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アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.02 5月27-29日 マレーシア

RACE DATA

■大会名称:2022年 アジアロードレース選手権 第2戦マレーシア
■カテゴリ:ASB1000、SS600、AP250
■会場:セパン・インターナショナル・サーキット(5.548km)

【レース1】
■開催日:2022年5月28日(土)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:12周
■PP: #27 Kasma Daniel Kasmayudin (2:05.205/Yamaha)
■FL: #27 Kasma Daniel Kasmayudin (2:07.497/Yamaha)

SS600クラス
■周回数:10周
■PP: #27Andi Farid Izdihar(2:09.347/Honda)
■FL: #66 Md Ibrahim Md Norrodin(2:09.779/Yamaha)

AP250クラス
■周回数:8周
■PP: #108 Andy Muhammad Fadly(2:25.508/Kawasaki)
■FL: #108 : Rheza Danica Ahrens(2:25.933/Honda)

【レース2】
■開催日:2022年5月29日(日)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:12周
■PP: #27カスマ・ダニエル・カスマユディン (2:05.205/Yamaha)
■FL: #27カスマ・ダニエル・カスマユディン (2:07.485/Yamaha)

SS600クラス
■周回数:10周
■PP: #27Andi Farid Izdihar(2:09.347/Honda)
■FL: #66 Md Ibrahim Md Norrodin(2:09.965/Yamaha)

AP250クラス
■周回数:8周
■PP: #108 Andy Muhammad Fadly(2:25.508/Kawasaki)
■FL: #21 Md. Adenanta Putra (2:26.450/Honda)

REPORT

ASB1000

Race 1:ASB1000ルーキーのカスマがホームレースで初優勝

開幕戦のタイラウンドから2ヵ月、マレーシアラウンドが5月27日からスタートした。事前テストをへて今大会に乗り込んだYAMAHA RACING TEAM ASEAN、その成果がフリープラクティスから発揮され、予選ではホームレースとなる#27カスマ・ダニエル・カスマユディンがポールポジション、#76伊藤勇樹も6番手と、決勝に向けて好位置を確保してレース1を迎えた。

そのレースで好スタートを切ったのが、Yamaha Thailand Racing Teamの#500アヌパブ・サームーン。ポールポジションのカスマは4番手でスタート、5番手にはアヌパブのチームメイトである#24アピワット・ウォンタナノン、さらに6番手には伊藤が続き、ヤマハ勢4人が3-6番手に連なりトップ争いに加わった。

この中で序盤から積極的な走りを見せたのがカスマと伊藤。それぞれがYamaha Thailand Racing Teamの2人を捉えカスマが3番手、伊藤が4番手に浮上しトップ2を追うが、伊藤は転倒などのアクシデントが重なりリタイアとなってしまう。

これでトップ争いは、#73 Haruki Noguchi(ホンダ)、#21 Md Zaqhwan Zaidi(ホンダ)がワンツー体制を築き、これをカスマを先頭に、アピワット、アヌパブの3人が僅差で追う展開となる。レースが動いたのは残り6周となったところ。カスマがZaqhwanをかわして2番手に上がると、そのままトップにも接近して逆転しトップに立つ。このカスマに引っ張られるようにアピワットが3番手、さらに残り2周となったところでNoguchiを捉え2番手とし最終ラップに突入する。

トップのカスマは後方との差を確実に拡大しており、約1.5秒差を築いてラストラップに入るとライバルを寄せ付けることなく、自身初となるASB1000での優勝を飾った。2位争いは最終ラップまでもつれ込み、最終コーナーでアピワットがかわされ3位、アヌパブは5位となった。

Race 2:カスマ、アピワット、アヌパブが4-6位、伊藤は9位でフィニッシュ

#24アピワット・ウォンタナノンが好スタートから2番手、#500アヌパブ・サームーンが5番手、レース1で優勝した#27カスマ・ダニエル ・カスマユディンは、スタートで遅れ6番手、#76伊藤勇樹は9番手で1周目を終えた。

トップ争いは、2周目を終えて6台に絞られ、アピワット、アヌパブ、カスマが3~6番手とし、2周目を終える頃にはアピワットが3番手、カスマは4番手とし、さらにカスマは4周目にアピワットをかわして3番手に浮上してトップを追走。また、伊藤は6台から離れ第2グループにつけたが3周を終えて10番手に順位を落とした。

レース中盤、残り6周となったところでトップの#73 Haruki Noguchi(ホンダ)が後方に1.8秒差をつけて逃げの体制を作ると、後方では5台が2位争いを展開。この間もトップとの差は拡大し、残り3周で2番手につける#21Md Zaqhwan Zaidi(ホンダ)との差は3秒まで拡大してしまう。

その後、2位争いはカスマが何度もZaqhwanにアタックするも順位に変動はなかったが、残り3周になったところでレースが動き出し順位がシャッフル。ヤマハ勢はポジションを落としカスマが4番手、アピワットが5番手、アヌパブは6番手でファイナルラップに突入する。

