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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.12 8月20日 チェコ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2006年8月20日(日)決勝結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■観客数:84,125人
■周回数:22周(118.866km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:36度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分56秒191)
■FL:L・カピロッシ(ドゥカティ/1分58秒157)

REPORT

ロッシが接戦を制し2位表彰台! ランキング3位に浮上

【速報】

予選2番手のL・カピロッシ(ドゥカティ)がスタート・トゥー・フィニッシュで今季2勝目を飾った。ポール発進のV・ロッシはD・ペドロサ(ホンダ)との接戦を制し2位表彰台。他のヤマハ勢はC・エドワーズが10位、C・チェカが15位、J・エリソンが17位で完走。ポイントリーダーのN・ヘイデン(ホンダ)は9位だった。

好天に恵まれての決勝。スタートで飛び出したのはカピロッシ。その後にヘイデン、ロッシが続き1コーナーに突入。ロッシはすぐにヘイデンを抜いて2番手とする。トップのカピロッシは序盤から58秒台のペースで独走。ロッシがその後方を追うが、カピロッシとの差は4周目に2秒、8周目に4秒と差が広がっていく。この序盤の焦点はロッシの後方で展開された3番手争い。ヘイデンとペドロサのホンダ選手同士・同カラーのマシンの3番手争いが激化。2人は互いに違うラインで攻め合い、抜き差しを繰り返すが9周目頃に決着がつきペドロサが単独3番手でロッシを追う展開となる。そして11周目にペドロサはロッシのすぐ後方まで追い上げる。

中盤から終盤は2番手ロッシと、すぐ後方にピタリとつけるペドロサがマッチレースを展開。17~18周目にはマシンが接触するシーンもあり熾烈な抜き差しが見られるが、19周目以後ペドロサが後退。この時点で既にカピロッシはロッシに8秒以上の差をつけており、カピロッシはそのまま優勝。ロッシは追撃及ばす2位でチェッカーを受けた。2位となったロッシに対してヘイデンは、中盤以降は後退し今季ワーストの9位となったため、二人の差は38ポイントとなった。また、M・メランドリ(ホンダ)が5位に終わったためロッシが逆転しランキング3位に浮上した。

エドワーズは序盤、ヘイデンとペドロサの3番手争いのすぐ後方5番手につけていたが、7周目からはペースを維持できず後退。後半は9番手をキープするが20周目にJ・ホプキンス(スズキ)に抜かれ結局10位でのフィニッシュとなった。

【レポート】

キャメル・ヤマハ・チームのロッシが2位表彰台に登る活躍で20ポイントを獲得した。一方、ランキングトップのヘイデンは9位に終わり、ロッシとのポイント差は残り5レースを残し38ポイントになった。今大会、優勝はカピロッシで、スタート後の第1コーナーからトップを走り、2位のロッシに4.902秒の差をつけてのフィニッシュだった。ロッシはラスト4周、ペドロサの追撃をかわし2位に入った。

心地良い晴天、外気温24度、85,000人の観衆が見守るなかでの決勝。シリーズ戦はこの大会後マレーシア、オーストラリア、日本と3週連続で続くが、それを控えた欧州での最後のレース。イタリアから応援に駆けつけた多くのロッシファンが、特徴的なイエローカラーに身を包み声援を送った。

初日のフリー走行でロッシは、決勝に向けての心理的アドバンテージに繋がる最速タイムを叩きだした。ロッシは、この日の2つのセッションで好タイムを連発。午前の走行ではヘイデンに0.047秒遅れの2番手となるが、午後は約2秒もタイムを短縮。ロッシに迫るタイムを刻むことができたのは、0.5秒差に食い込んだR・ド・ピュニエ(カワサキ)だけだった。

ロッシは土曜日に入っても好調で、予選セッションではレコードタイムでポールポジションを獲得。1分56秒191というこの記録は、従来のベストラップを約1.5秒も縮めるもの。前日のフリー走行での予選タイヤでの走行が功を奏した形となり、ポールポジション獲得に繋がった。ロッシのチームメイト、エドワーズにとってもまた流れのよいセッションとなった。グリッド2列目以内を狙っていたが、タイムアタック時のわずかなミスで1分56秒967のタイム、3列目となる8番グリッドに留まった。

さて決勝レース。序盤、ヘイデンは2番手を走るロッシを追撃するが、チームメイトのペドロサに8周目にポジションを奪われ4番手に後退。ペドロサとヘイデン、この二人の激しいバトルは、ロッシにアドバンテージを与えたこととなったが、ロッシはトップを走るカピロッシを捕らえることはできなかった。

