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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.01 3月30-31日 関東・埼玉

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権 第1戦 腕時計のベルモンドCUP
■開催日:2024年3月30(土)・31日(日)
■会場:埼玉県・オフロードヴィレッジ
■レース時間:IA1(15分+1周)×3ヒート
■レース時間:IA2(15分+1周)×3ヒート
■観客数:土曜日:1,954人/日曜日:3,359 人

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが優勝、連覇にスタートダッシュ!

春の好天に恵まれた中、2024年全日本モトクロス選手権の開幕戦が3ヒートでのトリプルクラウンフォーマットで行われ、YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#1ジェイ・ウィルソンと#12渡辺祐介がYZ450FMで参戦した。日曜日の早朝に行われた予選は、ジェイが貫禄のトップタイムでポールポジション。渡辺は5番手とまずまずの滑り出しを見せた。

今シーズンは昨年のIA2チャンピオンのビクトル・アロンソ(GASGAS)、2019/2020年のIA2チャンピオンで、その後、オーストラリア選手権に参戦していた横山遥希(ホンダ)、そして昨年、唯一ジェイに土をつけたレーシングチーム鷹 / STAR RACING 166の#15星野優位(スポット参戦)がIA1に参戦。一段と層が厚くなった最高峰の中で、ジェイ、そして渡辺がどのようなレースを繰り広げるのかに注目が集まった。

レースは、ジェイが得意のスタートでホールショットをゲット。そこから持ち前のスプリント力で後続とのギャップを一気に拡大して独走体制を築く。15分+1周の超スプリントレースではあるが、中盤以降も後続を寄せ付けず、安定した走りでレースをコントロール。IA1の連覇に向けシーズンのファーストチェッカーを受けた。

一方の渡辺は、好スタートから1周目は2番手争いを展開したが、ここで星野とバー・トゥ・バーの接近戦となり2周目に入ってバランスを崩す形で転倒。すぐに再スタートを切ったが、2周目を終えて12番手。それでもハイペースで7番手まで挽回すると、さらにプッシュを続け表彰台を争う集団の最後尾につけたがタイムアップ。逆転はならず7位でレースを終えた。なおトップ3は、ジェイ、大倉由揮(ホンダ)、横山となった。

ヒート2:ジェイが連勝、渡辺は転倒リタイア

このヒートもジェイとYZ450FMの独壇場が続いた。ヒート1に続きホールショットを奪ったのはジェイ。これに能塚智寛(カワサキ) をはじめとするライバルが続いたが、スタートから数周のうちにスプリント力の差を見せつけ、ジェイが独走。中盤以降は、ヒート「1と同様にペースをコントロールしながらのレースで開幕2連勝を飾った。

一方、渡辺はジェイに続く2番手でスタートしたが、1周目、ジャンプの着地でクラッシュ。その直後、他車との接触もありレースを続行できずリタイアに終わっている。なお表彰台はジェイ、大倉、アロンソとなった。

ヒート3:ジェイが3連勝を達成

開幕戦の最終レースは、オーストラリア出身のジェイとオーストラリアで腕を磨いた横山による激しいバトルが展開された。ホールショットを奪ったのは横山、これにジェイが続く形で1周目を終了。その後もスプリント力を活かしてパッシングを試みたジェイだったが、横山もこれを凌ぐ攻防に会場のファンも大興奮。

その後も横山にプレッシャーをかけ続けたジェイ選手は、レース中盤の5周目に攻略に成功。その後も横山が背後に迫り、気を抜けない状況が続いたが、最後は約2秒近いギャップを作りファーストチェッカー。IA1での連覇に向けて大きな3連勝で開幕戦を終えた。

表彰台はジェイ、横山、そしてアロンソが獲得。総合成績ではジェイが優勝、2位は大倉、3位は横山となった。ヒート2の転倒により負傷した渡辺は、治療と検査のため病院に搬送され、本レースを欠場。総合では12位となっている。

