モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.20 9月29日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権 第20戦カスティーリャ・ラ・マンチャ
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2024年9月29日(日)
REPORT
モトクロス世界選手権最終戦、MX1では、Monster Energy Yamaha Factory MXGPのアンドレア・ボナクローシが、スペインのカスティーリャ・ラ・マンチャMXGPで総合12位となり、選手権ランキング10位を獲得した。また、マキシム・ルノーは総合9位に入り、ランキング17位となった。両選手とも、チャレンジングなコースでそれぞれ困難に直面しながら健闘した。
MX2では、Monster Energy Yamaha Factory MX2のティボー・ベニスタントが総合3位に入り、2024年FIM MX2モトクロス世界選手権を表彰台で締めくくった。ホールショットを奪ったレース1は4位、レース2では順位を上げて3位に入った。一方、カルリス・レイズリスは両レースとも安定した結果を収めて総合10位となった。
MXGP
アンドレア・ボナクローシがランキング10位
スペイン遠征は今年3回目。チームはそこで再び激戦のMXGPに臨んだ。コサル・サーキットは選手権カレンダーに新たに加えられた会場で、暑い気候によって、ハードパックのヒルサイド・サーキットでの争いは少々難しいものとなった。そのため、前方からスタートすることが大いに重視された。その中で、レース1ではボナクローシが3番手で第1ターンへと進入した。
ボナクローシはオープニングラップに6番手に後退するが、レースのほぼ折り返し点までポジションを維持。ボナクローシはアームパンプに苦しみ始め、自らのポテンシャルを充分に発揮することができず、ひとつ順位を落としてしまう。それでも終盤には立て直し、7位でフィニッシュラインを通過した。
今年を最高のカタチで締めくくりたいと望むボナクローシは、レース2をトップ10圏内でスタート。ヤマハYZ450FMを駆るボナクローシは8周目まで9番手をキープしていたが、胃痙攣を起し、痛みによりペースダウン。最後まで走り切るべく奮闘し、14位でチェッカーフラッグを受け、総合12位を獲得。ランキングではポジションを上げ、MX2選手権出場でシーズンはじめの4戦を欠場しているにもかかわらず、最終的に10位となった。
ルノーにとって、カスティーリャ・ラ・マンチャMXGPは計画通りにはいかなかった。レース1では好スタートを見せたが、コースの滑りやすい部分でスリップして12番手に順位を落としてしまう。その後、猛チャージを開始し、レース全体を通して攻めの走りを見せる、9番手まで上がったところでフィニッシュした。元MX2世界チャンピオンは、レース2でも同じく9位でフィニッシュして総合9位となった。14ラウンドを負傷欠場して回復に努めているルノーの2024年選手権ランキングは17位に終わった。
来週末、両ライダーはイギリスのマターリー・ベイスンで開催される第77回FIMモトクロス・オブ・ネイションズに出場する。ボナクローシは昨年3位のイタリアチームを代表し、ルノーはディフェンディングチャンピオンのフランスチームの代表としてレースに出場する。
2024年にブレークの年を迎えていたカルバン・ファランデレンは、オランダMXGPで膝を負傷し、シーズン最後の4戦を欠場したにもかかわらず選手権ランキング7位に入った。負傷により1戦のみ参戦のヤゴ・グリーツは33位でシーズンを終えた。
MX2
ティボー・ベニスタントがシーズン最終戦で見事総合3位
2024年シーズン第20戦(最終戦)に向けて、チームは今年3度目となるスペインへと移動した。ハードパック、石の多いコサル郊外のヒルサイド・サーキットはMXGPカレンダーに新たに加わった会場で、負傷欠場から復帰して以来、最高の総合成績を収めたベニスタントに適していたことは明らかだ。
レース1、ベニスタントは今シーズン3度目のホールショットを奪うと、数周に渡ってレースをリードする。その後2番手に後退し、レースが後半に入るまでそのポジションを守っていたが、A・アダモ(KTM)、そしてS・ランゲンフェルダー(GASGAS)に相次いでパスされ4位でフィニッシュした。ベニスタントは今年3度目の総合表彰台獲得に向けた準備はできていた。
レース2を力強くスタートしたベニスタントは、第1ターンからフィニッシュまで3番手を守った。レース全体を通して、ベニスタントは前をゆくK・ドゥ・ヴォルフ(Husqvarna)をパスすべく全力を尽くすが、結局果たせず、これと1秒差の3位でフィニッシュラインを通過した。負傷によりシーズンの半分を欠場したベニスタントは、最終ランキング11位で今シーズンを終えた。
EMX250に出場していたレイズリスも、今年はじめの9ラウンドに参加していない。MX2に昇格して以来、すべてのGPで目を見張る活躍を見せるレイズリスは、ここスペインでは総合10位に入り、シリーズランキングも14位に浮上した。才能溢れる若手、レイズリスは、来週末にイギリスのマターリー・ベイスンで開催される第77回FIMモトクロス・オブ・ネイションズに、母国ラトビアを代表して出場する。
リック・エルジンガは2週間前の中国でのクラッシュから回復を図っているため、今大会を欠場した。選手権ランキングで既に7位を獲得しているエルジンガは、2025年に焦点を合わせている。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
MX2 RESULT Race.1
MX2 RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
RIDERS RANKING MX2
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MX2
COMMENT
MXGP
Monster Energy Yamaha Factory MXGP
アンドレア・ボナクローシ選手談(7位/14位:総合12位)
「これで今シーズン最後のGPが終わりましたけど、僕にとっては良いことも悪いこともあった一日でした。最初のレースでは良いスタートができて、トップ5を争っていたのですが、その後ちょっとアームパンプになってしまい、思うように走れませんでした。最終的には7位で、それほど悪くはありませんでした。2番目のレースでは良いレースができました。序盤にマキシムをパスして、しばらく9番手をキープしましたが、その後ひどい胃痙攣に見舞われ、ライディングが非常に難しくなり、14番手まで後退しました。それでも選手権ランキングで10位に上がるのに充分なポイントを獲得できました。今年はMX2でシーズンをスタートしたので、それについてはすごくうれいしいです」
マキシム・ルノー選手談(9位/9位:総合9位)
「今日は難しかった。コースに苦労して、自分ができるとわかっているプッシュができなかったんです。それでも、いつものように、できることはやり、ベストを尽くしました。次はモトクロス・オブ・ネイションズなので、オフシーズン前に良い結果を目指します。チームと一緒に来年に向けて取り組むべきことは分かっていますし、2025年が楽しみです」
MX2
Monster Energy Yamaha Factory MX2
ティボー・ベニスタント選手談(4位/3位:総合3位)
「今日はわるくない一日でした。コースでのライディングの感触と楽しさは、これまでのラウンドよりずっと良くなっていて、これはすごくポジティブなことです。速さが少し足りなかったのですが、それでも全体としては良い一日でした。表彰台に上がれたのはシーズンの締めくくり方として良いし、オフシーズンに向けて、大きな自信にもなります」
カルリス・レイズリス選手談(9位/10位:総合10位)
「ウォームアップで速いタイムを出して、今日はいい走り出しだったのですが、レース1ですごく良いスタートを決めた後、ちょっとアームパンプに見舞われました。レース2ではずっと良い展開だったのですが、6番手を走行している時にバイクをストールさせて順位をかなり落としてしまいました。すごく苛立ちましたけど、自分のライディング自体はずっと良かったので、それについては満足しています。この後、来週末はシーズンを締めくくるモトクロス・オブ・ネイションズに臨みます」