スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.10 9月10日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:2006スーパーバイク世界選手権第10戦ドイツ大会
■開催日:2006年9月10日(日)
■開催地:ドイツ/ユーロスピードウェイ(1周4.265km)
■観客数:51,400人
■天候:晴れ ■気温:23度
■周回数:24周(102.36km)×2
■PP:T・ベイリス(ドゥカティ/1分37秒923)
■FL:T・ベイリス(ドゥカティ/1分38秒635)
REPORT
芳賀が両レース2位でランキング2位に浮上!
ヤマハモーターイタリアの芳賀紀行が両レース2位を獲得してランキング2位に浮上した。土曜日のフリープラクティスで手首を負傷した芳賀。両レースともにレースをリードする展開で、最終的にはいずれも2位でゴールしてこの日の合計獲得ポイントではトップに立った。
第1レース。好スタートを切って、ランキングトップのT・ベイリス(ドゥカティ)について行く芳賀。ベイリスはその後ミスをおかして遅れ、芳賀はチームメイトのA・ピット、T・コルサー(スズキ)、加賀山就臣(スズキ)とトップ争いを展開した。ピットはタイヤチョイスのミスで4番手に後退。芳賀は終盤戦でフロントタイヤのグリップが落ちてきたところで加賀山に抜かれて2位となった。
第2レースもトップ争いはほぼ同じメンバー。しかしそのなかからピットが転倒して戦線離脱する。今回は他と同じタイヤを履いて臨み、順調に上位争いをしていたピットだが、4周目、ステップが縁石に当たって転倒してしまったのだ。代わってJ・トーズランド(ホンダ)がトップに立ち、2位で続く芳賀が最後までプレッシャーをかけ続ける形となった。芳賀は結局、トーズランドをパスすることができずコンマ2秒差の2位でチェッカーを受けた。
ヤマハモーター・フランスの阿部典史は第2レースで11位。チームメイトの中冨伸一は15位に入りポイントを獲得した。第1レースはいずれもタイヤチョイスのミスでノーポイントに終わっている。
芳賀はこれでランキング2位に返り咲き。トップのベイリスとの差は87ポイントとなった。残り2戦、4レースとなった今、芳賀を6ポイント差で追っているトーズランドまでに、計算上タイトルの可能性が残っていることになる。ランキング4位はコルサー、そして1ポイント差でピットがこれを追っている。またコンストラクターズ・ポイントにおいても、今回の芳賀の40ポイント加算でドゥカティに37ポイント差まで近づいた。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 39'57.421 |
2 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0'1.239 |
3 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0'1.436 |
4 | A・ピット | AUS | Yamaha | 0'8.725 |
5 | A・バロス | BRA | Honda | 0'8.975 |
6 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'13.804 |
7 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'23.569 |
8 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'23.846 |
9 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'27.217 |
10 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'28.712 |
11 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 0'29.543 |
12 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'29.869 |
13 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'31.275 |
14 | S・マーチン | AUS | Petronas | 0'34.783 |
15 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'37.010 |
16 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 0'46.339 |
17 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 0'58.227 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 39'58.796 |
2 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0'0.210 |
3 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'3.056 |
4 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'7.396 |
5 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'11.653 |
6 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'21.386 |
7 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'26.620 |
8 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'26.736 |
9 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'29.428 |
10 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 0'29.544 |
11 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 0'29.779 |
12 | S・マーチン | AUS | Petronas | 0'38.463 |
13 | C・ジョーンズ | GBR | Petronas | 0'45.259 |
14 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0'45.922 |
15 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 0'58.393 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 357 |
2 | 芳賀 紀行 | Yamaha | 270 |
3 | J・トーズランド | Honda | 264 |
4 | T・コルサー | Suzuki | 211 |
5 | A・ピット | Yamaha | 210 |
6 | A・バロス | Honda | 186 |
14 | 阿部 典史 | Yamaha | 93 |
17 | 中冨 伸一 | Yamaha | 33 |
21 | S・ジンバート | Yamaha | 18 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 376 |
2 | Yamaha | 339 |
3 | Honda | 328 |
4 | Suzuki | 320 |
5 | Kawasaki | 196 |
6 | Petronas | 19 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(2位/2位)
「昨日、手首を傷めてしまって、今日もとても痛かったんだ。そんななかで両レース2位を獲得できたのはとてもうれしい。痛み止めを打って出場したが、いいバトルもできてレースを楽しむことができた。第1レースでは、レースをリードしていながら最後の5周でフロントタイヤがだめになってしまい、加賀山が仕掛けてきた時にはどうすることもできなかった。第2レースは少しセッティングを変更して臨み、ジェームスとバトルを展開。彼はとても乗れていて結局パスすることはできなかったが、納得のいくいいレースができたので良かったと思う。今日の結果にはとても満足しており、怪我を診てくれた医療スタッフにも感謝したい」
A・ピット選手談(4位/リタイヤ)
「第1レースでは、タイヤチョイスで他の多くのライダーが使用したものとは違うタイヤを選んでしまい、10周もするとグリップしなくなってきたので4位をキープすることしかできなかった。このタイヤチョイスは賭けだったのだが、昨日に比べて気温が上がっていたので、きっとうまく機能してくれると考えていたんだ。第2レースは何ヶ所か変更を加え、タイヤも他のライダーと同じものを使った。するととても調子が良くて、まず加賀山をパスし、それからトップグループを追っていこうとしたところでステップを縁石にぶつけてしまった。これで荷重がリアにかかり転倒してしまったんだ。再スタートしたかったが、ハンドルバーが壊れてしまったので走れなかった。非常に残念だったが、バロスとコルサーもポイントはあまり多くなかったので、ダメージは最小限に食い止められたと思う。このあとはすぐにイモラへ移動だ」
阿部典史選手談(16位/11位)
「第1レースは小さな問題がたくさん出てしまって、うまく乗れなくてポイントも逃してしまった。第2レースはリアを持ち上げてバイクのバランスを変えて臨んだら、ラップタイムも上がって最後まで好調に走ることができた。とても嬉しかった」
中冨伸一選手談(17位/15位)
「このコースは好きなんだけど、セッティングがなかなか煮詰まらず、バイクが跳ねる傾向があったりスピンしたりでうまく走れなかった。第2レースはセッティングを変更してみたが、これもあまり大きな成果はなかったようだ」
M・メレガリ、ヤマハモーターイタリア・WSB・チーム監督談
「第1レースはふたりとも、トーズランドよりも前でゴールしてポイントを稼ぐことができたので良かったと思う。シーズンの終わりにランキング2位と3位を獲得することを目標に今回も戦ったが、アンドリューが5位に落ちてしまったのは残念だ。それでも今回も多くの収穫があったことは確かで、これは喜んでいい点だと思う。紀行は怪我の痛みをこらえながら果敢に攻め、本当に貴重な多くのポイントを取ってくれた。アンドリューのほうはちょっと運が悪かったが、良く乗れていた。次のイモラではふたり揃って上位グループを走ってくれると確信している」
M・ガルシア、ヤマハモーター・フランス・チーム監督談
「タイヤが最後まで持たず、順位を下げることになってしまった。第2レースはセッティングを変更して臨み、これが功を奏してノリックは10位争いを展開することができた。ここでテストを行なったときは厳しい状態だったが、それに比べて今回は大きく前進できたと思う。このコースはマシンセッティングについて非常にデリケートなのだ。転倒もなく、数ポイントを獲得してレースを終えることができて良かったと思っている。このあとは次のイモラに向けて準備を整えていく」