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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.07 8月9-11日 ポルトガル

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第7戦ポルトガル
■開催地:ポルトガル/ポルティマオ(4.592 km)

WorldSBK レース1
■開催日:2024年8月10日(土)
■周回数:20周 (91,840 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度
■路面温度:38度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分39秒783)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分40秒612)

WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2024年8月11日(日)
■周回数:10周(45,920 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度
■路面温度:46度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分39秒783)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分40秒069)

WorldSBK レース2
■開催日:2024年8月11日(日)
■周回数:20周 (91,840 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度
■路面温度:34度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分39秒783)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分40秒753)

WorldSSP レース1
■開催日:2024年8月10日(土)
■周回数:17周 (78,064 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度
■路面温度:44度
■PP:A・ウエルタス(Ducati/1分43秒352)
■FL:Y・モンテッラ(Ducati/1分43秒246)

WorldSSP レース2
■開催日:2024年8月11日(日)
■周回数:17周 (78,064 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度
■路面温度:43度
■PP:A・ウエルタス(Ducati/1分43秒352)
■FL:A・ウエルタス(Ducati/1分43秒573)

REPORT

WorldSBK 8月10日(土)
ロカテッリが11位、レイが15位

第7戦ポルトガル大会は夜間レースとして行われ、レース1は現地時間午後6時にスタートした。Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリとJ・レイは、先立って行われたスーパーポールで、それぞれ7番手と8番手。レース1はともにグリッド3列目から好スタートを切ったが、好成績に結びつけることはできなかった。

先に飛び出したのはロカテッリだったが、レイもすぐに追いつき逆転すると、レイが6番手、ロカテッリが7番手でオープニングラップを終了。レイは4ラップ目で5番手に上がり、さらに4番手浮上を目指してM・ファン・デル・マーク(BMW)との差を詰めていった。しかし第13コーナーで仕掛けようとしたところでファン・デル・マークのマシン後部に接触し、転倒は免れたものの大きく後退。ここからの挽回に自信を見せていたが、その後、クイックシフターに不具合が発生し、残りの周回はマニュアル・シフトで走行した。レイは厳しい状況のなかで最後まで走り切ったが、WorldSBKの熾烈な戦いのなかで、これ以上のポジションアップは難しく15位に留まった。

一方のロカテッリはオープニングラップの混乱のなかで7番手へ後退。その後も思うようにペースを上げることができず、少しずつ順位を下げて11位でゴールした。

GYTRのエガターとガードナーがトップ10フィニッシュ

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのD・エガターとR・ガードナーが、それぞれ9位と10位でフィニッシュし、貴重なポイントを獲得した。

午前中に行われたフリープラクティス第3セッションを活用し、スーパーポールに向けて万全の準備を整えたふたり。エガターは15分間のセッションの最初の走行で好タイムをマークしたが、2回目のアタックではイエローフラッグの影響を受け、8番手の記録がキャンセルされてしまった。その後もう一度、タイムを更新したものの、タイヤグリップの消耗もあり順位を上げることはできず、1分40秒505の10番手。一方のガードナーも1分40秒608とわずかの差だったが、大勢のタイムが接近するなかで14番手に留まった。

午後6時にスタートしたレース1はグリッド後方からの厳しい展開となったが、ふたりは安定したペースを守って順調に走行。後半では少しずつポジションを上げ、エガターが9位、ガードナー10位でチェッカーを受けた。

WorldSBK 8月11日(日)
レイがレース2で6位獲得

Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのJ・レイがレース2で6位を獲得した。先立って行われたスーパーポール・レースは思うような走りができず10位。レース2はグリッド11番からスタートし、持ち前の粘り強さで着実に順位を上げていった。そして最終ラップでM・ファン・デル・マーク(BMW)をパスして6位でチェッカー。レイはYZF-R1の強みを活かして好結果につなげられたことに自信を持ち、厳しかった大会の最後に希望の光を見出した。チームは次戦以降、レイが再び表彰台争いに加われるよう、さらなる改良を目指していく。

