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アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.01 3月25-27日 タイ

RACE DATA

■大会名称:アジアロードレース選手権 第1戦タイ
■カテゴリ:ASB1000、SS600、AP250
■会場:チャーン・インターナショナル・サーキット(4.554km)

【レース1】
■開催日:2022年3月26日(土)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:13周
■PP: #21 Md Zaqhwan Zaidi (1:35.358/Honda)
■FL: #21 Md Zaqhwan Zaidi (1:36.612/Honda)

SS600クラス
■周回数:12周
■PP: #27 Andi Farid Izdihar (1:38.665/Honda)
■FL: #32 Md Helmi Azman (1:39.493/Honda)

AP250クラス
■周回数:10周
■PP: #188 Piyawat Patoomyos (1:52.827/Honda)
■FL: #108 : Andy Muhammad Fadly (1:53.123/Kawasaki)

【レース2】
■開催日:2022年3月27日(日)
■コースコンディション:ドライ

ASB1000クラス
■周回数:13周
■PP: #21 Md Zaqhwan Zaidi (1:35.358/Honda)
■FL: #500 アヌパブ・サームーン (1:36.045/Yamaha)

SS600クラス
■周回数:12周
■PP: #27 Andi Farid Izdihar (1:38.665/Honda)
■FL: #27 Andi Farid Izdihar (1:39.105/Honda)

AP250クラス
■周回数:10周
■PP: #188 Piyawat Patoomyos (1:52.827/Honda)
■FL: #37 Aiki Iyoshi (1:53.448/Kawasaki)

REPORT

ASB1000

Race 1:アヌパブが2位表彰台、アピワットが4位、カスマは6位

2020年の開幕戦以来、約2年ぶりにARRCがタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開幕した。最高峰クラスとなるASB1000には、ヤマハにとって初となるチャンピオンを目指し、YAMAHA Racing Team ASEANから#76 伊藤勇樹と#27 カスマ・ダニエル ・カスマユディンが、Yamaha Thailand Racing Teamからは、#500 アヌパブ・サームーンと#24 アピワット・ウォンタナノンが参戦した。

2022年のオープニングレースとなったレース1、Yamaha Thailand Racing Teamのアヌパブが3番手と好スタートから1周目を4番手。チームメイトのアピワットがこれに続き4番手から、2番手として1周目を終える。一方のYAMAHA Racing Team ASEANのカスマは9番手、伊藤は1周目に他車の転倒の影響で大きく遅れ11番手で1周目を終えた。

この中でYamaha Thailand Racing Teamの2人が好調な走りを披露した。アピワット、アヌパブがトップ4につけると、中盤までトップグループにとどまり、レース後半を迎える。

残り4周となったところでアヌパブは3番手にとどまったが、アピワットが5番手に後退。これで表彰台争いは3人に絞られ、アヌパプは残り3周となったところでトップにコンマ5秒差、さらにトップ2がバトルを繰り広げたことで、さらに接近し勝利を目指してマシンをプッシュした。そしてラストラップの最終コーナーを3番手で迎えたが、バランスを崩したライバルを一人かわし初戦を2位。アピワットは4位と、チャンピオンに向け幸先の良いスタートを切った。

一方、ASB1000ルーキーであるカスマは、一列に長く続く隊列の最後尾となる9番手で序盤を進め、中盤に入るとトップから約5秒離されるも8番手。ラスト3周となったところで上位陣の後退により7番手とすると、さらに最終ラップに1つ順位を上げて6位で、初となる最高峰クラスのレースを終えた。また1周目に大きく遅れてしまった伊藤だったが、最後まで走りきり10位でチェッカーを受けた。

Race 2:アピワットが今季初優勝、アヌパブが3位表彰台

開幕戦、最後のレースはYamaha Thailand Racing Teamの2人が激しいトップ争いを見せた。スタートではアピワットが3番手、アヌパブが5番手。YAMAHA Racing Team ASEANのカスマは9番手、伊藤は11番手につけた。2周目に入ると、アピワットが1コーナーでインを突いて2番手に上がり、アヌパブも3周目に4番手に浮上すると、レース1同様、トップ4台が後方を徐々に引き離していった。

