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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 9月6-8日 フランス

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第8戦フランス
■開催地:フランス/マニクール(4.411 km)

WorldSBK レース1
■開催日:2024年9月7日(土)
■周回数:21周 (92,631 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:19度
■路面温度:21度
■PP:A・ローズ(Kawasaki/1分51秒946)
■FL:A・ロカテッリ(Yamaha/1分42秒753)

WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2024年9月8日(日)
■周回数:10周(44,110 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度
■路面温度:24度
■PP:A・ローズ(Kawasaki/1分51秒946)
■FL:A・ローズ(Kawasaki/1分36秒873)

WorldSBK レース2
■開催日:2024年9月8日(日)
■周回数:21周 (92,631 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:28度
■PP:A・ローズ(Kawasaki/1分51秒946)
■FL:N・ブレガ(Ducati/1分36秒717)

WorldSSP レース1
■開催日:2024年9月8日(日)
■周回数:12周 (52,932 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:17度
■路面温度:19度
■PP:A・ウエルタス(Ducati/1分39秒705)
■FL:C・オンク(Yamaha/1分40秒027)

WorldSSP レース2
■開催日:2024年9月8日(日)
■周回数:19周 (83,809 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:26度
■PP:A・ウエルタス(Ducati/1分39秒705)
■FL:S・マンジ(Ducati/1分43秒573)

REPORT

WorldSBK 9月7日(土)
ロカテッリが8位、レイは1周目に転倒リタイア

第8戦フランス大会のレース1は雨に見舞われ、多くがリタイアする難しい戦いとなった。そのなかでPata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリは序盤で遅れたもののハイペースで挽回して8位でチェッカーを受けた。

ウエット・コンディションで行われたスーパーポールでは多くのイエローフラッグが振られ、クリーン・ラップをとるのが難しい状況。ロカテッリとJ・レイは、それぞれ9番手と8番手に留まり、ともにグリッド3列目に並ぶこととなった。

ロカテッリはここから絶好のスタートを決め、一気に2番手に浮上。しかしその後、雨が降り始めると、3ラップ目の第5コーナーに差し掛かったところでフロントグリップを失い転倒した。この間に大幅に順位を下げたものの走行継続可能と判断し、一旦ピットに戻ってレインタイヤに履き替えて再びコースイン。その後も雨の影響で多くが転倒リタイアする一方で、ロカテッリはペース良く周回を重ね、8位まで挽回してチェッカーを受けた。

ロカテッリ同様、3列目から挽回を目指していたレイは、スリックタイヤで臨んだが、オープニングラップの終盤で目の前を走行していたN・ブレガ(ドゥカティ)が転倒し、これを避けきれずに自身も転倒してしまった。右手親指に深い裂傷を負ったため手の専門病院へ。スーパーポール・レースおよびレース2の出場は、当日朝、決定することとなっている。

代役出場のデルビアンコが10位、ガードナーはリタイア

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamはD・エガターがトレーニング中の怪我により欠場し、代わって出場したCIVイタリア・スーパーバイク選手権に参戦中のA・デルビアンコが、波瀾の展開のなか10位獲得と健闘した。R・ガードナーは残り4ラップで転倒リタイアとなった。

午前中に行われたフリープラクティス第3セッションはウエット・コンディションとなり、デルビアンコとガードナーは、スーパーポールとレース1に備えてこれを有効活用。R1にレインタイヤを装着し、ガードナーが1分55秒993で13位、デルビアンコは1分57秒477で18番手につけた。

午後もサーキット上空に雨雲が広がる不安定な状況で、タイヤチョイスは難しい判断を迫られた。そしてガードナーが前後スリック、デルビアンコは前後インターミディエートを選び、レース1に臨んだ。

レーススタートと同時に雨粒が落ち始め、デルビアンコの選択が功を奏して数ラップにわたり2番手をキープ。しかし雨が激しくなるとタイヤ交換を余儀なくされ、その間に16番手まで後退した。再スタート後は順調にポジションを挽回し、Yamaha R1での初レースで10位と健闘した。

