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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.09 7月7日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第9戦ドイツGP
■開催日:2019年7月7日(日)決勝結果
■開催地:ザクセンリンク/ドイツ(3.671km)
■周回数:30周(110.13 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:32度
■PP:M・マルケス(1分20秒195/ホンダ)
■FL:M・マルケス(1分21秒228)

REPORT

ビニャーレスが2位表彰台、ロッシは8位

Monster Energy Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスがドイツGP決勝でメンタルの強さを見せた。2位の座を奪い取ろうとするC・クラッチロー(ホンダ)からレースの半分にわたってプレッシャーを受けながら、決してぶれることなくポジションを守り切った。チームメイトのV・ロッシは4位グループの背後までたどり着くも戦いに加わることができず8位で終えている。

ビニャーレスはグリッド3番手から好スタートを切り2番手で第1コーナーへ。トップのM・マルケス(ホンダ)を逃すまいと序盤から果敢に攻めるが、同時にタイヤ・コントロールも必須の課題。そのため4ラップ目でA・リンス(スズキ)に先行を許したあとはその後ろについて、行動は起こさず2台揃ってペースを上げる方法を選んだ。

しかしまもなくすると1分21秒台をキープするのが難しくなり、追い上げてきたクラッチローに注意を向けざるを得なくなる。そして19ラップ目にリンスが転倒するとクラッチローとの2番手争いが激化。そのまま15ラップにわたりプレッシャーを受け続けたが、高い集中力と安定性で抑え込み、ついにはクラッチローが小さなミスをして遅れる間にアドバンテージを広げてチェッカーを受けた。トップとの差は4.587秒だった。

一方のロッシはグリッド11番手からスタート。厳しい展開が予想されるなか、1ラップ目でひとつ順位を下げたあと序盤で転倒車が出たことから9番手まで浮上。長くそのポジションをキープしながら7台に膨れ上がった5番手争いについてゆくが、なかなかバトルに加わることができない。そして中盤ではJ・ミル(スズキ)に先行を許してひとつ下げるも、リンスの転倒によりふたたび9番手へ。終盤になるとタイヤの消耗にも苦しめられたが、残り9ラップではF・モルビデリをとらえ、さらに4番手グループに迫って行った。しかし残り4ラップでミスをおかしてコンマ数秒遅れ、もう一度トライするもかなわず、8位でチェッカーを受けた。

この結果、ビニャーレスはランキング5位に浮上してトップとの差は100ポイント。ロッシは105ポイント差のランキング6位となっている。ヤマハはコンストラクターズ・ランキング3位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPもチーム・ランキング3位を守っている。

MotoGPはこのあと3週間の夏休み。次回、第10戦は8月2日~4日、チェコはブルノ・サーキットで行われる。

モルビデリが9位を獲得、クアルタラロは転倒リタイアの悔しい結果

PETRONAS Yamaha Sepan Racing TeamのF・モルビデリは序盤で表彰台争いを目指したあと9位でゴール。その一方でチームメイトのF・クアルタラロは、序盤で表彰台争いを展開中に転倒リタイアとなった。

ひと晩、降り続いた雨でコース・コンディションが変化したザクセンリンク。モルビデリは慎重なレース運びでタイヤを温存し、終盤も後続との距離を保って走り切り今季5度目となるトップ10入りを果たした。

フロントロー・スタートのクアルタラロは前回に続く好成績獲得を目指していたが、序盤のポジション争いのなかで他の多くのライダーと同様に小さなミスをおかし、2ラップ目の第3コーナーで転倒してリタイアとなった。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(2位)

「ウイークの早い段階から今回は2位が最高だとわかっていました。その点では目標を達成できたことになります。私にとってここでは2位がベスト・リザルトなのです。スタートも良かったし、好調ラップも何度かありました。次につながるいいレースだったと感じています。進むべき方向がはっきり見えていて、今は自分たちの長所も短所もわかっています。マシンと自分自身をさらに高めるために、ここで夏休みに入るのはとても良いことだと思います。今日はタイヤ・チョイスが難しかったのですが、最も慣れていたハード・コンパウンドに賭けました。それは完走できるかできないかのぎりぎりのところでしたが、"もしも最後の10ラップでペースを落とさなければならないような状態になったら、そうする。でもそれはトップに立っているとき"と自分自身に話しかけていました。ヤマハにとって2戦連続の好成績は非常に重要なものだと思います。私のピットボードにはずっと'Cal'の文字が出続けていましたが、約15ラップにわたってそのドアを閉め続けました。彼に抜かれないように必死でした。抜かれたら逃げられてしまうとわかっていたからです。幸運にも2位を獲得でき本当にハッピーです。次のブルノでまた新しいことを試し、進化を確認するのを楽しみにしています」

V・ロッシ選手談(8位)

