全日本ロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本ロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.04 10月17-18日 もてぎ
RACE DATA
■大会名称:全日本ロードレース選手権第4戦 スーパーバイクレースinもてぎ
■開催日:2020年10月17日(土)・18日(日)
■会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)
レース1
■周回数:15周 ■天候:雨 ■コース:ウエット ■気温:11度
■観客数:4,700人
■PP:野左根 航汰(1分58秒674/ヤマハ)
■FL:野左根 航汰(1分59秒059)
レース2
■周回数:21周 ■天候:曇り ■コース:ドライ ■気温:18度
■観客数:8,800人
■PP:野左根 航汰(1分59秒235/ヤマハ)
■FL:野左根 航汰(1分48秒214/ヤマハ)
REPORT
YAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰選手が、ウエットとなったレース1、ドライとなったレース2でともに優勝。開幕6連勝を達成し自身初となるJSB1000でのチャンピオンを大きく引き寄せた。チームメイトの中須賀克行は2/2位とし、YAMAHA FACTORY RACING TEAMが両レースで1-2フィニッシュを飾った。YAMALUBE RACING TEAMの前田恵助は、各レースで9位と7位を獲得した。
レース1
野左根が開幕戦から連続でポールポジション獲得
レースは赤旗終了で野左根が5連勝達成。中須賀は2位でゴール
10月17日(土)午前に冷たい雨が降る中で行われた公式予選では、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰が、ただ一人ラップタイムを1分58秒台に入れてレース1のポールポジションを獲得。セカンドラップタイムでは1分59秒台だったが、これもトップタイムとなり、開幕戦から6戦連続でポールポジション獲得となった。
対するYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は、レース1、レース2ともに3番手スタートだ。
17日(土)午後に始まったレース1。23周レースは21周へと変更されてスタート。そして野左根が好ダッシュし、中須賀が続くが、オープニングラップの90度コーナーで秋吉耕祐が水野涼(いずれもホンダ)に接触して両者転倒。水野のマシンが炎上し、ここでレースは赤旗中断となった。
その後、21周のレース数は変わらずにレース1が再スタートすると、野左根と中須賀が見る間に後続を引き離していく。
5周目、トップの野左根がラップタイムを1分59秒台に上げる。これに中須賀も追随してペースアップ。7周目に中須賀は自身最速の1分59秒094を記録。この後、2人はライバル勢の2分01〜02秒台に対して1分59秒台で周回を続け、11周目には野左根が1分59秒059のファステストラップをマーク。そして15周を終えた段階で野左根と中須賀は3番手に30秒の大差を築いていた。
野左根と中須賀が16周目に入ってしばらくして、第2コーナーと第3コーナー区間で転倒したマシンがコース上に残ったことから赤旗が提示されてレースは中断。そして15周終了時点での順位でレース成立となった。
この結果、野左根が開幕戦から5連勝を達成し、中須賀は2位となった。また、YAMALUBE RACING TEAMの前田恵助は予選7番手、決勝レースは9位でチェッカーを受けた。
レース2
ポールポジションスタートの野左根が6連勝
中須賀は2位でゴールしYAMAHA FACTORY RACING TEAMが1-2フィニッシュ
10月17日(土)のレース1とは打って変わってコースコンディションはドライ、そして気温も18度まで上昇した中でスタートしたレース2。綺麗なスタートを見せたポールシッター野左根航汰がオープニングラップからペースを上げ、2周目には2番手の中須賀克行に1.2秒差をつけると、その後、独走優勝。開幕戦から6連勝を達成した。
オープニングラップを制した野左根は、2〜4周目、さらに6周目に1分48秒台のファステストラップを連発。2番手につける中須賀のラップタイムが1分49秒台であった頃からもわかる通り、野左根は群を抜く速さで後方を引き離していった。その後も、1分48秒台で周回を重ねると独走体制を築き、2位の中須賀に11秒の大差をつけて開幕6連勝のチェッカーを受けた。
2位となった中須賀選手は、レース前半で清成龍一(ホンダ)から激しいプッシュを受ける。しかし、見事なまでのレイトブレーキングでブロックラインをリリースすると、最後まで2位のポジションを守り通し、今季初めてチェッカーを受けた。
また、スタートで大きく出遅れたYAMALUBE RACING TEAMの前田恵助選手は、その後に集中力を切らすことなく順位を挽回。レース後、車両規定違反による清成の失格もあり7位となった。
JSB1000 RESULT Race.1
JSB1000 RESULT Race.2
ST1000 RESULT Race.1
ST600 RESULT Race.1
