スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月13-15日 エミリア・ロマーニャ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第6戦エミリア・ロマーニャ
■開催地:イタリア/ミサノ(4.226 km)
WorldSBK レース1
■開催日:2025年6月14日(土)
■周回数:21周 (88,746 Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度
■路面温度:47度
■PP:N・ブレガ(Ducati/1分31秒618)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分33秒201)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2025年6月15日(日)
■周回数:10周(42,260 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:42度
■PP:N・ブレガ(Ducati/1分31秒618)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分32秒813)
WorldSBK レース2
■開催日:2025年6月15日(日)
■周回数:21周 (88,746 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度
■路面温度:48度
■PP:N・ブレガ(Ducati/1分31秒618)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分33秒471)
REPORT
WorldSBK 5月17日(土)
ロカテッリ選手が5位獲得、レイ選手は12位
スーパーバイク世界選手権第6戦エミリア・ロマーニャ大会のレース1で、Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手が5位を獲得した。 チームメイトのJ・レイ選手は12位だった。
ロカテッリ選手は7番グリッドから好スタートを切って4番手に浮上。3ラップ目にはD・ペトルッチ選手(ドゥカティ)に先行されて後退したが、その後リズムをつかむと、後半はペトルッチ選手やA・ローズ選手(ビモータ)との差を詰めていった。しかし表彰台争いにはわずかに届かず、5位でチェッカーを受けた。
一方、先立って行われたスーパーポールで思うようにペースが上がらなかったレイ選手はグリッド6列目からのスタート。ここから懸命に挽回を図り、12位まで上げてゴールした。
ガードナー選手とエガター選手、ともにリタイア
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手とD・エガター選手は午前中のフリープラクティス第3セッションを順調に終えたあとスーパーポールに臨み、ガードナー選手は1分32秒562の好タイムで6番手。エガター選手も懸命のプッシュで13番手を確保した。
レース1では揃って好スタート。ガードナー選手はトップ5に上がりハイペースを維持して順調に周回を重ねていたが、後半はグリップ低下に苦戦し、10ラップ目、6位争いを展開中に転倒リタイアとなった。
エガター選手はオープニングラップの第8コーナーで転倒車を避けきれずに接触。この影響で負傷し、メディカルセンターで検査の結果、首の前部と左ひざの打撲によりこのあとの出場を取りやめることとなった。
WorldSBK 6月15日(日)
ロカテッリ選手、スーパーポール・レースで3位表彰台
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手がスーパーポール・レースで3位、レース2も4位と活躍した。母国イタリアの7万6千人を超えるファンの前で、ウイークを通じて見事な走りを披露した。
持ち前の力強いライディングと絶好のスタートが表彰台を実現させた。グリッド3列目からのスタートをものともせず、オープニングラップの第4コーナー進入で早くも3番手に浮上。そのまま最後まで好調を維持して走り切り、3位でチェッカーを受けた。
午後はさらに気温が上がり、レース2はライダー、マシン、タイヤのすべてに過酷なコンディションとなった。ロカテッリ選手は全力でプッシュし続け、レース前半は3位をキープしていたが、後半でA・バウティスタ選手(ドゥカティ)を抑えきれず4位となった。
この結果、今大会の3レースで31ポイントを加算して合計157ポイントのランキング5位。ランキング3位まで22ポイントと近づき、ペトルッチ選手、バウティスタ選手との3つ巴の戦いが続いている。
