モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 8月30日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:2009モトクロス世界選手権第14戦オランダGP
■カテゴリ:MX1
■開催日:2009年8月30日(日)
■開催地:オランダ/リーロップ
■周回数:第1ヒート=17周、第2ヒート=17周
■天候:晴れ
■観客数:18,000人
REPORT
カイローリがチャンピオン獲得!
2週間のインターバルを経て開催されたオランダGP。晴天に恵まれたリーロップには18,000人の観客が詰めかけた。リーロップのサンドコースは周回を重ねる毎に変化し、ライダーはそのわだちとギャップに対して異なるテクニックを要求された。体力的な要求も高まり、ハードな路面とシンプルなレイアウトのコースで争われた前戦チェコGPとはまったく違うチャレンジとなった。カイローリは半月板を傷めた左ひざに不安を抱えたままグランプリに臨んだ。予選ヒートでは12位となったカイローリだが、最大のライバル、M・ナグル(KTM)は3位で決勝を迎えた。
第1ヒートを着実なペースで走ったカイローリは、転倒を喫して8位に終わったナグルに先行し、5位でフィニッシュした。午後の遅い時間に行われた緊張の第2ヒートでは、カイローリがナグルを追う展開となった。要求されるのは2ポイントで、オーバーテイクがそのままタイトル獲得を意味していた。今季4勝しているカイローリは、軽快な動きでナグルをかわして4位に入ると、最終戦を待たずにチャンピオンを決めた。
リーロップはJ・コピンズが得意とするコースのひとつ。第1ヒートを4位で終えると、第2ヒートでは小さなスリップでバランスを崩すシーンが2度見られたものの力走して2位に入った。
チームメイトでディフェンディング・チャンピオンのD・フィリッパーツは第1ヒートでノーミスのライディングを見せて、カイローリのチームメイト、T・レオクを最終ラップでかわして2位でフィニッシュした。第2ヒートではスタート直後の第2コーナーで転倒を喫してしまう。そこから果敢な追い上げを見せたフィリッパーツは、8番手まで挽回したところでチェッカーフラッグを受けた。総合成績は5位となった。
第1ヒートで3位を獲得したレオクは、第2ヒートのスタート直後の第1コーナーで他のライダーの転倒に巻き込まれてしまい、フロント・ディスクブレーキが曲がった状態での戦いを強いられながら、6位に入った。
カイローリとYZ450Fが勝利を得たヤマハだが、MX1を戦う他のライダーたちも期待される。フィリッパーツは現在ランキング3位。コピンズは6位で依然5位以内に入る可能性を残している。レオクは7位。コンストラクター部門のタイトルは68ポイントの差で勝ち取っている。シリーズ第15戦(最終戦)ブラジルGPは2週間後、初開催のカネリナ・サーキットで開催される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 41'21.920 |
2 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'05.058 |
3 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'05.641 |
4 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'12.075 |
5 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'29.008 |
6 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'36.742 |
7 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'51.600 |
8 | M・ナグル | GER | KTM | 0'58.664 |
9 | M・プリエム | BEL | Aprilia | 1'01.269 |
10 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 1'28.918 |
11 | T・ソデルストロム | SWE | Kawasaki | 1'56.576 |
12 | A・レオク | EST | TM | 1'58.824 |
13 | R・V・ヴィフェイケン | NED | Yamaha | 1'59.476 |
14 | G・クレスティノブ | EST | KTM | 2'00.563 |
15 | T・チャーチ | GBR | CCM | 2'19.552 |
16 | T・ポティセク | FRA | Honda | -1 Laps |
17 | B・マッケンジー | GBR | Honda | -1 Laps |
18 | Y・マーテンス | BEL | KTM | -1 Laps |
19 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | -1 Laps |
20 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 42'25.366 |
2 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'10.466 |
3 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'14.469 |
4 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'34.631 |
5 | M・ナグル | GER | KTM | 0'38.477 |
