モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 4月26日 ベネルクス
RACE DATA
■2009モトクロス世界選手権第4戦ベネルクスGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2009年4月26日(日)
■会場:ファルケンスワード(1.750km/オランダ)
■周回数/ヒート1=19周、ヒート2=19周
■天候:曇り
■入場者数:20,000人
REPORT
カイローリ、第1ヒート優勝でランキング首位キープ!
ヤマハ・レッドブル・デ・カルリのA・カイローリが第1ヒート優勝、第2ヒート3位で総合2位に入り、2戦連続表彰台を獲得。ランキングでもトップを守った。チームメイトのT・レオクも総合3位に入ったほか、ヤマハ・モンスターエナジー・モトクロス・チームのD・フィリッパーツが総合5位、J・コピンズは総合7位となった。
オランダ南部の工業都市・アイントホーフェンに程近い、ファルケンスワードは、黒く、わだちのできやすい全天候型のサンドコース。今大会に向けてジャンプなどの新セクションが加えられた。
土曜日の予選ヒートではコピンズが3位に入ったものの、カイローリとフィリッパーツは第1コーナーの多重クラッシュに巻き込まれてしまう。カイローリは、ほとんど最後尾から果敢に追い上げて7位。フィリッパーツは再走するが、14位でゴールするにとどまった。レオクは5位。
前夜の雨によって路面はウエット状態であったが、決勝日の天候は曇り。サーキットには20,000人の観客が詰めかけた。
第1ヒート、カイローリが、終盤の5分間にS・ラモン(スズキ)、M・ド・ルーバー(ホンダ)と素晴らしいバトルを披露した末、3戦連続となるヒート優勝を飾った。そのバトルはコーナーごとに順位を入れ替える激戦で、カイローリのマシンはフロントホイールのスポーク3本が折れてしまうほどであった。
一時トップに立っていたフィリッパーツは、終盤後退してレオクに先行を許し、6位となった。
第2ヒートでは、カイローリはスタートで遅れ、トップ集団を形成するJ・バランガン(KTM)、レオクらに差を広げられる。その後、3位まで追い上げたところでチェッカー。
一方、レオクは1周目の7位から挽回し2位でゴール。総合3位に入り、開幕戦の優勝以来、今季2度目となる表彰台に立った。序盤リードしたフィリッパーツは6位でゴールした。
第2戦ブルガリアGPのウイナー、コピンズは、体調不良もあり充分な力が発揮できず総合7位で27ポイントを獲得するにとどまった。
カイローリは2位と15ポイントの差で世界選手権ランキングのトップをキープ。フィリッパーツ、コピンズ、そしてレオクもそれぞれ4位、5位、6位につけており、上位6位までに4台のYZ450FとYZ450FMが入っている。さらにヤマハは、マニュファクチャラー部門でも2位に31ポイント差で1位を守っている。
世界選手権はこの後、イベリア半島を横断。第5戦ポルトガルGP、第6戦スペインGPと続く。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 39'47.158 |
2 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | 0'04.286 |
3 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'07.183 |
4 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 0'08.550 |
5 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'09.808 |
6 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'09.939 |
7 | K・ストライボス | BEL | Honda | 0'17.209 |
8 | B・マッケンジー | GBR | Honda | 0'23.940 |
9 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 0'39.108 |
10 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'50.965 |
11 | M・ナグル | GER | KTM | 0'58.686 |
12 | C・メロット | BEL | Honda | 1'19.903 |
13 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 1'22.028 |
14 | J・ノーブル | GBR | Suzuki | 1'22.244 |
15 | B・アンダーソン | GBR | Honda | 1'28.951 |
16 | A・レオク | EST | TM | 1'35.177 |
17 | G・クレスティノブ | EST | KTM | 1'37.940 |
18 | R・V・ヴィフェイケン | NED | Yamaha | -1 Laps |
19 | J・ドーガン | GBR | CCM | -1 Laps |
20 | K・ウッツ | BEL | Honda | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・バラガン | ESP | KTM | 40'18.300 |
2 | T・レオク | EST | Yamaha | 0'06.449 |
3 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'21.339 |