カスマは、ここでもアタックを仕掛け一時は3番手に浮上するが、最終コーナーで逆転を許し4位。アピワットとアヌパブも順位は変わらず5・6位、伊藤は10番手から一つ順位を上げて9位でチェッカーを受けた。

SS600

Race 1:ノルディンが優勝、ガランは8位、ラタポンは9位

Yamaha Thailand Racing Teamの#56 ラタポン・ウィライローが予選6番手・2列目からスタート。1周目から激しいバトルの中でポジションをキープし、6番手で1周目を終える。YAMAHA Racing Indonesiaの#55 ガラン・ヘンドラ・プラタマは9番手で1周目を終えた。

混戦のまま2周目に入り、ここから追い上げたいラタポンだったが、2周目に入りガランの前、8番手まで順位を落としてしまう。その後は2人が僅差でレースを進めたが、ペースが上がらないラタポンをガランが捉えて8番手とする。

ガランとラタポンが苦戦する中、ホームレースとなったYZF-R6を駆る#66イブラヒム・ノルディン(SIC Racing)が健闘。トップグループでレースを進め、ラスト3周ではトップを奪うなど優勝争いを展開。そしてラスト2周で2番手をキープすると、最終ラップの1コーナーでトップに再浮上。そのままYZF-R6をプッシュしてライバルのアタックを許さず0.5秒のリードを築いてファーストチェッカーを受けた。

一方のガランは7番手を追撃。当初は約3秒の差があったが、少しずつその差を詰め始めると、ラストアップにはコンマ2秒差に迫ったが、100分の4秒届かず8位。ラタポンはこれに続き9位でゴールした。ガランのチームメイトの#36 ムハマッド・ファエロズィはDNSとなった。

Race 2:ガランが今季最高の5位入賞

スタートは#56ラタポン・ウィライローが5番手、#55ガラン・ヘンドラ・プラタマが8番手。レース1で優勝した#66イブラヒム・ノルディンは、スタート直後の第1コーナーでライバルの転倒の影響を受け1周目を9番手で終えた。

ラタポンは序盤、トップ4のペースについていくことができず徐々に離される。これに対してイブラヒムは2周目を終え6番手、トップに3.2秒差に挽回。さらにラタポンとの1.5秒差をひっくり返して5番手に浮上する。またガランは序盤で10番手にポジションを落としてしまう。

ラタポンはその後もペースが上がらず、イブラヒムに離され6番手を単独走行していたが5周目に転倒。再スタートするも、11番手まで後退してしまう。イブラヒムは徐々にトップグループに接近し、4周目を終えたところでトップに2.2秒差、さらに5周目の最終コーナーで4番手に上がり、トップに対し1秒差まで迫る。さらに6周目には3番手としたが、同周に転倒しトップ争いから脱落してしまった。

10番手を走行していたガランは、後半に入り猛追を開始して8番手とすると、イブラヒムの転倒など、ラスト3周となったところで6番手へ。さらにラスト2周で5番手に浮上すると、最終ラップもポジションを守り、今季最高となる5位。イブラヒムは6位まで挽回、ラタポンは11位でレースを終えた。

AP250

Race 1:YAMAHA Racing Indonesiaのアンギーが今季最高の5位入賞

予選3番手と好調な#96アンギー・スティアワンが好スタート。第1コーナーでポジションを上げ2番手で走行し、3番手で2周目に入る。チームメイトの#57アルディー・スティア・マヒンドラは予選12番手だったが、こちらも好スタートで7番手としたが、トップグループからは若干遅れ、2周目を終えてトップに約2.8秒差と離されてしまう。

2周目を終えてアンギーは1.2秒差の3番手につけていたが、3周目に4番手に後退。それでもトップからは1.5秒差につけ4周目に突入したが、この周にトップ3から離され単独4番手となる。さらに後方のライバルに接近を許し、残り3周となったところで5番手となったが、ここからライバルとの接近戦を展開。離されることなく終盤に入り一時は逆転して4番手としたが、最終ラップに逆転を許し、最終コーナーで勝負を仕掛けるも及ばず5位でチェッカーを受けた。

アルディーはレース後半に入り、アンギーの後方6番手に上がり単独でレースを進め6位でチェッカーを受けた。

Race 2:アルディーが表彰台に僅かに届かず4位

#57 アルディー・スティア・マヒンドラが12番グリッドから好スタートをきり1周目を4番手。一方、2番グリッドからスタートした#96アンギー・スティアワンはポジションをダウンし、6番手で2周目に入った。

トップグループは序盤から激しいバトルを展開。アルディー、アンギーもこの中で離されることなく留まり、3周を終えて、アンギーが6番手、一方のアルディーは番手。2人は4周目に入り5・6番手に浮上。5周目にはアルディーがチームメイトを逆転し、二人でトップを目指した。しかし6周目にアンギーが転倒でリタイアすると、アルディーも6番手に後退してしまう。

それでもアルディーはトップに1.4秒差の6番手でラストラップに突入。最後まで諦めることなくYZF-R25をプッシュし、迎えた最終コーナーでインをついて数台をパスすると、3位の可能性を残しチェッカーまでのストレートでマシンをプッシュしたが僅かに届かず、4位でフィニッシュとなった。

