モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月1日 カタール
RACE DATA
■大会名称:2014年第1戦カタール・グランプリ ロサイル
■カテゴリ:MXGP・MX2
■開催日:2014年3月1日
■開催地:ロサイル(コース長1,700m)
■周回数:第1ヒート=18周、第2ヒート=18周
■天候:曇り
■観客数:7,000人
REPORT
MXGP:ファン・フォルベークが2014 MXGP開幕戦カタールで5位
FIMモトクロス世界選手権開幕戦カタール・グランプリが中東ドーハでナイトレースとして開催された。ファクトリーマシン「YZ450FM」でのデビューレースとなったジェレミー・ファン・フォルベークはチャレンジングなロサイル・サーキットで力走。第1ヒート、第2ヒートでともに5位に入り、総合5位となった。
MotoGPが開催されるアスファルトのサーキットからすぐの距離にある高速で難しいサーキット、ロサイル。多くのライダーが450㏄ワークスマシンを駆るMXGPクラスのライダーたちにとっては過酷な開幕戦となった。
ファン・フォルベークは初めて2014年仕様のYZ450FMとともに登場した。好スタートこそを決めることはできなかったものの、30分と2ラップで争う両ヒートで素早い追い抜きを見せてトップ5へと上がった。上位グループの1分51秒、52秒台と、同等のペースで走行しており、抜け出すチャンスはほとんどなかった。
目を引くブルーのYZはファン・フォルベークを見事に引き立て、開幕戦の両レースを一貫した走りでまとめ、幸先良いシーズンのスタートを切った。
DP19 Racing Yamahaのデビッド・フィリッパーツは2012年以来、初めて乗るYZ450Fで自身の新しいチームから参加した。最上級クラスで9シーズン目をスタートするイタリア人ライダーのフィリッパーツだが、サスペンションのセットアップに若干の初期トラブルがあり、ロサイルのコースの特殊性への対応に手を焼くことになった。元世界チャンピオンのフィリッパーツは総合12位で開幕戦を終えた。
ルイ・ゴンサルビスはBike it Yamaha Cosworth陣営のYZ450Fを駆り出場したが、インフルエンザに苦しみ、今大会は総合18位で8ポイントを獲得するにとどまった。
MX2:アンスティに不運、GP初勝利を逃す
MX2クラスは、MX1と同様、ナイトレースとして行われた。このレースで、Bike it Yamaha Cosworthのマックス・アンスティがグランプリ初優勝を目前にしながら不運に見舞われてしまった。30分プラス2周で争われる両ヒートで、ともにトップを快走したアンスティだったが、メカニカルトラブルによりヤマハでの初勝利を逃すことになった。
冬の準備期間を経て、かつてないほど好調なアンスティは、YZ250Fに乗って高いモチベーションを示していた。第1ヒート、アンスティはJ・ブートロン(KTM)とD・フェランディス(カワサキ)を抜いてトップに躍り出ると、不運が襲うレース終盤までトップをキープ。第2ヒートでも同様に不運に見舞われて17位に後退するまで、トップを走り続けていた。それでも失意をエネルギーに変えたアンスティは、今シーズンのMX2で警戒すべき存在であることをライバルたちに見せつけた。
クリストフ・シャリエは今大会で総合10位に入った。シャリエも大きな不運に見舞われ、加えてスタートの出遅れにより両ヒートとも序盤に遅れて消化不良のレースとなった。第1ヒートでは序盤の転倒の後、追い上げて12位。第2ヒートではゴーグルに石が当たり、鼻から流血する事態となりながらも痛みに耐えて走りきり、9位に入る健闘を見せた。
ピーター・ペトロフは第1ヒートで好調ぶりを示し、序盤に見事なラップタイムを記録した。しかし目の前でライダーがクラッシュし、その影響で転倒。ペトロフは最後尾からの追い上げを強いられ、16位まで挽回したところでフィニッシュした。第2ヒートは、波打つようなバンプと固い路面に苦戦し、11位でレースを終え、総合13位となった。
FIMモトクロス世界選手権はこの後、タイに向かい、今週末シラチアで第2戦が開催される。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ナグル | Honda | GER | 34'57.925 |
2 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'01.942 |
3 | G・ポラン | Kawasaki | FRA | 0'07.827 |
4 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'15.643 |
5 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'26.612 |
6 | T・サール | Kawasaki | GBR | 0'31.196 |
7 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'33.585 |
8 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'34.386 |
9 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'34.597 |
10 | J・ローランツ | Honda | BEL | 0'50.077 |
11 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'51.142 |
12 | D・グァルネリ | TM | ITA | 0'51.863 |
13 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'07.548 |
14 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'09.526 |
15 | T・レオク | TM | EST | 1'28.636 |
17 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 2'05.582 |
20 | A・サベティファー | Yamaha | IRI | -1 Laps |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | G・ポラン | Kawasaki | FRA | 35'04.471 |
2 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'02.773 |
3 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'09.941 |
4 | M・ナグル | Honda | GER | 0'13.124 |
5 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'20.093 |
6 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'23.932 |
7 | T・サール | Kawasaki | GBR | 0'25.651 |
8 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'38.386 |
9 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 1'02.213 |
10 | J・ローランツ | Honda | BEL | 1'05.317 |
11 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'17.267 |
12 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'18.539 |
13 | X・ブー | Honda | FRA | 1'19.595 |
14 | T・レオク | TM | EST | 1'24.242 |
15 | M・カロ | KTM | LVA | 1'26.733 |
17 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 1'44.497 |
20 | A・サベティファー | Yamaha | IRI | -3 Laps |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | G・ポラン | Kawasaki | 45 |
2 | M・ナグル | Honda | 43 |
3 | A・カイローリ | KTM | 42 |
4 | S・フロサード | Kawasaki | 40 |
