全日本トライアル選手権 IAスーパー

RACE DATA

■大会名称：全日本トライアル選手権第5戦北海道大会
■開催日：2006年8月6日
■開催地：北海道／わっさむサーキット
■競技：10セクション×3ラップ
■持ち時間：5時間
■最多クリーン数：小川友幸（ホンダ）25
■観客数：1,300人　■天候：晴れ時々曇り　■気温：28度

REPORT

黒山が3戦連続で2位を獲得！
野崎は4スト初の3位表彰台

第4戦近畿大会やトライアル世界選手権・日本GPから2カ月以上のインターバルをおいて開催された第5戦。その間の選手たちの上達やマシンの仕上がりが試されることになるが、とくにヤマハ＆スコルパ（ヤマハエンジン使用）の4ストローク・マシン開発の進み具合や夏場の乗り込みの成果が注目された。競技はモトクロス場の斜面や岩場を利用して作られた10セクションを3ラップして争われ、国際A級スーパークラスは8人が出走した。

黒山健一は、2ストローク・マシンでは開幕2連勝したものの、4スト・SY250Fに乗りかえた第3戦からは2戦連続2位となっていた。今回は1ラップ目の第1セクションから失敗してリアホイールを破損するなど苦しい戦いとなったが、2、3ラップ目は調子を上げて2位を獲得した。ランキングでは今回勝って3連勝した小川友幸（ホンダ）に3ポイント差をつけて、黒山がトップを守っている。

DOHCエンジン搭載のTYS250Fに乗る野崎史高は、1ラップ目は小川と黒山に続く3番手につけた。しかし、1ラップ目の第9セクションで減点5とすると、その後は調子が狂い、4連続減点5となって2ラップ目に田中太一（ホンダ）に逆転され4番手に後退する。しかし、3ラップ目に調子を取り戻した野崎は田中を再度逆転に成功。第4戦の5位を大きく上回り、4ストロークでは初となる待望の3位表彰台を獲得した。

成田匠のマシンは、熱対策を考慮したというアルミ製の燃料タンクが注目を集めた。ところが1ラップ目は早いスタート順で走行ラインができていない不利もあってか、8番手と出遅れてしまう。2ラップ目も8番手に甘んじていたが、3ラップ目に尾西和博（ホンダ）を逆転して7位に浮上しレースを終えた。

COMMENT

野崎史高選手談（3位）

「バイクにだいぶ乗り込んでいい感じだったけれど、後輪タイヤがパンクしたり、もったいない減点5がかなりあった。1ラップ目第9セクションの採点（セクションマーカーに触れていないはずが、触れたということで減点5になった）が納得できなくて、そこで1時間近く時間を費やしてしまった。それがなければもっと上にいけたと思うけれど、バイクも体もかなり良い状態に仕上がってきているので、あとは自分次第。4ストロークになって初めての表彰台に上がれたので、次もどんどん上をめざして頑張りたいと思います」

成田匠選手談（7位）

「このマシンをテストしたスコティッシュ6日間トライアルとは違って、全日本は止まっている時間が多いので、エンジンの熱が燃料タンクの下にこもりやすくなります。そこでアルミ製の燃料タンクにして、熱がうまく逃げるような形状にしています。燃料タンク容量もスタンダードと同じくらいです。軽量化にもなり、乗っている時の重心の位置も低くなって、燃料タンクを変えた成果を感じています」

黒山健一選手談（2位）

「今日は1ラップ目の第1セクションで肩を脱臼して、すごい痛みに襲われて調子が狂ってしまいました。このところ小川選手は絶好調なので、以前のようなミスはなかなかしてくれないですから、あの時点で勝てないと思いました。マシンはまだ完成していなくて体の調子もすごく悪いですが、それでも不幸中の幸いというか2位に入れたので良かったと思います。一応ランキングトップを守っているので、残り3戦でトップを死守してチャンピオンを取りたいと思います」