カピロッシは中盤も、ロッシを引き離して独走体制に入る。ロッシは2番手をキープするが、ラスト6周の時点で、ペドロサがロッシに迫る。何度かペドロサが仕掛け、18周目にはマシンが接触するシーンもあり熾烈な抜き差しが見られるが、19周目以後ペドロサが後退。ペドロサのこの粘りは、ロッシにとってペースを上げるきっかけとなり、その後の4周でロッシはペドロサに3秒以上の差をつける。一方のヘイデンは後退し、K・ロバーツ(ホンダKR)、メランドリ、C・ストーナー(ホンダ)、J・ホプキンス(スズキ)に次々とかわされ、最後のシケインでは中野真矢(カワサキ)にも抜かれて9位となった。

エドワーズは、オープニングの3周は好調に飛ばしていたがその後は後退。ヘイデンに約2秒の遅れでチェッカーを受けて10位に終った。

テック3・ヤマハ・チームにとってはタフなレースとなったが、予選17番手スタートのチェカは15位でフィニッシュして1ポイント獲得。エリソンは17位でのフィニッシュ。エリソンにとっては、今季初めてチェカよりも前のグリッドからのスタートだったが、力を出し切れないままレースを終えたのだった。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 L・カピロッシ Ducati Marlboro Team Ducati 43'40.145
2 V・ロッシ Camel Yamaha Team Yamaha 4.902
3 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 8.012
4 K・ロバーツ Team Roberts KR211V 14.800
5 M・メランドリ Fortuna Honda Honda 15.025
6 C・ストーナー Honda LCR Honda 15.699
7 J・ホプキンス Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 16.775
8 中野 真矢 Kawasaki Racing Team Kawasaki 16.942
9 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 17.061
10 C・エドワーズ Camel Yamaha Team Yamaha 19.435
11 T・エリアス Fortuna Honda Honda 22.215
12 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 23.978
13 玉田 誠 Konica Minolta Honda Honda 24.967
14 R・ド・ピュニエ Kawasaki Racing Team Kawasaki 28.961
15 C・チェカ Tech 3 Yamaha Team Yamaha 29.296
16 A・ホフマン Ducati Marlboro Team Ducati 29.801
17 J・エリソン Tech 3 Yamaha Team Yamaha 1'02.982
18 I・シルバ Pramac d’Antin MotoGP Ducati 1'44.775

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 N・ヘイデン Honda 201
2 D・ペドロサ Honda 176
3 V・ロッシ Yamaha 163
4 M・メランドリ Honda 161
5 L・カピロッシ Ducati 151
6 C・ストーナー Honda 101
8 C・エドワーズ Yamaha 90
15 C・チェカ Yamaha 54
18 J・エリソン Yamaha 20

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 262
2 Yamaha 201
3 Ducati 160
4 Suzuki 101
5 KR211V 92
6 Kawasaki 83

COMMENT

V・ロッシ選手談(2位)

「今日はとてもいいレースができたし、ウイークを通じてとても良かった。ポールポジションからスタートしたんだから、当然、優勝を狙いたかったけれど、今日はロリスがとても速くて、一人別次元にいたんだ。あんなに離されてしまうなんて、僕自身も信じられないくらいだよ。僕のほうは完璧ではなかったし、問題も残っていた。でもとにかくいいレースができて最後までハードに攻めることができたから満足だ。終盤はペドロサとバトルになり何度も抜いたり抜かれたり。これは楽しかった。最終的に僕が前でゴールできたから、とくにね。 今日は結局、勝つことはできなかったけれど、チャンピオンのことを考えたときに、この2位は非常に重要。2位のペドロサ、1位のヘイデンとの差を縮めることができて本当に良かった。また今回のレースを通じてマシンとタイヤの状況がより鮮明になった。このあと2日間のテストを行うが、ここでいくつか新しいトライをする予定だ。

チェコGPでは初日の金曜日からマシンが好調に走ってくれた。今シーズンはこれまでずっと、プラクティスで苦労してばかりだったから、今回のようにうまくいけば大きな自信になるんだ。ヤマハの全員が懸命に頑張ってくれたおかげでここまで来ることができたから、チームスタッフ、エンジニアたちに心から感謝している。残りは5戦。そしてチャンピオン候補も5人。この後はかなりエキサイティングな展開になるに違いない」

C・エドワーズ選手談(10位)

「序盤はとても好調で、初めの2、3周は自分でもかなり興奮していたんだ。アグレッシブに攻めていくことができたし、実際に何人かパスもした。でもしばらくするとどんどんペースが落ちた。マシンのバランスが良くなくて、最初の頃のペースを保つことができなかったんだ。そのうちにタイヤが消耗してきてしまい、これ以降ペースを上げることができなかった。僕としてはなんとかペースをキープしようと懸命に頑張ったんだけれど、みんなについていけそうなところは全然なくなってしまった。またブレーキング中の挙動があまり良くなかったことも影響したようだ。ウイークを通じてマシンのバランスを追求してきたが、結局最後まで、探していたものは見つからなかった。チームの全員が本当に一生懸命だったのに、うまくいかず残念だ。残りの5戦をしっかりと戦うために、この後の2日間のテストでやらなければならないことがたくさんある」