チームメイトのA・ロカテッリはスーパーポール・レースで13位。レース2で挽回を目指し、オープニングラップでは9番手まで順位を上げていたが、その後、少しずつ後退して11位に留まった。

エガターとガードナー、ともにポイント獲得

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのD・エガターとR・ガードナーは、レース2でそれぞれ10位と12位を獲得し、貴重なポイントを手中にした。

午前中のウォームアップでハイペースを見せたふたりは、自信を持ってスーパーポール・レースに臨んだ。エガターは好スタートから6番手につけ、その後いくつか下げたものの、最終ラップで2台抜いて8位。一方のガードナーはスタートで出遅れ、思うように挽回できないまま15位に留まった。

スーパーポール・レースの結果を受けて、エガターはグリッド3列目、ガードナーは5列目からレース2をスタート。ふたりとも安定したペースをキープし、ハードバトルを展開して、それぞれ10位と12位でチェッカーを受けた。

WorldSSP 8月10日(土)
マンジが3位表彰台獲得

Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported TeamのS・マンジが、第7戦ポルトガル大会のレース1で3位を獲得した。スーパーポールで3番手のタイムをマークし、レース1をフロントローからスタートしたマンジ。序盤は一時、2番手につけたが、3ラップ目にひとつ下げ、その後はポジションをキープした。終盤ではJ・ナバーロ(Ducati)が後方から差を詰めてきたが、抑えきって3位でゴールした。

その他のヤマハ勢では、Evan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスがサイティング・ラップで転倒というアクシデントがあったが、グリッド上でマシンを修復して6位を獲得。GMT94 Yamaha WorldSSP Supported TeamのL・マヒアスが8位、マンジのチームメイトのG・ファン・ストラーレンが9位となっている。

レース1で5番目に速いタイムを記録したマンジは、翌日のレース2でグリッド2列目に並ぶ。デービス、ファン・ストラーレン、マヒアスは、それぞれグリッドの7番手、8番手、10番手からスタートする。

WorldSSP 8月11日(日)
マンジとデービス、2位と3位で揃って表彰台

Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported TeamのS・マンジとEvan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスが2位争いを展開し、マンジが2位、デービスが3位を獲得した。

マンジがグリッド2列目から絶好のスタートを切って4番手に上がり、その後ろにデービスが続く展開。前方を行くJ・ナバーロ(Ducati)がミスをして遅れ、この間にマンジとデービスが表彰台争いへと浮上した。さらに8ラップ目にはトップ走行中のA・ウエルタス(Ducati)が転倒したため自動的に2位争いへ。デービスが何度も仕掛け、中盤はポジションを入れ替える激しいバトルとなったが、最終的にはマンジが抑え、さらにリードを拡大して2位でゴールした。デービスも後続に十分な差をつけて3位でチェッカーを受けている。

その他のヤマハ勢では、GMT94 Yamaha WorldSSP Supported TeamのL・マヒアスとマンジのチームメイトのG・ファン・ストラーレンが5位争いを展開し、マヒアスが僅差で抑えきって5位、ファン・ストラーレンが6位で続いた。

マンジはチャンピオンシップでトップから41ポイント差でランキング3位をキープしている。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

WSSP RESULT Race.1

WSSP RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

RIDERS RANKING WSSP

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSSP

COMMENT

WorldSBK 8月10日(土)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team

A・ロカテッリ選手談(11位)

「とても奇妙なレースだった、というのが正直な感想です。上位グループについていくことができず、フィーリングもつかめず苦戦しました。フリープラクティス第3セッションとスーパーポールでは良い感触があったのですが、決勝ではパフォーマンスを発揮することができませんでした。言葉にするのは難しいですが、とにかく明日までに一歩前進し、もう一度トライします。私にとってスーパーポールの7位はそれほど悪くなく、スーパーポール・レースで好スタートするための良い位置だと考えています」

J・レイ選手談(15位)

