全日本ロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本ロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.01 4月1-2日 もてぎ・栃木
RACE DATA
■大会名称:全日本ロードレース選手権 第1戦 スーパーバイクレース in もてぎ
■開催日:2023年4月1日(土)・2日(日)
■会場:モビリティリゾートもてぎ(4.801km)
■気温:1日 21.5度
■観客数:1日・3,300人/2日・5,300人
■開催日:2023年4月1日(土)
JSB1000 レース1
■周回数:15周 ■天候:晴 ■コース:ドライ
■PP:岡本 裕生(1分47秒338/ヤマハ)
■FL:中須賀 克行(1分48秒265/ヤマハ)
■開催日:2023年4月2日(日)
JSB1000 レース2
■周回数:20周 ■天候:晴/曇り ■コース:ドライ
■PP:岡本 裕生(1分47秒670/ヤマハ)
■FL:中須賀 克行(1分48秒487/ヤマハ)
ST1000
■周回数:15周 ■天候:晴れ ■コース:ドライ
■PP:國井 勇輝(1分48秒961/ホンダ)
■FL:國峰 啄磨(1分49秒961/ホンダ)
ST600
■周回数:16周 ■天候:晴れ/曇り ■コース:ドライ
■PP:芳賀 涼大(1分52秒362/ヤマハ)
■FL:西村 硝(1分53秒328/ヤマハ)
REPORT
JSB1000 レース1
オープニングラップの大混戦から中須賀が抜け出し優勝
岡本は2位でゴールしワンツー・フィニッシュを達成
2023年のオープニングレースは、昨年と同様にモビリティリゾートで開催され、4月1日(土)にはJSB1000の予選とレース1が行われた。
予選でトップタイムをマークしたのは、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの岡本裕生で、セカンドベストタイムも岡本がトップ。これでレース1、レース2ともにポールポジションとなった。
予選で2番手タイムとなったのはYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行。予選終了間際にベストタイムを刻んでいたが、遅いマシンに引っかかってしまい、岡本を逆転することはできずに2番手となった。
15周のレース1は、水野涼(ホンダ)の好スタートで始まり、岡本、中須賀が続く。そしてこの周でトップグループは大きな順位変動を見せる。4コーナーで岡本がトップに立てば、5コーナーでは中須賀が首位に立ち、再びトップに立った岡本は90度コーナー立ち上がりでミスをしてしまい順位を落としてしまう。
こうして1周目は水野が制するが、2周目には中須賀がトップに浮上。そして中須賀は4周目にファステストラップを記録すると、さらに6周目から連続してファステストラップをマーク。これで後続を引き離すと独走体制を築き上げた。
その後方では、2位をかけて作本輝介(ホンダ)、水野、岡本が激しいポジション争いを展開。7周目の3コーナーで岡本が水野のインを突いて3番手に浮上すると、8周目の90度コーナーでは作本をパスして2番手に。しかし、この時にトップの中須賀とは3.141秒差があり、レース終盤に向けてこの差は広がっていった。
これで中須賀が優勝のチェッカーを受けて、2021年から24連勝を達成。岡本は2位となり、YAMAHAの1-2で2023年のオープニングレースを終えた。
JSB1000 レース2
一瞬の雨に勝機を見出してスパートした中須賀選手が開幕2連勝
混戦を制した岡本選手が連続2位表彰台を獲得
オープニングラップでの激しいポジション争いから、1周目を制したのは水野涼選手(ホンダ)で、中須賀克行選手、作本輝介選手(ホンダ)、岡本裕生選手が続く。
2周目の90度コーナーで岡本選手が作本選手をパスして2番手に浮上。中須賀選手とともにトップ水野選手を追う。
6周目、1コーナー付近で雨が降り始めたことを示すフラッグが振られる。そしてここで中須賀選手が水野選手をパスしてトップに浮上すると、この周に1分48秒809のファステストラップを記録。そしてその翌周には水野選手が中須賀選手のファステストラップを上回るが、中須賀選手はさらに8周目にファステストラップを塗り替えると、ジワジワと水野選手を引き離していく。
9周目に岡本選手が作本選手をパスして3番手に浮上すると、徐々に水野選手との距離を縮めていく。そして14周目のヘアピンで水野選手を逆転して2番手に上がるが、その後に水野選手、名越哲平選手(ホンダ)に逆転されて4番手へとポジションダウン。しかし、18周目から最終ラップでの激しい攻防戦の末、岡本選手が名越選手と水野選手を僅差で抑えて2位でゴール。開幕2連勝を遂げた中須賀選手とともにYAMAHA FACTORY RACING TEAMの1-2フィニッシュとなった。