「非常に難しいレースになってしまいした。ミシュランによればハード・コンパウンドでは不可能ということだったのでミディアムを使用したのですが、実際に走り出してみるとスライドが激しくグリップが十分ではありませんでした。これがひとつめの問題。それ以上に大きな問題は、アッセンでの好調をここで再確認したかったのですが、まったくペースが上がらずマシンのフィーリングも良くなかったことです。昨年のこの時期は非常に好調で、ル・マンからザクセンリンクまでいいレースが続いていたことを考えると、今は本当に苦しく厳しい状況です。マシンに好感触を得られず思い通りにペースを上げられない状態なので、原因を把握して問題を取り除かなければなりません」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「リアタイヤの耐久性が鍵になるということは、昨日の時点ですでに予想できていました。そして実際にその通りになったのです。マーベリックはウイーク初日からずっと好調を維持していたのでタイヤもうまく機能しているとわかっていましたが、決勝の全工程でどこまで消耗を抑えられるかについては依然としてチャレンジでした。とくに今日のように追撃のプレッシャーを受け続ければ、さらに苦しいものになりますが、マーベリックは安定性と精確性を維持して素晴らしい仕事をしてくれました。バレンティーノはミディアム・コンパウンドを使用しましたが、それが私たちが思っていたのとは違う動きをしていました。とくに後半戦でもっと安定すると考えていましたが、予想以上にパフォーマンスが下がってしまい、終盤でのアタックが不可能になったことはとても残念です。このあとは3週間の休暇をとり、充電してから次のブルノに臨みます。そこではまた新しいものも試せると思います」

PETRONAS Yamaha Sepan Racing Team
F・モルビデリ選手談(9位)

「私にとっては不思議なレースでした。4番手争いから長く続く大きな集団のなかにいたのですが、アタックすることはできず後方に留まるしかありませんでした。タイヤを温存しようとしたにもかかわらず少しずつグリップが落ちてきて、ポジションも徐々に下げてしまいました。トップ10に入ったものの、フィーリングはプラクティスのときとは明らかに違っていました。このあとしばらく休暇に入るので、その間に少しリラックスしながら、いろいろなことを勉強したいと思っています。そしていくつか新しいアイディアを持って次回ブルノに戻ってきます」

F・クアルタラロ選手談(DNF)

「小さなミスをしてしまいました。前のライダーをパスしようとしていたのに、行くべきかどうかちょっと躊躇してしまい、結局はスピードが落ちきらないまま深く傾いた状態でコーナーに進入してしまいました。決勝中のミスは初めてでしたが、このことから学び、より強くなって復活したいと思います。シーズン前半は非常に好調でした。実際のところ、私たちはポールポジションや表彰台を期待してはいませんでした。ここまでの成果に満足しており、後半戦を非常に楽しみにしています」

W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談

「今日のレースには満足していません。ファビオ(クアルタラロ)が2ラップ目で転倒し、フランコ(モルビデリ)はタイヤ温存のため苦戦しました。でも最終的にフランコは最善の方法でフィニッシュ。これまで何度かリタイアを経験してきましたが、今日は貴重なポイントを持ちかえってくれました。シーズン前半を最高のパフォーマンスで締めくくることはできませんでしたが、開幕から8戦までの成果については誇りに思います。全員が待ち望んでいた夏休みを大切に過ごし、今日より少し成長して次のブルノに臨みたいと思っています」

R・ラズリ、チーム代表談

「シーズン前半を振り返ってみれば、MotoGPで3回のポールポジションと2回の表彰台。今回のドイツは最高の力を出し切ることはできませんでしたが、フランコ(モルビデリ)が9位とトップ10入り。ファビオ(クアルタラロ)は残念ながら転倒してしまいましたが、ふたりともシーズン前半を非常に力強く戦ってきました。チームとして初めて参戦したMotoGPにおいて多くのことを学び、チーム全体がますます絆を深めて、このような素晴らしい成果をあげてきたことを非常にうれしく思います。これから夏休みに入りますが、リフレッシュしてまた後半戦に備えます。PETRONASをはじめすべてのパートナーたちのサポートに心から感謝し、より力強いパフォーマンスで恩返しできる日を楽しみにしています」

MS開発部モトGPグループリーダー 鷲見崇宏談

「ここは長く続く左コーナーでのリヤタイヤ消耗をいかにコントロールできるかがキーとなりますが、早朝に降った雨と今週で最も低い気温の影響により、路面グリップが昨日までと大きく異なり、各ライダー、タイヤ選択に迷う状況でのレーススタートとなりました。
ビニャーレス選手は、冷静にタイヤをセーブしながら、ライバルによる後方からのプレッシャーに動じることなく抑えきり2位フィニッシュ。アッセンからの連続表彰台を獲得してくれました。
ロッシ選手は、タイヤのグリップ不足に苦しみ、彼本来のパフォーマンスの発揮には遠い状況で8位と、最後までフィーリングとタイヤグリップの耐久性を満たすセッティングを見つけられませんでした。数戦続いている苦戦の要因を分析し、改善の糸口を見つけ出したいと思います。
サテライトのモルビデリ選手もロッシ選手と同じくリアタイヤのグリップダウンに苦しみ9位。フロントロースタートのクアルタラロ選手は、2ラップ目にコーナーでミスをして転倒リタイヤとなってしまいましたが、全ての経験が今後の強さにつながると期待しています。
これからレースは3週間のサマーブレイクに入ります。前半戦は、いくつかの良い瞬間はあったものの、チャンピオンシップは我々が目指すものには程遠い状況で、決して満足できるものではありません。後半戦での巻き返しを目指し、開発陣一同全力で車両性能開発作業を進めています。引き続きご声援よろしくお願いします」

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