スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.12 10月8日 フランス
RACE DATA
■大会名称:2006スーパーバイク世界選手権第12戦フランス大会
■開催日:2006年10月8日(日)
■開催地:フランス/マニクール(1周4.411km)
■観客数:61,000人
■天候:晴れ ■気温:22度
■周回数:23周(101.453km)×2
■PP:T・コルサー(スズキ/1分39秒147)
■FL:T・ベイリス(ドゥカティ1分40秒370)
REPORT
芳賀ランキング3位が決定
ヤマハモーターイタリアの芳賀紀行は第1レース2位、第2レース4位の好成績。両レースともにランキング2位を争っているJ・トーズランド(ホンダ)と熾烈なバトルを展開することとなったが、いずれもわずかに及ばず最終的なランキングではトーズランドが2位、芳賀が3位という結果になった。
第1レース、芳賀はオープニングラップのコーナーで大きくはらんで13番手まで後退するハプニング。しかしそこから懸命の追い上げを見せ、9ラップ目にはトップ争いまで浮上した。芳賀、トーズランド、T・コルサー(スズキ)、そしてやや後方にすでにチャンピオンが決定しているT・ベイリス(ドゥカティ)がつける展開で、なかでもトップ3台はまさに、コーナーごとに順位を入れ替える大激戦。見事なバトルで最終ラップまで観客を沸かせ、最終的にはトーズランドがトップでゴール。芳賀はコンマ1秒差で2位となった。
続く第2レースもほぼ同じ展開となったが、芳賀はリアのグリップがいくらか落ちてきたこともあってベイリス、コルサー、トーズランドに先行を許してトップには届かない。そしてベイリスが今季12回目の優勝を果たし、コルサー、トーズランドが続いた。芳賀は4位でゴールし、ランキング3位が決定した。
芳賀のチームメイト、A・ピットは第2レースで5位を獲得。第1ヒートは2周目で転倒を喫して大きく順位を下げてしまったが、すぐに再スタートして完走。第2レースはフロントエンドのフィーリングにいくらか違和感がありトップグループには届かなかったものの、芳賀に続く5位でゴールしてランキング5位を決定した。ランキング4位のコルサーにはわずかに5ポイント及ばなかった。
ヤマハモーター・フランスの中冨伸一は、第1レースで10位と健闘したが第2レースは転倒リタイヤ。阿部典史は13/12位。S・ジンバートは第1レースでブレーキのトラブルがありリタイヤ、第2レースは11位でチェッカーを受けた。シリーズランキングでは阿部が13位、中冨17位、ジンバート21位となった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 38'53.856 |
2 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0'0.115 |
3 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0'0.412 |
4 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'3.000 |
5 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'7.152 |
6 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 0'14.906 |
7 | A・バロス | BRA | Honda | 0'17.330 |
8 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'17.474 |
9 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'25.257 |
10 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 0'25.883 |
11 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'31.542 |
12 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'33.422 |
13 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 0'36.159 |
14 | R・ロルフ | ITA | Ducati | 0'40.867 |
15 | J・ブルックス | AUS | Kawasaki | 0'50.110 |
18 | A・ピット | AUS | Yamaha | 0'57.659 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 38'54.239 |
2 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0'1.282 |
3 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'3.388 |
4 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0'8.524 |
5 | A・ピット | AUS | Yamaha | 0'11.836 |
6 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'14.126 |
7 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'15.217 |
