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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

全日本モトクロス選手権 IA1

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA1に関する情報をお届けします。

Rd.07 10月9日 中国

RACE DATA

■大会名称:2011全日本モトクロス選手権第7戦中国大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2011年10月9日(日)
■会場:広島県・世羅グリーンパーク弘楽園
■天候:晴れ ■観客:7,500人
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

成田が第1ヒートで自身98回目のヒート優勝!
第2ヒートは2位としランキングトップを堅持

全日本選手権•第7戦中国大会が、前回から約1ヵ月のインターバルを経て、世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)にて開催された。決勝日は早朝こそ10度を下回る寒さだったが、徐々に気温も上がり、また三連休と重なったこともあり7,500人もの観客が詰めかけ、白熱したレースを楽しんだ。
YZ450Fを駆りIA1に参戦する成田亮(YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T.)は、第6戦終了時点で8勝を挙げランキングでは2位の熱田孝高(スズキ)に18ポイント差で首位。また国際A級クラスにおいて通算ヒート優勝は97回となっており、この大会はそれぞれの達成に向けて重要な一戦となった。レースでは第1ヒートで今季9勝目をマーク、第2ヒートは2位とし、チャンピオンに向けて前進するとともに優勝記録を98勝にのばした。

第1ヒート、ホールショットは新井宏彰(カワサキ)、これに熱田、田中教世(カワサキ)、小島庸平(スズキ)が続き、成田はその後方5番手につけ、1周目はこの順位のまま終える。2周目に入ると熱田がトップに立つが、序盤は上位6 台がほぼ同様のペースで走行を重ねるサバイバルレースとなる。
この集団のなかで成田は、積極的な走りで順位を上げ3周目には3番手に浮上し、レースの折り返しでは熱田、新井、成田の3人がトップグループを形成し優勝をかけた戦いを繰り広げる。この中で力を見せたのが成田。11周目に新井を攻略すると、今度は熱田の背後へ迫り15周目にトップへ。この後、熱田も粘りを見せ成田に食らいつくが、成田はアタックの機会を与えることなくトップでゴール。今シーズン9勝目をあげるとともに、ヒート優勝記録を98勝へとのばした。2位は熱田、3位は新井。
1周目を終えて8番手とした小島太久摩(MPDY)は、中盤までポジションをキープして周回を重ねる。しかし後半に入ると後方から追い上げてきたライダーたちとバトルに。この中で抜きつ抜かれつのバトルを展開、最後は10位でフィニッシュとなった。

第2ヒートは、熱田が逃げ成田が追うという第1ヒートと同様の展開となる。まず熱田がホールショットを奪いオープニングラップを制すると、クリアラップを利用し序盤から大きなリードを築く。これとは対照的に成田は第1ヒートよりさらに後方の7番手で1周目を終え、序盤の内に熱田選手と約8秒差という大きなビハインドを背負ってしまう。
しかし、成田は序盤から順位を挽回、9周目には3番手、さらに熱田との差も約5秒までつめる。その後2番手の勝也武史(カワサキ)の転倒により2番手に上がると、成田はハイペースを維持してさらに熱田との差を縮めた。2人の戦いはラストラップまでもつれ込んだものの、後一歩届かず2位でフィニッシュとなった。3位は新井。
小島太久摩は6番手で1周目を終えたが、この周に石が手の甲を直撃するアクシデントがあり、思うようにグリップを握ることができない状況となり、このアクシデントもあって序盤で順位を8番手に落としてしまう。その後は第1ヒートと同様に混戦となり順位が入れ替わったものの、最後は10位でゴールとなった。

ランキングは成田と熱田が各ヒートで1•2位を奪い合ったため、ポイント差に変動はなく18ポイントのままとなった。また成田は第1ヒートで優勝したため、通算ヒート優勝回数は98勝となり、次回の日本GP(スポーツランドSUGO)で両ヒートを制すると100勝が達成されることとなった。

