スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月7日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第4戦イタリア大会
■開催日:2006年5月7日(日)
■開催地:イタリア/モンツァ(1周5.792km)
■観客数:90,000人
■天候:晴れ ■気温:22度
■周回数:18周(104.256km)×2
■PP:T・コルサー(スズキ/1分46秒058)
■FL:T・ベイリス(ドゥカティ/1分48秒815)
REPORT
YZF-R1を駆る芳賀が第2レース3位!
ヤマハモーターイタリアの芳賀紀行が、チームのホームグラウンドで大活躍。第2レースでは3位表彰台を獲得し、地元ファンを多いに沸かせた。
第1レース、芳賀はT・コルサー(スズキ)、A・バロス(ホンダ)と3台で2位争いを展開。バトルは最終ラップまでもつれ込んだが、コンマ1秒届かず4位となった。そして第2レース、レース開始前にサスペンションに関して小さな変更を行った芳賀は、コルサー、T・ベイリス(ドゥカティ)と首位争いを展開。終盤になってグリップが不足してくると徐々に後退して単独走行となったが、最後まで安定して走りきり3位でチェッカーを受けた。 芳賀のチームメイト、A・ピットも第1レース5位、第2レース6位と健闘した。スタートで出遅れたピットは第1シケインで行く手をふさがれる格好。これでトップグループから離されてしまう。それでもトップと同等のラップタイムで挽回を図るピットは、両レースともに第2グループの先頭まで順位を上げてゴールした。レースはベイリスが両レース優勝でランキングトップをキープ。36ポイント差でランキング2位につけるコルサーは3位/2位。芳賀は依然5位を守っているが、4位のA・バロス(ホンダ)にわずか2ポイント、3位のJ・トースランド(ホンダ)に4ポイント差と迫っている。
ヤマハモーター・フランスの中冨伸一は第1レースで今季最高の10位、第2レースも12位でゴールした。予選グリッド20位から着実に追い上げて両レースポイント獲得の好レースを見せた。チームメイトのS・ジンバートは第1レース12位。第2レースはクラッチのトラブルでリタイヤした。同じくヤマハモーター・フランスの阿部典史は今回いいところがなく、両レースでノーポイントに終わっている。前日の土曜日に行なわれたプラクティスを怪我のため欠席した阿部。この怪我をおして出場したが、第1レースは第1コーナーの多重クラッシュに巻き込まれてリタイヤ。第2レースは首と手首の怪我を抱えながらもグリッド27位の位置から懸命の追い上げ。16位まで挽回する好走を見せたが、残念ながらポイント獲得には至らなかった。シリーズポイントでは順位をひとつ下げてランキング9位。中冨とジンバートはそれぞれ17位と22位。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 32'23.100 |
2 | A・バロス | BRA | Honda | 3.982 |
3 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 4.216 |
4 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 4.395 |
5 | A・ピット | AUS | Yamaha | 13.605 |
6 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 13.665 |
7 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 14.066 |
8 | R・ロルフォ | ITA | Ducati | 19.170 |
9 | L・ランジー | ITA | Ducati | 25.729 |
10 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 28.350 |
11 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 29.639 |
12 | S・ジンバート | FRA | Yamaha | 30.354 |
13 | F・フォレ | FRA | Suzuki | 43.838 |
14 | L・アルフォンシ | ITA | Ducati | 44.312 |
15 | I・クレメンティ | ITA | Ducati | 44.530 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 32'17.705 |
2 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 1.916 |
3 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 6.479 |
4 | A・バロス | BRA | Honda | 10.227 |
5 | J・トースランド | GBR | Honda | 11.910 |
6 | A・ピット | AUS | Yamaha | 17.551 |
