モトクロス世界選手権 MXGP

RACE DATA

■大会名称：2015年第1戦カタールGP
■カテゴリ：MXGP
■開催日：2015年2月28日
■開催地：ロサイル
■サーキット全長：1,700
■天候：ドライ

REPORT

2015年MXGP開幕戦でヤマハ・デュオが強力に発進

2015年FIM　MXGPモトクロス世界選手権開幕戦、カタール・グランプリが土曜日夜に開催された。このレースで、Yamaha Factory Racing Yamalubeのペア、ジェレミー・ファン・フォルベークとロマン・フェーブルがステディで期待を抱かせる走りを示し、ともにトップ6フィニッシュを果たした。 トリッキーな路面にYZ450FMで挑んだファン・フォルベークは、2014年の走りを再現し、総合成績で5位に入った。一方、新たにチームメイトとなったR・フェーブルも初めてのチーム、初めてのクラスにもかかわらず、見事6位入賞を果たした。

3年連続開催となるロサイル・サーキットは常設の強力な照明装置（420ユニット）を備え、グランプリで唯一のナイトイベントを可能にしている。 金曜日には湿った路面、塵を含んだ微風というコンディションがライダーを迎えたが、土曜日夜のレース時にはトラックは乾き、チャレンジングなバンプとわだちが揃って現れた。砂漠の風も穏やかになり、今年最初のレースには理想的なコンディションとなった。

ファン・フォルベークは金曜日、速さを示すもののそのリズムとペースに対してやや不安定さも見せていた。ヤマハ・ライダーとしてデビュー戦となった2014年のカタールGPはトップ5フィニッシュを果たしている。ヤマハ2年目の今年は、両ヒートともベストスタートとは行かず、慎重なライディングで安定したラップタイムを刻む走りを目指す。その走りのパフォーマンスは第2ヒートになるとさらに良くなり、トップ5フィニッシュを楽に再現することができた。

MXGPルーキーのニュースター、R・フェーブルはカタールでは走り出しからアグレッシブな走りで攻めに出た。フランス人ライダーのフェーブルは、自身にとって初めてのMXGPレースとなった金曜日の予選ヒートでYZ450FMを駆り、6位の好位置を得た。そして土曜日。その正念場で、フェーブルは印象的にミスのない走りを披露する。第1ヒート、早い段階で7位まで上がったが、S・シンプソン（KTM）を抜くのに手間取り、長くその後塵を拝し続けることになった。シンプソンがミスを冒したのを見逃さず、これをパスしたフェーブルは6位でフィニッシュラインを通過した。第2ヒートでも再びトップ10内中団を走行。AMAチャンピオンのR・ビロポート（カワサキ）に続いていたが、これをかわして7位でチェッカーフラッグを受けた。

DP19 Yamaha RacingのD・フィリッパーツは第1ヒートで10位に入るが、第2ヒートではホイールのトラブルからリタイアを余儀なくされ、総合成績で15位となった。フィリッパーツは金曜日に転倒を喫し、新しいWPサスペンションのセッティングもファインチューンを必要としていたものの、土曜日夜のレースに向けた自身のスピードとポテンシャルには満足していた。第1ヒート、元世界チャンピオンのフィリッパーツはプッシュし、トップ10内へと進出。その走りに満足していたが、第2ヒートへの参加を断念せざるを得なくなり、落胆を隠せなかった。

海外3連戦の初戦、カタールでの総合順位はそのままMXGPポイントランキングを形成する。ヤマハのMXGPチームは現在、次戦タイ・グランプリに向けて移動の準備を進めている。

COMMENT

J・ファン・フォルベーク選手談（5位／5位：総合5位）

「最初のGPで、あまりリラックスできなかったし、コースが不完全だったので良いセッティングを見つけるのに苦労した。こういうコースはまったく好きになれない。デザインはすごく良いけど深くて角のあるバンプがたくさんある。スタートにも手こずって、それがこの週末のカギだった。速さはあると思う。僕を引き離して行く連中とは違うけどね。第2ヒートの方が良くて、他のライダー達とのギャップは1周目から変わらなかった。前を行くライダー達を見ることができた。僕は悪い週末となるところを良い方向に変えたと思う。楽に走れなかったのだからね。だから昨年同様、来週は思い切りやる準備ができているよ」

R・フェーブル選手談（6位／7位：総合6位）

「スタートは良くなかったけど、それ以外はかなり良い初GPだった。第1ヒートの第1コーナーでは10位だったけど、7位まで上がった。S・シンプソンの後ろでスタックして、彼をパスするのがすごく大変だったよ。ゴールまで3、4周となったところで彼がミスを冒したので、そこで抜き去った。シャープなバンプがたくさんあって難しいコースだったので、このリザルトは良い。グリップは変化するし、バイクのフィーリングを掴むのが難しかった。第2ヒートはスタートが悪かったし、ダブルジャンプのところでミスを冒してほとんど転倒しかけた。すごくラッキーだったよ。何周にも渡ってビロポートの後ろに居て、それから彼をパスした。ビロポートを抜くのにエネルギーを使い過ぎたと思う。その後ストライボスを追うエネルギーが残っていなかったからね。いずれにしても新しいチーム、新しいバイク、新しいクラスで総合6位というのは有望だし、満足している」