モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 7月17日 ラトビア
RACE DATA
■大会名称:2011モトクロス世界選手権第10戦ラトビアGP
■カテゴリ:MX1
■開催日:2011年7月17日(日)
■開催地:ケグムス
■周回数:第1ヒート=20周、第2ヒート=20周
■天候:晴れ
■観客数:21,000人
REPORT
フロサードが両ヒートで2位
ケグムス・サーキットで開催されたラトビア・グランプリで、モンスターエナジー・ヤマハのS・フロサードがYZ450FMを駆って両ヒートとも2位でフィニッシュし、MX1総合2位となった。
前年までのソフトで変化しやすい砂の路面から、ケグムスはハードで重く、小さなバンプのある路面へと変わった。ジャンプが多く、体力が要求されるこのコースは、集中力を激しく奪うという多くのライダーの意見がある一方、オープンなラインと大きなジャンプが楽しいというライダーの声もある。このコンディションに合わせるため両ライダーはそれぞれエンジンの仕様を変更し、サスペンションの調整を行った。
フロサードは第1ヒートでレースの終盤まで速いペースを維持し、そこで2位を争っていたE・ボブリシェブ(ホンダ)とM・ナグル(KTM)をパス。A・カイローリ(KTM)の追撃を開始する。両ライダーともに周回遅れのライダーの集団をかいくぐっての走りを強いられつつ、フロサードはカイローリに追いつくが、追い抜く前に時間切れとなった。ゴール時の両者のタイム差はわずかコンマ3秒だった。
第2ヒートではフロサードは、レース中盤までカイローリを射程内にとどめていたが、スイングアームのチェーンランナーが破損。フィーリングに違和感を覚えたフロサードは慎重な走りに切り替え、2位を確保した。
D・フィリッパーツは第1ヒートではほぼレース全体に渡ってチームメイトとC・ドゥサル(スズキ)の後方をキープしていたが、有効な走行ラインを見出すのにやや手こずり、5位でチェッカーフラッグを受けた。第2ヒートではいつものアグレッシブなライディングでができたはずだったが、スタートで出遅れ、1周目を13位で通過する。しかし、そこから追い上げて再び5位でゴール。総合成績でも5位となった。
A・ボアシエールは第2ヒートで好スタートを決めてトップ10内に就けるが、未だレースでの体力が充分ではなく、両ヒートとも13位でゴール。総合成績では12位となった。
MX1世界選手権ランキングではフロサードは3位で、MX1クラスへの参加初年度ながら依然としてタイトル争いを展開している。1位のカイローリとの差は46ポイントで、残り5戦すべてで勝利した場合に得られる最高得点は250。フランスとスウェーデン両GPで優勝を飾っているフロサードは2位のC・ドゥサルとはわずか4ポイント差。フィリッパーツは6位でトップ5との差は29ポイント。
この後、短い休みに入り、続いて7月31日のベルギーと翌週のチェコという2連戦に臨む。この2戦はロンメルがシーズン中最もタフな路面のひとつに数えられるサンドコースで、続くロケットは滑りやすく、石の多いハードパックの路面という、ふたつの異なるチャレンジとなる。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | KTM | 39'16.295 |
2 | S・フロサード | FRA | Yamaha | 0'00.347 |
3 | E・ボブリシェブ | RUS | Honda | 0'03.150 |
4 | M・ナグル | GER | KTM | 0'04.608 |
5 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'25.846 |
6 | K・デ・ディッカー | BEL | Honda | 0'30.979 |
7 | R・ゴンカルブス | POR | Honda | 0'32.517 |
8 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | 0'42.908 |
9 | X・ブー | FRA | Kawasaki | 0'51.153 |
10 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'51.555 |
11 | D・グァルネリ | ITA | Kawasaki | 0'55.524 |
12 | T・レオク | EST | TM | 0'56.070 |
13 | A・ボアシエール | FRA | Yamaha | 1'20.952 |
14 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 1'31.420 |
15 | S・シンプソン | GBR | Honda | 1'33.677 |
16 | M・シファー | GBR | Suzuki | 1'35.269 |
17 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 1'42.657 |
18 | G・クレスティノブ | EST | Kawasaki | 1'47.152 |
19 | I・ステインベルグス | LVA | Honda | 1'58.467 |
20 | G・シュミディンガー | AUT | Honda | 2'05.936 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | KTM | 40'14.909 |