そのトップ争いでは、アピワットが3周目の最終コーナーでトップに立つが、中盤に入って逆転を許し、さらに7周目の最終コーナーで痛恨のオーバーランにより5番手に。これでトップグループから離れたが、すぐに4番手に挽回し上位陣を追いかけた。一方、3番手に上がったアヌパブは、終盤に向け後方からライバルたちにプレッシャーをかけ続けた。

そして残り2周となったところで、アピワットがトップグループに接近、再び4台が僅差でラストラップに突入。その直後の1コーナーで#21 Md Zaqhwan Zaidi(ホンダ)がミスにより後退すると、アピワットが2番手、アヌパブが3番手となる。その後も激しく順位を入れ替えると、アヌパブがトップで最終コーナーへ入ったが、#73 Haruki Noguchi(ホンダ)にインを突かれ2人でオーバーラン。この間にアピワットがトップを奪い、追いすがるZaqhwanを抑えて今季初優勝。アヌパブはすぐにコースに戻り4位となったが、Noguchiのトラックリミット超過によるペナルティーで順位が繰り上がって3位となり、連続表彰台を獲得した。

カスマは、第2グループの最後尾・10番手からポジションアップを狙い続けたが、後半に入ったところでトラブルが発生しリタイア。伊藤は、序盤からペースが上がらず11番手で走行を続け、チームメイトのリタイアで順位を一つ上げ10位でチェッカーを受けた。

SS600

Race 1:YAMAHA Racing Indonesiaのガランがヤマハ最上位の6位入賞

予選3番手、フロントローに並んだYamaha Thailand Racing Teamの#56 ラタポン・ウィライローが好スタートから3番手でレースをスタート。スーパースポーツ世界選手権からARRCに復帰したYAMAHA Racing Indonesiaの#55 ガラン・ヘンドラ・プラタマは9番手3列目から6番手で第1コーナーを通過。チームメイトの#36 ムハマッド・ファエロズィは10番手4列目からスタートしたが、残念ながら第1コーナー直後に転倒という不運でリタイアとなった。

レースは序盤に、ラタポンを含め4台が抜け出しトップグループを形成。3台のホンダライダーの中で一時4番手に後退したが、残り7周となったところで3番手につけて表彰台争いを展開した。

中盤に入ると後方から1台が加わり、トップグループは5台となったが、残り4周、4番手走行中にラタポンのマシンが白煙を上げてスローダウン。2018年に続き、2度目のSS600のチャンピオンを目指していたラタポンにとって、大きな痛手となるリタイアとなった。

第2グループに位置していたガランは、グループ自体がバラけるなか、上位陣のペースについていくことができず8番手で周回を重ねていたが、ラタポンのリタイアで7番手とすると、最終ラップに上位陣の転倒があったため、最後はヤマハ勢で最上位となる6位でチェッカーを受けた。

Race 2:ラタポンが6位

レースは、昨日のレース中にトラブルが発生し、苦渋を飲んだラタポンが4番手、ガランが10番手、ファエロズィは11番手で1周目を終える。トップグループは序盤からハイペースでトップ3が抜け、このグループを約1秒差でラタポンが追い、徐々に3番手のライバルに接近していった。しかしトップ2のペースが依然として速く、周回を重ねるごとにその差が拡大していった。

ところが残り7周となったところで、トップを独走していたライバルが転倒。これでラタポンは3番手に浮上したが、トップを追う6台の第2グループでのバトルで6番手にポジションを落としてしまう。さらにラスト3周となったところで7番手となったラタポンは、最終ラップまで諦めることなくマシンをプッシュ。ラストラップに1つ順位を上げ、表彰台には届かなかったものの、6位でチェッカーを受けた。

