全日本モトクロス選手権 IA1
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA1に関する情報をお届けします。
Rd.10 10月25日 SUGO
RACE DATA
■大会名称:2009全日本モトクロス選手権第10戦(最終戦)MFJ GP
■開催クラス:IA1クラス
■開催日:2009年10月25日(日)
■天候:曇
■観客:9,700 (2日間合計)
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■会場:スポーツランドSUGO(宮城)
REPORT
成田&YZ450FMが両ヒート優勝
3年連続チャンピオン獲得!
YSP・レーシング・チーム・ウィズ・NRTからYZ450FMを駆り参戦する成田亮が、地元の大声援でプレッシャーをはねのけ、両ヒートで優勝を飾り3戦年連続チャンピオンを獲得した。全日本モトクロス選手権の最高峰クラス(旧国際A級250cc/旧セニアクラス含む)におけるヤマハライダーのタイトル獲得は、2007年から3年連続、通算11回目となる。
ランキング2位に8ポイント差で迎えた最終戦、予選を1位で通過したランクトップの成田は、第1ヒートの1周目を小島庸平(スズキ)に続き、2番手で終える。2周目に入った直後、ビッグウエーブ手前のコーナーでアウト側から勢い良く小島をパスしてトップに浮上。その後ろで、小島、新井宏彰(カワサキ)、増田一将(ホンダ)が2番手争いをしている間に成田は着々とリードを拡大する。
バックマーカーが現れ始めた9周目、成田、新井、増田、小島のオーダーで中盤を折り返す。一時は後続に5秒ほど差をつけ、そのまま成田が引き離すかに見えていたが、「後半、気持ちが折れて追いつかれてしまった」と成田が振り返るように、12周目、新井にぴたりとつかれしまう。そして成田を先頭に新井、増田の3台による接近戦が繰り広げられるが、一度もかわされることなく最後まで成田がトップを死守し優勝。GPポイントが3点加算され28ポイントを獲得したが、シリーズランキング2位の増田が3位に入り、その差13ポイントでチャンピオン争いの決着は第2ヒートに持ち越された。
そして、最終選最終レースとして行われた第2ヒートで成田は、スタート直後こそ3番手あたりを走行するが、1周目からトップに浮上すると、今度は安定した走りでレースをリード。2番手にチャンピオン争いを展開している増田、3番手に小島が付くも、着々と後続との差を拡大する。10周目前後には後続に10秒ほど差をつけるなど、圧倒的強さを見せつけそのままトップでチェッカー。終盤17周目、2番手につけていた増田が、エンストにより2つ順位を落としたため、2位に小島、3位に田中教世(カワサキ)が続いた。
成田は、怪我により1大会欠場しながら、今シーズン10大会20ヒート中11ヒート優勝し、3年連続でシリーズチャンピオンを手にした。
なお、2010年型YZ450Fで参戦するモトクロスプロダクション・デベロップメント・オブ・ヤマハの釘村太一は、第1ヒートでホールショットを奪い1周目を5番手で戻る。その後、4番手の田中を追うも適わず、14周目には後ろの北居良樹(スズキ)にパスされ、6番手に一つポジションを落としてゴール。
第2ヒートで釘村は、序盤9番手につける。5周を終えたコントロールライン通過直後に先頭集団の2台が転倒し2つポジションを上げ、最後までその位置をキープ、7位でレースを終えた。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | YSP Racing Team with NRT | Yamaha | 32'33.780(18 Laps) |
2 | 新井 宏彰 | K.R.T | Kawasaki | 32'35.493 |
3 | 増田 一将 | DREAM Honda RT Masuda | Honda | 32'38.577 |
4 | 田中 教世 | グリーンクラブTEAM TAKASE | Kawasaki | 32'55.188 |
5 | 北居 良樹 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'17.916 |
6 | 釘村 太一 | MPDY | Yamaha | 33'24.739 |
7 | 福留 善秀 | DREAM Honda RT Fukudome | Honda | 33'32.445 |
8 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'43.061 |
9 | 小川 裕紀 | KONG STYLE | Kawasaki | 33'56.509 |
10 | 沼田 誠司 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 34'14.093 |
11 | 鈴木 友也 | バイクショップ鈴木 | Honda | 34'34.100 |
12 | 溝口 哲也 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 32'43.184(-1Lap) |
13 | 辻 健二郎 | HRF CarLife with TES | Honda | 32'47.068(-1Lap) |
14 | 芹沢 直樹 | Team CRF&CarLife | Honda | 33'12.155(-1Lap) |
15 | 高濱 龍一郎 | HRF TEAM HAMMERホンダ学園 | Honda | 33'18.516(-1Lap) |
16 | 中村 泰介 | Yamaha | 33'26.028(-1 Lap) | |
17 | 中山 裕 | モトキエナジーSRP | Suzuki | 33'27.456(-1Lap) |
18 | 片倉 久斗 | SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS | Honda | 33'34.338(-1Lap) |
19 | 片平 竜英 | モトハウスレースチームWith elf | Honda | 33'35.212(-1 Lap) |
20 | 佐々木 雅規 | ENAGY-X | KTM | 33'53.223(-1 Lap) |
23 | 林 友太 | クラブヤマハレーシング鷹 | Yamaha | 32'36.040(-2Laps) |
