#41IRF with AZURLANE

磐田レーシングファミリー（IRF）は、1970年代、ヤマハ開発部内の有志が集まり結成されたロードレースクラブ。ヤマハ発動機およびグループ会社の社員で構成され、各部門の垣根を越えた多くのサポートで成り立っている社員チームだ。主な活動は、鈴鹿サーキットで行われる地方選手権への出場や、全日本選手権などへの参戦であるが、年に一度の鈴鹿8耐は、その中でも最も重要な活動と位置づけている。

その鈴鹿8耐には1978年の第１回大会から参加しており、2002年にはXフォーミュラークラス優勝／総合９位という成績も収めているが、IRFは成績の追求だけでなく様々な目的を持って参戦している。例えばメンバーを中心に様々な部門が連携してオリジナルパーツを製作し、ピットワークのトレーニングを行い、レース戦略を練り上げて本番を迎える。このプロセスを通じてモノづくりの楽しさ、難しさを経験しながら、市販車にも生かせる技術やアイディアを養う人材育成の場となっている。同時に多くの社員を巻き込み、全員で８耐を戦うことを通じ、感動創造企業の社員として、社内外に感動を提供する機会にもなっている。

チームは2022年に続き、株式会社Yostarが運営するスマートフォン向けアプリゲーム「アズールレーン」とコラボレーションして、「IRF with AZURLANE」として参戦する。レースや二輪車と縁の少ない人々と、モータースポーツやヤマハ発動機との接点を作る試みだ。参戦するのは改造範囲が広くより高性能なマシンで戦うEWCクラス。これはモノづくり集団として、自分たちの手でより良いものを模索し、より良いものを経験しようという狙いが込められている。昨年はタイヤ交換のための「QCS（クイック・チェンジ・システム）」を開発実装。今年は、メーカーの協力体制のもと、量産も視野に新機構を備えた前後サスペンションを、本番を含めテストと開発を行う。

マシンはアズールレーンの人気キャラクターでもある「エセックス」をモチーフとし、2022年のデザインを踏襲しつつ、艦船要素をさらに取り入れアップデートした新デザインの「YZF-R1 ESSEX SP」にて参戦する。レースのプロフェッショナルではないが、モノづくりのプロとして、感動創造のプロとして、未来の二輪車に思いを馳せながら鈴鹿８耐を戦う。