2 | S・フロサード | FRA | Yamaha | 0'05.972 |
3 | E・ボブリシェブ | RUS | Honda | 0'17.125 |
4 | R・ゴンカルブス | POR | Honda | 0'20.181 |
5 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'24.390 |
6 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'25.439 |
7 | T・レオク | EST | TM | 0'27.268 |
8 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | 0'39.859 |
9 | K・デ・ディッカー | BEL | Honda | 0'43.339 |
10 | M・ナグル | GER | KTM | 0'46.707 |
11 | J・バラガン | ESP | Kawasaki | 0'52.144 |
12 | D・グァルネリ | ITA | Kawasaki | 1'02.042 |
13 | A・ボアシエール | FRA | Yamaha | 1'13.115 |
14 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1'33.748 |
15 | S・シンプソン | GBR | Honda | 1'38.945 |
16 | M・シファー | GBR | Suzuki | 1'51.815 |
17 | M・ウォークナー | AUT | KTM | 1'52.415 |
18 | M・ド・ルーバー | NED | Yamaha | -1 Laps |
19 | G・クレスティノブ | EST | Kawasaki | -1 Laps |
20 | I・ステインベルグス | LVA | Kawasaki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 416 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | 374 |
3 | S・フロサード | Yamaha | 370 |
4 | E・ボブリシェブ | Honda | 334 |
5 | M・ナグル | KTM | 311 |
6 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 282 |
14 | A・ボアシエール | Yamaha | 135 |
19 | C・カンパーノ | Yamaha | 52 |
20 | M・ド・ルーバー | Yamaha | 44 |
22 | J・ドゥーガン | Yamaha | 26 |
25 | M・モンニ | Yamaha | 19 |
33 | L・コレイア | Yamaha | 7 |
34 | H・ブラッケ | Yamaha | 6 |
39 | R・ニガード | Yamaha | 3 |
42 | K・リンドストローム | Yamaha | 2 |
48 | A・ロザノ | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 441 |
2 | Yamaha | 415 |
3 | Suzuki | 384 |
4 | Honda | 355 |
5 | Kawasaki | 278 |
6 | TM | 169 |
7 | Aprilia | 1 |
COMMENT
S・フロサード選手談(2位/2位:総合2位)
「第1ヒートはスタートが悪く、さらに約20分間に渡ってコースのフィーリングが良くなかったし、腕も疲れてしまった。それから良いラインを探し、スムーズに速く走れるようになった。うまく順位を挽回したけど、他のライダーを抜くのは大変だった。アントニオをほとんど捕らえていたんだけど、抜くことはできなかった。いずれにしてもハッピーだよ。第2ヒートには良い感じで臨めた。1周目にアントニオを抜いたけど、抜き返された。ラインを見始めて、彼にペースを合わせて行くようにしたんだけど、バイクからのノイズを聞いてからは2位キープと完走することに集中した。この週末はバイクとコースをうまく活かすことができた。次にサンドコースで走る時も同じようにできることを期待している」
D・フィリッパーツ選手談(5位/5位:総合5位)
「今日はハッピーだ。昨年、このコースはすごく難しいと思ったけど今回は速く走れたからね。第2ヒートでは3位以内でフィニッシュできた思うけど、スタート時にナグルとともにミスを冒して後方に捕まってしまった。コースの状態にもかかわらず、それ以後のラップタイムは良かった。ハードワークだったよ。ここは自分の得意なコースではないだけに、このように走れたことに満足している。追い抜きをするためにリスクを冒したけど、たくさんのライダーをパスしたし、それはポジティブなこと。自分自身のコンディションは良い。ロンメルとロケットを前に、これは重要なことだ。バイクは今日、すごく良く走った。ファビオと一緒にサスペンションに若干変更を施したが、うまく働いた。次のウイークエンドはオフだけど、サンドコースへの準備のためにベルギーに行くよ」