モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 5月17日 スペイン
RACE DATA
■2009モトクロス世界選手権第6戦スペインGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2009年5月17日(日)
■会場:ベルプーチ(1.630km)
■周回数:ヒート1=21周、ヒート2=20周
■天候:晴れ
■観客数:20,000人
REPORT
フィリッパーツ総合2位、カイローリが総合3位
ヤマハ・モンスターエナジー・モトクロス・チームのD・フィリッパーツが今季最高となる総合2位(両ヒート3位)となり、今季2度目の表彰台に上がった。1週間前のポルトガルGPで左人差し指を骨折していたが、痛みに耐えての力走だった。チームメイトのJ・コピンズは両ヒートそれぞれ4位と8位でゴールし総合成績は6位となった。一方、ヤマハ・レッドブル・デ・カルリのA・カイローリも8位/1位で総合3位。チームメイトのT・レオクは、9位/13位で総合10位だった。
晴天に恵まれ気温も上昇する中、ベルプーチ・サーキットには多くのファンがつめ掛けた。豪雨でのレースとなった昨年のGPとは異なり、路面はハードで埃っぽく、また進行が進むにつれてわだちができやすい状況となった。高温下で行なわれた土曜の予選ヒートではカイローリが1位を獲得して決勝を迎えた。
決勝第1ヒートは、今年最高の気温下でのレース。今GP開催の3日前にイギリスで治療を受けたフィリッパーツは、左手に合わせてクラッチレバーを調整、バーにプロテクションを追加したマシンで出走。フィリッパーツが好スタートを決め、レース全般にわたり2位争いをC・ドゥサル(ホンダ)と展開し、3位でゴールした。カイローリは2周目にB・マッケンジー(ホンダ)と接触し、18位まで後退したが、転倒により燃料タンクからの漏れがある状況ながら、4位まで追い上げコピンズを追い抜こうとするが、小さなミスで再び転倒。肋骨の痛みに堪えながら8位でゴールした。
第2ヒートのフィリッパーツは、3番手につけるとマッケンジーをパス。カイローリがこれに続いた。終盤に入ろうとするところで、カイローリはトップを行くM・ナグル(KTM)に迫っていく。終盤ミスしたナグルにカイローリが急接近し、残り2周のところでカイローリはトップに浮上。カイローリはそのままトップを守りゴール、総合3位となり4戦連続の表彰台ゲットとなった。
カイローリのチームメイト、T・レオクは苦戦。第1ヒートのオープニングラップでミスして転倒。多くのライダーが横を通り過ぎる中、再スタートに手間取り大きく順位を落とすが、そこから追い上げ、結局9位でゴールした。第2ヒートは、2つのミスで後退したのに加えブレーキトラブルも発生。13位でフィニッシュするにとどまり総合10位となった。次戦、第7戦イギリスGPは2週間後、マロリーパークのロードレース用サーキットに隣接の専用コースで開催される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・バラガン | ESP | KTM | 40'38.899 |
2 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'10.982 |
3 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'11.453 |
4 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'16.273 |
5 | D・ビーラマン | FRA | Kawasaki | 0'17.446 |
6 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 0'18.617 |
7 | M・ナグル | GER | KTM | 0'19.177 |
8 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'51.165 |
9 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'54.074 |
10 | A・レオク | EST | TM | 1'05.652 |
11 | B・マッケンジー | GBR | Honda | 1'10.774 |
12 | J・ビル | CHE | Aprilia | 1'13.182 |
13 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1'14.266 |
14 | T・チャーチ | GBR | CCM | 1'26.436 |
15 | J・ドーガン | GBR | CCM | 1'48.844 |
16 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | -1 Laps |
17 | I・ステインバーグス | LVA | Honda | -1 Laps |
18 | J・カールソン | SWE | Suzuki | -1 Laps |
19 | L・コレイラ | POR | Suzuki | -1 Laps |
20 | R・V・ヴィフェイケン | NED | Yamaha | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 39'22.225 |
2 | M・ナグル | GER | KTM | 0'01.314 |
3 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'13.691 |
4 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'18.063 |
5 | B・マッケンジー | GBR | Honda | 0'20.186 |
6 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 0'23.058 |
7 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'23.655 |
8 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'23.983 |
9 | D・ビーラマン | FRA | Kawasaki | 0'33.488 |
10 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 0'39.470 |
11 | G・スワンプール | FRA | Kawasaki | 0'48.519 |
12 | M・プリエム | BEL | Aprilia | 0'54.672 |
13 | T・レオク | EST | Yamaha | 1'02.669 |
14 | A・レオク | EST | TM | 1'09.052 |
15 | G・クレスティノーヴ | EST | KTM | 1'13.655 |
16 | F・イゾワール | FRA | Suzuki | 1'27.852 |
17 | T・チャーチ | GBR | CCM | 1'34.691 |
18 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | 1'43.958 |
19 | J・カールソン | SWE | Suzuki | 1'49.130 |
20 | L・コレイラ | POR | Suzuki | 1'53.952 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 231 |
2 | J・バラガン | KTM | 195 |
3 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 183 |
4 | J・コピンズ | Yamaha | 175 |
5 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 174 |
6 | C・ドゥサル | Honda | 162 |
7 | T・レオク | Yamaha | 162 |
24 | C・カンパーノ | Yamaha | 21 |
28 | R・V・ヴィフェイケン | Yamaha | 13 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 261 |
2 | KTM | 213 |
3 | Suzuki | 197 |
4 | Honda | 196 |
5 | Kawasaki | 115 |
6 | TM | 85 |
7 | Aprilia | 69 |
8 | CCM | 38 |
COMMENT
D・フィリッパーツ選手談(3位/3位:総合2位)
「昨日、親指に大きな問題があったのでこの結果は予想していなかったし、大いに満足。今日は楽に、うまく走れてちょっと驚きだ。ポルトガルGP以来、トレーニングが全くできず、治療に専念していたので、第2ヒートの終盤は疲労がきつかったが、両ヒートとも3位に入れてとても嬉しい。医者によれば、次のGPまでには、ほぼ完治するということだ」
A・カイローリ選手談(8位/1位:総合3位)
「第1ヒートで2度ミスした。コピンズと絡んで転倒したのは、僕が彼のラインに向かっていき、リアホイールに絡んでしまったんだ。マッケンジーに対しては問題なくパスできるかと思っていたけど、ラインがクロスして2人とも転倒した。ここで燃料タンクにダメージを受けた。ガス欠にならないよう燃料をセーブして走った。それでもベストタイムを出すことができたよ。第2ヒートは序盤にタイムロスして少し後退したけれど、いいラインが見つかった。フィリッパーツに抜かれた後は、しばらくの間彼のラインをトレースしてみた。フィーリングはいい感じで、その後ナグルがミスした後は、勝ちにいこうとハードにプッシュした」
J・コピンズ選手談(4位/8位:総合6位)
「好スタートを決めることができたし、走りも悪くなかった。でもパワーを出し切れなかった感じだ。できるかぎりのベストは尽くした。何が問題だったのか良くわからないが、第2ヒートでは疲労を覚え苦戦した」
T・レオク選手談(9位/13位:総合10位)
「ひどい一日だった。良い感じだったし、スピードも良かったけど、悪い方向に行ってしまった。第2ヒートでは誰かのリアホイールにヒットし、そのライダーがスピンアウトしたため、僕はその後ろでスタック、大きく後退した。それからまた転倒し、石がリアブレーキに入り込んでしまったので、その2周後にストップしてこれを取り除いた。その後また転倒。トップグループに近づくためにハードに攻めすぎて、ミスしてしまった」