IA2、第1ヒートのヤマハ勢は斉木達也(レーシングチーム鷹)が6番手、MPDYの尾崎友哉は中段、渡辺はこれから少し後ろで1周目を終える。この中で渡辺が序盤から順調な追い上げを見せて尾崎、さらにヤマハトップの斉木をとらえて12番手に浮上。その後渡辺はさらに2人をかわして10位でフィニッシュ。尾崎は中盤から後半にかけて順位の上下があったが最後は13位でゴールした。なお、優勝は稲垣佳樹(スズキ)、中村友則(カワサキ)、3位は三原拓也(カワサキ)となった。
第2ヒートは、斉木のホールショットでスタート。その後、斉木は2周目までトップをキープするが順位を落としてしまう。一方尾崎は7番手、渡辺は13番手のポジションからレースをスタートする。渡辺は序盤から順位をアップし5周目に9番手とすると、その後も順調にポジションを上げて一時は6番手とする。しかし後半に入ると順位を落としたが、最後はヤマハライダーでトップの8位を獲得した。
尾崎は、序盤から少しずつ順位を落としてしまい12番手とするが、その後は安定感のある走りを披露し終盤には前方のライダーに迫るが一歩及ばず12位でチェッカーを受けた。優勝は三原、2位は星野裕(カワサキ)、3位は星野優位(ホンダ)となった。

レディスは、スタート直後の第1コーナーでマルチクラッシュが発生。そこに伊集院忍も巻き込まれ、ほぼ最後尾からの追い上げとなる。しかし、伊集院は序盤からハイペースでレースを展開し、わずか5周で20人弱をかわして10番手に浮上する。さらにその後一つ順位を上げて9番手とするが、終盤に再び一つ順位を下げて10位となった。

RESULT Race.1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 成田 亮 YSP Racing Team with N.R.T. Yamaha 33'04.020(20Laps)
2 熱田 孝高 Team SUZUKI Suzuki 33'06.710
3 新井 宏彰 K.R.T Kawasaki 33'12.735
4 平田 優 Team HRC Honda 33'21.346
5 田中 教世 グリーンクラブTEAMTAKASE Kawasaki 33'22.952
6 勝谷 武史 グリーンクラブ&ジュニアライダース Kawasaki 33'24'693
7 小島 庸平 Team SUZUKI Suzuki 33'59.077
8 福留 喜秀 TODAY SPORT Honda 34'08.296
9 納屋 望 Team DUNLOP MX Honda 34'10.733
10 小島 太久摩 MPDY Yamaha 34'25.930
11 増田 一将 Team HRC Honda 34'31.887
12 北居 良樹 KTMうず潮レーシング福山 KTM 34'45.399
13 小川 裕紀 K.R.T Kawasaki 34'48.513
14 沼田 誠司 グリーンクラブJUDFE MENT Kawasaki 33'48.044(-1Laps)
15 芹沢 翔悟 TEAM HAMMER Honda 33'51.166(-1Lap)
16 増田 篤 Team SSC Suzuki 34'05.458(-1Laps)
17 片平 竜英 モトハウスレースチーム Yamaha 34'06.116(-1Lap)
18 池田 孝宏 KTMうす潮レーシング福山 KTM 34'49.521(-1Lap)
19 林 友太 レーシングチーム鷹 Yamaha 34'52.261(-1Laps)
20 矢野 昇平 B/K APPLE Honda 33'19.317(-2Laps)
21 中村 泰介 Yamaha 33'20.763(-2Lap)
22 馬淵 崇之 浜松MRC&Stab Blue Honda 33'24.607(-2Lap)
23 佐々木 雅規 エナジーエックス Honda 34'06.255(-2Lap)
24 古川 寛 グリーンシャドウ Kawasaki 34'57.257(-2Lap)
25 鈴木 正明 秀明道場 Yamaha 33'50.975(-4Lap)
DNF 谷 和也 サンビシwithイナベMSL Yamaha

