モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 8月9日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:2009モトクロス世界選手権第13戦チェコGP
■カテゴリ:MX1
■開催日:2009年8月9日(日)
■開催地:チェコ/ロケット
■周回数:第1ヒート=21周、第2ヒート=21周
■天候:晴れ
■観客数:21,000人
REPORT
ヤマハ勢3選手が総合5位以内入賞
ヤマハ・モンスターエナジー・モトクロス・チームのD・フィリッパーツがワークスYZ450FMを駆って総合3位に入った。ハードで高速コースとして知られるロケット・サーキットで開催されたこのレースでは、ヤマハ・ライダー3選手が総合5位以内に入賞を果たす結果となった。
決勝レースは薄い雲と暑い日差しの中で行われた。速くシンプルで滑りやすいこのコースは、手痛いミスを冒しやすくチャレンジングだ。各車のラップタイムが接近しており、スタート位置が重要となる。
2008年のこのレースを制しているディフェンディング・チャンピオンのフィリッパーツは、第1ヒートでチームメイトのJ・コピンズと、第2ヒートではヤマハ・レッドブル・デ・カルリのA・カイローリと争った末、両ヒートをそれぞれ3位でフィニッシュ。総合成績では第8戦フランスGP以来の表彰台に立った。4位に入ったのはカイローリ。
週末を通して風邪で体調が優れなかったカイローリは第1ヒート、スタート直後の第1コーナーの混乱で、観客の居る位置に近いバンクにまで押し出され、中団まで順位を落としたが、そこから追い上げを敢行。チームメイトのT・レオクが最終ラップにランキング1位のカイローリを先行させ、6位まで挽回したところでチェッカーフラッグを受けた。
第2ヒート、1周目の第1コーナーを力強く抜けたカイローリは、その後レースの大部分に渡ってフィリッパーツの後ろを走り、残り10分となったところでようやくこれを抜いたが、トップのC・ドゥサル(ホンダ)がはるかに先行。結局、2位でゴールした。総合成績は4位となり惜しくも表彰台を逃した。カイローリが表彰台に立たなかったのは今季これでまだ4度目。
コピンズは両ヒートをそれぞれ4位と5位で終えて5位入賞を果たした。第1ヒートで見せたフィリッパーツとの激しい3位争いは観客を大いに沸かせた。第2ヒートはゴーグルの問題から第1コーナーでニアミス。中団からの追い上げを強いられた。
レオクにとっては不運なレースデイとなった。第1ヒートでは丁寧なライディングで速さを見せて7位に入ったが、第2ヒートでは2度の転倒を喫し、リアブレーキにも若干トラブルを抱えたため15位で完走するにとどまり、総合成績は12位となった。
カイローリはMX1クラスのランキングで現在、2位に45ポイントのマージンを築いている。2度にわたってMX2クラスの世界チャンピオンに輝いたカイローリは、次のオランダGPでランキング2位のM・ナグル(KTM)より6ポイント以上獲得すれば、参加初年度のMX1クラスでタイトルを獲得することになる。今シーズン残りは100ポイント。カイローリは第3戦トルコGP以来、レッドプレートを守り続けている。フィリッパーツはナグルと30ポイント差の3位だが、4位で続くドゥサルとはわずか2ポイント差。コピンズは6位、レオクは7位にランクしている。
グランプリ各ラウンドでYZがポディウム・フィニッシュを決めているヤマハは、現在マニュファクチャラー部門で2位に53ポイントの差をつけて首位に就けており、次のオランダGPでタイトルを決める可能性もある。
FIM世界選手権は残り2戦。第14戦オランダ・グランプリは3週間後、ワイドなストレートを含むサンドコース、リーロップで開催される。最終戦ブラジルGPは9月第2週に開催される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ナグル | GER | KTM | 39'02.888 |
2 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'10.188 |
3 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'21.531 |
4 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'22.734 |
5 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 0'23.854 |
6 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'25.147 |
7 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'32.151 |
8 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 0'47.271 |
9 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 0'51.509 |
10 | M・プリエム | BEL | Aprilia | 0'55.829 |
11 | J・ビル | CHE | Aprilia | 0'59.347 |
12 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1'11.154 |
13 | J・ドゥーガン | GBR | CCM | 1'15.252 |
14 | T・チャーチ | GBR | CCM | 1'16.420 |
15 | F・ニュージェバウアー | CZE | Kawasaki | 1'17.303 |
16 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | 1'19.760 |
17 | M・カドレック | CZE | TM | 1'21.966 |
18 | R・タン | FRA | TM | 1'35.068 |
19 | C・メロッテ | BEL | Honda | 1'56.597 |
20 | L・レオンス | FRA | Aprilia | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 39'40.072 |
2 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'16.564 |
3 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'24.609 |
4 | M・ナグル | GER | KTM | 0'29.833 |
