スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月23日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第3戦スペイン大会
■開催日:2006年4月23日(日)
■開催地:スペイン/バレンシア(1周4.005km)
■観客数:42,000人
■天候:晴れ ■気温:20度
■周回数:23周(92.115km)×2
■PP:T・コルサー(スズキ/1分34秒920)
■FL:T・コルサー(スズキ/1分35秒374)
REPORT
YZF-R1の阿部典史が両レース4位の活躍!
ヤマハモーター・フランスの阿部典史は、今回は新しいエンジンスペックを採用して好走を見せ、両レース4位と健闘した。阿部は両レースともに好スタート。同じくヤマハの芳賀紀行とバトルを展開した。第2レースでは一時3番手に上がり、スーパーバイクでの初表彰台獲得を目前にしていたが、最終ラップにL・ランジー(ドゥカティ)に抜かれて4位となった。
ヤマハモーターイタリアの芳賀紀行とA・ピットはマシンのセッティングに苦しんでいた。芳賀はレースのほとんどを3番手で走行しながら終盤でランジーと阿部に抜かれる展開。第1レース終了後にセッティング変更や電気系パーツの交換を行なうと、第2レースでは2位争いを展開した。ところが終盤でペースダウン、第1レース同様にランジーと阿部に先行されて5位となった。表彰台こそ逃したが、両レース5位の成績でシリーズポイントを着実に伸ばし、ランキングをふたつ上げて4位となった。
一方のピットはフロントのグリップ不足に悩み、第1レース10位、第2レース9位でレースを終えた。またヤマハモーター・フランスの中冨伸一が両レース12位と健闘。第1レースは単独走行となったが、第2レースではA・バロス(ホンダ)、J・トースランド(ホンダ)らと10位争いを展開。バロスはその後後退したが、トースランドとは最終ラップまでバトルを繰り広げ、コンマ1秒及ばず12位でゴールした。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 37'4.634 |
2 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 2.765 |
3 | L・ランジー | ITA | Ducati | 14.225 |
4 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 17.126 |
5 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 18.225 |
6 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 18.495 |
7 | R・チャウス | ESP | Ducati | 22.693 |
8 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 24.233 |
9 | J・トースランド | GBR | Honda | 28.799 |
10 | A・ピット | AUS | Yamaha | 28.946 |
11 | A・バロス | BRA | Honda | 34.558 |
12 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 37.151 |
13 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 43.368 |
14 | D・デゲア | ESP | Honda | 45.753 |
15 | F・フォレ | FRA | Suzuki | 46.586 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 37'6.508 |
2 | T・コルサー | AUS | Suzuki | 0.790 |
3 | L・ランジー | ITA | Ducati | 15.133 |
4 | 阿部 典史 | JPN | Yamaha | 16.004 |
5 | 芳賀 紀行 | JPN | Yamaha | 16.929 |
6 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 17.056 |
7 | C・ウォーカー | GBR | Kawasaki | 19.967 |
8 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 21.395 |
9 | A・ピット | AUS | Yamaha | 21.801 |
10 | M・ファブツィオ | ITA | Honda | 32.166 |
11 | J・トースランド | GBR | Honda | 32.259 |
12 | 中冨 伸一 | JPN | Yamaha | 32.355 |
13 | F・フォレ | FRA | Suzuki | 32.648 |
14 | A・バロス | BRA | Honda | 33.875 |
15 | S・マーティン | AUS | Petronas | 38.052 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 125 |
2 | T・コルサー | Suzuki | 103 |
3 | J・トースランド | Honda | 86 |
4 | 芳賀 紀行 | Yamaha | 64 |
5 | A・バロス | Honda | 62 |
6 | A・ピット | Yamaha | 58 |
8 | 阿部 典史 | Yamaha | 40 |
20 | 中冨 伸一 | Yamaha | 8 |
23 | S・ジンバート | Yamaha | 3 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 126 |
2 | Suzuki | 113 |
3 | Honda | 91 |
4 | Yamaha | 84 |
5 | Kawasaki | 40 |
6 | Petronas | 4 |
COMMENT
阿部典史選手談(4位/4位)
「両レースともにいい成績だったのでハッピー。第2レースのほうがフィーリングは良かったが、トップの2台が序盤から逃げてしまい、どうすることもできなかった。まずランジーを捉え、次に芳賀をパスしたあと差を広げたいと思ったが、タイヤがスピンしてしまってペースが上がらなかった。終盤はドゥカティ勢が好調だったようだ。表彰台を逃したのは残念だったが、前の2戦に比べればずっといいので満足している」
芳賀紀行選手談(5位/5位)
「予選のときから、厳しいレースになることはわかっていた。セッティングの問題があり表彰台を狙うような戦いはとてもできなかった。第1レースはトラクション不足があったものの3位を狙っていけると思っていたが、その後パワーが落ちてペースが上がらなかった。第2レースはフィーリングが良くなって前のほうへ行けたが、終盤にまた問題が出て順位を下げてしまった」
A・ピット選手談(10位/9位)
「予選後と第1レース終了後にマシンに手を加えたが、依然としてフロントグリップの問題が解決できなかった。最初の10ラップはとても好調なのに、それを過ぎるとプッシュすることができなくなってしまう。トースランドやラコーニと競り合うことができたというのに、フロントに自信が持てず、彼らをパスするまでには至らなかった」
中冨伸一選手談(12位/12位)
「両レースでポイントを獲得することができて嬉しい。これまでの2戦よりもマシンが格段に良くなっていたので、速く走れたし好バトルもできた。ここでのテストが結果に繋がった」
M・メレガリ、ヤマハモーターイタリア・WSB・チーム監督談
「厳しいレースだった。紀行のマシンは電気系トラブルがありエンジンパワーに影響した。第1レース終了後にセンサーを交換したが、問題は解決できなかった。アンドリューはフロントのグリップに問題があったものの、よく頑張ってポイントを取った。ここバレンシアはあまり相性が良くないことは初めからわかっていたが、チャンピオンを狙うチームとして5位では満足できない。それでも紀行はランキングを4位に上げた。昨年の今頃は7位だったのだから、正しい方向へ進んでいることは間違いない」
M・ガルシア、ヤマハモーター・フランス・チーム監督談
「セッティングがうまくいってタイヤともよく合っていた。オフシーズンのテストでは古いタイヤばかり使ってきたが、今はニュータイヤを使用してずっと良くなった。でもその一方でチャタリングが多くなってしまいセッティングに影響することもある。ミザノのテストで自信を取り戻しているので、これからは結果につなげていくように努力する」