一方のガードナーは好スタートを決めたあと、タイヤ交換のためピットに戻る途中で転倒。すぐさまマシンを起こしてタイヤ交換も完了したが、残り4ラップで再び転倒し、そのままリタイアとなった。

WorldSBK 9月8日(日)
ロカテッリがレース2で9位、レイは怪我のため欠場

Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリは前日のレース1で8位に留まり、レース2での挽回を目指していたが、目標を達成することはできなかった。

先立って行われたスーパーポール・レースでは表彰台争いに絡んでいこうというところだったが、5ラップ目の第5コーナーでD・ペトルッチ(ドゥカティ)の転倒に巻き込まれてリタイア。これによりレース2をグリッド4列目からスタートすることとなり、厳しい展開を強いられた。思うようにポジションを上げられないまま10番手でゴールしたあと、9番手のS・レディング(BMW)にコースリミット超えによるペナルティが課されたためロカテッリは9位となった。

チームメイトのJ・レイは前日の怪我の影響でスーパーポール・レースとレース2を欠場した。土曜日の夜、右手親指の裂傷と腱の損傷を修復するための手術を終え、日曜日の朝にはサーキットに戻っていたが、出場はかなわなかった。次回9月20日~22日のイタリア大会前に、回復の状況を発表することとなっている。

ガードナーが9位/6位、デルビアンコは両レースで13位

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナーがレース2で6位を獲得。A・デルビアンコも13位でポイント獲得と健闘した。

午前中のウォームアップ・セッションはレイン・コンディションのもとで行われたが、スーパーポール・レースのグリッド開放時には太陽が輝き始め、ドライ・コンディションに恵まれた。そのなかでガードナーは力強い走りを見せて9位を獲得し、レース2のスターティング・グリッドを3列目に押し上げた。デルビアンコは13位を獲得した。

ガードナーが9番グリッド、デルビアンコが17番グリッドからレース2をスタートし、ともに序盤でポジションアップ。ガードナーはハイペースを維持して6位争いに加わり、終盤で何度かオーバーテイクを成功させて6位でチェッカーを受けた。一方のデルビアンコも速く安定したラップタイムを刻みながら着実に周回を重ね、13位フィニッシュと健闘した。

WorldSSP 9月8日(日)
ストラーレンがレース1で3位、レース2ではマンジが2位を獲得

第8戦フランス大会は、土曜日に予定されていたレース1が大雨のため1ラップで赤旗中断。その後もコンディションが回復しなかったため翌日に繰り越され、日曜日にレース1とレース2を行う異例のスケジュールとなった。

現地時間9:40にスタートしたレース1は、前夜に降り続いた雨と低気温の影響で多くの水たまりが残る状況。そのなかで地元のヒーロー、GMT94 Yamaha WorldSSP Supported TeamのL・マヒアスがポールポジションから飛び出すも、第2コーナーで転倒して後退。代わって、同じくフランス出身でEvan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスがトップに立った。ウエットタイヤを装着していたデービスは見る見るうちにリードを広げていったが、その後、急速に路面が乾くと順位を下げ、最終的に10位でゴールした。

Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported TeamのS・マンジは序盤で3番手につけたものの3ラップ目に転倒リタイア。チームメイトのG・ファン・ストラーレンが2位争いの末に3位を獲得して今季2度目の表彰台に上った。

レース2は完全なドライ・コンディションで行われ、マンジがチャンピオンシップ・ポイント挽回を賭けて懸命にY・モンテッラ(ドゥカティ)を追っていく。そして序盤で2.5秒ほど開いていた差を縮めてトップグループに加わり、14ラップ目にはこれを捉えて暫定トップに立った。その後も優勝を目指して最後までベストを尽くしたが、わずかに届かず、0.2秒遅れの2位でフィニッシュ。チームメイトのストラーレンも6位獲得と健闘した。