ST1000
前田は8位、豊島は10位で両者ポイントゲット
ST1000ではTEAM GYTRの前田恵助選手が、最終ラップで岩戸亮介選手(カワサキ)をパスして8位でゴール。DOG FIGHT RACINGの豊島怜選手は10位でチェッカーを受け、両者シリーズポイントを獲得した。
JSB1000 RESULT Race.1
JSB1000 RESULT Race.2
ST1000 RESULT Race.1
ST600 RESULT Race.1
JSB1000 RIDERS RANKING
ST1000 RIDERS RANKING
ST600 RIDERS RANKING
COMMENT
JSB1000 レース1
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手(優勝)
「昨日の走行でロングランをして、いいペースが刻めていました。レース序盤はハイサイドなどで何度か転びそうになりましたが、ここをうまくクリアできて、その後は安定した速いペースを維持することができました。明日のレース2は、今回のレースとはコースコンディションが変わると思いますが、しっかりとアジャストして臨みます」
岡本裕生選手談(2位)
「 予選とは路面のフィーリング変わっていて、これに対応しきれませんでした。現状では、どうしてもコースコンディションに左右されてしまいます。中須賀さんは本当に引き出しが多くて、どんなコンディションでも合わせていきますが、ここが今の自分に必要な部分だと認識しています。明日のレース2は、どのようなコースコンディションであっても対応できるよう、冷静に考えて走りたいと思います」
吉川和多留監督
「中須賀選手が優勝、岡本選手が2位になり、YAMAHA FACTORY RACING TEAMでワンツーを獲得できたことは大変うれしく思います。1周目、2周目は2人ともグリップが悪かったようで危ない場面もありましたが、うまく乗り切ってくれたし、そこからはうまく走ってくれました。岡本選手は、レース1、レース2ともにポールポジションを獲得したことでも分かる通り速さを身につけています。今後は、どのような路面状況にも対応できる強さを身につけていくことが課題の一つです。明日のレース2は、周回数が5周長くなるので、さらに考えて走ることが必要でしょう。ただ、2年目に入った段階で、一つ上を目指せるようになっているのは、充実したオフを過ごした証明でもあると思います。中須賀選手とともに切磋琢磨して、2人でさらに上を目指してほしいし、チームとしてそれをバックアップしていきます」
JSB1000 レース2
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手(優勝)
「レース1よりも5周長いレースなので戦略が必要でした。序盤は水野選手の後方で様子を見ていて、ブレーキングが深くて抜きどころが少ないと思っていましたが、水野選手が1コーナーではらんだスキをついて前に出ることができました。途中、雨が降り始めましたが、アスファルトの匂いがしてこなかったので、本降りになることはないと判断し、リスクを承知でペースアップしましたが、これが勝因です」
岡本裕生選手談(2位)
「1周目からバトルに飲み込まれてしまってペースを作ることができず、結果は2位ですが、中須賀さんを追い切れずに悔しい結果になりました。中須賀さんの、勝機を捉える感覚や、その時のスパートのかけ方など、まだ自分にはないものなので、今後はそうしたところもしっかりと学んでいきたいし、実践していきたい。気持ちを切り替えて、次戦の鈴鹿ではもっといいレースをしたいです」
吉川和多留監督
「結果としてレース1、レース2で1-2フィニッシュできたことは、とてもうれしく思います。レース2は、本当に弱い雨が瞬間的に降りましたが、ここで勝負に出るところは中須賀選手の経験が勝ったと言えます。また、岡本選手は、レース2での最終盤で若手ライダーとの三つ巴の戦いになりましたが、ここをしっかり勝ち切ってくれました。
今年はカーボンニュートラル燃料になりましたが、しっかりとコントロールできていましたし、このレースでのデータを基にさらにマシンのセットアップを進めていきます。2023年のオープニングの2レースで1-2フィニッシュという最高のご報告ができることをうれしく思います。今後とも、みなさまのご支援、ご声援をよろしくお願いいたします」