8 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 0'18.212 |
9 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'20.224 |
10 | A・バロス | BRA | Honda | 0'23.387 |
11 | S・ジンバート | FRA | Yamaha | 0'28.965 |
12 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 0'33.071 |
13 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'33.125 |
14 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'35.223 |
15 | P・チリ | ITA | Honda | 0'40.136 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 406 |
2 | J・トーズランド | Honda | 320 |
3 | 芳賀 紀行 | Yamaha | 313 |
4 | A・バロス | Honda | 240 |
5 | A・ピット | Yamaha | 239 |
6 | T・コルサー | Suzuki | 234 |
13 | 阿部 典史 | Yamaha | 108 |
17 | 中冨 伸一 | Yamaha | 48 |
21 | S・ジンバート | Yamaha | 18 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 425 |
2 | Honda | 398 |
3 | Yamaha | 388 |
4 | Suzuki | 352 |
5 | Kawasaki | 221 |
6 | Petronas | 19 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(2位/4位)
「第1レースはジェームス、トロイとすごいバトルができて、とてもいいレースになった。ブレーキングでミスをしてしまったが、マシンが絶好調だったので激しく攻めることができてトップまで上がることができた。第2レースも同じセッティングで臨んだが、最初の2、3周ですぐに優勝は難しいとわかった。結果的にランキング2位を取れなかったことは少し残念。トーズランドとの差は10ポイントだけだったが、やはり今までにどこかで、その分を失っていたということなんだ」
A・ピット選手談(18位/5位)
「第2レースはタイヤを柔らかめのもの使用した。するとブレーキングで、コーナー進入でマシンが少し動き回るようになったんだ。好きなタイヤではなかったんだけど、第1レースはハードを選んだら転倒してしまったから...。序盤はスピードが上がらなくて、ただついて行くだけで、そして結局5位でゴール。シーズン最後のレースとしてはまずまずの結果だと思う。振り返ってみれば素晴らしいシーズンだった。この2年間、世界選手権の上位で走るチャンスを与えてくれたヤマハに感謝の気持ちでいっぱいだ」
阿部典史選手談(13位/12位)
「まぁまぁだね! 今回は予選中からずっと、マシンのセッティングがうまくいかなかった。今までなら決勝日には何とかなっていたんだけど、今回はむしろ、もっと悪くなってしまった感じ。どういうわけかラップタイムも落ちてしまったんだ。このチームで2年間レースをしてきたんだけど、みんなとても親切にしてくれた。今ではファミリーみたいなものだよ」
中冨伸一選手談(10位/リタイヤ)
「第1レースはいつも以上にいいレースができて、いいポジションにつけることができた。第2レースはセッティングを少し変えたら走りやすくなっていたので、ウォーカーと加賀山を懸命に追っていたら転倒してしまった」
S・ジンバート選手談(リタイヤ/11位)
「信じられないようなレース。第1レースではブレーキ関係の問題が出てブレーキが効かなくなってしまった。そして第2レースではグリップが効かなかった...。それでも11位で走りきり、ポイントを獲ることができた」
M・メレガリ、ヤマハモーターイタリア・WSB・チーム監督談
「ふたりのライダーがランキング5位以内に入ってくれたのだから、チームとしては素晴らしい成果だ。シーズン開幕の時にはタイトルを目標にしていたわけだから、もちろん残念な気持ちもあるが。この1年間でチームは大きく成長し、来年に向けてしっかりとした基盤を作ることができたと思う。今日、紀行は両レースで同じタイヤをチョイスしたが、第2レースはどういうわけか、第1レースと同じようにはいかなかった。第1レースはまさにパーフェクトだったのだが、第2レースになると序盤からマシンがスライドしていた。アンドリューのほうはフロントエンドのフィーリングが良くなくて、思い通りにプッシュすることができなかったようだ。それでもそのなかでベストを尽くし、ランキング5位という好成績でシーズンを終わることができたのだ」
M・ガルシア、ヤマハモーター・フランス・チーム監督談
「セバスチャンは第1レース、ブレーキディスクが曲がってしまって、うまくいかなかった。でも第2レースはバロスと阿部の間でゴールできたので良かったと思う。阿部のほうはグリップ不足で悩んだが、チームにとってありがたいポイントを獲得してくれた。中冨は第2レースは転倒してしまったが、第1レースの10位は素晴らしい成績。チームのために頑張ってくれた3人のライダー、そしてスタッフの全員にお礼を言いたい」