スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
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スーパーバイク世界選手権
レース専用に開発したマシンを使用するMotoGP世界選手権に対し、各メーカーの市販車両をベースにモディファイしたマシンで戦う、世界最高峰のプロダクションロードレース。1988年にスタートして以降、数々の二輪メーカーがエントリーしており、まさに市販車最速を決める世界的に人気のレースである。
ライダーは、WSBKに併催されるスーパースポーツ世界選手権(WSSP)からのステップアップ、MotoGP経験者、各地域や国内選手権のトップライダーなど、世界中から高い実力を備えた顔ぶれが揃う。
カレンダーは、欧州を中心に組まれており、各大会でRace1、Superpole Race、Race2と3レースが行われる。この内Superpole Raceは10周のスプリントレースで、上位9位までにポイントが加算され、かつRace2の1-9番グリッドが決定される。予選のSuperpoleは、Race1とSuperpole Raceのフルグリッドと、Race2の10番手以下のグリッドを決めることとなる。2025年は12大会が開催されることから合計36レースが行われる。
ヤマハ発動機は1995年からフル参戦を開始し、初のメーカータイトルは2007年、初のライダータイトルは2009年にベン・スピースによってもたらされた。その後、2011年をもって一旦活動を休止したが2016年に復帰。以来チャレンジを続け、2021年、トプラック・ラズガットリオグルが2009年以来2度目となるチャンピオンを獲得した。
WSSPは、1999年から世界選手権としてスタート。近年は主に、スーパースポーツ世界選手権300からステップアップする若手を中心に、WSBK などを目指すライダーたちの成長の場として重要な役割を果たしている。なお、WSSPは各大会2レース制で行われている。
ヤマハ発動機にとって初のチャンピオンは2000年、J・トイヒャートによってもたらされた。その後は2009年にカル・クラッチロー、2011年にチャズ・デイビス、2013年にサム・ローズが続き、近年はドミニク・エガターが2021年、2022年と連覇。これまで10回のチャンピオンを獲得してきた。
ライダー紹介
チーム
「Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team」は2016年以来、Yamaha Motor Europe N.V. (YMENV)と、WSBKをはじめ、MotoGPやEWCなどで多くのレース経験を持つクレセント・レーシングが運営するヤマハトップチーム。
今シーズンは、2015年から2020年までの6年間にわたり、超激戦のWSBKで6連覇を達成したレジェンドであるジョナサン・レイが継続。2024年はランキング13位となり今シーズンは挽回のシーズンとなる。
アンドレア・ロカテッリはチーム5年目。過去4年のランキングは4・5・4・7位とトップ3に近いポジションでレースを続けており、今年こそはその壁を突破しトップ3に食い込むことが目標だ。
「GYTR GRT Yamaha WSBK Team」のライダーも昨年から継続となる。まず、2021・2022年とスーパースポーツ世界選手権(WSSP)でチャンピオンを獲得、2023年からWSBKにステップアップしランキング8位、昨年は怪我もありランキング17位となったドミニク・エガター。2021年のMoto2チャンピオンで2022年はMotoGPを戦い、2023年からチームに加わり、2年連続でランキング9位のレミー・ガードナー。ともに、今年はさらなる飛躍を目指す。
この4名がYZF-R1を駆り、2009年のベン・スピース、2021年のトプラック・ラズガットリオグルに続くチャンピオンを獲得に向けて全力で挑む。
WSSPには、3チーム6名のライダーが参戦する。この中で注目は、2023年にYamaha R3 BLU CRU FIM World Cupで5勝をあげランキング2位、2024年にはスーパースポーツ300世界選手権でチャンピオンを獲得したインドネシア出身のアルディー・スティア・マヒンドラ。今年は「Yamaha BLU CRU Evan Bros WorldSSP Supported Team」から参戦。
さらに2024年の全日本ロードレース選手権の最高峰JSB1000 でチャンピオンを獲得した岡本裕生が、WSSPで10回以上のチャンピオンを獲得している名門「Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team」から出場する。
マシンは2024年に発表されたばかりのYZF-R9を使用。実力者がひしめくWSSP で結果を残し、Moto2世界選手権に発足した「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2」や、WSBKへのステップアップを目指す。
マシン
YZF-R1:Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
ヤマハ発動機のMotoGPマシン「YZR-M1」の技術思想を織り込み、サーキット最速のポテンシャルを目指して開発。200馬力の出力性能に加え、高度な制御技術によりライダーが走りに集中できる高次元なハンドリングと走行性能を提供するスーパースポーツのフラッグシップモデル「YZF-R1」。
スーパーバイクに投入する「YZF-R1」は、市販車をベースに定められたレギュレーションのなかでモディファイを行い、パフォーマンスを向上した専用マシンである。エンジンパーツ、排気システム、サスペンション、ブレーキなど、随所にレーシングアイテムを採用。車体重量はおよそ168kgまで削り取り、220馬力以上のパワーを絞り出す。2021年は13勝をあげてチャンピオンマシンになっているほか、2022年は14勝、2023年は7勝を上げており、強力なライバルたちとの激戦を繰り広げてきた。
2025年は、昨シーズンの後半から、MotoGPマシン直径のテクノロジーとして市販レースベース車に採用した車体の安定性に寄与する「ウイングレット」を採用して戦闘力を高めている。