その他のヤマハ勢ではデービスとマヒアスが13ラップ目に転倒リタイア。マヒアスは肩鎖関節脱臼と鎖骨骨折と診断された。

マンジはチャンピオンシップ・ポイントでトップに50ポイント差となっており、イタリア大会とアラゴン大会の2連戦が重要な戦いとなる。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

WSSP RESULT Race.1

WSSP RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

RIDERS RANKING WSSP

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSSP

COMMENT

WorldSBK 9月7日(土)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team

A・ロカテッリ選手談(8位)

「スーパーポールはクレイジーな状況でした! イエローフラッグがたくさん出されたため、5~6ラップ走ったうち1ラップしかカウントされませんでした。ほとんど全部がキャンセルになり好記録は難しかったのですが、それでも何とか9番手を確保できました。レース1は非常にトリッキーなコンディションで、グリッドに並んだ時点では路面がほぼ乾いていました。私はタイヤにインターミディエートを選択していたのですが、もしもすぐに雨が降り出さない場合は、スリックタイヤのライダーが大きなアドバンテージを握ることになるため、序盤で少しでも前へ出ようとどんどんプッシュしていきました。ところが、全力で攻めながら第5コーナー進入のブレーキングに差し掛かったところで急に雨が降り出したのです。すでにコーナーに入っていたのでコントロールは難しく、転倒してしまいました。このあとピットに戻ってレインタイヤに履き替え、順調なペースでポジションを挽回していきました。転倒の際にすぐさま再スタートできなかったこともあり、大幅に遅れてしまったのが残念です。もしもあの転倒がなかったら、表彰台を獲得できたと思います。もっとも後から言うのは簡単ですが...。とにかく前を向いて、良かったところと悪かったところを分析し、明日に備えたいと思います」

J・レイ選手談(DNF)

「プラン通りに進めることができませんでした。グリッドに並んだ時点ではチャンスを確信していましたし、スリックタイヤのチョイスにも迷いはありませんでした。スタートは決して良くありませんでしたが、着実に順位を上げていました。そしてそのラップの最終シケイン進入でブレガが転倒し、何とか避けようとしましたが、水たまりに乗ってしまったか、あるいはわずかにコースを外れて一緒に転倒してしまいました。運悪く右手がハンドルバーの下に入ってしまい、親指関節あたりの皮膚が路面に削られてしまいました。見た目がかなりひどい状態でしたし、ズキズキ痛んだので、不安になって最終コーナー脇のメディカルセンターに直行しました。本当に悔しい気持ちでいっぱいです」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

A・デリビアンコ選手談(10位)

「初レースは驚きの展開でした! 今日一日でありとあらゆることを経験しました。雨で形勢が逆転し、私たちにとっては有利になると考えられましたが、正直に言えば、ここまでの成果を確認するためにも少なくともスーパーポールはドライ・コンディションのほうか良かったと思います。それでも全体的にはポジティブな経験になりましたし、結果を出すことができてハッピーです。R1での初レースで、サバイバル・レースのなかで10位に入り、ポイントを獲得できたのですから上々です。明日はドライ・コンディションを期待しますが、どんな状況にも準備はできています」

R・ガードナー選手談(DNF)

「非常に残念な一日、というのが正直な気持ちです。雨が状況を変えてくれるはずでしたが、良い方向にはいきませんでした。スーパーポールで苦戦し、レース1も同様でした。これからデータをチェックし、明日に備えて調整します。明日も今日と同様に天候が鍵を握ることになると思うので、どんな状況になってもいいように準備しなければなりません」

WorldSBK 9月8日(日)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team

A・ロカテッリ選手談(DNF/9位)

