手とは抜きつ抜かれつのバトルをしましたけど、逆転して勝つことができて本当に良かったです。Moto2では二人とも好スタートを切りました。できる限りのことをして、レース中盤にはうまくプッシュするように努めました。接近したのですが、ミスをしてしまい、残念ながら2位に終わりました。ポイントでは互角をキープしています」
クリスチャン・クレイグ選手談(5位/5位:総合5位)
「今日はかなり良かったです。予選では自己ベストの3番手と、最高でした。良い感触でMoto1に臨んで、初ホールショットを決めました。ラップをリードすることはできませんでしたけど、少しの間、上位につけていて、それからペースがちょっと落ちて5位でフィニッシュしました。Moto2ではライディングが良くなり、総合5位になりました。ポイントでは(僅差の)5位のままですが、来週カリフォルニアに戻って、パラでレースをするのが本当に楽しみです」
250MX
Monster Energy Star Yamaha Racing
ネイト・スラッシャー選手談(4位/6位:総合5位)
「今までより良い一日だったことは確かです。2週連続で好スタートすることができて、今日は初のホールショットを決めることができました。先週末のバッズクリークでは転倒してしまいましたが、今週はレースの大部分をリードすることができました。今日は前を走るだけの速さがあると感じましたけど、腕上がりでライディングがキツくなりました。Moto2ではエネルギーがあまり残っていませんでした。僕らは正しい方向に進んでいます。負傷から復帰したライダーがたくさんいて層が厚いのですが、それに立ち向かって行きます」
ジャスティン・クーパー選手談(6位/5位:総合6位)
「Motoの途中で本当に疲れてしまいました。強さをキープすることができませんでした。上位の選手たちはペースは速くて、本当に良いライディングをしています。自分にとってこの週末が不調だっただけかもしれませんが、いずれにしても課題があることは確かです」
ギエム・ファレス選手談(9位/16位:総合11位)
「今日の走り出しは良かったですね。プラクティスは10位だったと思うし、コースも良い感じに思えました。2回目のプラクティスではちょっと苦戦しましたけど、最初のMotoは本当に良いスタートが切れて9位でフィニッシュしました。中盤ちょっと苦労しましたけど、最後は良くなりました。Moto2はスタートが良くなくて、それから1周目にリアブレーキが効かなくなってしまいました。ブレーキ無しで走るのは本当に大変だったので、安全にそしてミスしないようにライディングすることに努めて、16位でフィニッシュしました」
リーバイ・キッチン選手談(8/38位:総合12位)
「この週末のレースに向けて、できる限りのことをしましたけど、十分ではありませんでした。まだ痛みはかなり残っているものの、どうにか対処していたのですが、Moto2では本当にひどくなってしまいました。ゆっくり休んで身体を100%に戻すこととします」
マット・ルブラン選手談(20位/17位:総合21位)
「ちょっと辛い一日でした。身体的というよりも精神的に苦労しました。一日を通して楽に乗ることができなかったのです。パラに向けてこれを改善できるよう頑張ります」
ハイデン・ディーガン選手談(34位/24位:総合31位)
「最初のMotoではうまくスタートして、集団の中を抜けて行くようにトライしました。自分がすごくうまくライディングしているように感じました。2周目にリアブレーキを失ってしまい、これは残念でしたけど、他のライダーたちと同じ速さで走れていると感じました。その後、初歩的なミスをしてしまいました。Moto2は、集団の中を追い上げることとなりましt。重要な経験になりましたし、トップ10入りするためには自分に何が必要なのか理解できました」