RESULT Race.2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 熱田 孝高 Team SUZUKI Suzuki 31'49.691(19Laps)
2 成田 亮 YSP Racing Team with N.R.T. Yamaha 31'59.383
3 新井 宏彰 K.R.T Kawasaki 32'05.081
4 田中 教世 グリーンクラブTEAMTAKASE Kawasaki 32'16.722
5 小島 庸平 Team SUZUKI Suzuki 32'24.466
6 平田 優 Team HRC Honda 32'43.792
7 増田 一将 Team HRC Honda 32'52.402
8 納屋 望 Team DUNLOP MX Honda 33'00.914
9 北居 良樹 KTMうず潮レーシング福山 KTM 33'15.126
10 小島 太久摩 MPDY Yamaha 33'25.959
11 小川 裕紀 K.R.T Kawasaki 33'26.282
12 沼田 誠司 グリーンクラブJUDFE MENT Kawasaki 32'26.335(-1Laps)
13 福留 喜秀 TODAY SPORT Honda 32'32.977(-1Laps)
14 谷 和也 サンビシwithイナベMSL Yamaha 32'36.401(-1Laps)
15 芹沢 翔悟 TEAM HAMMER Honda 32'47.888(-1Lap)
16 片平 竜英 モトハウスレースチーム Yamaha 32'51.741(-1Lap)
17 鈴木 正明 秀明道場 Yamaha 32'55.293(-1Lap)
18 矢野 昇平 B/K APPLE Honda 33'20.697(-1Laps)
19 佐々木 雅規 エナジーエックス Honda 33'31.395(-2Lap)
20 池田 孝宏 KTMうす潮レーシング福山 KTM 33'33.040(-1Lap)
21 中村 泰介 Yamaha 33'37.834(-1Lap)
22 林 友太 レーシングチーム鷹 Yamaha 31'52.208(-1Laps)
23 馬淵 崇之 浜松MRC&Stab Blue Honda 31'54.326(-2Lap)
DNF 勝谷 武史 グリーンクラブ&ジュニアライダース Kawasaki
DNF 古川 寛 グリーンシャドウ Kawasaki
DNF 増田 篤 Team SSC Suzuki

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 成田 亮 Yamaha 316
2 熱田 孝高 Suzuki 297
3 新井 宏彰 Kawasaki 242
4 小島 庸平 Suzuki 241
5 田中 教世 Kawasaki 227
6 平田 優 Honda 210
16 小島 太久摩 Yamaha 73
17 片平 竜英 Yamaha 54
19 鈴木 正明 Yamaha 40
20 谷 和也 Yamaha 36
22 中村 泰介 Yamaha 32
23 林 友太 Yamaha 29

COMMENT

成田亮談(IA1:1位/2位/総合2位)

「第1ヒートはスタートで遅れてしまい、また熱田選手がトップにいたことで、序盤からかなり攻めて走った。すぐに3番手まで上がることができたが、その後は新井選手を抜くことができず、焦りで冷静さを失ってしまった。しかし2番手に上がってからは、予選などで熱田選手よりもタイムが良かったことを思い出し、気持ちを落ち着かせて冷静に戦うことができた。第2ヒートは、序盤にトップの熱田選手に大きく離されてしまい"もうだめかも"と心が折れそうになった。でも今年は勝つために例年以上にハードなトレーニングを課してきたが、その努力を無駄にしてはいけないと、自分を鼓舞することで追い上げに転じることができた。しかし後一歩届かず本当に悔しい。次回のSUGOは100勝がかかっているが、WGPのライダーが参戦するということでとても厳しい戦いになると思う。でも、そのライダーを負かして100勝を達成すればこの記録がさらに格別なものになるはず。モチベーションもコンディションもよいので、楽しみだし、ぜひ狙っていきたい」

小島太久摩選手談(IA1:10位/10位/総合9位)