24 | 鈴木 恵一 | 茨城土浦レーシング | Yamaha | 32'38.863(-2Laps) |
28 | 風間 晋之介 | 大河原レーシング | Yamaha | 33'21.242(-2Laps) |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | YSP Racing Team with NRT | Yamaha | 32'05.272(18 Laps) |
2 | 小島 庸平 | MUD OFF SUZUKI | Suzuki | 33'08.664 |
3 | 田中 教世 | グリーンクラブTEAM TAKASE | Kawasaki | 33'08.818 |
4 | 増田 一将 | DREAM Honda RT Masuda | Honda | 33'23.349 |
5 | 北居 良樹 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'28.467 |
6 | 福留 善秀 | DREAM Honda RT Fukudome | Honda | 33'36.009 |
7 | 釘村 太一 | MPDY | Yamaha | 33'55.381 |
8 | 新井 宏彰 | K.R.T | Kawasaki | 33'59.266 |
9 | 沼田 誠司 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 34'04.604 |
10 | 溝口 哲也 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 34'04.604 |
11 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 34'14.441 |
12 | 小川 裕紀 | KONG STYLE | Kawasaki | 34'30.713 |
13 | 増田 篤 | Team SSC XP | Suzuki | 34'38.106 |
14 | 芹沢 直樹 | Team CRF&CarLife | Honda | 34'40.321 |
15 | 鈴木 友也 | バイクショップ鈴木 | Honda | 34'42.544 |
16 | 辻 健二郎 | HRF CarLife with TES | Honda | 33'14.822(-1Lap) |
17 | 中山 裕 | モトキエナジーSRP | Suzuki | 33'19.599(-1Lap) |
18 | 高濱 龍一郎 | HRF TEAM HAMMERホンダ学園 | Honda | 33'29.633(-1Lap) |
19 | 片倉 久斗 | SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS | Honda | 33'39.442(-1Lap) |
20 | 片平 竜英 | モトハウスレースチームWith elf | Honda | 33'40.636(-1 Lap) |
21 | 中村 泰介 | Yamaha | 34'46.422(-1 Lap) | |
24 | 鈴木 恵一 | 茨城土浦レーシング | Yamaha | 33'12.922(-2Laps) |
27 | 林 友太 | クラブヤマハレーシング鷹 | Yamaha | 34'09.589(-2Laps) |
- | 風間 晋之介 | 大河原レーシング | Yamaha | 35'11.728(-14Laps) |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | Yamaha | 418 |
2 | 増田 一将 | Honda | 398 |
3 | 新井 宏彰 | Kawasaki | 367 |
4 | 熱田 孝高 | Suzuki | 360 |
5 | 北居 良樹 | Suzuki | 338 |
6 | 田中 教世 | Kawasaki | 331 |
13 | 釘村 太一 | Yamaha | 123 |
17 | 中村 泰介 | Yamaha | 79 |
22 | 鈴木 恵一 | Yamaha | 52 |
28 | 林 友太 | Yamaha | 26 |
COMMENT
成田亮選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「チャンピオン争いが第2ヒートまでもつれ込んでいたので、まずはホッとしている。今シーズンは初戦2位と、いま振り返ってもとても悔しい気持ちでのスタートだった。その上、3戦直前に大きな怪我を負い、正直絶望的な状況からの復活だっただけに、今回のシリーズチャンピオン獲得には特別なものがある。
周りの人々が懸命にサポートしてくれたおかげで、体調は万全でなかったものの、復帰戦となる第4戦の第1ヒートで優勝。その後、得意のSUGOで総合優勝した勢いで、苦手とする北海道でも総合優勝。それが励みとなって藤沢までの3戦6ヒートで連続優勝できた。第8戦では2ヵ月ほどのインターバル明けによりリズムがつかめず総合5位。しかし第9戦で総合優勝し、その勢いで乗り込んだこの最終戦は、地元とあってファンも多く、レース中も声援に励まされ、プレッシャー打ち克つことができた。これに満足することなく、現役ライダーとして走る限りは、これからも常にトップを目指してがんばっていく。その自分の姿が若手ライダーの夢、憧れとなり、モトクロス界全体のレベル向上、認知拡大につながることを望んでいる。応援してくれたみなさんに心から感謝している」
鈴木智之ヤマハ総監督談
「両ヒート優勝と、最高の形でチャンピオンを獲得することができた。完璧すぎて言葉が出ないほど。これもファンのみなさんの応援、支援、そしてYSP・レーシング・チーム・ウィズ・NRTのチームのがんばりがあってこその結果だと思う。何度もチャンピオンを獲得している成田選手だが、大きな怪我を負うというアクシデントに見舞われた後、持ち直して獲得したチャンピオンだけに、今回は格別だったと思う。速さだけでなく、強さを見せつけたシーズンだった。この先もまだまだ成田選手の強さが光るだろうが、その間に彼に続く若手選手を育成していきたい。また、あらためてこの1年ヤマハライダーに応援して下さったみなさまに感謝申し上げます」