AMAモトクロス
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Rd.01 5月27日 FOXレースウェイ
SUMMARY
Monster Energy Yamaha Star Racingのディラン・フェランディスが復帰し、カリフォルニア州パラのFOXレースウェイで開催されたAMAモトクロス選手権の開幕戦でポディウムフィニッシュを果たした。コースは高速レイアウトで路面にはわだちが多かったが、フェランディスはこの復帰初戦で、2回の3位フィニッシュで総合3位となり表彰台に立った。
250MXでは、ヘイデン・ディーガンが、Moto1で6位、続くMoto2では2位に入って総合2位となり、自身初の表彰台を獲得した。チームメイトのジャスティン・クーパーはMoto2のスタートでの遅れを挽回して総合5位(5-4)。新たにチームに加わったギエム・ファレスは好走して総合8位(8-5)に入った。リーバイ・キッチンも総合9位(10-7)と、ヤマハYZ250Fでトップ10入りを果たした。一方、アウトドア参戦は4年ぶりとなるジョードン・スミスは両Motoをそれぞれ13位、14位で終え総合13位となった。
RACE DATA
2023 AMAモトクロス選手権 第1戦FOXレースウェイ
開催日:2023年5月27日(土)
開催地:カリフォルニア州パラ
会場:フォックス・レースウェイ
REPORT
450MX
フェランディスがプロモトクロス開幕戦で表彰台獲得
フランス人ライダー、フェランディスは2020年250MXおよび2021年450MXというふたつのタイトルを獲得している。怪我からの復帰後、アウトドアスタイルのレースに慣れるためにバイクに乗る時間は限られていたが、タイトル獲得を重ねたフェランディスは、コースに出るやそんな不安材料を見せることはなかった。
まず予選を5番手で終えると、Moto1のスタートでうまく飛び出し、数ターン後には2番手につけた。7周目には3番手に後退したものの、好調なペースを維持するフェランディスは後続のライダーの猛追を抑えて3位でフィニッシュした。Moto2でも好スタートを見せると、そのまま3番手をキープしてチェッカーフラッグを受けた。この結果、フェランディスとヤマハYZ450Fは総合3位表彰台を獲得した。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、北カリフォルニアに向かい、サクラメント郊外のランチョ・コルドバで開催されるAMAモトクロス選手権の第2戦ハングタウン・クラシックに臨む。
250MX
ディーガンがプロモトクロスで2位フィニッシュ
AMAスーパークロスでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したディーガンは、その勢いのままにアウトドアに臨んだ。まず予選で6番手に入ると、30分+2周というフォーマットに備えた。Moto1のゲートが下りると、トップ10圏内につけるが、2周目にミスを犯して転倒し、14番手まで順位を落としてしまう。すぐに再走を果たすと猛プッシュ。6番手まで上がったところでチェッカーフラッグを受けた。
Moto2では好スタートを切り、オープニングラップを3番手で戻って来た。レースの大半でトップ集団と同じスピードを維持したディーガンは、9周目に先行するライダーが転倒したところで2番手に浮上。ペースを維持したディーガンは3番手のライダーに5秒の差をつけフィニッシュし総合2位、地元カリフォルニアの観衆から大きな喝采を受けた。
クーパーは朝のプラクティスセッションで最速タイムを記録して予選トップと、慣れ親しんだポジションを手に入れた。Moto1は8番手でスタートするが、思うようにレースを進めることができず5位。Moto2ではさらに良いスタートを目指したクーパーだったが、第1コーナーで周囲のライダーが転倒し、これに巻き込まれて20番手まで後退してしまう。それでもひるむことなく猛チャージで前を目指したクーパーは、4番手まで順位を上げてフィニッシュ。総合5位に入った。
ファレスは2022年のシーズン後半に代役として短期間チームに加わって2レースに参加。スペイン出身ののファレスはカリフォルニアのわだちが多く、ラフなフォックス・レースウェイを難なく走って見せ、予選で9位に入った。だがMoto1では思うようなスタートができず16位につける。レース全体を通して可能な限り順位を上げるべく力走するフェリスは、8番手まで上がったところでフィニッシュした。Moto2でははるかに良いスタートを見せたファレスは1周目を終えて4番手で戻って来た。その後5番手にシャッフルされたものの、最後まで速さを維持して走り抜き、5位でチェッカーフラッグを受け、総合8位となった。