「今日は確実に一歩、前進できたと思っていますが、残念ながらレースのかなり序盤でクイックシフターの不具合が出てしまいました。そのため電子制御システムによるシフトの上げ下げができず、マニュアル・シフトで走るしかありませんでした。これによりラップタイムが大幅に落ちてしまったのですが、リタイアはしたくありませんでした。というのも問題が発生するまでは、R1は今季最高の好調ぶりだったのです。絶好のスタートがなかったとしても第1コーナーをうまく回ることができ、何台かパスし、さらに前のグループに追いつけると思える状態でした。ネガティブなことよりポジティブなことのほうが多い一日でしたが、このところの上り調子を維持し、自信を高めようとしている矢先に、このような問題が出たのは非常に残念です。ひとつのコーナーを越えて好転の兆しが見えてきたと確信しており、今はR1の強みを活かして限界まで攻め、自由に走ることができます。スーパーポール・レースは予選順位の8番グリッドからスタートできるので、好成績のチャンスも十分にあります。そしてレース2も上位を目指していきます」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

D・エガター選手談(9位)

「スーパーポールでイエローフラッグが出て、グリッドポジションを上げられなかったのが残念ですが、レース1は全体的に好調でした。もちろん、順位は望んでいたものではありませんが、常に進化し続けているので、明日はもう一歩、前進できるよう期待しています。暑さで体力を奪われてしまうので、今のうちに回復しておくことも重要だと思います。明日への準備は整っています」

R・ガードナー選手談(10位)

「厳しい展開だったことは確かです。レースの全体的な内容には一応、満足していますが、結果はあまり良くありませんでした。明日のスーパーポール・レースとレース2では、もっと上を目指していきます。今はペースアップを目標に懸命に努力し続けています。明日もポジティブな気持ちで頑張ります」

WorldSBK 8月11日(日)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team

J・レイ選手談(10位/6位)

「R1のフィーリングが格段に良くなりました。このことは非常にポジティブに受け留めていますが、同時に今回、今後の課題も浮き彫りになりました。昨日のレース1ではとてもリズムが良かったのですが、そのあと技術的なトラブルが出てしまいまいた。そして今日は、スーパーポール・レースで好スタートを切ったにもかかわらず、皆がグリップを維持しているなかで厳しい戦いになりました。そのためレース2のグリッドポジションを上げることができず、11番グリッドからスタートとなりました。ここでもうまく飛び出して何度かバトルを展開しましたが、とくにビエルゲとの戦いではパスに手間取りました。彼はコース全体ではそれほど速くないのですが、ストレートのスピードがあるため、捉えるまでに時間がかかってしまいました。彼をパスしたあとのターゲットはファン・デル・マーク、ペトルッチでしたが、その時点で大きな差が開いていました。それでもタイヤを消耗したあとの強さがR1の重要な特徴なので、それを活かして、どんどん差を詰めていきました。そしてついに最終ラップでマイキー(ファン・デル・マーク)をパスすることができたのです。シャシーのフィーリングがとても素晴らしく、マシンの強みを思う存分に発揮することができました。その意味で今回は自信につながるレースができましたし、電子制御システムについても信頼感が増し、マシンを自分の思い通りに操れるようになったと思います。またクルーチーフらのハードワークのおかげでリアからのフィードバックがよりダイレクトに伝わるようになっています。これらの成果を次のマニクール・サーキットでも活かせるよう期待しています。毎回サーキットを遠征して応援してくださるサポーターの皆様には心から感謝しています。彼らは厳しい時に力を与えてくれます」

A・ロカテッリ選手談(13位/11位)