「怪我から復帰して3戦目、このインターバルは体が良い状態だったので、しっかりと練習を重ねてレースに臨んだ。しかし公式練習から常に前だけを意識した走りになってしまい、レースを作るという冷静さを失って空回りが多かった。反省すべき点は多かったけれど第1ヒートではバトルのなかでレースならでは駆け引きを試す機会があったし、戦う気持ちも確認できて決して悪いことばかりではなかった。第2ヒートはスタートが良く、もう一段階上のレベルで戦えるかと思ったが、1周目に手の甲に石があたり、力が入らず思うようなレースができなかったのは残念だ。残りは3戦、正直納得の結果がでないために焦りがあるが、冷静になって一戦一戦をこなしていきたい。そしてできるのであれば一度表彰台に絡めるレースをしてシーズンを終えたい」

尾崎友哉選手談(IA2:13位/12位/総合10位)

「今回も両ヒート走りきれたことはとても大きな収穫だが、公式予選で膝を負傷し十分なコンディションでレースに臨めなかったことは残念だ。またベストタイムでは以前と比較して少しずつトップに迫ってきていることは復調の兆しを感じることができた。でもまだまだ改題もある。例えば序盤の混戦におけるペース。ここでペースをしっかりと作ることができず、順位を下げてしまった。なかなか昔の走り、レース感覚を取戻せず正直焦りもあるが、そこはレースをこなすしかないので、残りの3戦6ヒートの中でやれることをやっていくしかないと思う。最終戦までには納得したレースができるようにがんばるので、見守っていてほしい」

YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T. 森元哲司監督談(YSP広島高陽社長)

「第1ヒートは、スタートで出遅れながらも、着実にそして素早く順位を上げ、終盤にトップを奪い、見ていてともてエキサイティングなレースでした。一方の第2ヒートは、スタートの出遅れが響き、終盤に熱田選手を追いつめながらも2位という結果となりました。これは私たちYSPがもっと成田選手の闘志に火をつけ、また最後の一踏ん張りができるような応援をすべきだったと反省しています。しかし総合的に見れば内容も結果も申し分のないもので、昨年のリベンジができたのではないでしょうか。次は成田選手の地元SUGOが会場です。ここで100勝の達成、さらにはチャンピオンに近づけるよう、さらによいレースを見せてくれるはず。ぜひ多くの応援をいただければと思います」

YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T. 臼井秀和チームマネージャー談

「本人の体調はよく、バイク自体にも乗れている状態。さらにマシンもとてもよい状態でレースに望むことができた。そして結果もそれを裏付けるようなすばらしい内容だった。第1ヒートは5番手と出遅れ、挽回のレースとなった。ファンの皆さんには大丈夫なのかと心配した方もいたと思うが、チームとしては必ず最後はトップに立ってくれると思っていたし、安心してみることができた。第2ヒートも同じような展開だったが、やはり最初のビハインドが大きかったのが敗因。でも最後まであきらめず、しかも熱田選手を追いつめることができた部分は評価すべき所だと思う。次回の100勝達成、そしてチャンピオンをさらに確実にするために重要なレースとなる。世界選手権のライダーが参戦するということだが、得意なSUGOであり、モチベーションも高いので、きっとすごいレースになるはず。ファンの皆さんにはぜひ期待してほしい」

MPDY辻本幸二監督談

「まず小島選手だが、今回はしっかり乗り込んできたとはいえ、やはり時間が経つに連れ気持ちと体が乖離して思うように反応せず、走りがバタバタすることがあった。第2ヒートは1周目にアクシデントがあり、リタイヤしてもおかしくない状態だったのだが、最後まで走ることで得るものがあったようだ。ただ絶対的にいえるのは、前半のタイムを後半もキープできるか。すぐに取り戻せるものではないが、それができれば上位陣とも戦えるはず。焦りがあるのもわかるが、腐らず取り組んでいってほしい。
一方の尾崎選手は、スタートから序盤の戦い方が十分に取り戻せていない。すぐに実力通りの走りができず、周りが積極的にペースを上げていくタイミングがずれて、順位を落としてしまう状態だ。レースタイムは上がってきているし、後半もペースの落ち込みもなく安定させることができているので、後はトップスピードの向上と序盤の爆発力がポイントになってくる。二人とも今が我慢のしどころなので、チームとしてはメンタル面も積極的にケアして心身ともにプラス方向へ持っていけるようにしたいと思う」

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