モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 8月21日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:2011モトクロス世界選手権第13戦イギリスGP
■カテゴリ:MX1
■開催日:2011年8月21日(日)
■開催地:マッテレイ・バジン
■周回数:第1ヒート=18周、第2ヒート=18周
■天候:ドライ
■観客数:26,500 人
REPORT
フロサードが両ヒート2位で総合3位
モンスターエナジー・ヤマハのS・フロサードがイギリス・グランプリで総合3位に入った。全15戦で争われるFIMモトクロス世界選手権第13戦として開催されたこのレースで、フロサードはファクトリーYZ450FMを駆り、6度目の表彰台に立つとともに、ポイントランキングで2位に浮上した。
イギリス南部のマッテレー・バジンにあるサーキットで、フロサードは予選から良い感触をつかみ、チームにとって幸先の良いスタートとなった。決勝日、英国の空が祝福する中でフロサードは、第1ヒートの大半をリード。2位のC・プーセル(カワサキ)をほとんど抑えていた。フロサードは序盤にフェンスポストに接触して右側のラジエターカバーを破損。これがライディングに影響を及ぼした。フロサードはゴールまで残り4周となったところで右のタイトコーナーのブレーキングでプーセルの先行を許してしまう。フロサードは攻めに転じるが、元世界チャンピオンの後塵を拝することになった。
第2ヒートはフロサードが最初の15分をリードするが、B・マッケンジー(カワサキ)とT・レオク(TM)が絡んだ激しい転倒があり、レースは中断された。レース再開後にフロサードは3位に上がると、前を行くプーセルとの差を詰め始める。しかしA・カイローリ(KTM)が迫って来て先行。結局、フロサードは2位でチェッカーフラッグを受けた。
2010年MX3世界チャンピオンのC・カンパーノにより、チームは英国でフルメンバーとなった。D・フィリッパーツに代わってシーズン終盤の3戦に参加することになったカンパーノはモチベーションが高く、また強くアグレッシブなライダーだが、第1ヒートではいくつかの不運に見舞われた。第1コーナーでスリップし遅れるが、注目すべきラップタイムを記録しながら追い上げて15位でゴール。第2ヒートでは見事なスタートを決めると2位を争うS・シンプソン(ホンダ)に迫ってプレッシャーをかけるが早々にレースが中断。再スタート後、カンパーノは6位につけてそのままゴール。総合成績は10位となった。
現在、MX1世界ランキングで15位に就けているA・ボアシエールは両ヒートをそれぞれ10位と9位でフィニッシュし、今年のベストリザルトとなる総合7位を得た。
フロサードは世界チャンピオン、カイローリと82ポイント差の2位に浮上した。C・ドゥサル(スズキ)とE・ボブリシェブ(ホンダ)が負傷により残りのシーズンを欠場するため、4位のM・ナグル(KTM)に62ポイントの差をつけている。
選手権はドイツ(ガイルドルフ)とイタリア(フェルモ)の両グランプリ、そして最大獲得ポイント100を残している。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 40’35.710 |
2 | S・フロサード | FRA | Yamaha | 0’02.198 |
3 | A・カイローリ | ITA | KTM | 0’09.492 |
4 | T・レオク | EST | TM | 0’11.368 |
5 | M・ナグル | GER | KTM | 0’28.223 |
6 | R・ゴンカルブス | POR | Honda | 0’45.513 |
7 | B・マッケンジー | GBR | Kawasaki | 0’48.209 |
8 | D・グァルネリ | ITA | Kawasaki | 0’50.811 |
9 | B・アンダーソン | GBR | Honda | 0’53.186 |
10 | A・ボアシエール | FRA | Yamaha | 0’56.013 |
11 | X・ブー | FRA | Kawasaki | 0’56.746 |
12 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 1’00.278 |
13 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 1’04.001 |
14 | J・バラガン | ESP | Kawasaki | 1’23.532 |
15 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1’25.728 |
16 | S・シンプソン | GBR | Honda | 1’30.755 |
17 | T・チャーチ | GBR | KTM | 1’42.349 |
18 | M・バー | GBR | KTM | 1’47.141 |
19 | M・モンニ | ITA | Honda | 1’48.392 |
20 | G・クレスティノブ | EST | Kawasaki | 1’49.035 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | KTM | 41’03.052 |
2 | S・フロサード | FRA | Yamaha | 0’10.675 |
3 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 0’27.600 |
4 | J・バラガン | ESP | Kawasaki | 0’35.024 |