IA2
ヒート1:中島が2位、田中が3位と若手が躍進

IA1と同様、3ヒート制のトリプルクラウンフォーマットで開幕したIA2は、地元のbLU cRU レーシングチーム鷹の中島漱也、そして10代の田中淳也(bLU cRU YSP浜松BOSSレーシング)が、マイナーチェンジを行った2024年型YZ250Fのデビュー戦で2・3位を獲得した。

レースは、柳瀬大河と横澤拓夢というホンダ勢が先行。これに田中が3番手、阿久根芳仁(カワサキ)を挟んで中島が5番手、さらに#7浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィン サイセイ)が6番手とYZユーザーが上位を占めた。

この中で中島はじわじわと追い上げるレースを披露。阿久根の脱落で4番手に上がると、田中の背後についてプレッシャーをかけ、後半の8周目に攻略。さらに2番手に後退した柳瀬をじわじわと追い詰め9周目に2番手へ浮上した。この時点でトップの横澤とはギャップが大きかったことから届かなかったが2位でフニッシュ。タイトルに向け大きな一歩を踏み出した。

田中は好スタートから序盤は3番手をキープし、トップ2に食らいつきレースを進めた。後半に入り中島にかわされ4番手に後退したが、ここで諦めることなく、3番手に後退した柳瀬を最終ラップに捉えて開幕戦で3位と早々に表彰台を掴み取った。この結果、トップ3はは、横澤、中島、田中が獲得した。

ヒート2:中島が表彰台に迫る4位

ヒート2はスタートが大きなポイントとなった。柳瀬と鴨田翔(カワサキ)が好スタートを切った一方で、ヤマハ勢は田中が4番手、6番手に浅井、9番手に中島と、15分+1周のスプリントであることから、難しい状況となった。

この中で、中島が再び強さを見せた。浅井が転倒で順位を落としたこともあったが、序盤から着実に順位を上げ、6周目に4番手まで挽回。しかしこの時点で柳瀬、鴨田がリードを広げていたこともあり、3位争いに集中することとなる。しかし、前を行くのはヒート1で勝利している横澤であったことから、最後まで勝負させてもらえず、そのまま4位。あと一歩のところで表彰台を逃すこととなった。

ヒート1で3位となった田中は中盤までに順位を落として6位。トップ3は柳瀬が優勝、これに鴨田、横澤が続いた。

ヒート3:中島が今季初優勝で、総合優勝を獲得

開幕戦、最後のレースとなったヒート3。中島がここでも進化、成長した姿を見せた。

今大会一番の好スタートを切った中島は、2番手につけホールショットの柳瀬を追う展開となった。序盤は焦ることなく、じわじわと追い詰め、自身の強みを見定めて5周目にオーバーテイク。トップに立つと力の差を見せつけるように、すぐさま後方との差を拡大して独走体制を築くとそのままフィニッシュし今季初優勝を飾った。なお、表彰台は中島、柳瀬、西條悠人(カワサキ)が獲得している。

この結果、総合成績では2位、4位、1位という結果で中島が総合優勝。ヤマハライダーでは田中が総合5位でこれに続いた。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RESULT Heat.3

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RESULT Heat.3

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:優勝/優勝/優勝:総合優勝)

「今年は2年目のIA1ということで、昨年より快適に乗れるマシンのセットアップを重視してきましたし、自分の身体もマシンにフィットしており、よい状況で開幕に臨むことができました。でも、開幕戦ということで、特別な緊張がありました。特にこのコースはライバルとの距離も近く、抜きどころもそれほど多くないので、より緊張していました。さらにこれまでのライバルだけでなく、新しいライバルが加わりました。彼らはこのクラスのルーキーなので、2年目の自分にはアドバンテージがあるということで、自信を持って臨みました。その中でヒート3はライバルの先行を許す展開となりました。昨年はここで先行を許し焦って転倒し優勝を逃しているので、じっくりと観察して攻略しました。一方でファンにとってはエキサイティングなレースを見てもらうことができたのではないかと思います。同時に、今後もこういったレースもあるだろうし、それによって日本のレースが盛り上がればと思います。次回の熊本は好きなコースなので、今日のようなレースを続けていきたいと思います」

