ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月25日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦マレーシアGP
■開催日:2005年9月24日(土)予選結果
■ 開催地:マレーシア/セパン(1周5.548km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:40度 ■路面温度:50度
■PP:L・カピロッシ(ドゥカティ/2分01秒731)
REPORT
タイトル決定を狙うYZR-M1のロッシは予選7位!
前回のもてぎに続いて再びタイトル決定を狙うゴロワーズ・ヤマハ・チームのV・ロッシだが、予選は7位、3列目からのスタートと難しい状況におかれている。セッティングが煮詰まらず、タイムは昨年の自らのポールレコードからコンマ6秒ほど遅い2分02秒412にとどまった。
またチームメイトのC・エドワーズはタイヤ選定に悩んで10位として4列目。過去数年に比べて路面のグリップ力が減少したことが原因になっているようだ。なお、ポールポジションはL・カピロッシ(ドゥカティ)が獲得し、2位にS・ジベルナウ(ホンダ)、3位にJ・ホプキンス(スズキ)が続いた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'01.731 |
2 | S・ジベルナウ | Movistar Honda MotoGP | Honda | 2'01.867 |
3 | J・ホプキンス | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'02.017 |
4 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'02.178 |
5 | K・ロバーツ | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'02.215 |
6 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 2'02.377 |
7 | V・ロッシ | Gauloises Yamaha Team | Yamaha | 2'02.412 |
8 | C・チェカ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'02.419 |
9 | M・メランドリ | Movistar Honda MotoGP | Honda | 2'02.660 |
10 | C・エドワーズ | Gauloises Yamaha Team | Yamaha | 2'02.805 |
11 | A・バロス | Camel Honda | Honda | 2'03.013 |
12 | M・ビアッジ | RepsolHonda Team | Honda | 2'03.210 |
13 | O・ジャック | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'03.364 |
14 | T・エリアス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 2'03.397 |
15 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 2'03.974 |
16 | R・チャウス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 2'04.010 |
17 | R・ロルフォ | D’Antin MotoGP Pramac | Ducati | 2'05.092 |
18 | S・バーン | Camel Honda | Honda | 2’06.493 |
19 | F・バッタイーニ | Blata WCM | Blata | 2’07.579 |
20 | J・エリソン | Blata WCM | Blata | 2’09.352 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選7位/2分02秒412)
「今回もとても難しい状況。しかも、もてぎよりも、もっと悪いと言ってもいい。もてぎでは初めからそれが予想できたが、セパンについては、実は何も心配していなかったからだ。エンジニアと長い時間をかけて話し合い、解決策を探しているところで、問題は主にフロント。ここまでの12戦で、9回は同じタイヤを使っているが、これでトラブルが起きたのは前回のもてぎから。でも、タイヤ選択の問題じゃないことはわかっているんだ。ホプキンスとカピロッシにしばらくついていってみたが、まるで彼らとは別のスポーツをしているみたいな感じ。二人は非常によく乗れていて、僕はまったくだめだった。コーリンともどもフロントに問題を抱えたのはこれで2回目。救いなのはタイトル争いのライバル、ビアッジも何か悩んでいるらしく、後ろにいることだ。明日はたぶん6位、7位争いあたりを走ることになりそうだ」
C・エドワーズ選手談(予選10位/2分02秒805)
「タイヤとのバランスがうまくいかない。フロントエンドにうまく荷重がかからないんだ。今日の一日だけで、シーズン全体よりも多くフロントを流してしまった感じ。テストでも基本的に同じタイヤ使っていて、あのときは何も問題がなかったのに…。それに気温もほぼ同じなので、考えられることは路面に浮いている砂のせいかもしれない。いずれにせよまだ解決できないままで、グリップ感がない状態だ。チームも懸命に頑張ってくれて、考えられるセッティングはすべて試してみた。でも少しも反応がないんだ。明日もさらに作業を続けて最後まであきらめないつもりだが、今はとにかく、どうにもならない状態だ…」
D・ブリビオ、ゴロワーズ・ヤマハ・チーム監督談
「二人にとって辛い一日だった。さまざまなセッティングを試してみたが、すっきりした解決法が見つからない。チームもエンジニアも必要なら夜を徹して作業を続け、探しているものが見つかるよう全力を尽くすだけ。まだ明日のウォームアップが残っているから様子を見守りたい」
T・エリアス選手談(予選14位/2分03秒397)
「午前中のセッションでは調子が良く8位だったので、あの感じをキープしていかなければならない。ベースセッティングがかなり乗りやすくなってきたのは収穫だ。予選順位に反映できなかったのは残念だが、レースタイヤでもリズムをつかんでいるので、スタートがうまくいけば上位グループについていくことができるだろう。ただ、皆とても速いので、厳しいレースになることは間違いない」
R・チャウス選手談(予選16位/2分04秒010)
「きのうは天気が良くなかったので、プラクティスセッションを十分に活用することができなかった。今朝はセッティングがなかなかうまくいかず、はじめは苦しかったが、少しの変更で一気に改善。午後の予選ではタイムを縮めることができたんだ」
中島雅彦談(技術開発室MotoGPグループYZR-M1プロジェクトリーダー)
「きのうの午後の雨で思わぬタイムロスもあり、今日は決勝中に安定して走れるタイヤとマシンとのベストな組み合せを探すことに重点を置いていました。グリップ状況など、ヨーロッパラウンドとコースの特性が大きく異なり、今回は特に埃っぽく、路面状況があまり芳しくないこともあって、今までの安定したセッティングとコースとのすり合わせに多少時間がかかってしまったと言うのが正直なところでしょうか。ただ、ここセパンはオフシーズン中に何度かテストを行い、ポイントをおさえているサーキットですので、明日のウォームアップを含め、決勝までにより良い方向に煮詰めていけると思っています。このコースはパッシングポイントも多く、今回のグリッドとライバル勢の攻勢を考えると、決勝は決して楽な展開ではないですが、いいレース内容で応援くださる皆さんの期待に応えたいですね」