「全体を通して非常に難しいウイークとなってしまい、ポイントを十分に持ち帰ることができませんでした。コンディションがトリッキーで、とくに昨日は表彰台の可能性があったにもかかわらず、実現することができませんでした。今日のスーパーポール・レースでもチャンスはありましたが、ダニロ(ペトルッチ)に押し出されて転倒してしまいました。またレース2はリア周りのセッティングが完璧ではなく、思うようにプッシュすることができませんでした。戦うことはできたと思っていますが、フィーリングがベストの状態ではなかったため、ここまでが精一杯でした。2週間後のクレモナ・サーキットはテストで好タイムが出ている場所なので、ここで一度リセットし、改めて全力でプッシュしていきます。チームのみんなの努力に心から感謝しています。難しい仕事だったにもかかわらず良い結果に結びつけることができず残念ですが、私たちは常に全力を尽くして頑張っています。次回クレモナに期待しています」

J・レイ選手談(欠場)

「残念ながら専門医による治療が必要となり、親指のダメージを修復するため緊急手術を受けました。傷は日ごとに回復していくでしょう。アントワーヌ・マルティンズ医師をはじめサーキットのメディカル・スタッフに感謝の気持ちを伝えたいと思います。また、この厳しい時期に私をサポートし続けてくれるチーム、ファン、スポンサーの皆さんに感謝しています」

P・デニング(チーム代表)

「今回のマニクールはタフ中のタフと言える大会になりました。昨日のレース1はジョナサン(レイ)もロカ(ロカテッリ)も明らかに表彰台争いができる状態だったにもかかわらず、コースコンディションが変化しやすく、JRは1ラップ目に転倒して負傷し、レース2まで欠場となってしまいました。ロカのほうはトップに近づきながらも雨につかまり、今日のスーパーポール・レースではペトルッチの転倒に巻き込まれ、さらに締めくくりのレース2でも本当に厳しい戦いを強いられました。チームは今、ジョナサンが次のクレモナで復帰できるよう祈っています。難しいチャレンジであることは承知の上で、私たち全員が一丸となり、ヤマハ・イタリアのホームレースでベストを尽くしたいと思っています」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

R・ガードナー選手談(9位/6位)

「昨日よりはポジティブな展開になりました。スーパーポール・レースで目標を達成し、レース2をグリッド3列目からスタートすることができました。決勝中のペースも悪くなく、バトルを楽しみながら6位を獲得することができました。本当はもっと上を目指したいところですが、スタート位置を考えれば十分に良い結果だったと受け止めたいと思います」

A・デリビアンコ選手談(13位/13位)

「ようやくドライ・コンディションでレースができ、とても素晴らしい経験になりました。SCQタイヤ(予選タイヤ)は初めてでしたが、チームのみんなが短時間のうちに乗りやすく仕上げてくれたので、全体的にフィーリングが良く、たくさんのポジションを挽回することができました。レース2もまた同様の展開で、リズムが安定しており、全21ラップを最後まで楽しんで走りきりました。このような機会を与えてくださったすべての人に感謝しています」

WorldSSP 9月8日(日)
Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team

G・ファン・ストラーレン選手談(3位/6位)

「レース1は難しい展開でしたが、スリックタイヤの選択が功を奏しました。このことが味方してくれたので、あとは冷静に走り切るだけでした。順調に3位を獲得でき、満足しています。レース2はグリッド好位置から好スタートを切りましたが、残念ながらトップ争いにはわずかに届きませんでした。それでも最終的に6位でゴールできたので、この日曜日は良い思い出になりそうです。今はもう、次のクレモナに気持ちを集中しています」

S・マンジ選手談(DNF/2位)

「レース1の転倒は非常に残念でした。スリックタイヤ勢のグリープをリードしていて、ペースは通常通りでしたし、何も変わったことはしていませんでした。ところが前を走っていたレインタイヤを履いたライダーによってミスをし、水たまりに入って転倒してしまったのです。その結果、レース2はグリッド11番からのスタートとなりましたが、最終的にはあと一歩で優勝というところまで追い上げることができました。毎回のように表彰台に上っているのですが、本当の優勝争いに加わることはできていませんでした。それが今日はできたので満足しています。次もがんばります」

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