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レース情報

モトクロス世界選手権 MXGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.16 8月30日 オランダ

RACE DATA

■大会名称:2015年第16戦オランダGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年8月30日
■開催地:アッセン(コース長:1,520m)
■観客数:37,000人

REPORT

フェーブルがMXGP世界チャンピオンに

全18戦で争われるMXGP FIMモトクロス世界選手権の第16戦オランダグランプリがアッセンで開催された。ここで総合2位に入ったロマン・フェーブルは、11連続ポディウムフィニッシュを果たすとともに、フェーブルにとって初のまたヤマハにとっては2009年以来となるMXGP FIMモトクロス世界選手権最上級クラスでの王座獲得を決めた。このグランプリは23歳のフェーブルとYamaha Factory Racing Yamalubeの記憶に長く残ることになるだろう。

良く知られているアッセンのロードレース用施設に大量の砂が運び込まれ、わずか1週間に満たない期間で、短く、狭く、そして極めてラフなレイアウトのコースを設営するという大仕事が敢行された。トラックの基礎が固いことは時に判断が難しい場合があることを意味する。

土曜日に気を吐いたのはジェレミー・ファン・フォルベーク。ベルギー人ライダーのファン・フォルベークは、フリー走行で速さを見せつけ、計時予選でも激しくクラッシュしたにもかかわらず、そのペースと自信は衰えることがなかった。YZ450FMを駆って予選ヒートで2位に入ると、30分と2ラップで争われる日曜日の2つのヒートに照準を定めた。 一方、フェーブルはスタートの失敗を悔いたが、そのライディングと速さには満足し、予選ヒート4位に入った。

決勝は陽が差し込んで気温が上昇し、37,000人の観客(週末を通した総数)が詰めかけ、コース西側のセクションに沿って位置する巨大なグランドスタンドに陣取った。

第1ヒートはフェーブル、ファン・フォルベークともに第1コーナーでトップを奪うことはできなかった。フェーブルは攻めに出るが、地元のG・コルデンホフ(スズキ)が大きな“障害物”として立ちはだかる。両ライダーはともにM・ナグル(ハスクバーナ)を抜き去るが、フェーブルはコルデンホフをかわすことができない。結局5位でフィニッシュラインを通過。一方、タイトルを争うライバル、G・ポラン(ホンダ)は2位でレースを終えた。 ファン・フォルベークはオープニングラップを11位と出遅れ、そこから追い上げて7位でフィニッシュした。

選手権の残り2戦を待たずに第2ヒートでタイトル獲得を決めるには、フェーブルはポランの前でフィニッシュする必要があった。第1ヒートよりはるかに好スタートを決めたフェーブルは、2番手につけると、トップを行くE・ボブリシェブ(ホンダ)を追撃。そしてこれを捉えたフェーブルはレースをコントロール。ライバルのポランはトップ10内に埋もれており、4位まで上がるのが精いっぱい。フェーブルはそのままフィニッシュラインを通過して今季12回目のヒート優勝を示すチェッカーフラッグを受けた。

2015年の残るレースで得られる合計ポイントが100となる中、2位に102ポイントの差をつけたフェーブルのタイトル獲得が確定した。 ファン・フォルベークは一時、3位をめぐってこのグランプリで総合優勝したS・シンプソン(KTM)を追い上げるが、2度の軽い転倒により7位でフィニッシュするにとどまった。総合成績も選手権ランキングと同じ7位となった。

No.1プレートをめぐるMXGPの争いは終わり、フェーブルは残り2戦は気持ち的に楽に参加することができる。ファン・フォルベークはM・ナグル(ハスクバーナ)と20ポイントの7位。DP19 Yamaha Racingのダビッド・フィリッパーツはオランダ・グランプリ参戦を試みたが、左腕の負傷を先週のマントーバで悪化させてしまい、未だ充分に体力が回復していなかった。

あと2戦を残すのみとなったMXGPはこの後、大西洋を越えてメキシコのレオン、次いでカリフォルニア州グレンヘレンのローミー・ヒルへと向かい、2015年シリーズの18戦を終了する。

MXGP RESULT Race.1

順位 ライダー マシン 国籍 タイム
1 S・シンプソン KTM GBR 34'06.986
2 G・ポラン Honda FRA 0'07.820
3 E・ボブリシェブ Honda RUS 0'17.408
4 G・コルデンホフ Suzuki NLD 0'21.124
5 R・フェーブル Yamaha FRA 0'27.726
6 M・ナグル Husqvarna DE 0'33.041
7 J・ファン・フォルベーク Yamaha BEL 0'50.954
8 D・フェリス Husqvarna AUS 0'56.817
9 T・ウォータース Husqvarna AUS 1'04.682
10 T・ラットレイ Kawasaki ZAF 1'27.079
11 F・ベンツォン Honda SWE 1'30.722
12 N・ワトソン Husqvarna GBR 1'32.619
13 D・グァルネリ TM ITA 1'35.252
14 J・A・ブートロン KTM ESP 1'36.739
15 J・デウルフ Yamaha BEL -1 Lap
16 A・ハイデッケ KTM DE -1 Lap
17 J・デリンス Honda BEL -1 Lap
18 R・ゴンサルブス Husqvarna PRT -2 Laps
19 N・ラーセン Husqvarna DNK -2 Laps
20 M・ジスベルツェン Kawasaki NLD -2 Laps
21 K・ジェルカー Husqvarna SVN -2 Laps
22 山本鯨 Honda JPN -3 Laps
23 B・ブラール Honda BEL -3 Laps
24 S・エドモンズ Honda IRL -7 Laps
25 K・ウッツ KTM BEL -11 Laps
26 K・エングル Suzuki USA -12 Laps
27 L・マクレー Suzuki FRA -16 Laps