6 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'51.271 |
7 | J・バラガン | ESP | KTM | 1'01.217 |
8 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 1'07.894 |
9 | A・レオク | EST | TM | 1'19.044 |
10 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 1'32.057 |
11 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | 1'49.273 |
12 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 1'59.524 |
13 | R・V・ヴィフェイケン | NED | Yamaha | 2'09.017 |
14 | T・ポティセク | FRA | Honda | 2'23.108 |
15 | T・チャーチ | GBR | CCM | 2'45.627 |
16 | M・プリエム | BEL | Aprilia | -1 Laps |
17 | M・ボンニ | ITA | KTM | -1 Laps |
18 | G・クレスティノブ | EST | KTM | -1 Laps |
19 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | -1 Laps |
20 | K・サラエツ | BEL | Honda | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 537 |
2 | M・ナグル | KTM | 487 |
3 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 463 |
4 | C・ドゥサル | Honda | 461 |
5 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 459 |
6 | J・コピンズ | Yamaha | 449 |
7 | T・レオク | Yamaha | 382 |
17 | C・カンパーノ | Yamaha | 102 |
26 | R・V・ヴィフェイケン | Yamaha | 53 |
41 | L・フレイバーグス | Yamaha | 12 |
50 | D・リヴス | Yamaha | 4 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 615 |
2 | KTM | 547 |
3 | Honda | 496 |
4 | Suzuki | 476 |
5 | Kawasaki | 292 |
6 | Aprilia | 228 |
7 | TM | 193 |
8 | CCM | 152 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(5位/4位:総合6位)
「これは僕にとって大きな意味がありすぎて、今は言葉が見つからない。参戦一年目でこの結果を得られるとは予想していなかったし、第3戦でレッドプレートを手にしたことにもちょっと驚いた。それから最後までそれを維持したこともね。MX2からMX1に上がる多くのライダーを見ると、彼らは体制を整えるのに1シーズンか2シーズンかかっているので、これは偉業でありとても誇りに思う。第2ヒートでは、自分の目標はマックス(ナグル)をパスすることのみで、可能な限りプッシュした。金曜日にはうまく歩くことができなかったので、このグランプリは出走できるか分からなかった。ステディーに走り、コースがラフになった時にはちょっとプッシュした。チーム、友達みんなにお礼を言いたい。とてもハッピーだよ」
J・コピンズ選手談(4位/2位:総合2位)
「サンドコースでのライディングはすごく良いフィーリングだったので、ここでチャンスがあることはわかっていたし、このコースは好きなんだ。良いレースができると思っていたけど、こんなに難しいサーキットではどうなるか誰にも分からないよ。ラトビアの時ほどではないにしても、かなり良いライディングだったと思うし、実際、第2ヒートでケン(デ・ディッカー)を十分プッシュできなかったことにちょっとがっかりしている。2度小さな転倒をしたのでギャップが大きすぎたんだ」
D・フィリッパーツ選手談(2位/8位:総合5位)
「両ヒートに満足している。リーロップは相変わらず難いところだけど、コースは好きだから楽しんだ。第1ヒートは良かったし、14分間に渡ってステディーにミスなく走った。第2ヒートの転倒はまるでアマチュアのようだったけど、すごくハードにプッシュして8番手まで挽回した。これは悪くないし、今日の5位という結果にも喜んでいる。トニー(カイローリ)のことはハッピーだ。今シーズン、最もハードワークをした彼がチャンピオンを獲るに相応しいからね。2009年はうまく事が運ばなかったけど、来年またタイトルを目指して戦いたい。今はネイションズを一緒に戦って勝つつもりだ」
T・レオク選手談(3位/6位:総合4位)
「第1ヒートは良かったけど、プッシュするのが遅すぎた。最後はすごく良いライディングをしたし、攻めてフィリッパーツをもう少しでパスするところまでいった。第2ヒートではラモンが転倒して、彼の後ろにぶつかってしまい、それで誰かが僕にぶつかってきた。そのせいでマシンにトラブルが発生しスムーズに走ることができなくなってしまったんだ。特にフロントのブレーキディスクがわずかに曲がってしまってジャンプする際にフロントホイールを締め付けてしまっていた。ちょっと不運だったけど、速さは十分あった。だからもっと良い結果が得られたはず。残念だ」