全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.02 5月12日 九州
RACE DATA
■開催日:2019年5月12日
■開催地:宮崎県・矢岳高原トライアルコース
■観客:1,400人
■気温:27度
■天候:晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:5時間(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:黒山健一(ヤマハ)/19
REPORT
黒山健一が今季初優勝、野崎史高は3位表彰台
全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の第2戦九州大会は、全日本は初めての会場となる宮崎県の矢岳高原トライアルコースで行われた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦している黒山健一(ゼッケン3)はファクトリーマシンTYS250Fiに乗り、今年こそ王座奪還する意気込み。開幕戦は前半にパーフェクトな走りを見せた黒山だが、後半はTYS250Fiに乗る野崎史高(ゼッケン2/Team FwO with YAMALUBE)が逆転優勝を飾っていた。今回は黒山が再びパーフェクトな走りを見せるか、それとも野崎が開幕2連勝するか、注目された。
国際A級スーパークラスの競技は、18名の選手が出走。5時間の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがさらに難易度が高くて見ごたえがあり観客が観戦しやすい場所に用意された2つのスペシャル・セクション(SS)にトライした。当日は初夏のような暑さとなり、見上げるような大岩を数多く乗り越えていくダイナミックなセクションが大きな見どころとなった。新緑が美しい、山の上の広大で気持ちの良いキャンプ場を利用した会場に、多くの観客が集まった。セクションの難易度は決して低くないが、トップライダーたちにとっては大きなミスが許されない戦いとなった。
黒山は1ラップ目の第2セクションで、岩の上からなんと滑落。いきなり減点5となる苦しい出だし。その後も第6セクションでまさかの減点5となった黒山は、競技序盤から厳しい展開となっていた。一方、野崎も第2セクションは減点3とつまずいたが、それ以降はミスを最小限に抑えていった。1ラップ目を終えた時点での結果は、野崎が合計減点6でトップ。小川友幸(ゼッケン1)がわずか1点差の同7点で2番手。黒山は、同11点で3番手と出遅れていたが、トップとの5点差はまだまだ挽回の余地を残していた。
2ラップ目の黒山は、力強いライディングで1つまた1つとクリーン(減点0)を重ねていき、とうとう10セクション全てを減点0のままパーフェクトに走破。あとはライバル次第、となった。案の定、小川は黒山に次ぐ減点2で回り、簡単には黒山に逆転を許さない。一方、野崎は第2セクションでの失敗(減点5)が大きく響くことになってしまう。2ラップ目終了時点での結果、小川(減点9)が野崎を逆転してトップ。その小川に、黒山(減点11)が2点差で迫る。さらに、野崎(減点13)もトップと4点差で、逆転優勝の可能生は残されていた。
こうして迎えたSS。2つある最高難度の大岩群、1つ目のSSで野崎はあろうことか大岩上りで失敗、優勝から遠ざかってしまう。そこを黒山は、鮮やかにクリーン。続く小川は、大岩を上がるところで1回足を着いて減点1となった。この結果、トップ小川と黒山の差は、わずか1点のみ。いよいよどうなるかわからない状況で、ついに最終セクションを迎えた。今大会でも一番大きな、そびえ立つ巨大な岩を上がる見せ場で、野崎は後輪を滑らせて危うく落ちそうになるが右足を着いて立て直し、「耐えました!」と実況アナウンサーも絶叫。野崎は減点1。結局、小川も1回足を着くことになった。しかし、黒山は2ラップ目から連発しているクリーンをここでも爆発的な強さで叩き出し、ついに小川と同点に追いついた。そしてまた、圧倒的なクリーンの数の多さで黒山が小川を上回り、土壇場で見事な逆転優勝を獲得。黒山の優勝は昨年の第1戦以来、8戦ぶり。黒山がポイントランキングトップに立つのは、昨年の第3戦九州大会以来、6戦ぶり。野崎は3位。第1戦の野崎優勝に続いて第2戦は黒山が勝ち、ヤマハ開幕2連勝を決めた。ポイントランキングも1位黒山、2位野崎のヤマハワンツーとなった。
次回第3戦・関東大会は6月23日、栃木県のツインリンクもてぎで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
黒山健一選手談(優勝)
「今日は2ラップ目(オールクリーン、減点0)が本来の走りというか、非常にいい走りができたので良かったです。1ラップ目もそれに等しいくらいは走りたかったのですが、ちょっとトラブルがあって減点5を2つ取ってしまって、非常に残念でした。1ラップ目が終わった時点では3位で、セクション的にも挽回するのが厳しいかなと思っていましたが、ライバルがちょこちょこ減点を取ったので、それに助けられた感じですね。次の関東大会は初めての会場なので、第3戦以降もシッカリ優勝めざして頑張ります」
野崎史高選手談(3位)
「1ラップ目の第2セクションはちょっと失敗しましたが、それ以外は最小限のミスで抑えられたかなという感じで、1ラップ目をトップで回ってくることが出来ました。2ラップ目に同じセクションで失敗したので、それが大きかったですね。そこで逆転されてしまい、そこから取り戻すことができずに終わってしまい、残念です。十分に優勝を狙える位置につけていました。開幕戦で勝てたアドバンテージはまだ消えていないと思うので、それをまた中盤戦から後半戦に持っていけるように頑張ります」
木村治男監督談
「今日は正直ヒヤヒヤしましたけれど、やはり黒山選手の精神力の強さが出ましたね。第1戦に続いて第2戦も1位を取ることができて、非常に良かったと思います。野崎選手もほんのちょっとの失敗が結果に結びついてしまったので。今後はより安定した成績が出るように引き続き頑張りますので、応援よろしくお願いいたします」