スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月28日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第5戦イギリス大会
■開催日:2006年5月28日(日)
■開催地:イギリス/シルバーストーン(1周3.619km)
■観客数:71,000人
■天候:晴れ ■気温:15度
■周回数:28周(101.332km)×2
■PP:T・ヒル(ヤマハ/1分27秒807)
■FL:T・ベイリス(ドゥカティ/1分26秒299)
REPORT
YZF-R1を駆る芳賀が両レース2位と活躍!
ヤマハモーターイタリア・WSBチームが今季最高の成績を挙げた。同チームの芳賀紀行はYZF-R1を駆り両レース2位と活躍。A・ピットも予選グリッド11位から見事な追い上げを見せて4位/5位の大健闘を見せた。芳賀は両レースともに、レースをリードしたあとT・ベイリス(ドゥカティ)と激しい首位争いを展開。最終的にはわずかに届かず2位となった。第2レースの前にはサスペンションについていくつか変更を行い、ベイリスにより接近することができたが、パスするには至らなかった。
ピットは雨のなかで行なわれた予選で11位と低迷。3列目からのスタートで厳しい展開を強いられていたが、ドライ・コンディションとなった決勝では本来の実力を発揮した。両レースともに好スタートから、上位陣のペースを上回る速さでポジションアップ。終盤にはJ・トースランド(ホンダ)を追って3位表彰台を狙ったが、タイヤの消耗もあり捉えることができなかった。第1レースはオープニングラップでふたつのビッグクラッシュがあり、レッドフラッグ提示。マーシャルがコースをきれいにする間、中断された。シリーズポイントではランキングトップのベイリスがリードを76ポイントに拡大。T・コルサー(スズキ)が2位。芳賀は今回、順位をふたつ上げてランキング3位。ピットは6位をキープしている。
ヤマハモーター・フランスの阿部典史はモンツァで負傷した手首の影響があり10位/11位。ランキングは9位をキープ。チームメイトの中冨伸一は、朝のウォーミングアップ・セッションで転倒して右腕とう骨を骨折したため出場を取りやめた。S・ジンバートは電気系トラブルのため両レースともにリタイヤ。またワイルドカードで参戦したT・ヒルは、土曜日のスーパーポールでポールポジションを獲得。決勝は慎重に走り、両レース12位でゴールした。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 40'49.894 |
2 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 0.890 |
3 | J・トーズランド | GBR | Honda | 1.705 |
4 | R・チャウス | ESP | Ducati | 8.285 |
5 | A・ピット | AUS | Yamaha | 12.303 |
6 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 23.716 |
7 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 25.483 |
8 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 26.049 |
9 | A・バロス | BRA | Honda | 29.650 |
10 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 32.208 |
11 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 39.607 |
12 | T・ヒル | GBR | Yamaha | 41.550 |
13 | L・ランジー | ITA | Ducati | 41.935 |
14 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 50.385 |
15 | G・ネイネル | ITA | Honda | 52.726 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 40'42.003 |
2 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 1.585 |
3 | J・トースズランド | GBR | Honda | 12.058 |
4 | A・ピット | AUS | Yamaha | 14.561 |
5 | A・バロス | AUS | Honda | 16.826 |
6 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 21.230 |
7 | R・チャウス | ESP | Ducati | 22.056 |
8 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 22.549 |
9 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 22.708 |
10 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 34.025 |