JSB1000 RIDERS RANKING
ST1000 RIDERS RANKING
ST600 RIDERS RANKING
COMMENT
レース1
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
野左根航汰選手談(優勝)
「途中でペースを上げても中須賀さんが離れず、簡単にはいかないと悟りました。レース終盤で雨量が多くなり、慎重さが必要になりましたが、それでも中須賀さんのマシンの排気音からすぐ側にいるのが分かり、ペースを落とすことなく懸命に走り続けました。明日はドライ路面になるとの想定ですが、今日の雨で路面は荒れていると思うので、慎重に戦いたいです」
中須賀克行選手談(2位)
「航汰に引っ張られる形で、予選よりも速いペースで周回することができ、走っている間にリズムも掴めてきました。でも、赤旗でレースが終了になり、今年は一度もチェッカーを受けていません。明日はドライ路面でのレースになりそうだけれど、朝のフリー走行でマシンを整え、いいレースをしたいですね」
吉川和多留監督
「雨と寒さでコンディションは最悪でしたが、こうした中で野左根選手、中須賀選手ともに1分59秒台で走り続けてくれて、赤旗でレースが成立になりましたが、いいレースができました。明日はドライコンディションが予想されていますが、レースまでの少ない走行時間内にしっかりとマシンを仕上げて、改めて2人でいいレースができるように頑張ります」
YAMALUBE RACING TEAM
前田恵助選手談(9位)
「1回目の赤旗中断までは、スタートで出遅れてしまったものの、いい形で追い上げられていました。しかし、再スタート後は雨量が多くなってうまく走れませんでした。個人的には、雨のレースでいい結果を出してきているので、残念でなりません。レース後にデータを検証して、良いところ、悪いところを洗い出していて、しっかりと準備を進めて明日のレースに臨みます」
難波恭司監督談
「予選では、悪くても2列目という課題をクリアしましたが、レースは厳しい展開になりました。雨、そして気温が低いレースでは、サバイバルになる可能性が高く、展開を見ながら走り切ることが大切なのですが、今回はこの順応が難しかったようです。明日はドライ路面でのレースになりそうですが、朝のフリー走行をフルに活用してレースに臨みたいですね。明日のレースを入れて今年は残り3レース。ここまで成長したという前田選手の姿をお見せできるようにチーム一丸となって盛り上げていきます」
レース2
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
野左根航汰選手談(優勝)
「やっと、しっかりと中須賀さんに勝てました。本当は1分47秒台のラップを狙っていましたが、それができず、それでも48秒台で周回していたら少しずつ中須賀さんが離れて行ったので、気を抜くことなく常にベストを出せるように集中して走り続けました。次は最終戦のMFJ-GP鈴鹿ですが、しっかりと勝ってチャンピオンを決めて、来季のスーパーバイク世界選手権に臨みたいです」
中須賀克行選手談(2位)
「航汰が、僕を目標にしてくれていて、そして僕に勝てたことを喜んでいる姿を見て、それが本当に嬉しい。ただ、今回の航汰は来季のスーパーバイク世界選手権参戦を発表してモチベーションも高く、レースは完璧だったけれど、次の最終戦鈴鹿は簡単には勝たせません。鈴鹿は僕の得意なサーキットですからね」
吉川和多留監督談
「チームとしてレース1、レース2ともに1-2フィニッシュができたことに嬉しく思います。野左根選手は。ウイークを通してウエットでもドライでも常にトップタイムを記録し、レース2ではペースの上げ方を含め全ての面でパーフェクトでした。中須賀選手は、ドライのレースでは、まだ痛めた右肩が痛むようで、特にこのサーキットでは負荷がかかってしまうので、無理はしないように進言しました。ただ、その肩の怪我は日々良くなっているので、次の鈴鹿ではいいレースを期待したいです。いつも応援していただいたファンの皆さま、そしてサポートしていただいた皆さまに、今回は良い結果をご報告できることを嬉しく思います」
YAMALUBE RACING TEAM
前田恵助選手談(7位)
「スタートで出遅れて、さらにヘアピンでも順位を下げてしまい、最下位からの追い上げになりました。全体的にうまくマシンに乗り切れていなかったので、いろいろと乗り方を変えて諦めずに攻め続けたら少しずつポジションを上げることができました。今日のレースは本当に厳しかったけれど、いい勉強になったし、これまで学んできたことの全てを最終戦の鈴鹿に生かします」
難波恭司監督
「レース序盤は下位集団のペースに飲み込まれましたが、ラップタイムを見ていると前田選手の諦めていないことがわかり、士気を高めるサインを出し続けました。そして最後まで高い集中力を保つことができました。スタート以外では、挑む走りが伝わりましたし、その姿勢は良かった。次戦は今季最終戦の鈴鹿ですが、監督として、なんとか表彰台に立たせたいという気持ちなので、チーム一丸となって挑みます。応援していただいたファンの皆さま、そして我々のレース活動を支えてくれているスポンサーの皆さまに感謝するのと同時に、最終戦鈴鹿でより良いレースをお見せできるよう頑張りますので、応援、よろしくお願いいたします」