渡辺祐介選手談(IA1:7位/DNF/DNS:総合13位)

「自分に足りていなかったスタートの技術や序盤のスピードなど、今回のレースを通じて成長できたと感じることができたのですが... ヒート1は転倒があり7位。ヒート2は、ジェイ選手の後方2番手と十分なポジションにいたのですが、ジャンプの着地で石に乗ってしまって転倒し、さらに後続に接触されリタイア。ヒート3はその影響で欠場しました。やはり今日のためにたくさんの時間をかけて準備してきたので悔しいし、納得できない部分はありますが、怪我は次のレースに出場できるものだったのでよかったです。九州は今回のようなことがないよう、体調を回復しマシンを作り込んでしっかりと走ります」

原延男監督談

「シーズンオフにはジェイ選手、渡辺選手ともにアメリカでトレーニングし、2月上旬に戻ってきました。そこからタイヤ、サス、その他ニューアイテムを含めてテストを重ね、順調に開幕を迎えることができました。今年はアロンソ選手や横山選手といったライバルも増えて、ハイレベルな戦いになっていますが、その中で3ヒート目、ジェイ選手は横山選手に先行を許し、改めてジェイ選手としてもスタートの重要性を確認することとなりました。一方で、ファンの皆さんにとっては、見応えのあるレースになったものと思います。
渡辺選手は、走りの点でいえば、ジェイとの合宿の成果が現れ、ひとまわり成長した姿を見せてくれました。そしてヒート1、ヒート2ともにスタートからいい形ではあったのですが、転倒が重なってしまいました。次戦は、ジェイ選手は全ヒート優勝を掲げていますし、負傷した渡辺選手は出場できる予定なので、2名ともに優勝、表彰台を獲得できるよう準備を進ます」

bLU cRU レーシングチーム鷹

中島漱也選手談(IA2:2位/4位/優勝:総合優勝)

「正直、ヒート1は硬さもあったし、コンディションも難しかったので守りに入ってしまったのですが、それでも2位と自分にとって大きな自信になりました。そこで、ヒート2はもっと前を意識して臨んだのですが、スタートが決まらず、追い上げもそこそこで終わってしまいました。ヒート3はスタートさえ出ることができれば"いける!"という気持ちだったので、とにかくスタートに集中して臨み2番手としました。ミスが出やすいコンディションだったので、すぐにではなく、いいラインをチョイスして自分の走りに集中し、抜くためのポイントも探ってそこでしっかり捉えることができました。開幕戦は他のレースと違う雰囲気がありますが、自分をうまくコントロールしてまとめられたのはさらに自信を深めることができました。次回の九州はタフな2日間になると思いますが、相性のいいコースなので、好成績を目指してがんばります」

bLU cRU YSP大阪箕面
川上真花選手談(レディース:優勝)

「土曜日の時点(ジュニアクロス)ではとても緊張してしまったので、これを日曜日(レディース)にどう活かすかを考え、自分はやることをやってきたと言い聞かせ、明るい気持ちで今日を迎えました。そのおかげもあってタイムアタックではトップとなり、ノリノリで決勝を迎えることができたのですが、スタートで遅れてしまい、いつものように追い上げのレースになってしまいました。難しいところも怖がらずに走れたことで、本田選手などの強力なライバルもかわし2位でフィニッシュ。今年は全戦で表彰台の獲得が目標でもあるので、満足していたのですが、川井選手が失格となり優勝となりました。できれば初優勝は実力で獲りたいと思っていたし、また実力的にも川井選手に届いていないので、正直、複雑な気持ちです。次回の九州も表彰台が目指すところでありますが、今度は実力で優勝も狙っていきます」

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