5 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'33.593 |
6 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'40.831 |
7 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 0'52.202 |
8 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 1'03.342 |
9 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 1'11.859 |
10 | L・レオンス | FRA | Aprilia | 1'19.504 |
11 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1'25.676 |
12 | T・チャーチ | GBR | CCM | 1'27.297 |
13 | M・プリエム | BEL | Aprilia | 1'30.070 |
14 | F・ニュージェバウアー | CZE | Kawasaki | 1'34.452 |
15 | T・レオク | EST | Yamaha | 1'35.395 |
16 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | 1'46.449 |
17 | B・マッケンジー | GBR | Honda | 1'51.034 |
18 | G・クレスティノブ | EST | KTM | -1 Laps |
19 | R・V・ヴィフェイケン | BED | Yamaha | -1 Laps |
20 | M・カドレック | CZE | TM | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 503 |
2 | M・ナグル | KTM | 458 |
3 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 428 |
4 | C・ドゥサル | Honda | 426 |
5 | J・コピンズ | Yamaha | 409 |
6 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 409 |
7 | T・レオク | Yamaha | 347 |
17 | C・カンパーノ | Yamaha | 100 |
27 | R・V・ヴィフェイケン | Yamaha | 37 |
38 | L・フレイバーグス | Yamaha | 12 |
49 | D・リヴス | Yamaha | 4 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 571 |
2 | KTM | 518 |
3 | Honda | 461 |
4 | Suzuki | 426 |
5 | Kawasaki | 272 |
6 | Aprilia | 211 |
7 | TM | 172 |
8 | CCM | 140 |
COMMENT
D・フィリッパーツ選手談(3位/3位:総合3位)
「今日は満足だ。ここロケットのコースは好きだし、昨年は優勝している。フランスGP以来の表彰台だが、体調が優れず解決に一月を要した。でも今はずっと良くなっている。抜くのは大変だったけど、ジョシュとは第1ヒートで良いレースができた。自分がミスを冒したので勝負が長引いたのかもしれない。第2ヒートでは同じようにカイローリと争った。カイローリとのバトルはいつもハードだよ! 彼は良いラインを取っていたし、ラップタイムも良かった。今年チャンピオンになるだろう。僕にとって今シーズンは楽ではなかったけど、まだ2戦残っている。少なくともトップ3に入りたいね」
A・カイローリ選手談(6位/2位:総合4位)
「今日は2度ともすごく良いスタートを決めたけど、マックスがあんなに接近して来るとは思わなかった。僕はコースからランオフしてしまって、見ている人に近い、尾根の上まで行ってしまって、かなり危なかった。戦列に復帰して25番手。それから可能な限り多くのライダーを抜いたけど、これは大変だった。6位でフィニッシュしたけど、最終ラップに道をあけてくれたタネルに感謝しなければならない。あれは良い行為だった。第2ヒートでもほとんど同じことがスタート時に起こって、危うくグリーンフェンスに当りそうになった。ブレーキングしなければならなくて、信じられないことにまた中団に位置してしまった。幸い、第2コーナーでは良いラインを取ることができて、トップ10内で丘を登ることができた。それからプッシュして挽回したけど、デビッドに追いついたところでタイムをロスしてしまった。彼の方が僕より少し遅かったけど、良い勝負ができたし、彼とああいうレースができるのは楽しいね。残り10分というところで2位に上がった時には、ドゥサルははるか先で、彼を捕らえるのはリスキーになりかねなかった。ナグルに対してはポイントをあまりロスすることにならないし、リーロップで、自分のコンディションも良くてハードにプッシュして良いレースができればいいと思う。この週末のはじめから風邪を引いていたけど、今日はそれほどひどくない。ときどき呼吸し難くなっているけど、大きな問題ではない」
J・コピンズ選手談(4位/5位:総合5位)
「ハードな一日だったよ。かなり良いライディングをしたしスタートも良かったんだ。それからデビッドと一時良いバトルをした。彼は僕を抜いたあとミスを冒して、僕が抜き返しかけたところでフィニッシュになった。第2ヒートはすごく良かったけど、第1コーナーでナグルがかなりハードにぶつかって来たんだ。ベストを尽くして追い上げたけど、ゴーグルのシールドが飛び出てしまって、視界にずっと泥と埃が入って来ていたんだ。全体にここでのパフォーマンスはOKだったと思うけど、あまり良い総合成績を得ることができなかった」
T・レオク選手談(7位/15位:9位)
「このコースでのスピードとフィーリングは良かったんだけど、今日は実に運が悪かった。第1ヒートのスタートはもっと良くできたはずで、追い抜きが大変だった。第2ヒートのスタートはこれより良かったけど、第2コーナーで、アランダが僕のイン側にいてワイドに膨らんで来たんだ。それで僕は外側に出されてしまったんだよ。そしてたくさんのライダーとバイクに巻き込まれてしまった。僕は抜け出そうとトライしたんだけど、プリエムのリアホイールを突いてしまってまた後退。再スタートしてからは走れていたけど、何とリアブレーキに絡んだ石を取り除くためにストップしなければならなかった! 悪夢のようなレースだったよ」