AMAモトクロス
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Rd.11 8月26日 アイアンマン
SUMMARY
Monster Energy Yamaha Star Racingのディラン・フェランディスがアイアンマン・ナショナルのMoto1で3位、Moto2では序盤のクラッシュで完走できず、総合11位となったが、2023年AMAプロモトクロスの450MXで、ランキング2位を獲得した。
250MXでは、ヘイデン・ディーガンが2位/3位で総合2位に入り、再び表彰台に立った。ポイントランキングでは4位としたディーガンは、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの栄誉を受けた。ジャスティン・クーパーはMoto2で2位に入り総合4位(13位/2位)となりランキング2位を獲得。スタイルズ・ロバートソンは12位/11位のトップ10入りを遂げた。ディクソン・べニックは12位(20位/7位)、リーバイ・キッチンは15位(7位/37位)となった。
RACE DATA
2023 AMAモトクロス選手権 第11戦アイアンマン
開催日:2023年8月26日(土)
開催地:インディアナ州クロフォーズビル
会場:アイアンマン・レースウェイ
REPORT
450MX
フェランディスが年間ランキング2位でシーズンを終了
前週から続く体調不良がまだ100%回復していないにもかかわらず、フェランディスは予選で力走して3番手を獲得。Moto1では思うようにゲートから飛び出すことができず、中団に飲み込まれてしまうが、猛チャージを見せて9番手まで順位を上げてオープニングラップを終える。高温、多湿の厳しいコンディションの中、フェランディスはプッシュし続け、速いペースを維持。レースの折り返し点を数ラップ過ぎたところで3番手まで上がると、そのままフィニッシュした。
続くMoto2ではホールショットを奪ったフェランディスだったが、残念ながら第3ターンでクラッシュ。そこでレースを終えることになった。総合11位でこの日のレースを終えたフェランディスは、AMAプロモトクロス選手権の最上級クラスで年間ランキング2位。2021年の450MXチャンピオンにとっては充実したシーズンとなった。スーパークロスシリーズの大部分を負傷欠場したにもかかわらず、フェランディスは16回の表彰台を獲得し、シーズン最終戦ではスーパーモトクロス世界選手権総合ポイントランキングでトップ5入りするに十分なポイントを獲得した。
Monster Energy Yamaha Star Racingは9月9日にノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイにあるzMaxドラッグウェイで開催される初のスーパーモトクロス・プレーオフ・レースおよびスーパーモトクロス世界選手権第29戦となる。
250MX
ヘイデンとクーパーがアイアンマンで表彰台に復帰
ディーガンはアイアンマン・レースウェイですぐに速さを見せ、予選で2番手に入る。Moto1のゲートが下りると、ディーガンは好スタートを決め、1周目を終えて5番手で戻って来た。集中したライディングで追い上げて2番手に上がるとその順位のままフィニッシュした。
Moto2でディーガンはスタート直後に7番手につけると、3番手まで順位を上げてチェッカーフラッグを受け、シーズン9回目の表彰台を獲得すると共に総合2位に入った。17歳のディーガンはデビューイヤーをランキング4位で終え、スーパーモトクロス選手権総合ポイントでは2位でプレーオフに臨む。ディーガンはその成績によりルーキー・オブ・ザ・イヤーの栄誉も受けた。
チームメイトのクーパーもこの日の走り出しは良く、予選を4番手で終える。Moto1では残念ながらスタート直後の多重クラッシュに巻き込まれ、1周目を31番手で終えることになった。ひるむことなく集団の中を果敢に追い上げ13位でフィニッシュラインを通過した。
続くMoto2では不利なゲートピックにも関わらず好スタートを見せて6番手につける。速いペースで力走するクーパーは2番手まで上がるが、トップを追撃するには余りにも時間をロスし過ぎていた。この結果、13位/2位、総合4位とし、シーズンでは399ポイントを獲得してランキング2位、250SMXランキングでは7位となった。
負傷欠場から復帰3戦目のロバートソンは予選を10番手で終えた。Moto1では好スタートを見せて6番手につけるが、その後シャッフルされて12番手まで後退しフィニッシュ。Moto2でも好スタートを決めたロバートソンだったが、不運にも前を行くライダーが転倒したため、1周目を終えて20番手で戻って来た。プッシュを続けたロバートソンは11番手まで挽回してフィニッシュし、総合10位となった。
べニックはプロランクのレースへの移行期にあるが、強さを示し続けている。17歳は予選を14番手で終えるが、Moto1ではスタート直後のクラッシュに巻き込まれ、最後尾まで後退してしまう。そこから20番手まで追い上げたところでレースを終えた。シーズン最後となるMoto2では理想的とはいえないゲートピックながら素晴らしいスタートを決めて11番手につける。速いペースで力走するべニックは7番手まで順位を上げてフィニッシュし、総合12位でこの日のレースを終えた。
