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世界耐久選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。

Rd.04 9月27日 ポルトガル

RACE DATA

■開催日:2020年9月26-27日
■大会名称:世界耐久選手権 エストリル12時間耐久レース
■開催地:ポルトガル/エストリル・サーキット

REPORT

YARTが今季2勝目を獲得、ランキング2位でシーズンを終了

YART Yamaha EWC Official Teamは、カレル・ハニカ、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパの見事なパフォーマンスにより、初開催のエストリル12時間耐久レースで優勝を果たした。ランキングでは今回の優勝でトップに迫ったが2位でシーズンを終えることとなった。

YART Yamaha EWC Official Team、エストリル12時間耐久レースで優勝

YART Yamahaはタイトル決定をかけた今大会をフリッツの走行でスタート。ところが1コーナー進入で小さな技術的問題により最後尾まで後退し、ここから挽回を強いられる難しい展開となった。そのなかでもフリッツは冷静さを維持し、ペースを取り戻すとすぐさまポジションアップを開始して5分後には7番手まで浮上。路面温度の上昇をものともせずさらにラップタイムを短縮しながら、追撃を続けてトップを目指してゆく。リズムをつかんだフリッツは自身のスティント中に4番手まで上がり、さらにF.C.C. TSR Honda Franceをパス。最終コーナーではアウト側を回って1コーナー進入で前に出てからハニカにバトンを渡した。

ハニカもまた、すぐさま前を行くBMW Motorradにプレッシャーをかけていったが、仕掛ける前に同チームが転倒して戦線離脱。労せずしてトップに浮上したあとも、ペースをコントロールしながら順調に周回を重ねていった。2回目の走行では右ステップにテクニカルトラブルが生じるも、少しも慌てることなく、チームに異常を知らせてからピットイン。修復を終えてコースに復帰し、走行開始から4時間を過ぎたところで第3走者のカネパに交代した。

レースが中盤に近づくころにはF.C.C TSR Hondaとの差が1秒となり、トップ争いが熾烈になる。路面温度が43度まで上がる状況でハニカが再びマシンを受け取ると、慎重にタイヤを暖める。残りはちょうど6時間。決してミスは許されない。安全を確認するやペースを上げたハニカは、ピットインの間に一時、先行を許したF.C.C TSR Hondaの後方にぴたりとつけ、第6コーナーでトップを奪還した。

レースの3分の2を終了するころ、徐々にアドバンテージが減少してプレッシャーが増大する。そのなかでフリッツがトップをキープして8時間を終えたことにより、ポールポジションの5ポイントに続き、さらに10ポイントを加算。また、ここで同時に、TEAM MOTO AINがR・ロルフォ、R・ムルハウザー、H・クレアの手によりスーパーストッククラスとなるFIM Endurance World Cupタイトルを決定している。

ハニカの走行中に再び右ステップに問題が発生するも、このときもチームと協力して素早く修復を完了。エストリルのコースに太陽が沈む頃、1分40秒前半をコンスタントに維持して周回を重ねていった。

残り2時間でトップ争いが再燃すると、YARTは経験を生かして最後のピットインで完璧なタイミングを実現。素早く燃料を補給し、残り9分で飛び出したフリッツが、24.5秒差でトップを守り切って優勝を果たした。

この活躍にもかかわらず、世界チャンピオンにはわずかに届かず、超激戦の2019/2020 EWCをSuzuki Endurance Racing Teamに18ポイント差のランキング2位で終えた。

Wojcik Yamaha Teamは終始トップ5をキープし3位を獲得してYARTとともに表彰台に上った。またTEAM MOTO AINも8位と健闘し、World Cupでの優勝と同2019/2020タイトルを獲得。これらの活躍により、ヤマハは合計237ポイントを獲得してコンストラクターズ・ランキング1位に輝いた。

RESULT

TEAM RANKING

COMMENT

YART Yamaha EWC Official Team(優勝)

K・ハニカ選手談

「YARTの第4ライダーとしてシーズンをスタートしましたが、自分を磨き、実力をつけてカネパ選手とフリッツ選手の仲間に入れてもらいました。3戦に出場して2戦で優勝。ルマンも絶好調でしたが、私のミスで表彰台を逃してしまいました。今日はフットステップの問題に苦戦しましたが、こうしてシーズンを優勝で終えることができてとてもうれしいです。ウイーク中、チームは素晴らしい仕事を見せてくれましたし、なかでもフリッツ選手は本当に強かったと思います」

M・フリッツ選手談

「第1セッションからずっと、全力でハードワークに取り組んできました。初めて走るコースだったので、勉強する必要があったのです。難しくはありませんでしたが、身体への負担の大きいコースでした。決勝ではタイヤが予想以上によく機能してくれて、ブリヂストンに感謝です。チームの仕事もまたとても素晴らしく、小さな問題はあったものの誰ひとりミスをせず、皆が非常にコンスタントに、他チームより速いペースを維持して走ることができました。私の最終走行では、TSRとのギャップを広げるために必死のプッシュ。そして最後にこうして勝つことができたのです。優勝でシーズンを終えるのはうれしいことで、このあとは幸せをかみしめながら長いオフを過ごします。チーム、スポンサー、ヤマハ、ブリヂストンの、今シーズンのすべてのハードワークに心から感謝します。来シーズンが待ちきれない気持ちです」

N・カネパ選手談

「楽なレースではありませんでしたが、どうしても勝たなければならないレースでもありました。シーズン最終戦をこのような素晴らしいパフォーマンスで終えてからオフに入ることは、とても重要だと思います」

M・カインツ、チーム・マネジャー談

「紙の上の記録を見れば明らかでした。今日ほどの強さはこれまでに経験したことがありません。そしてフリープラクティス、ナイトプラクティス、予選、ウォームアップ、すべてでトップに立っていましたが、決勝は決して楽ではありませんでした。レース中は良いことばかりでなく、バッドラックもいくつかあり、予測のつかない耐久レースの難しさを実感することになりました。それでも最後には目標を達成し、最大ポイントを獲得してタイトルに近づき、チームと新型R1とブリヂストンタイヤのポテンシャルを改めて証明することができたのです。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。全セッションでトップに立ち、すべてが完璧でした。ライバルとの闘いは厳しいものでしたが、最後にトップに立つことができました!」

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