#7YAMALUBE YAMAHA EWC Official Team by YART
- マシンYZF-R1
- タイヤブリヂストン
「YART Yamaha Official EWC Team」の運営母体であるYamaha Austria Racing Team(YART)は、その名の通り、オーストリアを拠点に、元ライダーのマンディ・カインツが率いるエンデュランスレースのスペシャリスト集団。2001年より活動を開始し、翌2002年に世界耐久選手権へ本格参戦をスタート。2005年にランキング3位を獲得すると、2位、3位、2位とチャンピオン争いを繰り広げ、2009年には4勝をあげシリーズチャンピオンに輝いている。
近年を見ると、2016-2017シーズンにチャンピオン争いを繰り広げるも、開幕戦のリタイアが響きランキング3位。2017-2018シーズンは第3戦で優勝したが、他の4戦でリタイアとなりランキング16位。さらに2018-2019シーズンは、開幕戦で2位と好スタートを切るも第2戦はリタイア。第3戦は優勝しチャンピオン獲得に望みをつないだが、第4戦で再びリタイアとなり、これが響いてランキング4位と、速さはあるも安定感を欠いて、チャンピオンからは遠ざかっている。
2019-2020シーズンの開幕戦は、トップを走行中に撒かれたオイルに乗って転倒リタイアと不運に見舞われたが、続く初開催のセパン8時間では、悪天候のレースを制してランキング4位に浮上。しかし、2月から欧州で新型コロナウイルス感染症の影響により4月以降のスケジュールが変更され、8月にル・マン、9月にボルドール、そして鈴鹿は11月に開催されることとなった。
一方チームは、2020年に入り、ニッコロ・カネパ、マービン・フリッツ、カレル・ハニカというオーダーとし、マシンは2020年型YZF-R1を新採用。8・9月はこの体制で戦う予定だが、鈴鹿8耐はヤマハ純正オイル「YAMALUBE」をパートナーとし、ハニカに変わって全日本を戦う野左根航汰がチームに合流。さらにヤマハがR1の技術サポートを行い、ヤマハトップチーム「YAMALUBE YAMAHA EWC Official Team by YART」として参戦。ハイレベルな鈴鹿8耐での表彰台、2009年以来となるチャンピオン獲得に挑む。
EWC戦績
2003年 | ランキング 7位 |
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2004年 | ランキング 4位 |
2005年 | ランキング 3位 |
2006年 | ランキング 2位 |
2007年 | ランキング 3位 |
2008年 | ランキング 2位 |
2009年 | チャンピオン |
2010年 | ランキング 3位 |
2011年 | ランキング 5位 |
2012年 | ランキング 6位 |
2013年 | ランキング 5位 |
2014年 | ランキング 6位 |
2015年 | ランキング 10位 |
2016年 | ランキング 6位 |
2016-2017年 | ランキング 3位 |
2017-2018年 | ランキング 16位 |
2018-2019年 | ランキング 4位 |
※2020年7月1日現在の情報です。
Kohta Nozane野左根 航汰
- 国籍日本
- 生年月日1995年10月29日
GPライダーである故阿部典史の「チームノリック」出身ライダー。2010年(15歳)にJ-GP3で全日本デビューすると、翌年にはJ-GP2にステップアップ。2013年にチャンピオンを獲得して、2014年から国内最高峰のJSB1000でのチャレンジを開始した。
2015年からの2年間は、ヤマハの若手育成チーム「YAMALUBE RACING TEAM」から参戦しランキング7位。翌年はランキング5位と成長を示すと、2017年から「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」に加入しクラス初優勝などでランキング5位。2019年にはランキング3位まで上り詰めている。
鈴鹿8耐は今回が3度目。初出場は2016年、YARTの一員として4位獲得に貢献。2017年にはYARTのレギュラーライダーとして参戦し、鈴鹿8耐では5位、EWCランキング3位となった。そして今年、全日本トップライダーに成長したその走りで、チームを鈴鹿8耐初となる総合トップ3に導くことが期待される。
Racing Careerレースキャリア
年 | 成績 |
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2010年 | 全日本J-GP3 ランキング 9位 |
2011年 | 全日本J-GP2 ランキング 7位 |
2012年 | 全日本J-GP2 ランキング 3位 |
2013年 | 全日本J-GP2 チャンピオン |
2014年 | 全日本JSB1000 ランキング 8位 |
