全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.05 9月1日 中国
RACE DATA
■開催日:2019年9月1日
■開催地:広島県・灰塚ダムトライアルパーク
■観客:1,500人
■気温:28度
■天候:雨時々曇り
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:黒山健一(ヤマハ)/15
REPORT
黒山健一今季2勝目、野崎史高は3位表彰台
全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の後半戦へと突入した第5戦中国大会は、昨年と同じ広島県三次市の「灰塚ダムトライアルパーク」で行われた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦している黒山健一(ゼッケン3)は、トライアル世界選手権の電動バイククラス参戦のため日程が重なっていた全日本第3戦を欠場、今季初優勝した全日本第2戦につづく今季2勝目を獲得すべく今大会に挑んだ。黒山と同様のファクトリーマシンTYS250Fiに乗り、開幕戦で今季初優勝した野崎史高(ゼッケン2/Team FwO with YAMALUBE)は、昨年の中国大会で優勝しており、今季はタイトル争いの渦中にあるだけに今季2勝目が期待された。
国際A級スーパークラスの競技は19名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクションに挑んだ。大会前日は雨に見舞われ、時々雨が止んだものの、ドロドロにぬかるんだ路面や泥が付着して滑りやすくなった岩やコンクリートなどの障害物がライダーたちを苦しめた。とはいえ難易度が高くなり失敗が増えた反面、失敗を挽回するチャンスもあり、最後まで油断を許さない展開となった。
1ラップ目は、悪コンディションにもかかわらず黒山がなんと10セクション中8セクションをクリーン(減点0で走破)、他の2セクションもそれぞれ足着き1回(減点1)のみの、わずか合計2点という驚異的な好成績をマーク。それぞれ合計13点の野崎と小川友幸(ゼッケン1)に、黒山は競技前半から圧倒的な差をつけることに成功した。このトップ3の後には合計14点の小川毅士(ゼッケン5)が1点差で迫り、合計21点の柴田暁(ゼッケン4)、合計29点の氏川政哉(ゼッケン6)らが続いた。
2ラップ目の黒山は、6つのセクションをクリーンしたものの、他の4セクションはそれぞれに減点5となる失敗が増えて、2ラップ目は減点20を加算。一方、2ラップ目は氏川と野崎がともに減点16、小川(友)も減点17で追い上げた。とはいえ1ラップ目との合計減点では、合計22点の黒山が、合計29点の野崎や合計30点の小川(友)らを大きくリードしたまま、残り2つのスペシャル・セクション(SS-1、SS-2)を迎えることになった。
SS-1は、連続する巨大なタイヤと、非常に狭い走行ラインからコンクリートを斜めに上がる2つの難所がライダーたちの行く手を阻んだ。ここを先に走った小川はクリーン、次に走った野崎は減点1となり、この時点で野崎と小川(友)がともに合計30点で並ぶことになった。そんな2人に対して、黒山はここを鮮やかにクリーン、合計22点の黒山が2位に8点差をつけて最終セクションを待たずに優勝を決定づけた。
野崎と小川(友)の2位争いが注目されたSS-2は、泥が付着して非常に滑りやすくなったコンクリートのヒューム管を斜めに登るところが最大の難関だった。この最終セクションを小川(友)は減点1でこなし、野崎は失敗したため、小川(友)が2位。野崎は惜しくも3位となった。黒山は減点2で上がり、待望の今季2勝目を獲得。残り2戦も勝つ意気込みの黒山だが、その前に日本代表選手の1人としてトライアル・デナシオン(国別対抗戦/9月28日/スペイン)に出場、日本代表チームの表彰台獲得をめざす。
タイトル争いでは、野崎が小川(友)に9ポイント差をつけられているが、野崎は残り2戦で優勝を狙う。木村治男監督も、「最後の最後まであきらめない」と野崎を支えていく構えだ。また、黒山や野崎と同様にTYS250Fiで戦う若手のホープ、久岡孝二(ゼッケン12)は2戦連続で自己最高の7位入賞を果たした。
次回第6戦・中部大会は10月13日、愛知県のキョウセイドライバーランドで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
黒山健一選手談(1位)
「今日は1ラップ目が良かっただけです。2ラップ目も1ラップ目と同じくらいになるように走りたかったのですが、ちょっと疲れてしまい減点を増やしてしまったのが残念でした。2ラップ目以降も1ラップ目の走りがしたかったなと、ちょっと後悔と反省がありますけど、次はデナシオンがあるので、その前にいい走りが出来て良かったと思います。去年のデナシオンは表彰台を逃したので、今年は表彰台に返り咲きたいですね。全日本のタイトル争いは難しくなっているので、残り2戦もしっかりと勝ちたいと思います」
野崎史高選手談(3位)
「今日は、絶好調ではなかったですけれど、波に乗り切れない部分があったかなという感じです。絶好調なら行けていたところの失敗が2つありましたし、最少減点で抑えられずに減点5になったりして。最後のSSは小川選手の走りが見事で、僕はクリーンするしかなかったのが、きつかったですね。残念ですけど、争いは出来ているので、あと2戦は気持ちを切り替えて1戦ごとに勝つことを目標に頑張ります」
木村治男監督談
「黒山選手は世界戦から帰国して優勝できて良かったと思います。野崎選手は最後の最後に残念でしたが、僕たちは最後の最後まであきらめずにライダー支援を続けたいと思います。久岡選手は安定してきましたね、非常に良いことですので、引き続き頑張ってもらいたいです。黒山選手はこの後、国別世界選手権があるので、好調を保ってぜひ表彰台を取り戻せるように頑張って欲しいなと思います」