5 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 32 |
6 | T・サール | Kawasaki | 29 |
12 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 17 |
18 | R・ゴンサルビス | Yamaha | 8 |
22 | A・サベティファー | Yamaha | 2 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Kawasaki | 45 |
2 | Honda | 43 |
3 | KTM | 42 |
4 | Yamaha | 32 |
5 | Suzuki | 29 |
6 | Husqvarna | 17 |
7 | TM | 16 |
MX2 RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 33'53.328 |
2 | J・ハーリングス | KTM | NED | 0'00.329 |
3 | G・コルデンホフ | Suzuki | NED | 0'02.209 |
4 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 0'13.569 |
5 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'13.882 |
6 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 0'21.091 |
7 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'26.905 |
8 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'30.193 |
9 | V・ギヨ | KTM | CHE | 0'32.229 |
10 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'36.827 |
11 | A・ルピノ | Kawasaki | ITA | 0'36.689 |
12 | C・シャリエ | Yamaha | FRA | 0'40.940 |
13 | M・ポコック | KTM | GBR | 0'53.373 |
14 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 0'53.802 |
15 | M・デプレイ | Honda | FRA | 1'02.800 |
16 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 1'17.030 |
19 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | 1'28.982 |
20 | A・ルンドグレン | Yamaha | SWE | 1'42.714 |
MX2 RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 33'49.169 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'01.204 |
3 | T・コビントン | Kawasaki | USA | 0'07.646 |
4 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'09.683 |
5 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 0'10.437 |
6 | D・フェルナンディス | Kawasaki | FRA | 0'12.271 |
7 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'12.453 |
8 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 0'13.740 |
9 | C・シャリエ | Yamaha | FRA | 0'14.739 |
10 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'15.526 |
11 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 0'16.126 |
12 | G・コルデンホフ | Suzuki | NED | 0'18.414 |
13 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 0'30.613 |
14 | V・ギヨ | KTM | CHE | 0'31.901 |
15 | M・デプレイ | Honda | FRA | 0'34.734 |
17 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 0'52.340 |
MX2 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | 47 |
2 | D・フェランディス | Kawasaki | 40 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | 34 |
4 | A・トーニュス | Kawasaki | 33 |
5 | J.A・ブートロン | KTM | 31 |
6 | A・トンコフ | Husqvarna | 31 |
10 | C・シャリエ | Yamaha | 21 |
13 | P・ペトロフ | Yamaha | 15 |
20 | M・アンスティ | Yamaha | 4 |
21 | M・クリングシェイム | Yamaha | 2 |
22 | A・ルンドグレン | Yamaha | 1 |
MX2 CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Kawasaki | 47 |
2 | KTM | 47 |
3 | Husqvarna | 34 |
4 | Suzuki | 29 |
5 | Honda | 24 |
6 | Yamaha | 21 |
COMMENT
MXGP:J・ファン・フォルベーク選手談(5位/5位:総合5位)
「今日はとてもしっかりやれて、グランプリに満足している。今回はスタートでミスをおかした。自分の前にいた4選手とほぼ同じスピードで走っていたけれど、このコースでは速く走るのはほとんど不可能だった。バイクはセットアップ次第で本当に素晴らしい走りをしてくれる。これはシーズン残りのレースを考えるとすごいことだ。最初のレースが終って、自分の居る位置を理解している。それはトップに近いところだ。スタートについてあとほんの少し改善できれば、表彰台は遠くない」
MXGP:D・フィリッパーツ選手談(13位/11位:総合12位)
「難しいレースだった。とてもハードだったよ。コースは奇妙だった。一部のところはとても滑りやすく、他のところはすごくトラクションがかかっていた。それに第2ヒートでは小さなバンプがたくさんできていた。今夜はうまくライディングできなかった。最良のセットアップができていないので、サスペンションについてもっと詰めなければならない。ここに来るためにハードにプッシュしてきて、結果はついて来ていないけど、あと17戦残っているんだ。トップに近づくためにね」
MX2:C・シャルリエ選手談(12位/9位:総合10位)
「ハードな夜だった。このコースは追い抜きが難しいし、今日はスタートが良くなかったのでチャンスはあまりなかった。それに運も僕に味方しなかった。第2ヒートでは石が顔に当たって出血してしまい、立ち直るのに時間がかかった。いずれにしてもシリーズはとても長いし、もっといい日があることは間違いない」
MX2:P・ペトロフ選手談(16位/11位:総合13位)
「結果には満足していないけど、速さはあることをなんとか示すことができた。第1ヒートでは最速ラップで4位となるタイムを記録することができたので良かった。第2ヒートでは追い抜きがすごく難しく、コルデンホフに追いつくのに時間がかかり、レースは終わってしまった。このことはスタートがいかに重要かを示している。来週のタイのレースではコースがラフなことを期待する。その方が僕に合っているし、徹底して速いレースになるからね」
MX2:L・スタイク選手談(25位/-:総合-位)
「ウイルスに感染してしまい、それと苦闘していた。自分にできることはやったけど10分もすると苦しくなってしまい事態をしっかりと把握することができなくなり、走り続けるのが危険になった。医師に診てもらったけど、回復には時間がかかるようだ」