5 | M・ナグル | GER | KTM | 0’39.874 |
6 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 0’42.526 |
7 | B・アンダーソン | GBR | Honda | 0’45.116 |
8 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0’53.694 |
9 | A・ボアシエール | FRA | Yamaha | 1’10.209 |
10 | S・シンプソン | GBR | Honda | 1’21.384 |
11 | D・グァルネリ | ITA | Kawasaki | 1’31.942 |
12 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 1’46.935 |
13 | M・ウォークナー | AUT | KTM | 1’54.456 |
14 | R・ゴンカルブス | POR | Honda | 2’30.734 |
15 | M・モンニ | ITA | Honda | -1 Laps |
16 | M・シファー | GER | Suzuki | -1 Laps |
17 | G・シュミディンガー | AUT | Honda | -1 Laps |
18 | G・クレスティノ | EST | Kawasaki | -1 Laps |
19 | H・ブラッケ | NED | Yamaha | -1 Laps |
20 | A・スノー | GBR | Kawasaki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 554 |
2 | S・フロサード | Yamaha | 472 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | 461 |
4 | M・ナグル | KTM | 410 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | 387 |
6 | R・ゴンカルブス | Honda | 371 |
7 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 308 |
15 | A・ボアシエール | Yamaha | 177 |
18 | C・カンパーノ | Yamaha | 83 |
21 | M・ド・ルーバー | Yamaha | 55 |
25 | M・モンニ | Yamaha | 33 |
26 | J・ドゥーガン | Yamaha | 26 |
28 | H・ブラッケ | Yamaha | 18 |
38 | L・コレイア | Yamaha | 7 |
41 | R・ニガード | Yamaha | 3 |
49 | K・リンドストローム | Yamaha | 2 |
53 | A・ロザノ | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 579 |
2 | Yamaha | 517 |
3 | Suzuki | 492 |
4 | Honda | 464 |
5 | Kawasaki | 373 |
6 | TM | 247 |
7 | Aprilia | 9 |
COMMENT
S・フロサード選手談(2位/2位:総合3位)
「昨日、クリストフ(プーセル)とすごいレースをしてとても楽しかった。ここは今年最高のコースだね。第1ヒートでホールショットを奪ったけど、腕にちょっと問題があって、ポストに接触してラジエターカバーを壊してしまった。これがライディングに少し影響した。30分間レースをリードしたけど、コーナーでミスをおかしてしまった。それからヒート優勝を目指して本当にハードにプッシュしたよ。第2ヒートのスタートはすごく良くて、前に出ることができたんだけど、15分が経過したところでレースが中断された。レースが再開されて僕は3位につけていたんだけど、少しプッシュし過ぎたようで疲労を覚えるようになった。カイローリは速くて捉えることはできなかった。今の目標は2位でシーズンを終えること。皆が行けるというのでちょっと厳しいけど、焦点を合わせて行きたいと思っている。今の状況にはよろこんでいるけど、シーズン開始時はアントニオとドゥサルに近いところに居たのに、いくつかのミスでポイントを落としてしまった。今、僕は学んでいるし、来年に向けてもっと進歩するよ」
C・カンパーノ選手談(15位/6位:総合10位)
「ハッピーだよ。第1ヒートでは第1コーナーで転倒して大きく遅れてしまったけど、いいペースをつかむことができて15位まで挽回した。バイクとコースの感触は良かったし、第2ヒートに向けてモチベーションは上がっていた。で、スタートで前に出て、3位につけた。2位を狙える位置に居たんだけど、レースが中断されてしまった。また同じスタートができるように期待していたんだけどそうはならなかった。ゴンカルブスの後に詰まってしまって、バラガンとナグルにつかまってしまった。最後にゴンカルブスを抜いて、それからハードにプッシュしてナグルの後ろにつけたんだけど、結局抜けなかった。これは大きな前進だと思うし、バイクとこのコースが大好きだ。ファクトリーバイクと自分のYZ450Fとの違いはあまり感じなかったけど、両ヒートの終盤、コースがすごくラフになったときに他のライダーを本格的に攻めることができたし、他のライダーと比べて、自分はまだまだ限界には至ってはいなかった。プレッシャーはまったく感じなかったし、ベストを尽くした。今年は多くの問題があったし、この機会を与えてくれたことにすごく感謝している」