UB150

Race 1:エイプリルがトップグループで争うも10位フィニッシュ

Uma Racing MMR Yamaha Philippine Racing TeamからSNIPER 150で参戦する#43 エイプリル・キング・マスカルドが大混戦の1周目、トップ10にポジションを確保しレースをスタートした。

序盤でおよそ15台にトップグループが絞られ、UB150の最大の特徴でもある激しい攻防が繰り広げられた。その後は転倒などもありトップグループの順位はシャッフルが続き、エイプリルもトップ10から脱落してしまうが、トップグループにはとどまり我慢強い走りで周回を重ねた。

そしてファイナルラップを10番手で迎えたエイプリルだったが、混戦の中で順位を上げることができず10位でフィニッシュとなった。チームメイトの#124 ジアン・カルロ・マウリシオは、レース序盤でリタイアとなった。

Race 2:エイプリルが8位、ジアンは2レースもリタイア

#43エイプリル・キング・マスカルドが1周目を終えて2番手、#124ジアン・カルロ・マウリシオが9番手と、それぞれトップグループにつけて2周目に入る。

しかし、UB150はコーナー毎に順位が入れ変わることから、3周目に入るとエイプリルは11番手、ジアンはトップグループの最後尾、15番手にポジションを落とす。その中でエイプリルは混戦をくぐり抜けてトップで4周目に突入。残り3周を有利な位置で進めていった。

終盤に入るとレースは一段と激しさを増していったが、その中でジアンが転倒しリタイア。エイプリルは集団の中で上下を繰り返しながらも、4番手でファイナルラップに突入したが、 最終コーナーで上位集団にマルチクラッシュが発生。エイプリルはこのアクシデントに直接巻き込まれることはなかったが、その影響を受けて8位でフィニッシュとなった。

次回の第3戦の舞台は日本。約2ヵ月半後の8月12-14日、ヤマハのホームコースとなるスポーツランドで初めて開催される。

ASB1000 RESULT Race.1

ASB1000 RESULT Race.2

ASB1000 RIDERS RANKING

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

レース1

YAMAHA RACING TEAM ASEAN

#27 カスマ・ダニエル ・カスマユディン(優勝)

「初めてのASB1000優勝。本当に嬉しいです。チーム、そしてサポートしてくれた皆さんに感謝します。特に、バイクをパーフェクトにセットアップできたのはメカニックのハードワークのおかげです。好スタートの後、トップグループに走行し、自分のペースもコンスタントで、グループのラップタイムもそんなに速くなかったので、グリップのあるうちに仕掛けようと決めました。ザクワン選手をコーナーでインを突いてかわし、野口選手も良い走りをしていたのですが、タイヤが厳しいことがわかったのですぐに仕掛けました。チームのおかげでバイクの状態も良く自信を持っているので、レース2も同じように優勝したいと思います」

#76 伊藤勇樹選手談(DNF)

「スタートで順位を11番手ぐらいまでポジションを落としましたが、1~2コーナーで6番手まで挽回し、トップを見ながら追走していました。その後、5番手走行中にブレーキトラブルが発生しワイドにコーナーを回ることとなり順位を落とし、さらに4コーナーで転倒。再スタートしたものの、転倒の影響でトラブルがありコースアウトしてしてリタイア。残念ですが、序盤のレース展開は良かったので自信は失っていません。レース2は改めて表彰台を目指します。」

Sean Wong Hong Siong監督談

「カスマ選手が優勝という良いリザルトを獲得できましたが、レース2に向け全力を注ぎ続けます。特に伊藤選手には良いセットアップを提供できればと思いますし、2人が良い順位を獲得、つまり表彰台を目指します」

レース 2

YAMAHA RACING TEAM ASEAN

#27 カスマ・ダニエル ・カスマユディン(4位)

「ゴールまで帰ってくることが大事だと考えましたが、ホームレースということもあり表彰台に上がれなかったことが悔やまレます。トップが離れていくのが分かりプッシュしたのですが、集団でのバトルから抜け出せず、追い上げることができませんでした。スポーツランドSUGOは走ったことがないので、まずはしっかりと準備に励みます」

#76 伊藤勇樹選手談(9位)

「レース1でのクラッシュもあり、セットを大きく見直したのですが、残念なことに機能せずフロントに不安を抱えながらのレースとなりました。前のライダーについていくのがやっとで、プッシュしたところでオーバーラン。現状でのベストを尽くすことに集中し1台をかわすことができました。金曜のセッションが良かっただけに悔やまれます。スポーツランドSUGOではウィークの組み立てをしっかり考え、チームワークで勝利したいと思います」

Sean Wong Hong Siong監督談

「レース2は少々残念な結果となりました。カスマ選手はスタートが決まらず8番手から一時は3番手まで追い上げ、ベストを尽くしてくれました。伊藤選手は6番手から後退する、厳しいレースでした。次回のスポーツランドSUGOは、チームにとって新しいチャレンジにです。しっかり準備してベストを尽くします」

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