モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月10日 ポルトガル
RACE DATA
■2009モトクロス世界選手権第5戦ポルトガルGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2009年5月10日(日)
■会場:アジェンダ
■周回数:第1ヒート=20周、第2ヒート=20周
■天候:曇り
■観客数:25,000人
REPORT
カイローリ、今季2度目の両ヒート優勝!
YZ450Fを駆るヤマハ・レッドブル・デ・カルリのA・カイローリが両ヒートで優勝、今季2勝目を飾った。今回のポルトガルGPの優勝は、カイローリにとってMX2時代を含めるとこの5年で4度目の総合優勝で、過去10ヒート中9ヒート優勝の記録となった。
曇天ながら温かな気候で迎えた今大会。第2ヒートは小雨がぱらつくコンディションとなったが、各ヒートの熱戦に25,000人のファンが歓声をおくった。硬くてラフな赤土からなるこのコースは、例年に比べてさらに硬く滑りやすくなっていた。各選手は土曜日の予選でタイヤ選択に悩まされ、また決勝の日曜日には一層バンピーとなった路面のため、体力的に厳しいレースが展開された。
第1ヒート、カイローリは好スタートから抜け出すと、中盤からはレースをリードし、K・デ・ディッカー(スズキ)を抑えてトップでゴールした。レース序盤の3分の1をリードしていたフィリッパーツは、転倒して後退し、5位となった。またこの転倒でフィリッパーツは人差し指を骨折した。
第2ヒートのカイローリは、スタート直後8番手につけていた。そこから見事な走りで順位を上げ、デ・ディッカーを抑えトップでフィニッシュした。レースの見どころとなったのは、カイローリ、フィリッパーツ、C・ドゥサル(ホンダ)が演じた2番手争いだったが、高速の下り坂でインにラインを取ったカイローリは、わだちでミス。これでフィリッパーツと接触、フィリッパーツはリタイヤを強いられた。
土曜日の予選でトップレベルのタイムを示していたJ・コピンズ。決勝はトップ争いに絡むことは出来なかったが、着実に走りで両ヒートを7位、4位でゴールし総合4位と健闘。このところ心配されてきた体力不足の解消を示した。T・レオクは、若干のマシントラブルに見舞われながらも第1ヒート5位、第2ヒート6位で総合6位に入った。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 39'32.718 |
2 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 0'07.035 |
3 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'12.446 |
4 | M・ナグル | GER | KTM | 0'14.608 |
5 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'16.374 |
6 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'21.134 |
7 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'50.988 |
8 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'54.914 |
9 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 0'58.430 |
10 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 1'11.378 |
11 | D・ビーラマン | FRA | Kawasaki | 1'23.735 |
12 | A・レオク | EST | TM | 1'32.244 |
13 | M・プリエム | BEL | Aprilia | 1'41.152 |
14 | F・イゾワール | FRA | Suzuki | 1'58.572 |
15 | T・チャーチ | GBR | CCM | 2'13.666 |
16 | S・テレブランシュ | RSA | Kawasaki | -1 Laps |
17 | L・コレイラ | POR | Suzuki | -1 Laps |
18 | H・バサウラ | POR | Suzuki | -1 Laps |
19 | L・レオンス | FRA | Aprilia | -1 Laps |
20 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 40'13.107 |
2 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 0'10.571 |
3 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'18.792 |
4 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'20.312 |
5 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'40.474 |
6 | D・ビーラマン | FRA | Kawasaki | 0'49.212 |
7 | M・ナグル | GER | KTM | 0'58.709 |
8 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 1'09.139 |
9 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 1'15.733 |
10 | J・バラガン | ESP | KTM | 1'31.163 |
11 | A・レオク | EST | TM | 1'44.257 |
12 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1'52.586 |
13 | M・プリエム | BEL | Aprilia | 1'54.589 |
14 | L・コレイラ | POR | Suzuki | -1 Laps |
15 | F・イゾワール | FRA | Suzuki | -1 Laps |
16 | L・レオンス | FRA | Aprilia | -1 Laps |
17 | H・サントス | POR | Aprilia | -1 Laps |
18 | G・クレスティノヴ | EST | KTM | -1 Laps |
19 | J・カールソン | SWE | Suzuki | -1 Laps |
20 | R・V・ヴィフェイケン | NED | Yamaha | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 193 |
2 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 168 |
3 | J・バラガン | KTM | 152 |
4 | J・コピンズ | Yamaha | 144 |
5 | T・レオク | Yamaha | 142 |
6 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 134 |
24 | C・カンパーノ | Yamaha | 13 |
26 | R・V・ヴィフェイケン | Yamaha | 12 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 216 |
2 | Suzuki | 179 |
3 | KTM | 166 |
4 | Honda | 158 |
5 | Kawasaki | 87 |
6 | TM | 67 |
7 | Aprilia | 51 |
8 | CCM | 27 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(1位/1位:総合優勝)
「MX2時代を含めポルトガルGPでの僕は、過去10ヒート中9ヒートで勝ったわけで、本当にラッキーで特別なコースだ。第2ヒートの1周目は本当にひどい状況だったが、その後パスできるいいポイントを見つけて、挽回することが出来た。フィリッパーツとの接触は申し訳なかったと思うが、彼があそこにいるとは思わなかった。その後はトップのデ・ディッカーの追撃に焦点を合わせることができた。今回の優勝は本当にうれしい。シーズン開幕時は、今の時期にランキングトップ5以内に入れるだろうとは思っていたけれど、ランキングをリードするのは、また特別だ。今はレースが楽しいし、それがとても大切なことだと思う」
J・コピンズ選手談(7位/4位:総合4位)
「スタートは問題なかったし、スムーズな走りが出来てタイムも安定していたと思う。でも第1ヒートの転倒は僕のミスだった。第2ヒートはかなりいいリズムで走れた。終盤は、ドゥサルを抜こうと追い上げたけれど、時間が足りなかった。全体に今回のレースは悪くなかった。少なくともここ2大会と比べて悪くはなかったよ」
T・レオク選手談(6位/5位:総合6位)
「総合6位は最低限求められる結果だ。第2ヒートの調子は良かったが、小さなトラブルが出でトラクションが悪くなり、攻めきれなかった。この小さなトラブルがなければ、表彰台を狙って攻めるところだったんだが・・・」
D・フィリッパーツ選手談(5位/DNF:総合13位)
「指の骨折は心配ないが、来週のレースは走ってみないと分からない。カイローリと絡んだ場所はラインが2本ありクロスしたんだ。これはモトクロスには起こり得ることだが、僕にとってはアンラッキーなものとなった。タイトルを狙うのは難しい状況となったが、シリーズはまだ長いし、他の選手にも不運は起こり得る。マシンの調子もいいし積極的に臨むようにしたい。でも今は指の痛みが強いので、早くこの痛みが治って欲しい」