D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談

「勝つことはできなかったが、今回はとても良かったと言えるだろう。なんといっても、最重要課題であるヘイデン、ペドロサとのポイント差を詰めることができたのだから。またこれまでのことを考えれば、バレンティーノがポールポジションを獲得できたことが大きな前進だ。シーズンのこの時期に、こうして状況が好転してきたことは我々チームにとって励みになっている。現時点でチャンピオンを狙える位置にいるのは5人。激しい戦いになることは間違いないが、我々はしっかりと準備ができている。ヤマハがさまざまな問題にしっかりと対応できるということが、今回良くわかった。問題解決のために全力を注いで頑張ってくれたメカニック、エンジニア、そしてもちろんバレンティーノに心から感謝している。
コーリンのほうは決勝前にいくつか大きな変更を行った。初めのうちはそれがうまくいっていたが、やはりそのペースをキープすることはできなかった。この後のテストは彼にとって非常に重要なものになってくるだろう。ここで何かをつかみ、残りのレースで十分に力を発揮できることを望んでいる」

C・チェカ選手談(15位)

「きのうまでは何一つうまくいかなかったのだから、今日のこの結果に満足しなければならないだろう。マシンに関してはさまざまなものを変更してみたが、決して過激なものではなかったんだ。今朝のウォームアップではきのうまでに比べて格段にフィーリングが良くなっていた。でも午後にはコンディションも変わっていたので、2、3周もするとまたチャタリングが出始め、それが徐々にひどくなっていった。タイヤは悪くなかったのだけれど、加速のときにいくらか挙動が気になることと、やはりおもにチャタリングが問題だった。ラップタイムを見てみても、多くが58秒台を出していたのに対して僕らはなかなかそこまで届かなかったので、厳しい戦いになることは初めからわかっていた。それでも59秒台をキープできたことは良かったと思う。この2戦で使用したタイヤを使えなかったこと、チャタリングの問題があったことを考えれば、今日は決して悪くない結果だ」

J・エリソン選手談(17位)

「望んでいた結果とはほど遠いと言わざるを得ない。本当にがっかりだ。きのうの時点では15位、ポイント圏内を狙っていたが、実は心のなかでは10位以内も夢じゃないと考えていたんだ。そのなかで17位となれば大幅なダウン。自分ではやれると思っていただけに腹が立つよ。ラップタイムはカルロスと比べてもそう悪くない。でも彼がそれをコンスタントにキープできたのに対して、僕のほうは4、5周ですぐに落ちてきてしまった。ドニントンのときと同じように、リアのトラクションがなくなってしまった。チャターも少しあったけれど、それは主にリアがあちこちでスピンするせいだったんだ。 明日からのテストではカルロスが使っているフレームを試すことになっているので、これまでの問題をなんとか解決する方法を見つけたい。そして少しでも早く前へ進んで良い結果を導き出したい。それができると信じている」

H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談

「きのうまでのことを考えれば、今日はとてもいいレースだったと言っていいだろう。予選は多くの問題に悩まされて、結果的にグリッドは後方になってしまった。そこから順位を挽回していくというのは、それほど簡単なことじゃないんだ。最初の2周でかなり遅れてしまったが、その後で懸命に挽回。カルロスは最終的にコーリンから9秒差というところまで追いついた。ペース的には10位争いのグループと同等で、やはり順位には満足できないけれども、最後までコンスタントにタイムをキープできたことには満足している。チャタリングはやはりあったが、きのうほどではなくなったし、前のライダーとのギャップも決して大きくはない。15位は素晴らしい成績とは言えないが、前で一台のクラッシュもなかったのだから、まずまずと言うこともできるだろう。これからは予選でもっと良い位置につけるように頑張っていきたい。この後はテストを行う予定になっているので、これらの問題の解決方法を見つけ出したい。そして残りの5戦を少しでも良い状態で戦いたい」

辻幸一談(ヤマハ発動機モトGPグループ)

「USGP後、MotoGPは短いサマーブレークでしたがその間を利用し開発陣はYZR-M1を速くすべく多くの改良を施し、チェコGPを迎えました。改良の成果は初日から現れ、予選ではロッシ選手がバルセロナ以来のポールポジションを獲得。決勝に期待がかかりました。レースはポールポジションからスタートしたロッシ選手が1コーナーを3番手で通過するも、すぐ2番手まで追い上げ、その後は安定したペースで走り2位でチェッカーを受けました。相棒のコーリン選手もスタート後は非常に良いペースで走ったものの、最後は10番手でゴール。テック3・ヤマハ・チームのチェカ選手、エリソン選手は我慢のレースとなりながらも15位、17位で完走しております。優勝こそ逃がしたものの、チャンピオンシップポイントは38点差まで縮まり最終戦までわからなくなってきました。次節第13戦マレーシアGPはセパンサーキットでの開催です。改めて皆さんのご支援、ご声援をお願いします」

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