ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 8月28日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦チェコGP
■開催日:2005年8月28日(日)決勝結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(1周5.403km)
■観客数:78,818人
■周回数:22周(118.866km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:23度
■PP:S・ジベルナウ(ホンダ/1分57秒504)
■FL:V・ロッシ(ヤマハ/1分58秒787)
REPORT
YZR-M1のロッシが終盤の逆転で今季9勝目!
V・ロッシ、S・ジベルナウ(ホンダ)が1周目から21周目まで5度に渡りトップを奪い合うバトルを展開。しかし最終の22周目、ジベルナウのマシンが失速して勝負あり。ロッシが今季9勝目を飾り、同時に史上初の5シーズン連続9勝という記録を達成した。
決勝スタート直後は、ジベルナウが首位を走るが1周目終了時にはロッシがトップに浮上。続いてジベルナウ、M・メランドリ(ホンダ)、N・ヘイデン(ホンダ)、J・ホプキンス(スズキ)、C・チェカ(ドゥカティ)らが続く。C・エドワーズは10番手でオープニングラップを終える。
3周目に入りジベルナウがロッシを抜きトップに立つと、その後58秒台を連発してリードを広げにかかるが、ロッシも5、6周目と連続58秒台(6周目がファステストラップ)をマークしてピタリと後ろにつける。
中盤10周目、トップ争いはジベルナウ、ロッシの二人に絞られ、その約1秒後方でヘイデン、A・バロス(ホンダ)の二人が3番手争いを展開。さらにその約1秒後方ではメランドリ、L・カピロッシ(ドゥカティ)が5番手争いを演じる。エドワーズはその後方に単独で7番手につけ追い上げを試みる。
再びロッシが首位に立ったのは12周目。その後もロッシを先頭に僅差でトップ争いが続くが、18周目には再びジベルナウがトップに立つ。そしてラスト1周を残した21周目の最終コーナーでロッシはジベルナウのインをついて三たびトップを奪取すると、コンマ0.05秒の僅差でコントロールタワーを通過し最終周のバトルに突入するが、ジベルナウのマシンが減速して停止しロッシが優勝。2位には中盤の6番手から追い上げてきたカピロッシ。3位にはM・ビアッジ(ホンダ)が入りイタリア人選手が表彰台を独占することとなった。エドワーズはリアグリップの感覚がつかみきれないまま7位でレースを終了。T・エリアスは14位、R・チャウスは18位となった。
シリーズランキングでは、ロッシは次回のもてぎで、2位以上の獲得、または125ポイント以上の差をキープすることでチャンピオンが決定する。またエドワーズは、ビアッジとメランドリとランキング2位を競っており、現在2位のビアッジにわずか6ポイント差の4位につけている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Gauloises Yamaha Team | Yamaha | 43'56.539 |
2 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1.837 |
3 | M・ビアッジ | Repsol Honda Team | Honda | 3.444 |
4 | A・バロス | Camel Honda | Honda | 4.148 |
5 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 4.363 |
6 | M・メランドリ | Movistar Honda MotoGP | Honda | 11.150 |
7 | C・エドワーズ | Gauloises Yamaha Team | Yamaha | 13.532 |
8 | C・チェカ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 19.331 |
9 | T・ベイリス | Camel Honda | Honda | 27.125 |
10 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 27.248 |
11 | K・ロバーツ | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 27.684 |
12 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 27.803 |
13 | J・ホプキンス | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 28.278 |
14 | T・エリアス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 28.571 |
15 | A・ホフマン | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 29.768 |
18 | R・チャウス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 1'08.08 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Yamaha | 261 |
2 | M・ビアッジ | Honda | 129 |
3 | M・メランドリ | Honda | 126 |
4 | C・エドワーズ | Yamaha | 123 |
5 | S・ジベルナウ | Honda | 115 |
6 | A・バロス | Honda | 114 |
14 | R・チャウス | Yamaha | 36 |
16 | T・エリアス | Yamaha | 31 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 265 |
2 | Honda | 218 |
3 | Ducati | 102 |
4 | Kawasaki | 97 |
5 | Suzuki | 65 |
6 | BlataWCM | 5 |
7 | ProtonKR | 1 |
7 | Moriwaki | 1 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(優勝)
「本当に厳しいレースだった。ウォームアップのセテのタイムを見て、正直、勝てるかどうかわからないと思っていたんだ。バイクは信頼していたが、彼より遅いことはわかっていた。でもジェレミー・バージェスと話して、レース全体を考えたモディファイをしてもらったら、彼はいつものように、スタッフたちと全力で頑張ってくれた。レースでは速いライダーがたくさんいたが、やはりジベルナウが最強。だから初めからプレッシャーをかけていった。中盤以降、勝負に出て引き離そうとして追いつかれたが、終盤はいい感じで走れてトップに出ると最終ラップは完璧だった。セテにトラブルが発生し表彰台にも上れなかったのは残念だった。タイトルまであとちょっと。でもまだ終わったわけじゃない」
C・エドワーズ選手談(7位)
「スタートは良かったが、5周目あたりから問題が出てきた。ウォームアップのあとでセッティングを少し変えたが、予想より気温が高くてフロントが思うように機能しなかった。まるでムジェロの再現だった。一方リアもスピンばかりしてグリップがつかめず、ステップを強く踏んでみたり立ち上がってみたり、できることは全部やったがだめだった。それでもランキングではまだ希望が残っているし、このあとテストもある。そのなかで解決策を見つけていきたい」
D・ブリビオ、ゴロワーズ・ヤマハ・チーム監督談
「チームのみんな、とくにバレンティーノのエンジニアに感謝と祝福を。バレンティーノの要求にしっかりと応え、バイクを正確にモディファイしてくれた結果、素晴らしいレースを披露できたのだ。タイトル争いでもアドバンテージを握っており、次のもてぎに臨む。コーリンは7位と残念だったが、ランキング2位を狙える位置にいる。3週間後、日本へいくのが楽しみだ」
T・エリアス選手談(14位)
「予選が悪かったので厳しかったが、それでも少しずつ問題を解決しレースのなかでもだんだんと調子が上がっていった。とくにタイヤを消耗したあとも安定性があり、タイムを維持できたことは良かったと思う。結果には満足していないが、重要なのはとにかく全力を尽くすことと、レース毎に進歩し少しでも上位のライダーに近づいていくことだと思う」
R・チャウス選手談(18位)
「調子があまり良くなかったので、このレースが早く終わってくれることを望むしかなかった。このあとはまた頑張るだけ。復活まであと少し!」
中島雅彦談(技術開発室MotoGPグループYZR-M1プロジェクトリーダー)
「荒れた路面でグリップが低いため各ライダーともセットアップに苦労しました。レース当日は朝から雨がぱらつく不安定な天気となり、スタート直前までコンディションの変化に気をもみましたが、何とかドライとなりました。決勝は予想通り厳しく、トップが何度も入れ替わる激しいドッグファイトとなりましたが、ブレーキングで勝るロッシ選手は何度もトップを奪い返し、最終ラップは他を寄せつけない素晴らしい走りで優勝。チャンピオンシップに王手をかけました。またエドワーズ選手、エリアス選手、チャウス選手も全員が完走し、次戦日本GPへ向けて弾みがつきました。この勢いのまま、もてぎでは素晴らしいレースを披露できるようスタッフ一同気を引き締めて頑張りますので、応援をよろしくお願いします」