2015年 | 全日本JSB1000 ランキング 7位 |
2016年 | 全日本JSB1000 ランキング 5位 |
2017年 | 全日本JSB1000 ランキング 5位 世界耐久選手権 ランキング 3位 |
2018年 | 全日本JSB1000 ランキング 4位 |
2019年 | 全日本JSB1000 ランキング 3位 |
Marvin Fritzマービン・フリッツ
- 国籍ドイツ
- 生年月日1993年4月20日
ドイツのロードレース選手権IDMを主戦場としてきたライダー。4歳でモトクロスレースを始めたが、2002年(9歳)にロードレースへ転向すると、翌年には国内のミニバイクレースでチャンピオンを獲得。2006年から2010年までIDM125ccで腕を磨き、2009年には自己最高となるランキング2位を獲得した。
2012年にヨーロッパ選手権の600ccへステップアップを果たすと、翌年、再びIDMに戻り、2014年にはYZF-R6でスーパースポーツ600のチャンピオンを獲得。さらに2016年、IDM最高峰のスーパーバイクでチャンピオンとなり、2016-2017シーズンから、野左根とともにYARTのレギュラーライダーとしてEWC参戦を開始。この年、野左根と刺激を与え合いながら実力をつけ、4シーズン目となる現在までに何度も表彰台に立ち、チームにとって欠かせない存在へと成長した。テクニカルな鈴鹿にも順応しており、さらに自信を深めた状態で最終戦に臨む。
Racing Careerレースキャリア
年 | 成績 |
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2006年 | IDM 125cc ランキング 11位 |
2007年 | IDM 125cc ランキング 3位 |
2008年 | IDM 125cc ランキング 4位 |
2009年 | IDM 125cc ランキング 2位 |
2010年 | IDM 125cc ランキング 6位 |
2012年 | ヨーロッパ選手権 スーパーストック600 ランキング 23位 |
2013年 | IDMスーパースポーツ600 ランキング 15位 |
2014年 | IDMスーパースポーツ600 チャンピオン |
2015年 | IDMスーパーストック1000 ランキング 4位 |
2016年 | IDMスーパーバイク チャンピオン |
2016-2017年 | 世界耐久選手権 ランキング 3位 |
2017-2018年 | 世界耐久選手権 ランキング 16位 |
2018-2019年 | 世界耐久選手権 ランキング 4位 |
Niccolò Canepaニッコロ・カネパ
- 国籍イタリア
- 生年月日1988年5月14日
2007年、スーパーストック1000 CUPでチャンピオンを獲得しているほか、MotoGP、Moto2、スーパーバイク世界選手権などに参戦してきた実力と経験を兼ね備えたライダー。近年もスーパーバイクに参戦するヤマハチームのテストライダーを務めているほか、ワイルドカードなどで出場しポイントを獲得している。
一方、世界耐久選手権での活躍も著しい。2016年から3シーズンにわたって、ヤマハエンデュランスチームの一つであった「GMT94」に在籍。2016-2017シーズンには3度目となるチャンピオン、2017-2018シーズンにはランキング2位の獲得に貢献した。2018-2019シーズンからYARTに加入すると、チームを何度も上位に導いており、鈴鹿8耐でもフリッツ、野左根とともに、国内外のトップチームと互角に渡り合うために不可欠な戦力である。
Racing Careerレースキャリア
年 | 成績 |
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2005年 | ヨーロッパ選手権スーパーストック600 ランキング 4位 |
2006年 | ヨーロッパ選手権スーパーストック600 ランキング 2位 |
2007年 | FIM CUPスーパーストック1000 チャンピオン |
2008年 | 世界選手権スーパーバイク ランキング32位 |
2009年 | 世界選手権MotoGP ランキング 16位 |
2010年 | 世界選手権Moto2 |
2011年 | FIM CUPスーパーストック1000ランキング5位 |
2012年 | 世界選手権スーパーバイク ランキング20位 |
2013年 | 世界選手権スーパーバイク ランキング24位 |
2014年 | 世界選手権スーパーバイク ランキング13位 |
2015年 | 世界選手権スーパーバイク ランキング16位 |
2016年 | 世界耐久選手権 ランキング2位 世界選手権スーパーバイク ランキング19位 |
2016-2017年 | 世界耐久選手権 チャンピオン |
2017-2018年 | 世界耐久選手権 ランキング 2位 |
2018-2019年 | 世界耐久選手権 ランキング 4位 |