ガランは3周を終え9番手に浮上し第2グループの最後尾で上位陣を追走。その後、トップの転倒で8番手とすると、ラストラップには7番手に追いついたが、最後まで順位を上げることはできず8位でフィニッシュとなった。またファエロズィは11番手から順位を上げ、チームメイトの後方でレースを進め9位でチェッカーとなった。

AP250

Race 1:YAMAHA Racing Indonesiaのアンギーが6位入賞

1コーナー、YAMAHA Racing IndonesiaからYZF-R25を駆り出場する#57 アルディー・スティア・マヒンドラと#96 アンギー・スティアワンは8・9番手でレースをスタート。そのままトップグループにとどまり、アルディーが7番手、アンギーは9番手で1周目を終える。その後も9台からなるトップグループの速いペースに食らいつき、グループの後方ながら約2秒差で周回を重ねていった。

レース中盤に入っても、アルディーは7番手をキープ。アンギーは一時、トップグループから離れるが、後半に入り巻き返してトップグループに追いつくと、予選3番手の#222 Reynaldo C. Ratukoreも含め3台YZF-R25がトップループで終盤を迎えた。

そして迎えたラストラップ、アンギーが8番手、アルディーは9番手だったが、波乱が待ち受ける最終ラップの最終コーナーで、3台が絡むマルチクラッシュが発生。これでアンギーがポジションを上げて6位となったが、アルディーはこのクラッシュに巻き込まれて12位でチェッカーとなった。なお、ヤマハ勢トップはRatukoreの5位だった。

Race 2:アルディーが表彰台に迫る4位を獲得

マヒンドラが好スタートから6番手でスタートし、1周目を終えて7番手、アンギーはトップ10は逃すもトップグループのペースに食らいつき10番手で1周目を終えた。

その後、アルディーは積極的な走りで2周目に5番手に浮上。一方のアンギーはトップグループに離されかけたが、粘りの走りで10台による表彰台を争いにとどまった。 中盤に入り2人は、トップの約1.5秒差の9・10番手となるが、終盤での逆転を目指し食らいついていった。

そして残り3周となったところでアルディーは7番手、アンギーは8番手とし、表彰台に向けてマシンをプッシュしていくが、混戦の中で思うように順位を上げることができない。それでもラストラップにはアルディーが6番手、アンギーは7番手で突入。そして最終コーナー、アルディーがレイトブレーキングと巧なラインどりでポジションをあげ、昨日を上回る4位でフィニッシュ。アンギーは順位を上げきれず、9位でゴールとなった。

UB150

Race 1:ジアンが9位でフィニッシュ

UB150には、Uma Racing MMR Yamaha Philippine Racing Teamから#43 エイプリル・キング・マスカルドと#124 ジアン・カルロ・マウリシオがSniper150で参戦した。

レースは中盤まで15台程度がトップグループを形成する混戦模様。この中に2人も残っていたが、残り3周を間近にしながらジアンがトラブルでリタイア。そしてエイプリルはトップグループにとどまり、最終ラップの最終コーナーを迎えたが、目の前でライバルが転倒。このためスローダウンを余儀なくされ、最終的には9位でフィニッシュとなった。

また、2022年のオープニンレースを制したのは、ヤマハY15 ZR を駆る#60 Wahyu Aji Trilaksana だった。

Race 2:エイプリルが6位を獲得、Amranが優勝

ほぼ全車がトップグループを形成するUB150。1周目は、エイプリルが6番手、ジアンが7番手で終える。その後は、ラップごとに目まぐるしく順位が入れ替わったが、序盤はエイプリル、ジアンともにトップ10圏内をキープしていたものの、中盤に入るとポジションを落とし集団の後方で後半を迎えることとなった。

終盤に入ると、ヤマハユーザーの#50 Ahmad Afif Amranが抜け出してトップを独走。その後方に全ライダーが続き、エイプリルは6番手、ジアンの後方17番手で最終ラップへ。そしてAmranがそのまま独走して優勝、一方、勝負の最終コーナーを迎えた2人だったが、順位を上げることができず、エイプリルが6位、ジアンは17位でレースを終えた。