「これまでで最悪の週末になってしまいました。予選が終わった時点では、それほど悪くないポジションだと思っていたのですが、昨日と今日のレースではマシンのリア周辺の振動が激しく、それをコントロールしてハード・プッシュにつなげるのは難しい状況でした。今回でチャンピオンシップのポイントをたくさん失ってしまいましたが、私たちは常に前を向いています。このあと長い休暇に入りますが、あらゆることを見直して解決策を見つけるためには、むしろ良かったかもしれません。基本のセッティングでいいポジションにつけるときはポテンシャルも非常に高いので、そうなるよう期待しています。チーム全員が懸命に仕事に取り組んでおり、常に最大限の努力を続けています。いつもは相性の良いポルティマオで、このような結果に終わったことは、彼らにとっても非常に残念なことです。でも泣いてばかりはいられません。前を向いて、ハードワークに励み、強くなって戻ってきます」

P・デニング(チーム代表)

「私たちにとって相性の良いこのコースで、非常に厳しい戦いとなりました。ジョナサン(レイ)については、昨日のレース1は素晴らしいポテンシャルがありましたが、不運なトラブルが出てしまいました。そして今朝のスーパーポール・レースの結果により、レース2は11番グリッドからのスタートとなりました。グリッド4列目から6位まで挽回したこと、また昨日2位のペトルッチを追い詰めたことは、彼自身、R1、そしてチームの進化の証明です。もしもスタートポジションがもう少し良かったら、結果はもっと良くなっていたかもしれないし、そうなっているはずだったのです。苦しい状況でスタートしたウイークが素晴らしい結果となり、ジョナサンがマックスあるいはそれ以上を注いで最大限の順位を獲得しました。
一方のロカ(ロカテッリ)は非常に厳しい展開となってしまいました。マシンのフィーリングやフィードバックがいつものようには伝わらず、大接戦の今シーズンは、ほんのわずかのポテンシャルの落ち込みが順位に大きく影響してしまうのです。次のマニクールではジョナサンが何度も好成績を残していますし、R1も同様です。表彰台争いに復帰するという前向きな意識を持って臨みます」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
D・エガター選手談(8位/10位)

「ベストを尽くし、全体的に安定したスピードをお見せすることができたと思います。もちろん、この順位は望んでいたものではありませんが、今回は良かったところを評価するべきだと思います。スーパーポール・レースでは絶好のスタートを切り、トップ9入りを目指して戦うことができました。そして最終ラップでハード・プッシュを仕掛け、8位獲得を達成してレース2のグリッドを上げることができました。レース2では上位陣について行くことを目標にしていました。全体的にペースが良く、ポイントを獲得できてうれしいです」

R・ガードナー選手談(15位/12位)

「ウイークを通していいところがありませんでした。正直に言って、非常に難しい挑戦でした。スーパーポール・レースではトップ9を目指して懸命にプッシュしましたが、集団に飲み込まれて自分の走りができず、目標に届きませんでした。レース2では、十分とは言えないものの少しスピードが上がりました。コンスタントな走りを心掛け、なんとかポイントを持ち帰りました。ここで一度リセットし、次の大会に集中します」

WorldSSP 8月10日(土)
Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team

S・マンジ選手談(3位)

「昨日と同様、トップ2との差が大き過ぎて、ほとんどずっと単独走行になってしまいました。終盤はホルヘ(ナバーロ)のほうがペースが速く、差を詰めてきました。激しい戦いになりましたが、なんとか抑えきることができました。全力を尽くしましたし、レース展開にはとても満足していますが、まだまだ改善の余地が残っているので、明日のウォームアップで何らかの答えを見つけたいと思っています」

WorldSSP 8月11日(日)
Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team

S・マンジ選手談(2位)

「今週はとても好調でした。今朝のウォームアップもうまく走れていたので、自信を持って決勝に臨みました。でも午前中とは風の状況が大きく変化していたため、あまり良いフィーリングが得られませんでした。トップ3台が序盤から逃げてしまい、デービスにも抜かれて、リズムを取り戻すまでに時間がかかりました。そのあと前方で2台が転倒したので、今回は少しラッキーでした。しかしそういうときこそ確実に成果を獲りにいかなければなりません。そしてようやく貴重なポイントを手にすることができたのです。チャンピオンシップのランキング争いは続いていますが、まずは1戦1戦に集中し、勝利を目指して全力を尽くします。結果はあとからついてくるでしょう」

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