AMAスーパークロス・シーズンを見事な2連続表彰台獲得で終えているキッチンは、プロモトクロス選手権開幕戦でも先頭集団を走ろうと意気上がる。予選を4番手と、自己ベストのひとつに数えられる結果で終えたキッチンだが、トップ10圏外となったスタートが、望む結果を得るための障害となってしまう。Moto1のスタートで13番手となったキッチンは、10番手まで追い上げてレースを終えた。続くMoto2ではわずかにスタートが改善して11番手につけると、さらに順位を上げて7位でフィニッシュ。総合9位となった。
最後にプロモトクロス・レースに参加したのが2019年6月1日と、ほぼ4年ぶりとなったスミス。予選セッションを順調に進めて13番手のタイムを記録すると、Moto1ではスタートで12番手につける。結局13位でレースを終えた。Moto2ではスタートで17番手となり、その後順位を上げるためハードなライディングを続けるが、数名のライダーが前に立ちふさがり、結局14位でフィニッシュ。総合13位となった。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、6月3日土曜日にサクラメント郊外のカリフォルニア州ランチョ・コルドバで開催されるAMAモトクロス選手権の第2戦ハングタウン・クラシックに臨む。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
ディラン・フェランディス選手談(3位/3位:総合3位)
「表彰台に上がるのはいつも良いものですが、今回はまったく期待していませんでした。予選では新しいシャシーとなったバイクにちょっと苦労しました。もう少し楽に走れるようにしたかったので、一日中これに取り組んでいました。それでバイクはセッションごとに良くなっていきました。開幕戦で僕が表彰台に立つと誰かが言ったとしたら、それは夢のような話だよ、と僕は答えたと思います。皆がすごくハードワークをしてくれたので、表彰台と好ポイント獲得というカタチでお返しできて良かったです」
250MX
Monster Energy Yamaha Star Racing
ヘイデン・ディーガン選手談(6位/2位:総合2位)
「間違いなく今日は良い一日でした。Moto1のスタートは良くなかったので、プッシュして8番手くらいまで上がったのですが、誰かと接触して転倒しました。それから6番手まで挽回しました。自分に速さがあることはわかっていました。Moto2ではスタートが良くなって2番手まで上がり、スムーズなライディングをして総合2位になりました。シーズンをすごく良いカタチでスタートできました」
ジャスティン・クーパー選手談(5位/4位:総合5位)
「全体的には良い一日でした。スタートが悪かったものの、バイクの感触は良かったのです。2番目のMotoは自分としてはかなり良かったです。20番手から追い上げて4位になりました。最後に前を行くライダーたちを捕えようとしたのですが、前に出るために多くのエネルギーを使ったため、及びませんでした。これは受け止めます。あとはスタートでの飛び出しを良くする必要があります。そうすれば勝利を目指して戦えます」
ギエム・ファレス選手談(8位/5位:総合8位)
「この最初のレースに満足しています。最終的に総合8位になりましたし、2番目のMotoでは5位でした。久し振りのレースで、かなり良い一日になったので、ここから成長していきたいと思っています」
リーバイ・キッチン選手談(10位/7位:総合9位)
「これまでで最高だったと思える予選で一日をうまくスタートできました。でも、両Motoのスタートが悪く、最初のMotoでは転倒してしまいましたが、速さはあると感じていました。ところがMoto 2では自分に速さがあるとは決して感じられませんでした。これから集中して、次の週末に焦点を合わせて行きます」
ジョードン・スミス選手談(13位/14位:総合13位)
「アウトドアのレースに戻れて良かったです。前にレースに出てから4年が経過しています。良く学習できた一日でした。望んでいたところには行けなかったのですが、多くのことを学ぶことができました。全体に、とても楽しめたし、シーズンを通して成長してゆくつもりです」