4 | K・ストライボス | BEL | Honda | 0'27.157 |
5 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 0'37.250 |
6 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 0'43.042 |
7 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'46.374 |
8 | C・ドゥサル | BEL | Honda | 1'18.127 |
9 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | 1'31.576 |
10 | A・レオク | EST | TM | 1'34.994 |
11 | G・クレスティノブ | EST | KTM | 1'36.882 |
12 | G・スワンプール | RSA | Kawasaki | 1'40.470 |
13 | D・ビーラマン | FRA | Kawasaki | 1'42.218 |
14 | B・マッケンジー | GBR | Honda | 1'44.021 |
15 | R・V・ヴィフェイケン | NED | Yamaha | 2'03.410 |
16 | J・ノーブル | GBR | Suzuki | -1 Laps |
17 | M・ナグル | GER | KTM | -1 Laps |
18 | J・ドゥーガン | GBR | CCM | -1 Laps |
19 | J・カールソン | SWE | Suzuki | -1 Laps |
20 | K・ウッツ | BEL | Honda | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 143 |
2 | J・バラガン | KTM | 128 |
3 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 124 |
4 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 118 |
5 | J・コピンズ | Yamaha | 112 |
6 | T・レオク | Yamaha | 111 |
24 | R・V・ヴィフェイケン | Yamaha | 11 |
30 | C・カンパーノ | Yamaha | 3 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 166 |
2 | Suzuki | 135 |
3 | KTM | 134 |
4 | Honda | 118 |
5 | Kawasaki | 60 |
6 | TM | 48 |
7 | Aprilia | 35 |
8 | CCM | 21 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(1位/3位:総合2位)
「第1ヒートの1周目は3位につけていた。スティーブ・ラモンをパスしようとした時、彼が転倒しかけて止まってしまい、僕のフロントホイールと彼のフットペグが当ってしまった。ホイールが壊れているのが見えたので、かなり恐ろしかったよ。レーシングスピードで走れるのかどうか様子を見たので、12位まで落ちてしまった。あまりジャンプせず、バイクをいたわる走りをしたけど、大丈夫だったので、それからスピードを上げて挽回に出た。スティーブをパスしたんだけど、その後、彼は激しく転倒してしまった。フィリッパーツもだ。今年のMX1では僕が予想していなかったことがたくさん起こっている。ここで勝てたのは驚きだけど、バイクに乗るのは楽しい、今シーズン最後までこの状態をキープしたい。レースで勝てて本当にうれしい。第2ヒートはスタートが悪くて、第1コーナーで他のライダーと接触してしまった。その後はうまくライディングできて、多くのライダーを抜いたけど、ドゥサルを抜くのに数ラップに渡っててこずってしまった。タネルに追いつきたかったけど、最後は疲れ果ててしまったので、着実に完走するようにした」
T・レオク選手談(5位/2位:総合3位)
「トルコGPではポイントを獲り損ねたので、そのことが挽回に向けての原動力になっている。第1ヒートではいくつか大きなミスをしたけど、今日のネガティブな部分はそれだけだった。感触が良く、マシンにも良く乗れていて、それが第2ヒートの結果に表れている。アントニオと一緒に走って、トレーニングすることはとてもためになるし、その成果がこうして結びついているから嬉しいよ」
D・フィリッパーツ選手談(6位/6位:総合5位)
「最初はいい感じで、速かったんだけど、コースがかなりハードでベネルクスとしてはかなり温かかく、終盤に向かうに従って疲れてしまった。体力的にはタフなレースだったけど、今のところ他のライダーたちよりうまく運んでいて、良いポイントを獲得しているし、コンスタントに走っている。両ヒートとも20分を経過すると守りの走りにせざるを得なかった。順位を落とすより転倒する方が悪いからね」
J・コピンズ選手談(10位/5位:総合7位)
「タフなレースだったし、そうなることは前からわかっていた。血液に問題があって、そのための注射を打ってもらったけど、回復しなかった。元気になって、ただ走るだけではなくバトルがしたい。結果より、レースを戦えないことが問題なんだ。良いスタートを切りながら、ただ走り続けるというのは楽しいことではない。シリーズ戦はまだ先が長いし、今回の結果は、どうしようもないというほどひどいものではない。明日検査を受けに行き、ポルトガルGPに向けて改善するつもりだ」