MXGP RESULT Race.2

順位 ライダー マシン 国籍 タイム
1 R・フェーブル Yamaha FRA 33'54.650
2 G・コルデンホフ Suzuki NLD 0'08.684
3 S・シンプソン KTM GBR 0'15.773
4 G・ポラン Honda FRA 0'20.569
5 E・ボブリシェブ Honda RUS 0'24.983
6 M・ナグル Husqvarna DE 0'26.774
7 J・ファン・フォルベーク Yamaha BEL 0'41.941
8 J・A・ブートロン KTM ESP 1'21.248
9 T・ウォータース Husqvarna AUS 1'25.816
10 J・デウルフ Yamaha BEL 1'30.051
11 D・フェリス Husqvarna AUS 1'35.858
12 N・ワトソン Husqvarna AUS 1'44.424
13 A・ハイデッケ KTM DE -1 Lap
14 K・ウッツ KTM BEL -1 Lap
15 D・グァルネリ TM ITA -1 Lap
16 J・デリンス Honda BEL -1 Lap
17 F・ベンツォン Honda SWE -1 Lap
18 R・ゴンサルブス Husqvarna PRT -1 Lap
19 S・エドモンズ Honda IRL -2 Laps
20 M・ジスベルツェン Kawasaki NLD -2 Laps
21 N・ラーセン Husqvarna DNK -2 Laps
22 K・ジェルカー Husqvarna SVN -2 Laps
23 山本鯨 Honda JPN -2 Laps
24 L・マクレー Suzuki FRA -3 Laps
25 B・ブラール Honda BEL -12 Laps
26 T・ラットレイ Kawasaki ZAF -15 Laps
27 K・エングル Suzuki USA -18 Laps

MXGP RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 R・フェーブル Yamaha 638
2 G・ポラン Honda 536
3 E・ボブリシェブ Honda 499
4 S・シンプソン KTM 437
5 A・カイローリ KTM 416
6 M・ナグル Husqvarna 414
7 J・ファン・フォルベーク Yamaha 394
15 D・フィリッパーツ Yamaha 185
33 J・デウルフ Yamaha 21
36 C・スーベイラ Yamaha 15
37 M・イルト Yamaha 13
40 P・F・ベルトゥッツオ Yamaha 12
45 M・ファンデルシュトレーテン Yamaha 9
47 P・コーツ Yamaha 7
58 A・スミス Yamaha 1

MXGP CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 646
2 KTM 628
3 Suzuki 616
4 Honda 609
5 Husqvarna 574
6 Kawasaki 369
7 TM 126

COMMENT

R・フェーブル選手談(5位/1位:総合2位)

「土曜日はゆっくり走り出したけど、予選では速さを示した。スタートさえうまく決めれば再びポディウムに立ち、ゴールに到達できることはわかっていた。ポラン(ホンダ)の前でフィニッシュすれば選手権を制することができることもわかっていた。第1ヒートではそれができなかったけど、第2ヒートのスタートはずっと良くて、皆をパスしてレースを制するとともに、2015年世界選手権も制することができた! 皆にいくらお礼を言っても言い足りない。チームはこんなに良い仕事をしてくれて、去年の冬に僕にチャンスをくれた。すごくうれしいよ」

J・ファン・フォルベーク選手談(7位/7位:総合7位)

「先ず何より、チームにとって良かったとよろこんでいる。我々は2年間に渡って成果を挙げた。昨年の僕と今回のロマンだ。今シーズンは僕にとっては良くなかったけど、どうということはない。誰でもそういうことはある。今日はまあまあというところだ。第1ヒートはまったく良くなくて、第2ヒートはそれより良かった。ショーン(シンプソン)と3位争いをして、バイクはスムーズに感じたけど、隆起した部分がトラックの裏手の方に押し流されていて、スライドしてしまった。バイクを起こして、ペースをつかもうとしてエネルギーをロスしてしまって、また転倒した。7位でナグルとポランを捉えていたけど、もうそれ以上はできなかった。ここのようなトラックでは、背中の怪我と筋肉の痛みがひどかったけど、これは弁解じゃないんだ。このチームにいて満足している。チームにとって今日は素晴らしい日だよ」

エリック・エゲンス、ヤマハ・モーターヨーロッパMXマネージャー

「素晴らしい! ルーキーイヤーにチャンピオンになるというのは非常に特別なことだ。彼にとっても、チーム、そしてヤマハにとっても素晴らしいことで、これは皆が一緒になってこそ成し遂げられることであり、彼らはそれをやってのけた。ロマンはシーズン中に進化して、すごく強かった。チームはライダーとともにバイクを進化させ、開発は続き、DNFもトラブルもなかった。チームには信頼性と安定性があり、今シーズンはとにかく素晴らしかった」

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