チームメイトのJ・レイ選手もスーパーポール・レースで素晴らしい走りを見せた。序盤から果敢に攻めて一時6位に上がり、終盤で7位に後退してゴール。これによりレース2のグリッドを3列目まで上げると好調のまま積極的に上位争いに絡んでいったが、10ラップ目の第1コーナーで転倒してそのままリタイアとなった。
ガードナー選手が転倒リタイア、エガター選手は欠場
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手はレース2の5ラップ目、他車と接触してリタイアとなった。
今季最高の予選6位を獲得していたガードナー選手はスーパーポール・レースの序盤で4位につけて表彰台を目指したが、後半で徐々に遅れて8位でゴール。
レース2はグリッド3列目から絶好のスタートを切り、オープニングラップで好位置を確保した。そのままトップグループに近づきバトルすることを目標に懸命にプッシュを続けていたが、5ラップ目、他車に接触されて転倒し、リタイアを余儀なくされた。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
WorldSBK 6月14日(土)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(5位)
「今日のパフォーマンスには満足しています。好スタートを切って序盤で4位に上がりました。そのあとはリアの左側のグリップで苦戦して表彰台争いから遅れてしまいましたが、終盤はフィーリングが良く、前との差を詰めることができました。ベース・セッティングはほぼ整っているので、明日に向けてもう少し調整して、うまくいけば表彰台を狙えるでしょう。ミサノでそれができれば最高です! 昨日より一歩前進できたのはチーム全員の努力のおかげです。彼らの力を信じています。予選では完璧なラップができず7位となりましたが、全体的にはフィーリングが良く自信を持っています。明日はスーパーポール上位を獲得してグリッド・ポジションを上げ、またレース2をエンジョイしたいと思います!」
J・レイ選手(12位)
「予選順位を上げられなかったことが苦戦の要因になりました。2度目のアタックでタイムを更新できず16番手にとどまりました。そこから好スタートを切ったのですが、まもなくイアンノーネ選手に抜かれ、少しはらんだところでさらに2台に先行されてしまいました。これにより1ラップ目でポジションを下げ、上位グループについて行くことができませんでした。そのあとリズムが落ち着いてからはビエルゲ選手やレディング選手と競り合いました。コーナーの頂点に向かうブレーキングで手間取り、ちょうどスロットルを開けようというところで、ややアンダーステアが感じられました。ここは明日までに修正が必要です。昨日、十分な仕事ができなかった分、今日21ラップを走れたのは良かったと思います。このあとはじっくりデータを確認し、前進を目指します。明日も好スタートが必要です。今日より上を目標に上位との差を詰め、バトルに絡んでいけるよう頑張ります」
P・デニング(チーム代表)
「アンドレア(ロカテッリ)は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。表彰台にわずかに届かなかったのは残念です。今日はリアタイヤの左側のグリップに苦戦したようで、その影響でアレックス(ローズ)やダニロ(ペトルッチ)の背後につくことができませんでした。それでもマシンのパフォーマンスを最大限に引き出し、この暑さのなかでミスなく安定して21ラップを走り切り、明日に向けてさらに改善を目指すための基盤を作ってくれました。ジョナサン(レイ)は今回、テストのときより苦戦しており、今日の予選・決勝も同様でした。他の選手に比べればレースの走行距離が足りていないのは確かですが、身体の状態はもう良くなっています。明日も天候に大きな変化はなさそうなので、今日のデータを活かして前進を目指します」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(DNF)
「スーパーポールでは限界までのプッシュが実を結び、グリッド・ポジションを上げることができました。レース1も好スタートを決めて上位でバトルしていたのですが、周回が進むにつれてグリップに苦戦し、最後は転倒してしまいました。期待通りの結果にはなりませんでしたが、明日も残っているのでポジティブに取り組んでいきます」
D・エガター選手(DNF)
「このような形でウイークを終えることになりとても残念です。スーパーポールも決して完ぺきではありませんでしたが、ペース自体はトップに接近していたので決勝にも自信を持っていました。好スタートを切って上位グループに近いところを確保しましたが、8つ目のコーナーに入るところで転倒車に接触されてしまいました。避けるチャンスはありませんでした。このアクシデントで怪我をしてしまい、検査の結果、明日以降の出場は不可能と判断されました。レースを継続できず本当に残念ですが、このあとは回復に努め、より強くなって戻ってきます」
