スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.07 7月23日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第7戦チェコ大会
■開催日:2006年7月23日(日)
■開催地:チェコ/ブルノ(1周5.403km)
■観客数:31,000人
■天候:晴れ ■気温:31度
■周回数:20周(108.060km)×2
■PP:芳賀紀行(ヤマハ/2分00秒457)
■FL:芳賀紀行(ヤマハ/2分02秒594)
REPORT
芳賀紀行が4位・3位!
ヤマハモーターイタリアの芳賀紀行は表彰台を獲得し、ランキングトップのT・ベイリス(ドゥカティ)との差を21ポイント短縮した。昨日のスーパーポールでトップに立った芳賀は、1年前にYZF-R1で初優勝を果たしたこのサーキットで、その再現を狙っていた。
芳賀は第1レース、5台ほどでトップグループを形成。レース後半はフロントのグリップ低下でペースが上がらず、加賀山就臣(スズキ)、J・トーズランド(ホンダ)、M・ファブリツィオ(ホンダ)に続く4位でゴールした。
続く第2レースはセッティングを少し変更して臨み、好スタートからレースをリードして一時は3秒ほどの差をつけて快走した。しかし終盤になると、やはりグリップの問題が出て徐々に後退。残り4周で加賀山に先行され、さらに最終コーナーでファブリツィオにもパスされて3位となった。ランキングは2位キープ。しかしトップのベイリスとの差を大きく短縮することができた。あと10レース、250ポイントを残し、その差は73ポイント。
一方、ミザノでスーパーバイク初優勝を果たしたチームメイトのA・ピットは、両レースリタイヤという結果に終わった。両レースともに好位置でレースを展開していたが、レース終盤で燃料供給の問題が発生しリタイヤを余儀なくされた。ランキングでは6位をキープした。
ヤマハモーター・フランスの中冨伸一は、第1レースでチームメイトの阿部典史を抑えて8位。世界選手権スーパーバイクで自己最高の成績を獲得した。第2レースは11位となり、合計で11ポイントを確保。阿部はトラクションの問題に悩まされて9位と12位。またS・ジンバートは13位/15位でポイントを獲得した。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 41'27.271 |
2 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'3.900 |
3 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'6.255 |
4 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0'6.432 |
5 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0'7.463 |
6 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'21.967 |
7 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 0'21.989 |
8 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 0'26.882 |
9 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 0'27.174 |
10 | P・キリ | ITA | Honda | 0'27.441 |
11 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'28.299 |
12 | R・ロルフ | ITA | Ducati | 0'32.112 |
13 | S・ジンバート | FRA | Yamaha | 0'36.427 |
14 | V・イアンツィオ | ITA | Suzuki | 0'44.249 |
15 | I・クレメンティ | ITA | Ducati | 1'0.978 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 41'31.118 |
2 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'2.431 |
3 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0'2.479 |
4 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0'2.514 |
5 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'4.939 |
6 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'5.070 |
7 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'7.932 |
8 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'15.441 |
9 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'15.755 |
10 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 0'17.461 |
11 | A・バロス | BRA | Honda | 0'21.547 |
12 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 0'22.052 |
13 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 0'22.102 |
14 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'26.983 |
15 | S・ジンバート | FRA | Yamaha | 0'29.549 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 262 |
2 | 芳賀 紀行 | Yamaha | 189 |
3 | J・トーズランド | Honda | 188 |
4 | T・コルサー | Suzuki | 173 |
5 | A・バロス | Honda | 151 |
6 | A・ピット | Yamaha | 128 |
13 | 阿部 典史 | Yamaha | 71 |
17 | 中冨 伸一 | Yamaha | 29 |
20 | S・ジンバート | Yamaha | 15 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 272 |
2 | Suzuki | 238 |
3 | Honda | 236 |
4 | Yamaha | 218 |
5 | Kawasaki | 118 |
6 | Petronas | 4 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(4位/3位)
「勝てると思っていたが、残念ながらタイヤがもたなかった。思っていたとおり、2レースとも非常に厳しい展開になったのだが、ファブリツィオにはあまりいい気持ちがしていない。レースはレースだけれど、パスするときに相手にぶつかるのはいいことじゃない。このあとは忙しいスケジュールが待っている。来週は鈴鹿の8時間耐久があるので、今晩、日本へ向かう。そしてその次のブランズハッチは大好きなコースだ」
中冨伸一選手談(8位/13位)
「今日はとてもハッピー。第1レースでは阿部さんといいバトルができたから。来週は鈴鹿8時間耐久。表彰台を狙っている!」
阿部典史選手談(9位/12位)
「いつものようにトラクション不足に悩まされた。金曜日から今日までずっと、リアがグリップしてくれないまま終わってしまった。いつもは僕一人がこの問題にぶつかっているんだけれど、今回は皆が同じことを言っていた。それでも僕のが一番ひどくて、至るところでスライドばかりしていた。プラクティス中にいろいろなことを試してみたが、何も変わらなかった。両レースともに全力を尽くして戦った。これ以上は無理だ」
A・ピット選手談(リタイヤ/リタイヤ)
「とても残念。第1レースは好調で芳賀についていくことができたが、終盤でマシンがミスファイアを起こし、回転があがらなくなってしまった。少しでもポイントを取りたかったので、何とか最後まで走りきりたかったが、次のラップには完全に止まってしまった。そして第2レースも同じ展開。走って止まって、結果は何も残せなかった」
M・メレガリ、ヤマハモーターイタリア・WSB・チーム監督談
「チームとしては非常に残念。予選が好調だっただけに期待していたのだが...。紀行のほうは、タイヤさえもってくれれば優勝できたと思う。アンドリューもトラブルさえなければきっと好成績を残しただろう。彼のマシンをしっかりと分析しているが、今わかることは燃料供給の問題が起こったということだけだ。厳しい戦いのなかでも、ノリがベイリスとの差を縮めたことは喜ぶべきこと。1回で21ポイントも縮めたのだからすばらしいことだし、常にトップグループで走れることを証明してくれた」
M・ガルシア、ヤマハモーター・フランス・チーム監督談
「去年と比べてみると、今年はタイヤのグリップが完全になくなってしまったと言っても良さそうだ。ノリックにとってはこれは最悪の状況で、本人も相当がっかりしているようだ。しかしその一方で、チーム全体としては喜べることもあったんだ。3人のライダーがそれぞれ、各レースでポイントを獲得してくれたのだから。なかでもセバスチャンは、このことをとても喜んでいる」