全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.04 7月14日 北海道
RACE DATA
■開催日:2019年7月14日
■開催地:和寒町・わっさむサーキット
■観客:700人
■気温:30度
■天候:曇り
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/20
REPORT
黒山健一3位表彰台、野崎史高は4位
全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の折り返しとなる第4戦北海道大会は、今年も旭川市の北に位置する和寒町の「わっさむサーキット」で行われた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦している黒山健一(ゼッケン3)は、電動バイクTY-Eでトライアル世界選手権第3戦オランダGPの電動クラスに参戦したため、日程が重なっていた全日本第3戦は欠場、今季初優勝した全日本第2戦以来2戦ぶりの参戦。また、黒山にとっては2年ぶりの北海道大会となった。黒山と同様のファクトリーマシンTYS250Fiに乗り、開幕戦で今季初優勝した野崎史高(ゼッケン2/Team FwO with YAMALUBE)ともども、ヤマハの二人の今季2勝目が期待された。
国際A級スーパークラスの競技は17名が出走、4時間の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクションに挑んだ。セクションは今年も、かつてはモトクロスコースだった周回路の周辺に用意され、山側に5セクション、川の方に向かって5セクション。観客も時計回りでコースを歩いて一周しながら観戦できるようになっていた。大会前日は小雨、のち晴れ。大会当日は雨の予報もあったが曇りのまま雨は降らず、晴れて路面が乾いてグリップが良くなりミスの許されない神経戦となった。
1ラップ目は、減点がわずか2点の柴田暁(ゼッケン4)がトップに立ち、小川友幸(ゼッケン1)と黒山がともに減点5で追う。その後には、氏川政哉(ゼッケン6)減点9、野崎が減点12で続いていた。黒山はただ一人、1ラップ目の第1セクションから第8セクションまでをクリーン=減点0で走破し続け、オールクリーン(10セクションすべて減点0)を狙う構えだったが、第9セクションは痛恨のタイムオーバー(セクションは1分以内に走りきらなければならない)で減点5となったのが惜しまれるところだった。とはいえ、第10セクションはクリーンで終え、2ラップ目の逆転にかける黒山だった。
2ラップ目の黒山は、再びクリーンを連発。第8セクションで1回足を着いて減点1を加算したものの、それ以外のセクションはすべてクリーンする、パーフェクトに近いライディングで激しく追い上げた。一方、柴田は2ラップ目に減点7を加算、小川も減点5を加えた。この結果、2ラップ終了時点の順位は、黒山が1ラップ目との減点合計6でトップに躍り出た。そして2番手以下は、柴田9点、小川10点。黒山との差は3~4点あり、黒山がかなり優位ではあるが、まだまだ予断は許されない点差でスペシャルセクション(SS)を迎えることになった。
SSは2つセクションがあり、1つ目は斜面にある大きな岩を越えていく。ここで先に走った小川はクリーン、柴田は減点1。黒山は3点以内で抜ければ、トップを守れる状況だった。ところが、なんと後輪タイヤがセクションのテープを巻き込んで切り、減点5となってしまった。この時点でトップは小川10点、柴田も10点だがクリーンの数は小川より少ないため下位となる。この2人に対し、黒山はわずか1点差の11点。いよいよ勝負はSS2つ目の最終セクションへと持ち込まれた。
このSS-2は、コンクリートの壁の上をウイリー状態でポンポンと越えて行き、最後に越えるコンクリートの壁が多くの選手を跳ね返していた。ここで、先に走った小川がクリーン、この時点で小川の優勝が決まった。そして柴田もクリーンで2位となった。黒山は最後の壁で残念ながら失敗したが、それでも3位表彰台を獲得した。野崎は1ラップ目の5位から追い上げて、4位となった。また、黒山や野崎と同様にTYS250Fiで戦う若手のホープ、久岡孝二(ゼッケン12)は自己最高の7位入賞を果たした。
今回は大逆転を喫したものの、後半戦の巻き返しに期待ができるヤマハ勢だ。
次回第5戦・中国大会は9月1日、広島県の灰塚ダムトライアルパークで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
黒山健一選手談(3位)
「走り自体は悪くなかったですし、ときおり運がついていましたので、自分のミスが減点につながらないこともありました。走り自体も、運自体も、非常に良かったと思います。ただやっぱり全日本のセクションを、SSを含め最後まで走りきるには、ちょっと体力を含め気力が足りなかったのが残念でした。僕自身、SSの前まではトップで2連勝もできるかなという気もありましたので、非常に残念です。次の中国大会までは少し時間がありますので、しっかりと体をケアして頑張りたいと思います」
野崎史高選手談(4位)
「今日は、大敗北ですね。1ラップ目の第5セクションでタイムオーバーしてしまって。アシスタントが計っていた時間と、オブザーバーの計っていたタイムに少しズレがあって。その5点で完全にペースが崩れてしまったような感じで、気分的に落ちてしまい、そのあとは波に乗れませんでしたね。今日はミスができない試合で大きなミスが3つあったので、非常に残念です。ランキング争いがかなり窮地に追い込まれたので、残り3戦は全部勝つつもりでいきます」
木村治男監督談
「今回、黒山選手は良い流れで展開していましたが、最後の最後にミスしてしまったという一番残念な悔しいパターンですね。それが出にくいようにチーム、選手と話をしながら、インターバルの間に新しい流れを作って残りを連勝できるようにしてもらいたいと思います。そんな中で久岡選手の成長が見えたので、そこは非常に良かったなと思っています。力を合わせて、チームワークで頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いいたします」