WorldSBK 6月15日(日)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(3位/4位)
「ようやくここまで来ることができました。ここミサノで速く気持ちよく走る方法が見つかり、良い位置まで上ってきました。昨日のレース1も好調でしたが、今日はさらに一歩進んで本当に素晴らしい仕事ができ、その結果としてスーパーポール・レースで3位、レース2で4位を獲得することができました。レース2で表彰台のチャンスを失ったという感覚は持っていますが、現実的には懸命にプッシュし、全力を出し切ったので、これが今の私たちの最大限の成績です。ここ数戦の状況を考えればトップ5は十分に素晴らしく、多くのポイントも獲得できました。このあとも好成績をキープするべく次の大会に集中していきます。シーズン中にまた何度も好レースを展開し、表彰台に上り、優勝を目指していきたいと思っています」
J・レイ選手(7位/DNF)
「スーパーポール・レースで好成績を獲得してレース2のグリッドを上げることができました。スタート直後は良いポジションをとり、ブレガ選手やバッサーニ選手と激しくバトルするチャンスを得て6~7位につけましたが、そのあとサム・ローズ選手に追い上げられ、これを抑えることはできませんでした。マシンのフィーリングは素晴らしく、とくに午前中の気温が低いなかではSCQタイヤが最後までもってくれたので、自信をもってレース2に臨みました。スタートはこのところずっと順調なので、トップグループに近づくことを考えながら身体を伏せてコースの左側のラインをとりました。しかし第1コーナーからボトルネック状の第2コーナーではらんでしまい、スタートで上げた分をすべて失ってトップから離されてしまったのです。そのあとはレクオナ選手がやや離れたところを走っていて、後続との差は十分に保っていたのですが、10ラップ目の第1コーナーで転倒してしまいました。今週は初日の最初のセッションでミスがありましたが、そこから着実に調子を上げて今日はスーパーポール・レースで7位を獲得することができました。それだけに非常に悔しい転倒となってしまいました。このような結果に終わり本当に残念です」
P・デニング(チーム代表)
「今日は昨日よりさらに暑くなり、ライダーにとってもチームスタッフにとってもタフな一日でした。ヤマハやオーリンス(Ohlins)の技術サポートのおかげで一歩前進でき、その成果がロカ(ロカテッリ)の表彰台につながりました。それはJR(レイ)についても同様で、15番グリッドからスタートしたスーパーポール・レースで7位を獲得しました。ふたりの素晴らしいパフォーマンスによりレース2のグリッドを上げ、チャンスが大きく広がりました。ロカは21ラップを全力で走り、彼の前に居たのはトップのトプラック(ラズガットリオグル)と2台のドゥカティ・ファクトリーにだけという状況は、現実的なところで最大限の成果です。R1は好調で、ロカは自分自身とマシン、両方のポテンシャルを最大限まで引き出しました。表彰台には届きませんでしたが、4位をポジティブな結果として受け止めています。本当によく頑張ってくれました。JRはスーパーポール・レースの好成績をレース2の結果につなげることはできませんでした。順調に9位を走りながら10ラップ目の第1コーナー進入で転倒してしまいました。レース1に続き全周回を走り切ることが本来のレベルを取り戻す最適な方法なので、このリタイアは本当に残念です。でも今日は紛れもない才能と明確な野心を見せてもらいました。次は彼のホームレースなので、ポテンシャルを最大限に発揮してくれるのを楽しみにしています」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(8位/ DNF)
「フィーリングはあまり良くなかったのですが、スーパーポール・レースではいいバトルができました。レース2のグリッド・ポジションを上げることを目標に全力でプッシュしていきました。8位という結果は素晴らしいとは言えませんが、それほど悪いものでもありません。そこからの前進を目指してレース2に臨みました。しかし正直なところ、全体的にはあまり良いフィーリングではありませんでした。それでも周囲のライダーとバトルすることはできていたのですが、不運にも他のライダーに接触されてどうすることもできず、そのままレースを終えることになりました。望んでいたものとはまったく違う結果になってしまいましたが、これがレースというものです。前を見て、ポジティブな気持ちを持って次の大会に臨みます」