7 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 17.720 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 17.825 |
9 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 22.873 |
10 | R・ロルフォ | ITA | Ducati | 31.603 |
11 | L・ランジー | ITA | Ducati | 31.610 |
12 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 34.282 |
13 | F・フォレ | FRA | Suzuki | 35.273 |
14 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 35.306 |
15 | R・チャウス | ESP | Ducati | 40.552 |
16 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 51.516 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 175 |
2 | T・コルサー | Suzuki | 139 |
3 | J・トースランド | Honda | 97 |
4 | A・バロス | Honda | 95 |
5 | 芳賀 紀行 | Yamaha | 93 |
6 | A・ピット | Yamaha | 79 |
9 | 阿部 典史 | Yamaha | 40 |
17 | 中冨 伸一 | Yamaha | 18 |
22 | S・ジンバード | Yamaha | 7 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 176 |
2 | Suzuki | 149 |
3 | Honda | 124 |
4 | Yamaha | 113 |
5 | Kawasaki | 57 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(4位/3位)
「モンツァで表彰台に上れてすごく嬉しい。両レースともに激しいレースだったが、第2レースはベイリス、コルサーに最後までついていけると思っていた。ところがリアのグリップにちょっと問題が出てしまった。でもマシンは全体としては絶好調。そのおかげでチームのホームレースでこのような好成績を残すことができて本当に良かった。次のシルバーストーンは去年R1で初めて表彰台に上った思い出の場所でもあり、僕の大好きなコースのひとつでもあるので、この好調をこのまま持っていきたい」
A・ピット選手談(5位/6位)
「スタートがすべての鍵を握っている。残念ながら両レースともに出遅れ、第1シケインをうまく抜けることができなかった。走り自体は好調だったしラップタイムも上位陣に引けを取らなかったが、挽回を始める頃には逃げられてしまっていて追いつくことができなかった。もっと上へ行けると思っていた。表彰台を目指していたのに残念で仕方がない。しかし周囲とのバトルには勝てたことが救い。今回はそれが精一杯だった」
中冨伸一選手談(10位/12位)
「グリッドはかなり後ろのほうだったが、決勝では何人かパスすることができた。10周目か11周目でまた前のマシンを追い詰めていったが、シフトミスをして逆に4、5台に抜かれてしまった。そのあとは懸命に挽回を図り、なんとかポイントを取ることができた。いいレースができたと思う」
S・ジンバート選手談(12位/リタイヤ)
「チームにとっても僕にとっても厳しいレースだった。クラッチに問題があったんだ。第1レースではそうでもなかったが、第2レースになると、手に負えなくなってしまった」
阿部典史選手談(16位/リタイヤ)
「今回はとても運が悪かった。金曜日に転倒したのは僕のミスだけれど、やはり雨もその要因のひとつになったと思う。また決勝も、僕は好スタートを切ったけれども誰かがミスをして大勢がはじき出されてしまった。このことは僕のミスじゃない。また第2レースでは手が痛み出した。プラクティスを欠席してしまってセッティングが煮詰まっていなかったこともあって、うまく走れなかった」
M・メレガリ、ヤマハモーターイタリア・WSB・チーム監督談
「金曜日の時点で表彰台を狙っていけると感じていた。土曜日の予選はあまりうまくいかなかったが、今朝のウォームアップでは両ライダーともいい走りを見せてくれたので自信をもって送り出すことができた。紀行がここで表彰台を勝ち取ったことは非常に嬉しい。アンドリューもウイークを通じて好調だった。次のシルバーストーンもこの調子で、また表彰台を狙っていきたい」
M・ガルシア、ヤマハモーター・フランス・チーム監督談
「中冨は第1レースの好成績を第2レースの頑張りで、より確かなものにしたと思う。第1レースは多重クラッシュがあって大勢がリタイヤしていたが、第2レースはそれがなかったからほぼ全員が完走したなかでの、あの順位だからだ。ジンバートはクラッチに大きな問題を抱えていたため、まともに走れなかった。阿部は厳しい状況のなか、チームのためだけに、我々のためだけに走ってくれた。だから彼には感謝の気持ちでいっぱいだ。第2レースは気力で頑張ってくれたが、惜しくもひとつ足りずノーポイントになってしまった」