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世界耐久選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。

Rd.04 9月14-15日 フランス

RACE DATA

■開催日:2024年9月14-15日
■大会名称:世界耐久選手権 第4戦ボルドール24時間耐久レース
■開催地:フランス/ポール・リカール・サーキット(5.673km)

REPORT

YARTが3位でランキング2位、ヤマハはコンストラクターズ・タイトルを獲得

KM99 Yamaha EWC Supported Teamが2位を獲得し、初めての表彰台に上った。EWCの連覇に挑んだYamalube YART Yamaha EWC Official Team(YART)は序盤のバッドラックの影響で3位となり、タイトル防衛を果たすことができなかったが、この日の2チームの活躍により、ヤマハのコンストラクターズ・チャンピオンが決定した。

FIM世界耐久選手権2024シーズン最終戦、第87回ボルドール24時間耐久レースはドラマティックな展開となった。YARTはチャンピオンシップを6ポイント差でリードし、昨年に続くタイトル獲得を目指していたが、2番グリッドからスタート後、ニッコロ・カネパによる第1スティント中にリアタイヤに不具合が発生。予定外の長いピットストップを強いられ、最初のライダー交代の時点で41番手まで後退してしまった。

YARTの3名のライダー(ニッコロ・カネパ、カレル・ハニカ、マービン・フリッツ)はここから懸命に挽回を図り表彰台争いまで戻ってきたが、スタートから14時間経過後、ハニカのライディング中に再びトラブルが発生し、ハニカはコース上でマシンを止めた。

その後ピットに戻ったマシンをメカニックらが修復し、25分後にはコースに復帰したものの、優勝争いやタイトル防衛のチャンスは事実上、消えていた。それでも3名は、もう一度ポジションアップを目指して全力のプッシュを継続。その結果、最終的に合計721ラップを走破し、3位まで挽回してチェッカーを受けた。

これによりチームはシーズンのすべてのレースで表彰台に上ったほか、全4レース中3回のポールポジションなどの活躍で、 ランキングトップに14ポイント差のランキング2位を獲得した。

カネパはこの最終戦を前にレース引退を発表しており、今大会がその輝かしいキャリアの最後の舞台となった。目標に掲げていたEWCでの3度目のタイトル獲得はならなかったが、耐久レース史上、最も成功したイタリア人ライダーであり、EWC史上最高のライダーの一人として歴史に名を残すことになるだろう。

ベルギーに本拠地を置くKM99 Yamaha EWC Supported TeamはJ・ガルノニ、F・マリノ、R・ドピュニエを擁し、EWC参戦わずか2シーズン目で表彰台を獲得した。終始、ミスもトラブルもなく順調に730ラップを走り切り、2位でゴール。シーズンランキングではサテライトチームのトップに輝いた。これまでの最高成績は昨年の第2戦スパ24時間耐久レースの6位だった。

最終戦でYZF-R1を駆る2チームが表彰台に上る活躍を見せたヤマハは、コンストラクターズ・ランキングで2位に30ポイント差をつけてタイトルを獲得。その他のヤマハ勢では、TEAM18 SAPEURS POMPIERS CMS MOTOSTOREが合計720ラップで総合4位と健闘したほか、完走26台のなかに10台のYamaha R1が含まれていた。

RESULT

TEAM RANKING

COMMENT

YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(3位)

N・カネパ選手談

「レース中にトラブルが発生した時点では、表彰台に上れるなどとは夢にも思っていませんでした。最終的に3位を獲得できてハッピーですし、キャリア最後のレースとして素晴らしい結果になったと思います。数年間にわたりサポートしてくれたYARTとヤマハに心から感謝しています。私たちは大きなファミリーのようなもので、チームメイトたちは兄弟です。また今回は家族や友人が私の最後のレースを見に来てくれて、彼らとともに感動を分かち合うことができました。本当にうれしく、特別な大会になりました」

K・ハニカ選手談

「タイトル獲得を願い、チーム全体がそのための準備を整えて十分な力を蓄えていました。それだけに今は、適切な言葉が見つかりません。ここまで本当に素晴らしいシーズンを送ってきました。毎回、表彰台に上りながらタイトルを獲得できなかったことが、このシリーズのレベルの高さを物語っています。でも私はチームを誇りに思っています。昨年、タイトル獲得を達成したあとも、とどまることなくレベルアップを続け、多くのことを改善してきました。当然ながら課題は常に持ち続けており、この冬も休むことはありません。来シーズンはより一層、強くなれるよう、チーム全体でハードワークに取り組んでいきます。ヤマハ、ブリヂストン、素晴らしいチームメイト、そしてチームのひとりひとりに感謝しています。私たち3人のライダーは5年間にわたり、ともにレースを戦ってきました。兄弟のようなものなので、ニッコロ(カネパ)がいなくなるのはとても寂しい気持ちです。世界のトップライダーの一人と、ともに戦えたことを本当にうれしく思っています。彼は多くことを教えてくれました。人間的にも素晴らしく、心から感謝しています。今後の幸せを祈っています」

M・フリッツ選手談

「ランキング2位は望んでいた結果ではありません。私たちはタイトルを防衛し、再びゼッケン1をつけることを計画していましたが、来年は、昨年チャンピオンを決定したときのラッキーナンバー"7"に戻ります。チーム、ヤマハ、ブリヂストン、そして素晴らしいチームメイトに感謝しています。すべてのレースで表彰台に上り、ポールポジションを3回獲得し、ラップレコードを更新し、鈴鹿8耐初表彰台を達成し、スパで2度目の優勝を記録しました。素晴らしいシーズンでした。でも私たちは来年を楽しみにしています。ニッコロがいなくなるのは大きな悲しみです。私たちはファミリーのようなもので、誰も彼の代わりにはなれないでしょう。でも来年もタイトル奪還を目指していきます」

M・カインツ、チーム・マネジャー談

「タイトル獲得を逃したことは残念ですが、ライダーとチームスタッフが一丸となり、序盤のアクシデントからここまで挽回したことを誇りに思っています。耐久レースはしばしば運に左右されることがあります。昨年の今大会は私たちに運が向いてチャンピオンを決めることができましたが、今年はアンラッキーで、タイトルに届きませんでした。ここまで素晴らしいシーズンを送ってきました。表彰台は100%、ポールポジションも4回中3回獲得しており、チャンピオンは逃しましたが十分に誇れる結果です。ニッコロの引退については、私たちがどれほど寂しい思いをしているかを言葉で表すことはできません。ここ数年間ずっとEWCの最速ライダーであり続けたばかりでなく、チームメイトたちに彼の豊富な経験を惜しみなく分け与えてくれました。彼に代わるライダーになるのは簡単なことではありません。それでも私たちは来年もまた、今度はゼッケン7をつけて3度目のタイトル獲得を目指していきます」

KM99 Yamaha EWC Supported Team(2位)

R・ドプニエ選手

「今日のパフォーマンスには満足しています。私たちはこれまでずっと、このような成績を目指し続けてきましたが、最初の2戦は何度かミスが出てしまいました。第3戦鈴鹿以降、ミスがなくなり強くなっていたことに加え、今回は運にも恵まれました。私たちのようなプライベート・チームには運も必要です。その意味でも今日の2位は優勝と同等の意味があり、完璧なレースでした。耐久レースではまだ優勝がなく、念願していましたが、今回はチームメイトやチームスタッフ全員が本当に素晴らしい仕事をしてくれたので満足です」

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