11 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 34.739 |
12 | T・ヒル | GBR | Yamaha | 35.112 |
13 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 35.518 |
14 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 36.322 |
15 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 47.850 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 225 |
2 | T・コルサー | Suzuki | 149 |
3 | 芳賀 紀行 | Yamaha | 133 |
4 | J・トーズランド | Honda | 129 |
5 | A・バロス | Honda | 113 |
6 | A・ピット | Yamaha | 103 |
9 | 阿部 典史 | Yamaha | 51 |
17 | 中冨 伸一 | Yamaha | 18 |
23 | S・ジンバート | Yamaha | 7 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 226 |
2 | Suzuki | 161 |
3 | Honda | 156 |
4 | Yamaha | 153 |
5 | Kawasaki | 75 |
6 | Petronas | 4 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(2位/2位)
「トロイ選手とのバトルをエンジョイできた。それにウイーク中ずっと、ウエットでもドライでもマシンのフィーリングがとても良かった。もちろん、ドライでのテストがあまりできなかったのは残念だったが。第2レースの前にはサスペンションの変更をして良くなったが、やっぱり終盤になるとトラクションが不十分だった。でも成績には満足、ランキングも上がったので良かった。ミザノの前にはまたテストを予定しているが、前回のテストですでに好感触を得ているので、きっといいレースができると思っている」
A・ピット選手談(4位/5位)
「とても良かったと思う。表彰台も不可能じゃないと思っていた が、終盤でラップタイムをキープすることができなかった。フロントタイヤに最もソフトなものを選んでいて、おそらく他のライダーも同じだったと思うが、僕の乗り方だとフロントへの負荷が大きいし序盤でかなりアグレッシブに攻めた。フロントの挙 動はそれほどひどくはなかったが、やはりトーズランドに追いつくには至らなかった。マシンは非常に好調。僕自身も表彰台を獲得するだけの力を持っているんだということがわかった。だからこれからは予選でもっと良い位置を確保できるようにしていか なければならないと思う」
阿部典史選手談(10位/11位)
「最善を尽くしたし、マシンセッティングのほうも、ドライ・コンディションの時間が少しだけだった割りには悪くなかった。第2レースの前にセッティングを少し変更したら、順位は下がったがラップタイムはいくらか良くなっていた。ふつうなら10位や11位で満足することはないが、今日は本当にベストを尽くした。体力的にもきついこのコースで、手首の状態がまた完璧ではなかったことを考えれば、頑張ったほうかもしれない」
T・ヒル選手談(12位/12位)
「グリッドではとても緊張していたが、きのうのスーパーポールでトップになったことを思い出したら、少し自信がわいて落ち着いてきた。それにしても世界選手権のスーパーバイクライダーたちの速さには、本当に驚かされた。しかもオープニングラップからだ。イギリスの国内選手権なら少しずつスピードを上げていくものだが、ここでは最初から皆が110パーセントの力を出して戦っている」
S・ジンバート選手談(リタイヤ/リタイヤ)
「今回は3回もビッグクラッシュしてしまった。また両レースで電気系トラブルに見舞われた。プラクティス中の転倒の際にどこかのワイヤにダメージがあったためらしいが、本当に残念でならない。もう3戦もノーポイントなんだから...」
中冨伸一選手談(出場キャンセル)
「路面がスリッピーになっていた部分で転倒、腕が折れてしまった。予定したテストも参加できないが、次のミザノまでには回復すると思う」
M・メレガリ、ヤマハモーターイタリア・WSB・チーム監督談
「ふたりともとてもいい仕事をしてくれた。そして今週の目標を達成することができた。というのはコルサーとのポイント差を縮めることができ、ノリがランキング3位に上がったからだ。アンドリューも3列目からよく頑張った。とくに第2レースは、もうちょっとで表彰台に手が届くというところまで行った。マシンはまた少しずつ進化し、正しい方向へ向かっていることが嬉しい。ミザノの前には他のピレリ開発チームとともにブルノでテストを行なう。きっとうまくいくと確信している」
M・ガルシア、ヤマハモーター・フランス・チーム監督談
「厳しい戦いだった。とくに中冨にとっては非常に残念な結果となってしまった。単純骨折ではあるが、やはり骨折は骨折だ。ジンバートも3度も転倒してノーポイント。ワイヤにダメージがあったようだが、その時には気づかなくて、走るたびにミスファイアを起してリタイヤせざるを得なかった。阿部が唯一、成績を残してくれたが、本人は満足していないようだ」