キッチンは走り出しから全力で、最初のセッションで最速ラップタイムを記録し、初めて予選1位となった。残念ながらMoto1ではスタート直後の混乱により24番手まで後退してしまう。キッチンはその後、猛チャージを見せて7番手まで順位を上げてフィニッシュを通過した。Moto2では好スタートを見せて2番手につける。表彰台を巡りバトルを展開するキッチンは、トップのライダーも射程内に収めるがクラッシュを喫し、リタイアを余儀なくされた。キッチンは今年の250MXポイントランキングを5位で終え、250SMX総合ポイントでは3位につけている。
Monster Energy Yamaha Star Racingチーム、次戦は9月9日にノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイにあるzMaxドラッグウェイで開催される初のスーパーモトクロス・プレーオフ・レースおよびスーパーモトクロス世界選手権第29戦となる。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
ディラン・フェランディス選手談(3位/DNF:総合11位)
「先週からの体調不良の影響で、まだベストの状態ではなかったのですが、持てるすべてを出し切りましたし、バイクに乗っている時は良い感触でした。これが一番重要なことです。最初のモトでは体力的に少しキツかったのですが、スタートが悪かったことが響きました。多くの有力なライダーをパスしていかなければならず、3位はあのMotoで自分にできる最高の成績でした。Moto2では素晴らしいスタートを決めることができたのですが、大きなクラッシュをして残念ながら完走できませんでした。痛みはかなりありますが、大丈夫です。これから休息をとって、新しいSMXレースでトップに戻れるように努力を続けます」
250MX
Monster Energy Yamaha Star Racing
ヘイデン・ディーガン選手談(2位/3位:総合2位)
「今日は自分が取り組んでいたことがうまくいきました。予選から集中し、Moto1は自分にとって厳しいものでした。2位に入れたのは良かったのですが、下田選手(カワサキ)をとられる力は、まだ自分にはありませんでした。モトの間に休息をとることに努め、Moto2には強気で臨みました。まずまずのスタートをして7番手につけて、その後3番手まで上がってフィニッシュし、総合2位になりました。望んでいた結果ではありませんけど、全体として、状況を考えれば総合2位には満足しています」
ジャスティン・クーパー選手談(13位/2位:総合4位)
「シーズン最後のレースは、浮き沈みの激しいものになりました。僕らにはタイトル獲得のチャンスがあったし、少なくともMoto2まではそれを進めたかったんですけど、ターン2の多重クラッシュに巻き込まれてしまいました。これはすごく残念でした。スタートから最後尾に追いやられてしまいました。可能な限り順位を上げようとしましたが、前が詰まっていました。そういうライダーたちの間をすり抜けて行くのはかなり大変でした。そして、13番手でフィニッシュを通過しました。Moto2はゲートはかなり悪い位置だったのですが、どうにかトップ10スタートができました。ライダーたちを捕え始め、2番手まで上がりました。優勝を目指してプッシュしましたけど、それはかないませんでした。全体としては良い最終レースでした。2番目のモトでのライディングはすごく良かったし、総合4位でレースを終えました。チームは素晴らしい仕事をしてくれましたし、バイクも素晴らしく機能しました。これかSMXの残り3レースに向けて準備を進めます」
スタイルズ・ロバートソン選手談(11位/11位:10位)
「問題ない一日でした。予選10番手で12/11位で総合10位。スタートは両モトとも良かったんですが、最初のモトはうまくライディングできませんでした。2番目のモトではスタートは良かったものの、転倒しているライダーと接触してしまって20位まで後退してしまいました。それから集団の中を抜けて追い上げて11番手まで挽回しました。最初のモトよりもずっと良いライディングができました。ミスをなくしてすべてをひとつの良いモトにまとめ上げることができれば良かったのですが、仕方ないです。身体は無事ですし、良いオフシーズンを過ごして来るべきスーパークロスに備える準備はできています」
ダクストン・ベニック選手談(20位/7位:12位)
「良い週末でした。予選はかなり良かったし、Moto1では最初のターンで上位にいたのですが、残念ながら多重クラッシュに巻き込まれてしまいました。最後尾まで落ちてしまいましたが、20番手まで追い上げました。2番目のモトでは10番手あたりでスタートして、8番手まで追い上げて、最終的に7位でした。2番目のモトにはすごく満足しています。僕のプロのキャリアのすごく良いスタートになりました。自分にとってこれはルーキーシーズンではなく、いわばウォームアップなんです。スーパークロスに移って、発言することを楽しみにしています」
リーバイ・キッチン選手談(7位/37位:総合15位)
「今日の始まり方には満足していますが、終わり方にはもちろん満足していません。今日は勝てる速さがあると感じていました。これからも取り組みを続け、SMXにはさらに強くなって戻ってきます」