全日本モトクロス選手権 IA1

RACE DATA

■大会名称：2009全日本モトクロス選手権第5戦SUGO大会
■カテゴリ：IA1クラス
■開催日：2009年6月14日（日）
■会場：宮城県・スポーツランドSUGO
■レース時間：（30分＋1周）×2ヒート
■天候：曇のち晴れ　 ■観客：8,400人

REPORT

成田が今季初の完全勝利！

YSP・レーシング・チーム・ウィズ・NRTからYZ450FMを駆り参戦している成田亮。4月に負ったけがからの復帰第2戦で完治していない腕をかばいながら激走。今季初の両ヒート優勝（4勝目）を達成し総合優勝を獲得した。ランキングでは4位に浮上するとともにポイントでもトップの熱田孝高（スズキ）との差を6ポイント縮め、22ポイントに迫った。

曇り、晴、雨と不安定な天候のもとでスタートした今大会。決勝の日曜日も午前中は雲が空を覆い、今にも雨が降りそうな状況下で一日がスタート。しかしすぐに日差しが戻り、ドライコンディションのままレースは行われた。

第1ヒート、好スタートを切ったのは熱田、これに成田がイン、高濱龍一郎（ホンダ）がアウトから挟むような形で続く。その1周目にライバルの熱田が高濱と接触して転倒し、成田はトップに浮上。そのままオープニングラップを制し2周目に入る。成田は序盤からギャップが点在するラフなコンディションを攻略し、ハイペースをキープ。2番手以下を引き離し5周目には約10秒差をつくる。

一方2位争いは混戦となり、北居良樹（スズキ）、新井宏彰（カワサキ）、レース終盤には1周目に転倒した熱田と入れ替わる。しかしその誰もが成田に迫ることはできず、後半までにおよそ25秒と、さらに大きなアドバンテージを築いて独走。今季3勝目となる優勝を獲得した。2位は熱田、3位は新井。

モトクロスプロダクション・デベロップメント・オブ・ヤマハの釘村太一は、1周目は9番手とするが、序盤のうちに6番手まで順位を上げる。しかし中盤までに順位を落とし8位でゴールした。

第2ヒート、ホールショットは高濱。これに新井、成田、熱田が続く。2周目に入ると成田は2番手に浮上し、さらに高濱をかわしてトップに立つ。そのまま独走かと思われたが、今回は第1ヒートのようにはいかず、熱田、新井の二人が成田に食らいついてくる。その後、新井が徐々に遅れ、成田、熱田のマッチレースへ。

このなかで、4周目に熱田が先行。しかし成田はラインを見ながらしっかりと熱田をマークし、背後からチャンスをうかがう。そして7周目、成田が再びトップに浮上すると、その後すぐに熱田を突き放すことはできなかったが、少しずつその差を広げ、そのままファーストチェッカーを受けて優勝。今季初となるパーフェクトウインを達成した。これでランキングは4位に浮上。トップの熱田との差は6ポイント縮めて22ポイント差とした。

釘村は好スタートを切り4番手あたりで第1コーナーを回る。しかし続く大坂で順位を落としてしまい、1周目を10番手で終える。その後は順位を上げることはできなかったが、ポジションをキープし10位でフィニッシュした。

COMMENT

成田亮選手談（優勝/優勝：総合1位）

「けがからの復帰第2戦。腕はまだ万全ではないけれど、両ヒート優勝して少しでもポイントを縮めたいという気持ちでレースに臨んだ。第1ヒートの一番のポイントは、熱田選手が転倒したこと。気持ちが楽になったし、非常に難しいコンディションなので走りだけに集中することができ、大きなアドバンテージを築くことができた。後半熱田選手が2番手となり、その姿が見えるようになるとちょっと意識したが最後まで丁寧に走って優勝した。

第2ヒートは熱田選手とのバトルになった。序盤は意図的に熱田選手を前に出してラインを見ていた。すると熱田選手がちょっと疲れているように見えたので、すぐに勝負して前に出た。その後、絶対についてくると思ったが、少しずつ離すことができたので最後までミスをしないよう慎重に走って逃げ切った。この状況での2勝は大きいが、まだ半分が終わっただけだし、22ポイントと言う差が残っている。残りの5戦も集中し、すべてのレースで勝つつもりで戦っていきたい」

鈴木智之 ヤマハ総監督談

「成田選手の体調はまだ100％の状態ではなく、熱田選手も地元でモチベーションが高いなか、とても厳しい戦いになると思っていたが、それを覆して両方のレースで勝利。本当にすごいことだと思う。今回は満点といっても良い戦いだった。しかし今回のレースでは勝ったが、シリーズを全体で眺めれば熱田選手に大きなアドバンテージがある。だからこそこれに満足することなく、残りも全力で戦っていかねばならない。しかし、成田選手は残りをすべて勝つという高い目標をもって次のレースに向けて気持ちを切り替えており、今後も素晴らしい戦いを見せてくれることだろう。我々はそれをしっかりとバックアップして、一致団結してチャンピオンに向かって進んでいきたい」