ASB1000 RESULT Race.1

ASB1000 RESULT Race.2

ASB1000 RIDERS RANKING

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA RACING TEAM ASEAN

#27 カスマ・ダニエル・カスマユディン(6位/DNF)

「レース1では良いフィーリングをつかんでいて、ベストスタートを切ったものの、ライバルのスタートも良く7番手から9番手に下がってしまった。リカバリーするため徐々にプッシュし、良いペースで走ることができ6位を獲得。ASB1000での初レースでこの順位を獲得できたのは、とても良かったと思います。支えてくれたチームに感謝しかありません。レース2は、レース1より上を目指しましたが、一時は最下位に落ちてしましました。その後、自分を信じてプッシュし、8位に挽回したところでトラブルが発生してしまいました。物事には幸不運はあると思いますが、良い経験を積むことができました。次回はもっと良いポジションからスタートして、上位で終えられるようバイクも自分自身もプッシュしていきます」

#76 伊藤勇樹選手談(10位/10位)

「レースウィークを通じてトラブルが続き、良い流れをつかめませんでした。予選では初めての最後尾で、レース1では転倒した車両が背中に接触。骨折こそありませんでしたが、背中とともに、首、腰を打撲しました。しかし、ダメージは大きくレース2ではプッシュしたものの、2周で限界に達してしまいました。しかし最後まで走り切りポイントを取ることができ、また次回のために貴重な走行データを得られたことはよかったです。ネガティブな部分が何かをしっかり把握できたので次戦マレーシアに向け改善を続けます」

Sean Wong Hong Siong監督談

「アンラッキーなことが2日間、続いてしまいました。セッティングに苦労したり、カスマ選手のトラブルなどもありました。問題なくレースができるよう、次戦セパンまでにテストをしっかり行い、またチームワークも改善したいと思います。セパンは私たちにとってはホームレースであり、相性の良いサーキットでもあります。十分な準備でポディウムを狙っていきます」

YAMAHA Thailand Racing Team

#24 アピワット・ウォンタナノン選手(4位/優勝)

「今日のレース2は好スタートから良いポジションを奪いレース展開できました。しかし、日本人ライダーを追いましたが、シフトダウンが上手くいかずコースアウトして順位を下げてしまいましたが、諦めずにプッシュを続けました。残り2ラップでトップグループに追いつくことができて、ラストラップで先行する2台がオーバーランしたため、ポジションを上げることができました。車体のセッティングは前日から改善されており、このフィーリングをメカニックと共有しつつ次戦に臨みます」

#500 アヌパブ・サームーン(2位/3位)

「ARRCが2年間行われていませんでしたが、その間、タイの国内のレースに出場しており、ダンロップではなくブリヂストンタイヤで出場していたことから切り替えが難しかったり、サスペンションのセッティングも苦労しました。さらに予選でメカニカルトラブルがあったので、決勝での自信は90%くらい。それでも表彰台を獲得できてとても嬉しく思います。レース2はとても難しいレースでしたが、ラストコーナーで進路をふさがれ4位となりましたが、ライバルがペナルティを科せられ3位となりました。チームメイトと2人でポディウムに上がることができとても嬉しく思います。セパンはヤマハと相性が良いので自信はあるので、さらに上を目指します」

Weerapong Thanakijjanont監督談

「SS600はタイのチャンピオンシップを戦ったエンジンをメンテナンスしながら使用していたが、トラブルが発生し悔やまれます。ラタポン選手は非常に安定し競争力もありましたので、次戦では新しいエンジンを投入して臨みます。ASB1000は2台のバイクを走らせていますが、ライダーに合わせたセッティングが進み、プラクティス、予選を通じて良いリザルトを得ることができました。さらにレース2ではダブルポディウムを獲得できましたが、ライダーのみならず、ライダーとメカニックの良いコミュニケーションやレース戦略など、チーム全体が機能したことが功を奏したと考えています」

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